添付一覧
○歯科技工士養成所教授要綱の改正について
(平成五年一月八日)
(健政発第七号)
(各都道府県知事あて厚生省健康政策局長通知)
歯科技工士養成所指定規則の一部を改正する省令(平成四年一二月一〇日厚生省令第六八号。以下「新省令」という。)の公布により歯科技工士養成所における学科課程が改正されることになるが、その改正に伴い、「歯科技工士養成所教授要綱」(昭和五〇年四月一日医発第三三九号)を別紙のとおり全部改正したので、新省令施行後はこれに基づいて行うよう指導されたい。
なお、新省令の施行は平成六年四月一日であるが、二年課程の養成所にあっては平成七年四月一日より適用するので、それまでは、従前の教授要綱によるよう指導されたい。
〔別紙〕
歯科技工士養成所教授要綱
歯科技工士養成所における教育の実施にあたっては、歯科技工士学校養成所指定規則(昭和三一年二月二四日厚生省令第三号)別表に示す学科課程について、次の要領に基づいて行うこと。
○外国語
1 目標
歯科技工士として必要な外国語を理解させ、その業務を遂行できるよう適正な知識を与える。
2 方法
講義等
3 基準時間
三〇時間
4 教授内容
(1) 英語(日常英語、歯科関連英語)
(2) その他の外国語
○造形美術概論
1 目標
歯科技工士として必要な美的感覚の素地を養うよう、造形、色彩等について教授する。
2 方法
(1) 講義
(2) 示説及び実習
3 基準時間
一五時間
4 教授内容
造形美術
○関係法規
1 目標
歯科技工士として必要な法令について教授する。
2 方法
講義
3 基準時間
一五時間
4 教授内容
(1) 法に関する一般的知識
(2) 衛生行政の組織と活動
(3) 歯科技工士法
(4) 歯科医師法、歯科衛生士法
(5) その他関係法規(医療法、健康保険法及び老人保健法等の概要)
○歯科技工学概論
1 目標
歯科技工の概念及び口腔の機能・疾患等の概要、並びに歯科技工業務が円滑に実施できるよう必要な運営管理及び作業環境等について教授する。
2 方法
講義
3 基準時間
五〇時間
4 教授内容
(一) 歯科技工総論
(1) 歯科医療及び歯科技工の意義
(2) 歯科技工士の倫理
(3) 歯科技工の沿革
(4) 口腔の構造と機能の概要
(5) 歯科口腔疾患の概要
(6) 歯科疾患の状況
(7) その他
(二) 歯科技工管理
(1) 歯科技工業務の運営と管理
(2) 歯科技工の作業環境とその衛生
(3) 歯科技工士の健康管理
(4) 歯科技工物の品質管理
(5) 歯科技工所の運営
(6) その他
○歯科理工学
1 目標
歯科技工に用いる歯科材料や機械器具等について教授するとともに、歯科鋳造に関する理論及び技能を教授することにより、歯科理工を総合的に習得させる。
2 方法
(1) 講義
(2) 示説及び実習
3 基準時間
二二〇時間
4 教授内容
(一) 歯科基礎理工学
(1) 歯科理工概説
(2) 歯科材料の機械的性質
(3) 歯科材料の物理的性質
(4) 歯科材料の化学的性質
(5) 歯科材料の生物学的性質
(6) 歯科材料の接着
(7) その他
(二) 歯科技工材料学
(1) レジン材料の取扱い方
(2) 陶材材料の取扱い方
(3) 金属材料の取扱い方
(4) 印象材の取扱い方
(5) 石膏材の取扱い方
(6) その他の材料の取扱い方(ワックス等)
(三) 歯科技工機器学
(1) 切削機器(切削理論を含む。)
(2) 研磨機器(研磨理論を含む。)
(3) 歯科技工機器
(4) その他
(四) 歯科鋳造学
(1) 歯科鋳造概説
(2) 歯科鋳造用材料及び歯科鋳造用機器
(3) 歯科鋳造の過程
(4) 鋳造体の欠陥とその対策
(5) 鋳造体の精度と適合
(6) その他
○歯の解剖学
1 目標
歯及び口腔について解剖学的見地から教授するとともに、歯の形態を彫塑する技術を習得させる。
