添付一覧
○衛生検査技師法の一部を改正する法律等の施行について
(昭和四五年一二月三日)
(医発第一四一六号)
(各都道府県知事あて厚生省医務局長通達)
標記については、別途厚生事務事官から通知(昭和四五年一二月三日厚生省発医第二一二号)がなされたところであるが、衛生検査技師法の一部を改正する法律等の施行については、同通知によるほか、次の事項に留意のうえ遺憾のないようにされたい。なお、この通知では、衛生検査技師法の一部を改正する法律を「改正法」と、改正法による改正後の臨床検査技師、衛生検査技師等に関する法律を「法」と、臨床検査技師、衛生検査技師等に関する法律施行令を「令」と、臨床検査技師、衛生検査技師等に関する法律施行規則を「規則」とそれぞれ略称する。
おつて、法第一五条第一号の学校又は臨床検査技師養成所の指定に関しては、別途臨床検査技師学校養成所指定規則が制定される際通知する予定であること。
記
第一 臨床検査技師及び衛生検査技師の免許について
一 臨床検査技師及び衛生検査技師の免許等の申請の手続は、令第三条及び第五条から第九条まで並びに規則第一条及び第二条の二から第三条の四までの規定によるほか、次の厚生省医務局長通知において医師、歯科医師等の免許等の申請に関し示した要領に準拠して処理すること。
(一) 医師、歯科医師、保健婦、助産婦、看護婦、理学療法士及び作業療法士の免許申請等の取扱要領(昭和三五年四月一四日医発第二九三号)
(二) 医師等の免許証の再交付申請時における亡失証明書等の取扱について(昭和四○年四月一二日医発第四七九号)
(三) 過誤納金の還付等取扱要領(昭和四二年八月二三日医発第一、○七七号)
二 衛生検査技師免許を有する臨床検査技師について、その者が令第五条の名簿の訂正の申請をする場合又は令第六条第二項により戸籍法による死亡若しくは失踪の届出義務者が名簿の登録消除の申請をする場合は、臨床検査技師名簿に関する当該申請をすることをもつて足り、あわせて衛生検査技師名簿に関する申請をすることを要しないものであること。
三 法第八条第三項の規定により都道府県知事が行なう厚生大臣に対する具申は、次の事項について行なうこと。
(一) 住所、氏名及び生年月日
(二) 名簿登録番号
(三) 処分を要する理由及び意見
(四) その行為の動機(例えば、報酬を得るためであるか、又は情誼のためであるか等)
(五) その行為が医療及び公衆衛生の上に及ぼした影響
(六) 素行
(七) その他参考となるべき事項
なお、臨床検査技師又は衛生検査技師が法第五条各号のいずれかに該当すると認められる場合であつて、貴職において処分の必要を認めないときは、法第八条第三項による具申は必要としないが、当該事実に関し前記に準じて報告されたいこと。
四 臨床検査技師の名称独占については衛生検査技師におけると同様であるが、臨床検査技師については臨床検査技師と称することができるほか、衛生検査技師と称することもできるものであること(法第二○条)。
第二 臨床検査技師国家試験について
一 臨床検査技師国家試験(以下「試験」という。)の受験資格は、次の者に与えられるものであること。なお、(六)から(九)までの者は法附則の特例により認められる者であること。
(一) 文部大臣が指定した学校又は厚生大臣が指定した臨床検査技師養成所(以下「指定施設」という。)において三年以上の教科課程を修了した者(法第一五条第一号)
(二) 学校教育法に基づく大学又は旧大学令に基づく大学において医学又は歯学の正規の課程を修めて卒業した者(令第一二条第一号)
(三) 医師若しくは歯科医師((二)の者を除く。)又は外国で医師免許若しくは歯科医師免許を受けた者(令第一二条第二号)
(四) 衛生検査技師の免許資格を有する者((一)から(三)までの者を除く。)で、大学(短期大学を除く。)又は指定施設において生理学的検査又は採血に関する科目で厚生大臣の指定するものを修めたもの(令第一二条第三号)
なお、厚生大臣の指定する科目については、別途告示される予定であること。
(五) 外国の臨床検査に関する学校若しくは養成所を卒業し、又は外国で臨床検査技師の免許に相当する免許を受けた者で、厚生大臣が(一)の者と同等以上の知識技能を有すると認めたもの(法第一五条第三号)
