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○アルコール含有医薬品に対する酒税法の適用について

(昭和三八年四月一八日)

(薬発第一九四号)

(各都道府県知事あて厚生省薬務局長通知)

標記については、昭和二八年七月四日間酒一―八三「アルコール含有医薬品に対する酒税法の適用について」に基づき、昭和二八年七月二七日薬発第二六九号薬務局長通知をもつて指導方を煩わしてきたところであるが、近時アルコール含有医薬品の増加にかんがみ、酒税法適用上の疑義が生じてきたので、昨年来国税庁間税部と種々協議を重ねた結果、「酒類として取り扱わないもの」が明確にされその他の取り扱いについても了解がなり、今般別添国税庁長官通達が出された旨別紙のとおり国税庁長官より通知があつたので、当該通達の内容について了知のうえ、遺憾のないよう管下医薬品製造業者(輸入販売業者を含む)を指導されたい。

おつて、アルコール含有医薬品に対する酒税法の適用について(昭和二八年七月二七日薬発第二六九号薬務局長通知)は廃止する。

別紙

アルコール含有医薬品に対する酒税法の適用について

(昭和三八年三月二八日)

(間酒二―三三厚生省薬)

(務局長あて国税庁長官)

(通知        )

標題について、別紙のとおり各国税局長および各税関長あて通達しましたので、これが通達の円滑なる実施方について何分よろしくお願いします。

なお、貴局において薬事法の規定により製造許可(既に製造許可を与えたものについて、一部変更承認をしたものを含む。)を与えたもののうち、別紙通達の1の(2)のイまたはロに該当しないため酒類となるもの(1の(3)に該当するものを含む。)については、従来どおり当庁あて通達をいただきたく、また同通達の1の(3)に該当すると認められるものについては、製造許可を与える前に当庁あて御連絡いただきたくあわせお願いします。

別紙

アルコール含有医薬品に対する酒税法の適用について

(昭和三八年三月二八日)

(間酒二―三二国 税 局)

(長・官各税関長あて国)

(税庁長通知     )

酒税法(昭和二八年法律第六号)の規定上は、アルコール含有医薬品であつても、飲用に供することができ、かつ、アルコール分が一度以上であるものは、すべて酒類に該当することとなるが、その使用のおもな目的が全く医療のためのものまで酒類として酒税法を適用することは当を得ないものもあると考えられるので、これが取扱については、従来から昭和二八年七月四日付間酒一―八三「アルコール含有医薬品に対する酒税法の適用について」(昭和二八年五月二三日付薬発第一八五号厚生省薬務局長照会に対する国税庁長官回答、以下「旧通達」という。)により処理しているところであるが、最近におけるアルコール含有医薬品の消費状況にかんがみ、これが取扱をより明確にする必要があるので、昭和三八年四月一日以降は旧通達を廃止することとし、同日以後アルコール含有医薬品に対する酒税法上の取扱は、左記によることとしたから、関係業者をよろしく指導されたい。

なお、この通達実施前に厚生大臣から製造または輸入の許可を受けているアルコール含有医薬品であつて旧通達により酒類として取扱つていないもので、この通達により酒類となるものについては、酒税法による免許の付与等の手続関係もあるので、本年九月末日までは従前のとおり取り扱うこととし、本年一〇月一日以降に酒類の製造免許を受けた製造場から移出するものまたは保税地域から引き取るものに対してこの通達を適用することとするから遺憾のないようにされたい。

おつて、この通達の内容に関しては、厚生省薬務局とも協議済であるから申し添える。

1 酒類として取り扱わないもの

薬事法(昭和三五年法律第一四五号)の規定により、厚生大臣から製造(輸入販売を含む。)の許可を受けたアルコール含有医薬品で、次に掲げるものは、アルコール分が一度以上であり飲用に供することができるものであつても、しいて酒類としては取り扱わないものとする。

(1) 日本標準商品分類による医薬品分類において、「ホルモン剤、ビタミン剤、滋養強壮変質剤、その他の代謝性医薬品」に該当しないもの。

(2) 「ホルモン剤、ビタミン剤、滋養強壮変質剤、その他の代謝性医薬品」に該当するもののうち、次に掲げる状態で市販することを目的として製造するもの。ただし、二種類以上の容量の容器(通常の市販に使用される容器をいう。)に収容した同一の成分規格および品名のアルコール含有医薬品を製造場から移出する場合または保税地域から引き取る場合であつて、その一部は次のイまたはロに該当するものであるが、他の一部にイおよびロに該当していないものがあるときは、当該アルコール含有医薬品の全部がイおよびロに該当しないものとする。

イ 一容器に収容する容量が二〇ml以下であるもの。

ロ 一容器に収容する容量が二〇mlをこえ一〇〇ml以下のものであつて、かつ、そのアルコール分(酒税法第三条第一号に規定するアルコール分をいう。)が三度以下であるもの。

