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○薬事法施行規則の一部を改正する省令等の施行について
(昭和五六年一月二二日)
(薬発第六五号)
(各都道府県知事あて厚生省薬務局長通知)
薬事法施行規則の一部を改正する省令(昭和五五年厚生省令第五〇号)及び薬事法施行規則第一一条の四第一項の規定に基づき医薬品を指定する件(昭和五五年厚生省告示第二二三号)が昭和五五年一二月二七日に公布され、昭和五六年二月一日から施行することとされたところであるが、改正の概要、施行上留意すべき事項等は左記のとおりであるので、御了知の上、その適正な運用に努められたい。
記
第一 趣旨
今回、薬事法(以下「法」という。)第九条の二等の規定に基づく薬事法施行規則(以下「規則」という。)第一一条の四等の規定に基づき、薬局開設者等に対し医薬品の譲受及び譲渡に関する記録の作成、保存の義務付けが行われたところであるが、この医薬品の記帳義務は、医薬品の保管管理の適正化、迅速適確な回収等の保健衛生上の観点から実施されるものであり、医薬品の流通規制を目的としたものではないこと。
第二 概要
1 医薬品の記帳義務は、次の場合に行われるものであること。
ア 薬局開設者等が厚生大臣の指定する医薬品を譲り受けた(購入し、又は接受した)とき。
イ 薬局開設者等が当該医薬品を薬局開設者、医薬品製造業者、販売業者又は病院、診療所等の開設者に販売し、又は授与したとき。
2 記帳事項
(1) 医薬品の記帳は、当該医薬品につき、次に掲げる事項を書面に記載することにより行うものであること。
ア 品名
イ 数量
ウ 製造番号又は製造記号
エ 譲受又は販売、授与の年月日
オ 譲渡人又は譲受人の氏名
(2) (1)の書面は、記載の日から三年間保存しなければならないこと。
3 対象医薬品の範囲
対象医薬品については、厚生省告示第二二三号により指定されているところであり、その範囲は、次のとおりであること。
ア 新医薬品(法第一四条の四第一項各号に掲げる医薬品であつて、再審査期間を経過していないもの)
イ 法第五〇条第六号の規定に基づき三年以内の有効期間又は有効期限の記載が義務付けられている医薬品
ウ 法第五〇条第一〇号の規定に基づき使用の期限の記載が義務付けられている医薬品
エ 毒薬及び劇薬
なお、対象医薬品には、サンプル(いわゆる製剤見本を除く。)も含まれるものであること。
4 対象業種
前記1~3の医薬品の記帳義務は、薬局開設者のほか、医薬品製造業者、輸入販売業者、一般販売業者(卸売一般販売業者を含む。)、薬種商販売業者及び特例販売業者に対しても適用されること(規則第二七条の二、第二九条の三、第三〇条の二及び第三二条の二による規則第一一条の四の準用)。
5 対象医薬品の表示
対象医薬品に係る「記」の文字の記載については、(記)(新医薬品であつて、3のイからエまでに該当しないものにあつては再審査期間の満了年月を含め(記) 年 月)と表示されたいこと。この表示については、外部の容器又は外部の被包に記載されていれば、直接の容器又は直接の被包への記載を省略できることとされていること(規則第五三条の二)。
6 施行日等
(1) 施行は、昭和五六年二月一日とされているが、2の記帳事項のうち、製造番号又は製造記号の記載については、準備期間を置くこととし、昭和五七年一月一日から施行することとされていること(薬事法施行規則の一部を改正する省令附則第一項)。
(2) 5の対象医薬品の表示については、経過措置が設けられており、当該省令の施行の際(昭和五六年二月一日)現に存する製品又は現に存する容器若しくは被包を同日から一年以内に製品に使用した場合の当該製品について、同日から二年間表示が猶予されていること(薬事法施行規則の一部を改正する省令附則第二項及び第三項)。
第三 留意事項
医薬品の記帳義務の実施に当たつては、第一の趣旨を踏まえ、その円滑、適正な運用を図るとともに、いやしくも医薬品の流通規制につながる結果を招来しないよう、次の諸点に十分留意されたいこと。
1 対象医薬品に係る記帳義務は、本年二月一日から実施することとされており、経過措置により「記」の表示がなされていない場合であつても、対象医薬品と特定できるものについては記帳を実施するよう指導すること。
2 使用期限の表示が製造業者等により自主的に行われている医薬品については、対象医薬品とはされていないので、これとの区別を明らかにするため、法に基づき使用期限の表示が義務付けられている医薬品については、第二の6(2)の経過措置に該当するものについても、できるだけ早い時期に「記」の表示を行うよう指導すること。
3 第二の2については、所定事項が記載されていれば、伝票をもって当該書面として取り扱って差し支えないこと。
4 第二の2の記帳事項の記載については、回収等行政上の措置をとる必要が生じた際にその実態が明らかにできる方法が講じられていれば差し支えないこと。
5 回収に当たっては、従来の医薬品の流通が変わるような結果とならないよう十分配慮すること。