2 方法
(1) 講義
(2) 示説及び実習
3 基準時間
一五〇時間
4 教授内容
(1) 口腔各部の構造
(2) 歯の構造と歯列
(3) 歯の発生
(4) その他
○顎口腔機能学
1 目標
顎口腔系器官の機能について理解させるとともに、咬合器の取扱い方について習得させる。
2 方法
(1) 講義
(2) 示説及び実習
3 基準時間
六〇時間
4 教授内容
(1) 顎口腔機能学概説
(2) 下顎運動と咬合
(3) 咬合器(模型の装着と取扱い方法)
(4) 義歯及び修復物の咬合
(5) その他
○有床義歯技工学
1 目標
有床義歯の製作に関する知識及び技術について教授する。(咬合等の機能については、顎口腔機能学で教授する。)
2 方法
(1) 講義
(2) 示説及び実習
3 基準時間
四四〇時間
4 教授内容
(一) 全部床義歯技工学
(1) 全部床義歯技工学概説
(2) 印象と模型
(3) 咬合採得
(4) 人工歯排列
(5) 歯肉形成
(6) ろう義歯の埋没
(7) 義歯の重合
(8) 削合と研磨
(9) その他
(二) 部分床義歯技工学
(1) 部分床義歯技工学概説
(2) 印象と模型
(3) 咬合採得
(4) 維持装置と連結子
(5) 人工歯排列と削合
(6) 歯肉形成
(7) ろう義歯の埋没
(8) 義歯の重合
(9) 研磨
(10) 改床法と修理
(11) 金属床義歯
(12) その他
○歯冠修復技工学
1 目標
各種の歯冠修復物及び架工義歯の製作に関する知識及び技術について教授する。(咬合等の機能については、顎口腔機能学で教授する。)
2 方法
(1) 講義
(2) 示説及び実習
3 基準時間
四四〇時間
4 教授内容
(一) 歯冠修復技工学
(1) 歯冠修復技工学概説
(2) 歯冠修復物の要件
(3) 作業模型
(4) インレー
(5) 一部被覆冠
(6) 全部被覆冠
(7) 歯冠継続歯
(8) 支台築造
(9) テンポラリークラウン
(10) その他
(二) 架工義歯技工学
(1) 架工義歯技工学概説
(2) 架工義歯の要件
(3) 固定性架工義歯
(4) 半固定性架工義歯
(5) 可撤性架工義歯
(6) その他
○矯正歯科技工学
1 目標
歯科矯正の基礎的概念を理解させ、一般的な歯科矯正装置の製作法について教授する。
2 方法
(1) 講義
(2) 示説及び実習
3 基準時間
三〇時間
4 教授内容
(1) 矯正歯科技工概説
(2) 正常咬合と不正咬合
(3) 矯正装置
(4) 保定装置
(5) 矯正用模型
(6) その他
○小児歯科技工学
1 目標
小児歯科の基礎的概念を理解させ、一般に使用されている乳歯歯冠修復物及び咬合誘導装置等の製作の技術を習得させる。
2 方法
(1) 講義
(2) 示説及び実習
3 基準時間
三〇時間
4 教授内容
(1) 小児歯科技工概説
(2) 歯・顎・顔面の成長
(3) 歯の萌出順序
(4) 乳歯の歯冠修復
(5) 咬合誘導装置
(6) 口腔習癖
(7) その他
○歯科技工実習
1 目標
歯科技工に関する知識及び技能を基礎として、歯科技工を総合的に習得させる。
2 方法
(1) 臨床模型上での実習
(2) 臨床的模型上での実習
3 基準時間
五二〇時間
4 教授内容
(1) 全部床義歯及び部分床義歯のための技工
(2) 歯冠修復物及び架工義歯のための技工
(3) 矯正歯科のための技工
(4) 小児歯科のための技工
(5) その他
○選択必修科目
1 目標
各養成所の特色が出せるよう、歯科技工士学校養成所指定規則別表に掲げる科目の内、外国語及び造形美術概論以外の科目から選択して、講義又は実習の時間を設定し教授する。
2 方法
(1) 講義
(2) 示説及び実習
3 時間数
二〇〇時間
4 教授内容
歯科技工士学校養成所指定規則別表に掲げる科目の内、外国語及び造形美術概論以外の科目。