(3) 「ホルモン剤、ビタミン剤、滋養強壮変質剤、その他の代謝性医薬品」に該当するもののうち、その使用目的が全く医療のためであつて、用法用量を誤るときは有害な副作用を伴うもの、または客観的にみて如何なる方法によつても嗜好飲料として供用される虞れのないもので、国税庁長官が酒類として取り扱うことは適当でないと認めたもの。

2 酒類以外のアルコール含有医薬品を製造する場合の原料用酒類またはアルコール

酒類としては取り扱わないアルコール含有医薬品を製造する場合において、その原料として使用するアルコール、果実酒等は、酒税法の規定により酒税が課せられたものまたはアルコール専売法(昭和一二年法律第三二号)の規定の適用を受けて製造し移出したものを使用させるものとし、酒税法またはアルコール専売法に違反して製造しまたは移出された酒類もしくはアルコールであることを承知して原料として使用したアルコール含有医薬については、1の(2)または(3)に該当するものであつても1の規定にかかわらずすべて酒類として取り扱うこととすること。

3 酒類以外のアルコール含有医薬品についての商品名

1により酒類としては取り扱わないアルコール含有医薬品については、その商品名として酒税法に規定されている種類または品目もしくはこれに紛らわしい名称を使用しないように指導すること。

4 酒類であるアルコール含有医薬品に対する酒類の製造免許の取扱

酒類であるアルコール含有医薬品(以下「薬用酒」という。)を製造しようとするときは、酒税法第七条((酒類の製造免許))の規定により、酒類の製造免許を必要とするが、厚生大臣が薬事法の規定により製造の許可を与えたアルコール含有医薬品についての免許の取扱は、別に定める製造免許取扱要領によるほか次によること。

(1) 製造見込数量が、酒税法第七条第二項に規定する法定制限数量に満たないことが明りような場合であつても、酒税法第一〇条((免許の要件))の規定に該当していない場合においては、一応製造見込数量を果実酒類またはリキュール類等の法定制限数量である六klとして免許してもさしつかえないこと。

(2) 免許に際しては、「製造する酒類は、薬事法の規定により厚生大臣より製造の許可を受けたアルコール含有医薬品に限る。」旨の範囲の条件を付けること。

(3) 三年以上引き続き酒類の製造数量が、酒税法第七条第二項に規定する数量に達しない場合であつても、このことだけを理由として製造免許の取り消しは行なわなくてもさしつかえないが、三年以上引き続き酒類を製造しない場合は、原則として免許を取り消すこと。

5 薬用酒に対する酒類の販売業免許の取扱

薬用酒を販売しようとするときの酒税法第九条((酒類の販売業免許))の規定による販売業免許の取扱については、昭和三八年一月一四日付間酒二―二「酒類の販売業免許等の取扱について」通達の別冊「酒類販売業免許等取扱要領」(以下「販売業免許取扱要領」という。)の第一の一三((薬用酒の販売業免許の取扱))の規定により、薬用酒の輸入販売業者および薬用酒の製造者または輸入販売業者と直接取引を行なう卸売業者については必要とするが、酒類販売業免許を受けている薬用酒の卸売業者から薬用酒を仕入れる卸売業者および薬用酒の小売業者については、しいて免許を受ける必要はないものとして取り扱うこととなつているから留意すること。

(注) 前記により薬用酒の中間卸売をしようとする者および小売をしようとする者については、酒類の販売業免許は必要としないこととなるが、この免許を必要としない者であつても、薬用酒を販売する者は酒税法第四六条((記帳義務))に規定する記帳義務があることとなるから留意を要する。

6 薬用酒に対する酒類の種類等の表示の取扱

酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律(昭和二八年法律第七号)第八六条の五((酒類の種類等の表示義務))の規定は、当然に薬用酒についても適用されるものであり、薬用酒の容器および包装に対する酒類の種類等の表示についても、昭和三五年八月一日付間酒六―一四八「「酒類の種類等の表示に関する承認等の取扱について」通達の全部改正について」通達(以下「表示通達」という。)により取り扱うこととなるが、容量が一〇〇ミリリットル以下である薬用酒についての表示は、表示通達に定めている表示の方法、表示する場所および表示する文字の大きさ等については、前記通達に定める基準にかかわらず、当該容器または包装に応じた適宜な方法によることを認めてもさしつかえないこと。

なお、容器の容量の表示については、現に薬事法の規定による容量の表示を「cc」単位で行なつているものについては、当分の間は表示通達の規定にかかわらず「cc」単位で表示してもさしつかえないものとする。

(注)イ すなわち、容量が一〇〇ミリリットル以下である薬用酒については、次に掲げる事項が、その容器または包装の適宜の場所に、適当な大きさの文字で表示されておれば足りるものである。

(1) 製造者の氏名または名称

(2) 製造場の所在地

(3) 容器の容量

(4) 当該酒類の種類別、品目別または酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律施行規則(昭和二八年大蔵省令第一一号)第一一条の八((種類の例外表示))に定める呼称(たとえば、薬用酒、薬味酒、リキュール類、薬剤甘味果実酒、薬用甘味果実酒、甘味果実酒)

