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○医療計画における療養型病床群の取扱い等について

(平成一〇年七月二四日)

(指第四四号)

(各都道府県衛生主管部(局)長あて厚生省健康政策局指導課長通知)

標記については、平成一〇年六月一日付け健政発第六八九号厚生省健康政策局長通知「医療計画について」により行われているところであるが、同通知別紙医療計画作成指針第三の五の(二)の(イ)に示す療養型病床群に係る病床の整備の目標の具体的取扱いについては、同通知に定めるもののほか、左記一のとおり取り扱われたい。

また、病床過剰地域における診療所の療養型病床群の特定病床に係る特例については、平成一〇年七月二四日付け指第四三号本職通知「医療法施行規則第三〇条の三二第一項に規定する特定の病床等の特例について」によるほか、左記二のとおり取り扱われたい。

なお、左記一及び二を併せて、療養型病床群に係る開設等許可申請の取扱いについては、左記三のとおり取り扱われたい。

一 療養型病床群に係る病床の整備の目標について

(一) 医療法の一部を改正する法律(平成九年法律第一二五号。以下「改正法」という。)のうち、医療計画に関する規定については、本年四月一日から施行され、医療計画の記載事項として、療養型病床群に係る病床の整備の目標(法第三〇条の三第二項第四号。以下「整備目標」という。)が加えられた。

整備目標については、平成一二年度から介護保険法(平成九年法律第一二三号)が施行されることにかんがみ、改正法に基づく医療計画全体の見直しの有無にかかわらず、速やかに作成するものとすること。

(二) 今回作成する整備目標は、平成一二年度から介護保険法が施行されることにかんがみ、医療計画においても要介護者の増大に対応した介護体制の整備を図るため、当面、平成一二年度当初のものとして、療養型病床群全体の整備目標のうち要介護者のための整備目標として定めるものである。

一方、平成一二年度以降の要介護者のための療養型病床群の必要入所定員総数は、介護保険法による介護療養型医療施設としては、都道府県が作成する都道府県介護保険事業支援計画において定められることとなるものである。

また、都道府県介護保険事業支援計画は、医療計画と調和の保たれたものでなければならないものとされている。(介護保険法第一一八条第三項)

平成一二年度の介護保険法の施行に向けて、平成一〇年度には、都道府県介護保険事業支援計画の作成のため調査、市町村間の調整、計画原案の検討等が行われることとされているので、医療計画における整備目標の設定に当たっては、介護保険担当部局と十分協議しながら検討を進めるとともに、都道府県介護保険事業支援計画等の作成についても衛生担当部局としての意見を反映するよう努めること。

(三) 平成一二年度当初のものとして定められた整備目標が達成されない場合にあっても、介護保険制度は介護力強化病床等を含めて制度発足当初の基盤整備を想定しているものであることから、平成一二年度当初において整備が可能であると見込まれる療養型病床群のみの整備目標を設定することは必ずしも適当ではないので、左記(四)により整備目標を設定することが必要であること。

(四) 整備目標に係る標準については、新省令第三〇条の三三の二において、「二次医療圏ごとに、当該区域の要介護者の数、老人保健施設及び特別養護老人ホームの整備状況その他の当該区域の状況を考慮して算定した病床数とする。」と規定されており、地域の実情を踏まえた整備目標とするものとすること。

なお、整備目標を作成するに当たっての留意事項を以下に示す。

ア 整備目標は、医療計画の一部として作成されるものであるため、法第三〇条の三第九項から第一一項までの規定による手続きを要すること。この場合、整備目標は、介護基盤整備のために重要な目標であるとともに、病床過剰地域においては診療所の療養型病床群の特定病床に係る特例措置の基本的条件を設定するものであることにかんがみ、特に、都道府県医療審議会の意見を聴く場合は十分な審議を経ること。

