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○医薬部外品等の取扱いについて

(昭和三七年九月六日)

(薬発第四六四号)

(各都道府県知事あて厚生省薬務局長通知)

標記については、昭和三七年五月八日薬製第六三号をもつて、旧薬事法(昭和二三年法律第一九七号)により製造又は輸入販売の許可を受けた医薬品であつて新薬事法(昭和三五年法律第一四五号。以下「法」という。)による医薬品又は医薬部外品のいずれに該当するか明確に決定し難い品目について照会するよう通知したが、照会のあつた各事例を検討のうえ、左記により取り扱うこととしたから了知されたい。

なお、製造業及び輸入販売業の許可更新に伴うこれらの品目の取扱いについては遺憾のないよう御配意願いたい。

第一 医薬部外品として取扱うべき品目に関する一般的留意事項

1 当該品目が次に掲げるものでないこと。

(1) 毒薬又は劇薬に相当するもの

(2) 純品

2 当該品目の効能又は効果は、「薬事法の施行について」(昭和三六年二月八日薬発第四四号薬務局長通知。以下「施行通達」という。)及び「医薬部外品を指定する告示の一部改正について」(昭和三六年一一月一八日薬発第四七〇号薬務局長通知。以下「第四七〇号」という。)に掲げられた効能又は効果及び第二に掲げる効能又は効果(これらの効能又は効果と同様と認められる表現を含む。例えば、「制汗」を「あせどめ」と表現替えすることは支障がない。)の範囲内であること。

なお、第二の2、3及び10に掲げる腋臭防止制、てんか粉類及び薬用化粧品にあつては、当該品目の成分及び分量又は本質並びに用法及び用量からみて、妥当と認められる場合には、第二の2、3及び10に掲げる効能又は効果をあわせ有するものも、医薬部外品として取扱うこと。

例えば、法第二条第三項に規定する使用目的のほかに、にきび、肌荒れ、かぶれ、しもやけ等の防止又は皮膚若しくは口こうの殺菌、消毒に使用されることもあわせて目的とされている物(第二の10に掲げるいわゆる薬用化粧品)に相当する成分及び分量又は本質を有するものは、「にきび、しもやけ」のほか、第二の2に掲げる体臭の防止を目的とする医薬部外品に認められている「皮膚汗臭」をあわせて効能又は効果とするものについては医薬部外品としての適当な効能又は効果を有するものとして取扱つて支障がないが、第二の2、3及び10に該当しない浴用剤に認められている「水虫」等の効能をあわせ有する場合は、当該品目を医薬品として取扱うこと。

なお、効能又は効果として「治療」という記載があるものは、医薬部外品とは認められないこと。

3 当該品目の成分及び分量又は本質が医薬部外品としての範囲をこえているものについては、その効能又は効果の如何にかかわらず、すべて医薬品として取り扱うこと。

4(1) 当該品目の成分及び分量又は本質が医薬部外品として認められる範囲内のものであつても、効能若しくは効果又は用法及び用量が医薬部外品としての範囲をいつ脱しているものについては、当該効能等に関し、医薬部外品製造又は輸入承認事項一部変更申請を行ない、効能等が医薬部外品として適当な範囲に変更されない限り、医薬品として取扱われるものであること。ただし、当該品目の効能等の大部分が医薬部外品として認められるものであつて、一部分が医薬部外品の範囲をいつ脱しているに過ぎないものについては、当該効能等に関して、医薬部外品製造又は輸入承認事項一部変更承認申請を行つて、医薬部外品とするよう指導すること。

なお、これらの医薬部外品製造又は輸入承認事項一部変更承認申請は、一〇月三一日までに行なうようあわせて指導すること。

(2) (1)により医薬部外品製造又は輸入承認事項一部変更承認申請を行なつた場合における医薬部外品製造業又は輸入販売業許可更新申請書に添付する製造又は輸入販売許可品目表の記載については、販売名の下に「(〇年〇月〇日承認事項一部変更承認申請中)」と付記すること。

5 浴用剤については、現在浴用剤として承認されている品目の成分及び分量又は本質並びに用法及び用量からみて、医薬部外品として取り扱うことが妥当であると考えられるので、これらの品目の取扱いについては、特に上記の趣旨を考慮されたいこと。

6 医薬部外品の取扱いについてはこの通知によるほか「施行通達」「医薬部外品及び医薬品の製造又は輸入承認について」(昭和三六年七月一七日薬発第二八七号薬務局長通知。以下「第二八七号」という。)及び「第四七〇号」の該当部分によられたいこと。

第二 目的別医薬部外品それぞれの取扱いの留意事項

1 吐きけその他の不快感又は口臭の防止を目的とするもの(口中清涼剤)

剤型

原則として丸剤であること。

2 体臭の防止を目的とするもの(腋臭防止剤)

(1) 成分及び分量又は本質

従来、医薬品として承認されたこの種の製剤には、医薬部外品として特に支障を認められるものはないが、ホルモン等の配伍については、薬用化粧品の項に掲げる配伍基準によること。

(2) 剤型

従来、医薬品として認められている剤型であれば支障がないこと。

(3) その他

内服による体臭の防止を目的とするもの(例えば、クロロフィリンを含有する錠剤。)は、医薬品として取り扱うこと。

3 あせも、ただれ等の防止を目的とするもの(てんか粉類)

(1) 成分及び分量又は本質

第二の2の(1)によること。

(2) 剤型

原則として外用撒布剤であること。

4 脱毛の防止及び育毛を目的とするもの(育毛剤)

