添付一覧
○診療エックス線技師法の一部を改正する法律の施行について
(昭和四三年九月一八日)
(医発第一一四一号)
(各都道府県知事あて厚生省医務局長通達)
診療エックス線技師法の一部を改正する法律は、昭和四三年五月二三日法律第六三号をもって公布され、昭和四三年九月二○日から全面的に施行されることとなり、またこれに伴い診療エックス線技師法施行令の一部を改正する政令及び診療エックス線技師法施行規則の一部を改正する省令が、それぞれ昭和四三年九月一九日政令第二七九号及び昭和四三年九月一九日厚生省令第四一号をもって公布され、いずれも昭和四三年九月二○日から施行されることとなったので、その運用に当たっては次の事項に留意のうえ、遺憾のないよう期せられたく通知する。
なお、細部的事項についてはおって通知する予定である。
記
第一 一般的事項
診療エックス線技師法の一部改正は、近年、医療の分野における各種放射線の利用が増大しつつある現状にかんがみ、これら診療用放射線を取り扱う専門技術者として新たに診療放射線技師の資格を定め、その資質の向上を図るとともにその業務が適正になされるように規律し、もって医療及び公衆衛生の普及向上に資することを目的として行なわれたものであること。
第二 診療放射線技師の資格に関する事項
一 診療放射線技師の免許
診療放射線技師の免許は、診療放射線技師試験に合格した者に厚生大臣が与えるものであること。
二 診療放射線技師試験
(一) 診療放射線技師試験は、診療放射線技師として必要な知識及び技能について厚生大臣が行なうものであること。
(二) 診療放射線技師試験は、原則として次に掲げる者でなければ、受けることができないこと。
なお、アについては診療放射線技師及び診療エックス線技師法(以下「法」という。)附則第一一項に規定する者が同項の規定により大学に入学することができる者とみなされ、イについては法附則第九項に規定する者が診療エックス線技師法の一部を改正する法律(以下「改正法」という。)附則第四項の規定により診療エックス線技師試験を受けることができる者とみなされるものであること。
ア 大学に入学することができる者で、文部大臣が指定した学校又は厚生大臣が指定した診療放射線技師養成所において、三年以上診療放射線技師として必要な知識及び技能の修習をおえたもの
イ 診療エツクス線技師又は診療エツクス線技師試験を受けることができる者で、文部大臣が指定した学校又は厚生大臣が指定した診療放射線技師養成所において、一年以上診療放射線技師として必要な知識及び技能の修習をおえたもの
ウ 外国の診療放射線技師に関する学校若しくは養成所を卒業し、又は外国で診療放射線技師免許に相当する免許を受けた者で、厚生大臣がア又はイに掲げる者と同等以上の学力及び技能を有するものと認めたもの
(三) (二)に掲げる者のほか、経過的特例として次に掲げる者についても受験資格が認められていること。
ア 大学に入学することができる者(法附則第一一項に規定する者を含む。)で、文部大臣若しくは厚生大臣が指定した学校若しくは養成所において改正法の公布の際現に三年以上診療放射線技師として必要な知識及び技能の修習をおえているもの又はこれらの学校若しくは養成所において改正法の公布の際現に診療放射線技師として必要な知識及び技能を修習中であり、三年以上にわたるその修習を改正法の公布後におえたもの
イ 診療エツクス線技師又は診療エツクス線技師試験を受けることができる者(法附則第九項に規定する者を含む。)で、文部大臣若しくは厚生大臣が指定した学校若しくは養成所において改正法の公布の際現に一年以上診療放射線技師として必要な知識及び技能の修習をおえているもの又はこれらの学校若しくは養成所において改正法の公布の際現に診療放射線技師として必要な知識及び技能を修習中であり、一年以上にわたるその修習を改正法の公布後におえたもの
ウ 診療エツクス線技師免許を受けた後二年以上医師又は歯科医師の指示の下にエツクス線を人体に対して照射することを業としていた者で、厚生大臣が指定した講習会の課程を修了したもの(昭和五○年一二月三一日までの間に限る。)
第三 診療放射線技師の業務に関する事項
(一) 診療放射線技師は、医師又は歯科医師の指示の下に、次に掲げる放射線を人体に対して、照射することを業とするものであること。なお、照射には撮影が含まれ、照射機器又は放射性同位元素等を人体内にそう入して行なうものは含まれないこと。
ア アルフア線及びベータ線
イ ガンマ線
ウ 一○○万電子ボルト以上のエネルギーを有する電子線
エ エツクス線
(二) 診療放射線技師は、(一)に掲げる放射線のほか、政令で定める電磁波又は粒子線をも取り扱うことができることとされているが、当面政令による追加は予定されないこと。
(三) 放射線を人体に対して照射する業務は、医師、歯科医師、診療放射線技師又は診療エツクス線技師でなければ行なうことができないこと。なお、診療エツクス線技師が取り扱うことができる放射線は、第四の一に示すとおり限られたものであること。
第四 診療エツクス線技師の業務範囲に関する事項
一 診療エツクス線技師の業務については、
医師又は歯科医師の指示の下に「エツクス線」を人体に照射することとされていたが、放射線医学の進歩に伴い、診療エツクス線技師法の制定当時その規制の対象として予想されていなかつた高エネルギーのエツクス線が医療において用いられるに至つた状況にかんがみ、この際、診療エツクス線技師の取り扱うことができる放射線は「一○○万電子ボルト未満のエネルギーを有するエツクス線」に限定されたこと。
二 一に関しては経過的特例として、業務の暫定的継続が認められ、改正法の施行の際現に一○○万電子ボルト以上のエネルギーを有するエツクス線を人体に対して照射することを業としている診療エツクス線技師は、改正法の施行後三箇月以内に住所地の都道府県知事を経由して厚生大臣に届け出るものとし、これらの者は届出をするまでの間、さらに届出をした者は、昭和五○年一二月三一日までの間、当該業務を継続することができること。
第五 その他
一 法律の題名の改正
診療放射線技師の資格が新たに定められたのに伴い、法律の題名が「診療放射線技師及び診療エツクス線技師法」に改められたこと。