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○歯科医師による救急救命処置及びそのための研修の取扱いについて〔歯科医師法〕

(平成14年4月23日)

(/医政医発第0423002号/医政歯発第0423004号/)

(各都道府県衛生担当部(局)長あて厚生労働省医政局医事課長・厚生労働省医政局歯科保健課長通知)

最近、歯科医師による救急救命処置及びそのための研修の取扱いをめぐって疑義が生じているようであるが、これらについての当局の見解は下記のとおりであるので、御了知いただくとともに、管下関係機関に対する周知・指導方よろしくお願いする。

1 歯科医師による救急救命処置について

歯科医師が、以下の(1)から(3)までのような状況において、患者の生命に差し迫った危険が生じていると判断される状況に遭遇する場面が生じ得ることは否定できない。

(1) 歯科医師が病棟において当直している間に、歯科に属する疾患で入院している患者がショック状態となる場合

(2) 歯科に係る診療行為中の患者がショック状態となる場合

(3) 歯科診療所の待合室における患者がショック状態となる場合

これらのショック状態が医科の疾患に起因するものと考えられる場合においては、直ちに医師による対応を求める必要があるが、当該歯科医師が、医師が到着するまでの間又は当該患者が救急用自動車で搬出されるまでの間に救急救命処置を行うことは、それが人工呼吸等の一般的な救急救命処置の範囲のものにとどまる限り、医師法に違反するものではない。

また、こうした場合において、気管内挿管や特定の薬剤投与等の高度な救急救命処置を行うことについては、個別の事情に応じ、緊急避難として認められる場合があり得る。

なお、歯科医師が救急救命士に対して指示を行うことは、救急救命士法上想定していないことから認められず、救急救命士が救急救命処置を行うにあたっては、救急救命センター等の医師の指示を受ける必要がある。

2 歯科医師による救急救命処置に関する研修について

歯科医師が、救急救命処置に関する対応能力の向上を図るために医科の診療分野において研修することは、一般的に医師法に違反するものではない。

ただし、当該研修が診療行為を伴う場合においては、診療範囲等に関する法律上の制限が遵守される必要がある。