イ 整備目標の目安は、平成一二年度当初の整備目標を全国ベースでは一九万床としており、六五歳以上人口に占める割合が〇・八%程度(左式参照)であることを踏まえ、それを目安に、地域の老人保健施設や特別養護老人ホームの整備状況、受療率、病床利用率等を勘案し設定するものとすること。

(平成12年65歳)

(      )(病床利用率)

(以上推計人口)

19万床÷ 21,870千人×    0.9=0.78%

また、整備目標の設定は、右記の率又はその他の適当な率を乗じて得た数とする方法によるほか、介護保険制度導入後の要介護高齢者の処遇における在宅サービス・施設サービスの均衡を踏まえ、特別養護老人ホーム及び老人保健施設の整備目標数又は整備実績数を勘案して設定する方法があり得ること。

ウ 病床利用率については、全国ベースでは九〇%を目安とすることが考えられるが、各都道府県における平均病床利用率の実績値を用いる方法や、各都道府県において療養型病床群の整備実績が少なく平均病床利用率について実態を反映した適切な数値とはならないなどの場合においては、全国平均値である九一・七%を用いる方法があり得ること。

エ 二次医療圏ごとの平成一二年度当初の六五歳以上人口は、「市町村将来人口の推計について」(平成四年四月一四日老計第五五号・老健第八九号厚生省大臣官房老人保健福祉部老人福祉計画課長・老人保健課長通知)による手法により推計する方法が考えられること。

オ なお、整備目標は、介護保険制度実施に向けた要介護者の実態調査を踏まえ、必要に応じ見直すこととされていること。

二 病床過剰地域における診療所の療養型病床群の特定病床に係る特例について

(一) 本年四月一日から療養型病床群を診療所に設置できることとされ、これによる医療計画上の取扱いについては、診療所が有する療養型病床群に係る病床については既存の病床数に算入することとされたところである。

したがって、病床過剰地域において診療所の療養型病床群の設置等許可申請がなされた場合においては、病院における取扱いと同様に、原則、都道府県知事の勧告の対象となるものであること。(法第三〇条の七)

(二) 一方、診療所の療養型病床群は、身近な場所で患者が療養生活を送ることができるという特質があり、要介護者の療養施設として重要であることにかんがみ、病床過剰地域においても必要に応じ設置することができるよう、特定病床に係る特例(新省令第三〇条の三二第一項第一三号及び第二項)が設けられたので、その取扱いの留意事項を以下に示す。

ア 病床過剰地域における診療所の療養型病床群の設置は、左記①から③までに掲げる要件を満たす場合に、特例措置として認められるものであること。

① 特例の対象となる病床は、平成一〇年三月三一日に現に存する診療所の病床を転換して設ける療養型病床群に係る病床であること。

この場合の「現に存する診療所の病床」とは、診療所の病床であって平成一〇年三月三一日現在に既に開設されている病床及び同日までに開設の許可申請、病床数の変更の許可申請がなされている病床並びに同日までに建築基準法(昭和二五年法律第二〇一号)第六条第一項の規定による建築確認の申請がなされている病床をいうものであること。(新省令第三〇条の三二第一項第一三号)

また、「転換して設けられた療養型病床群に係る病床」とは、当該診療所の開設者(開設予定者)が、当該診療所の病床を転換して設置する療養型病床群に係る病床をいうものであること。

② 当該申請において、療養型病床群に係る病床の構造設備基準が、新省令の本則基準に適合するもの(以下「完全型」という。)とされているものであること。ただし、廊下幅については経過措置(転換型)の基準によるものであっても差し支えないものとすること。(改正省令附則第七条)

③ 当該申請に係る療養型病床群の病床数が、医療計画に定める当該二次医療圏の療養型病床群の整備目標から既存の療養型病床群に係る病床数及び介護力強化病床を転換して設けられる療養型病床群に係る病床数の見込数を減じて得た数(以下「基準数」という。)を基準として都道府県医療審議会の議を経て算定した数(以下「算定数」という。)を超えない場合に限られるものであること。(新省令第三〇条の三二第二項)