(1) 成分及び分量又は本質

第二の2の(1)によること。

(2) 剤型

原則として液剤であるが、従来、医薬品として認められている剤型であれば支障がないこと。

5 除毛を目的とするもの(除毛剤)

(1) 剤型

原則として軟こう剤であるが、従来、医薬品として認められている剤型であれば支障がないこと。

6 人又は動物の保健のためにするはえ、蚊、のみ等駆除又は防止を目的とするもの(殺虫剤)

(1) 成分及び分量又は本質

「施行通達」記第一の2の(4)及び「第二八七号」記第一の3及び4によること。

なお、成分及び分量又は本質中に、DDVP等の有機りん製剤を含む殺虫剤は、その剤型が誘引殺虫剤に該当する場合を除き、すべて医薬品として取り扱う趣旨であるから特に留意すること。

7 人又は動物の保健のためにするねずみの駆除又は防止を目的とするもの(殺剤)

(1) 成分及び分量又は本質

第一の1に特に留意すること。

8 浴用剤

(1) 効能又は効果

「施行通達」記第一の2の(7)に掲げるもののほか、適当と認められるものは次のとおりであること。

「疲労回復、ひび、あかぎれ、ひぜん、かいせん、産前産後の冷え症、にきび、吹出物」

(2) その他

医薬部外品である浴用剤は、原則としてその用法が浴槽中に投入して使用するものに限られるので、用法として前記用法のほかに内服、塗布又はあん法等通常医薬品としての用法があわせて記載されているものについては、医薬品として取り扱うこと。

9 染毛剤及びパーマネント、ウエーブ用剤

「第四七〇号」によること。

10 法第二条第三項に規定する使用目的のほかに、にきび、肌荒れ、かぶれ、しもやけ等の防止又は皮膚若しくは口こうの殺菌に使用されることもあわせて目的とされている物(薬用化粧品)

(1) 成分及び分量又は本質

薬用化粧品であつて次表左欄に掲げる成分を含有するものの配伍については、同表右欄に示す基準によること。

(2) 効能又は効果

「第四七〇号」に掲げるもののほか、「吹出物、ひび、あかぎれ」を適当なものと認めて差支えないこと。

なお、薬用歯みがき類については、前記通知に掲げるもののほか、「タバコのやにの除去」を適当なものと認めて差支えないこと。

(3) その他

薬用化粧品は、法第二条第三項に規定する使用目的を有することが必要な条件であり、前記使用目的を有するかどうかは、効能又は効果並びに用法及び用量によつて明らかとすることが必要であつて、効能又は効果並びに用法及び用量の内容からみて、法第二条第三項に規定する使用目的が存在しないと認められるものは、医薬品として取り扱うこと。

例えば、従来、医薬品の効能として認められていた「しもやけ、ひび、あかぎれ」という効能のみを有し、かつ、「一日数回一回〇gあて患部に塗布する。」等の用法及び用量を有する場合は、当該品目を医薬部外品として取り扱わないこと。

成分名

配伍基準(製品100gは100ml中)

ア ホルモン

頭部、粘膜部又は口腔内に使用する場合

その他の場合

エストラジオール及びそのエステル

0.8mg以下

2.0mg以下

エストロン

4.0mg以下

10.0mg以下

エチニルエストラジオール

0.4mg以下

1.0mg以下

ジエチルスチルベストロール

2.0mg以下

5.0mg以下

ヘキセストロール

2.0mg以下

5.0mg以下

その他の卵胞ホルモン

エストロンとして4.0mg以下

エストロンとして10.0mg以下

 

(なお、上記成分を2以上混合した製剤にあつては、それぞれの最大配伍基準量で除した数値の合計が1以下であること。)

イ 腎皮質ホルモン

 

コルチゾン及びそのエステル

2.5mg以下

ハイドロコルチゾン及びそのエステル

1.6mg以下

プレドニゾン

0.61mg以下

プレドニゾロン

0.5mg以下

9-α―ハイドロフルオロコルチゾン

0.25mg以下

 

(なお、上記成分を2以上混合した製剤にあつては、それぞれの配伍量をそれぞれの最大配伍基準量で除した数値の合計が1以下であること。)

ウ 及びイの欄に掲げたホルモン以外のホルモン

配伍を認めない。

エ ルファアミド及びその他誘導体

配伍を認めない。

オ モスファミン

1g以下

カ タミン剤

ビタミンL1、及びビタミンL2の配伍を認めない。

その他のビタミンは常用の用法及び用量の限度において配伍を認める。

キ 腐殺菌剤

水銀系化合物及びホルマリンの配伍を認めない。

ク ンタリスチンキ

1ml以下

ケ 光素

 

4.4′・4″―トリメチル―3.3′・3″―トリヘプチル―7―チアゾールートリメチンチアゾロシアニン―3.3″―ジョージトK19)

常用の用法及び用量の限度において配伍を認める。

4.4′―ジメチル―3.3′―ジヘプチル―2.2′―モノメチン―チアゾロシアニン―ヨージト(NK266)

2―オメガ―〔5′―ブロムピリシル―(2′)―アミノ〕―ビニル―6―メチルピリジンヨードエチラート(NK343)

2―(オメガ―アニリノビニール)―4―メチルオキサゾール―3―メチルヨージッド(NK355)

その他の感光素

個々に検討のうえ決定する。

コ グアノフラシンニトロフラゾン

}顔面使用を目的とする場合にあつては配伍を認めない。

サ アミノ塩化第二水銀(白降汞)

1.5g下

シ ストロンチウム化合物セレン化合物カドミウム化合物

}配伍を認めない。

ス 抗菌性物質

配伍を認めない。