(六) 改正法施行の際現に改正法による改正前の法(以下「旧法」という。)により指定されている学校において、三年以上臨床検査技師として必要な知識技能の修習を終えた者(改正法附則第七条)
(七) 旧法により指定された学校又は養成所において二年以上の教科課程を修了した者で、法により指定された養成施設において一年以上臨床検査技師として必要な知識技能の修習を終えたもの(改正法附則第八条第一号)。
ただし、受験資格は昭和五二年一二月三一日まで認められるものであること。
(八) 昭和五一年一二月三一日までに行なわれる衛生検査技師国家試験に合格し、衛生検査技師の免許を受けた者で、厚生大臣が指定した講習会の課程を終了したもの(改正法附則第八条第二号)。
ただし、受験資格は昭和五二年一二月三一日まで認められるものであること。
(九) 法施行の際現に旧法の規定による衛生検査技師の無試験免許を受けている者で、厚生大臣が指定した講習会の課程を修了したもの(改正法附則第九条)。ただし、受験資格は昭和四八年一二月三一日まで認められるものであること。
二 厚生大臣が指定する講習会の指定基準、指定申請の手続及びその実施上の注意については、別途通知するものであること。
三 衛生検査技師国家試験の試験科目は規則第五条第一項各号に掲げる一五科目であるが、衛生検査技師又は衛生検査技師の免許資格を有する者については、衛生検査技師国家試験の試験科目に相当する科目が免除されるものであること(規則第五条第二項)。
第三 衛生検査技師国家試験について
衛生検査技師国家試験は、改正法附則第六条第二項の規定により昭和五一年一二月三一日までは行なわれるが、受験資格、試験科目、受験手続等はすべて従前の例によるものであること。
第四 臨床検査技師の業務について
一 医事法制上医業は医師の独占業務とされるとともに医師の診療の補助は看護婦、准看護婦等の独占業務とされているが、法第二○条の二の規定が創設されたことにより、診療の補助として行なう生理学的検査及び医師の具体的指示を受けて行なう採血については、保健婦助産婦看護婦法第三一条第一項及び第三二条の規定にかかわらず、新たに臨床検査技師においてもこれを業として行なうことができることとされたこと。
二 生理学的検査は他の検査と異なり、人体それ自体を検体とするものであつて、法律上、学問上医行為の範畴に属するものと解されるので、臨床検査技師がこれを行なう場合は医師の診療の補助として行なう場合に限られるものであること(法第二○条の二)。従つて臨床検査技師が業として生理学的検査を行なう場所は原則として病院又は診療所等医業の行なわれる場所に限定されるものであること。
三 臨床検査技師の行なう生理学的検査は令第一条に列挙されているとおりであるが、医学上生理学的検査に属するものであつてもこれに該当しないものについては臨床検査技師が業として行なつてはならないものであること。
四 臨床検査技師が行なう採血行為は、法第二条第一項に規定する検査のため必要な場合に限り認められるものであること(法第一一条)。
五 採血行為は、生理学的検査と同様医行為の範畴に属するものであつて、臨床検査技師の行なう採血は、医師の診療の補助として医師の具体的な指示を受けて行なうものに限られ、また生理学的検査についてと同様、臨床検査技師が業として採血を行ない得る場所は、原則として病院、診療所等医業の行なわれる場合に限られるものであること。
六 法第二条の規定により臨床検査技師又は衛生検査技師の業務はすべて医師の指導監督の下に行なわれるものとされており、この指導監督は臨床検査技師又は衛生検査技師の行なう検査業務の個々について個別的、具体的な指示を行なうことではなく、一般的、包括的な業務の調整を行なうことを意味するものであるが、この採血に関しては医師の具体的な指示を受けて行なわなければならないものであつて、採血の方法、部位、採血量その他についての医師の個別的、具体的指示の下においてのみ認められるものであること。
なお、採血に関しては、令第一○条の規定により採血し得る部位が示されていること。また、医師の具体的な指示により臨床検査技師の行なう採血は、一回あたりの採血量が二○ミリリツトル以内であることを原則とするよう指導されたいこと。