イ ②の取扱いについては、当該療養型病床群が設置される施設全体の建物整備が完了するまでの間に病室が使用可能となる場合であって、仮に「転換型」基準が適用されるとした場合にこれを満たすこととなる場合には、平成一一年度末までの期間に限り、当該療養型病床群について転換型としての暫定運用を認め得るものとする。

この場合、法第七条第三項の規定に基づく療養型病床群の設置許可申請時において、「完全型」療養型病床群への移行計画の提出を求め、十分精査したうえで当該計画を前提とした許可を行うとともに、当該計画に沿って段階的に法第七条第二項の変更許可又は施行令第四条第二項の届出並びにそれぞれ法第二七条の使用許可を行うものであること。

ウ ③に示す要件のうち、「介護力強化病床を転換して設けられる療養型病床群に係る病床数の見込み数」については、平成一二年度当初の見込み数を設定するものとすること。

この場合、当該転換見込み数は、各都道府県の介護力強化病床に係る療養型病床群への転換の実績及び転換に伴う病床数の減少を勘案する方式、介護力強化病床を有する病院の開設者等からヒアリングを行い、又は、事業計画の提出を求めその結果を勘案する方式などにより、地域の実情を踏まえた適切な見込み数を設定するものとすること。

エ ③に示す要件のうち、「都道府県医療審議会の議を経て算定した数を超えない場合に限る」とは、病床過剰地域における診療所の療養型病床群の特定病床に係る病床による整備数は、基準数の範囲内であることを原則とするが、地域の実情を踏まえて、都道府県医療審議会において十分な議論を経た上で、適切な算定数の範囲内で診療所の療養型病床群の整備を行うこととするものであること。

この取扱いについては、療養型病床群の地域偏在等の解消や病床過剰地域における診療所の療養型病床群の特例を設けた趣旨(診療所の療養型病床群は、身近な場所で患者が療養生活を送ることができるという特質があり、要介護者の療養施設として重要であること。)、基準数と算定数の差が相当数となる場合は整備目標の適否が問われることになることなどを踏まえ、適切に運用するものとすること。

三 療養型病床群に係る開設等許可申請の取扱いについて

(一) 整備目標の策定及び病床過剰地域における診療所の療養型病床群の特定病床に係る特例の取扱いは、右記一及び二のとおりであるが、これに伴う病院又は診療所の療養型病床群の開設等の許可申請について留意すべき事項を以下に示すので、その取扱いに遺憾なきを期すること。

ア 病院又は診療所が設置する療養型病床群の開設の許可又は増床の許可申請がなされた場合は、これを順次受け付けるものとすること。

その際、申請者(開設等予定者)に対し、この度、施行された改正法の趣旨及び当該各県の方針、介護保険制度の創設に伴う介護療養型医療施設の指定に係る取扱い等について適切な説明を行うものとすること。

イ 医療計画上の二次医療圏ごとの病床事情による診療所の療養型病床群の設置等許可申請に係る取扱いについては、右記①及び②を参考とすること。

① 病床過剰地域において、診療所の療養型病床群の設置等許可申請がなされた場合、原則、都道府県知事の勧告の対象とされるので、整備目標が作成されるまでの間は、当該申請を受け付ける際に、現在整備目標を作成中であり、作成後に特例の要件を満たすことを判定するため、許否の判断は整備目標の作成後になされるものである旨、申請者に対し説明と理解を求めるものとすること。

なお、特例の対象とされなかった場合においては、申請の取り下げ等指導を行い、必要に応じて中止等の勧告を行うものとすること。

② 病床非過剰地域において、診療所の療養型病床群の設置等許可申請がなされた場合、申請を受理し、内容の審査を経て設置等の許否の決定を行うものとすること。

(二) 療養型病床群を有しない病院又は診療所の開設等の取扱いについては、従来どおりの取扱いで差し支えないものとすること。