(5) 酒税法の種類区分上リキュール類となるものについてはエキス分およびアルコール分、その他のものについてはアルコール分

ロ 酒類の種類別または品目別の表示方法については、表示通達に定めるところにより国税庁長官または国税局長の承認を必要とするものである。

ハ 以上の取扱は、将来表示通達の改正の際に同通達の規定を改正する見込である。

7 薬用酒となるアルコール含有医薬品の通知等

昭和三八年四月一日以後に厚生大臣が製造許可するアルコール含有医薬品のうち、1の(2)のイまたはロに該当しないため薬用酒として取り扱うこととなるものについては、その製造承認許可事項について厚生省薬務局より当庁あてに通報を受け、その旨を関係国税局に通知する。この場合において、当該通報を受けた医薬品のうち1の(3)の規定を適用させる必要があると認められるものについては、厚生省の意見を徴したうえ薬用酒として取り扱うか否かを国税庁長官が決定し、その結果をあわせて通知することとする。

(注) この薬用酒に対する酒類の製造免許については、将来製造免許取扱要領を改正する際に、税務署長限りで処理することに改める見込みである。

8 経過措置

(1) 新たに酒類として取り扱うこととなるアルコール含有医薬品の調査および報告

現在酒類として取り扱つていないアルコール含有医薬品のうち、1の(1)または(2)のイもしくはロに該当してないもの(以下これを「課税対象アルコール含有医薬品」という。)については、国税庁においても厚生省薬務局(地方所管官庁は各都道府県の薬務主管課)を通じて調査する見込であるが、各税務署においても、所得税課、法人税課と連けいをとつて、アルコール含有医薬品を製造している製薬業者について課税対象アルコール含有医薬品の有無を本年四月一日現在において調査し、別紙様式により、本年四月一五日(月)までに国税局に報告するものとし、各国税局は、その内容を検討のうえ、同様式にとりまとめて本年五月一五日(水)までに当庁に必着するように報告すること。

(2) 薬用酒とすることが適当でないと認められるものについての上申

課税対象アルコール含有医薬品のうち、1の(3)の規定を適用することにより、本年一〇月一日以降も従前どおり薬用酒としては取り扱わないことが適当であると国税局長が認めるものについては、その医薬品の名称および医薬品の分類区分、厚生大臣からの製造の許可年月日、規格(アルコール分、エキス分)、容器の容量および形態、製造者の住所および氏名または名称、発売元があるときはその住所および氏名または名称、製造場の所在地、当該医薬品についての製造承認事項の大要(成分および分量または本質、製造方法、用法および用量、効能または効果)、過去一か年間の販売実績および今後一か年間の販売見込数量ならびにこれが取扱についての国税局長の意見を付けて、本年五月三一日(金)までに国税庁長官に上申すること。

(注) (2)により上申を受けたものについては、厚生省の意見を徴したうえ、大体七月末日までには1の(3)に該当するものであるか否かを国税庁長官が決定し、その結果を国税局長に通報する見込みである。

(3) 新たに酒類として取り扱うことになるアルコール含有医薬品に対する酒類製造免許の取扱

現在酒類として取り扱つていないアルコール含有医薬品で、この通達の実施により本年一〇月一日以降は新たに酒類として取り扱うこととなるもの(以下これを「新規課税対象薬用酒」という。)を製造している者は、本年一〇月一日以降は製造場ごとに酒類の製造免許を受けなければ引き続き当該薬用酒を製造することはできなくなるものであるが、これらに対する酒類の製造免許手続は次により処理すること。

イ 免許申請書は、できるだけ六月三〇日((2)の規定により上申となつたものについては八月三一日)までに提出するように指導すること。

ロ 免許申請書に添付する書類は、酒税事務規程に定めるところにかかわらず必要最少限度にとどめる等、免許手続についてはできるだけ簡略するように考慮すること。

ハ これらに対する免許は、製造免許取扱要領に定めるところにかかわらず、税務署長限りで処理することとし、過去三か年間に当該物品の製造実績を有している製造場に対しては、4の(2)に定める範囲についての免許条件を付けて、当該医薬品が該当する酒類の種類(品目のある種類の酒類については、品目)の免許を与えること。

(注) 免許の期間および数量の条件は付ける必要がないこと。

ニ 免許の日は、昭和三八年一〇月一日とすること。

(4) 新規課税対象薬用酒に対する酒類販売業免許の取扱

新規課税対象薬用酒を卸売しているため、本年一〇月一日以降は、5に定めるところにより新たに酒類販売業免許を必要とする販売場に対しては、販売免許取扱要領の第二の3の(3)((薬用酒の卸売業に対する特例))に定めるところにより処理することとなるが、この免許処理についても免許手続をできるだけ簡略するように考慮し、販売業務に支障をきたさないように免許を与えること。

別紙様式