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○在宅人工呼吸器使用特定疾患患者訪問看護治療研究事業について

(平成一〇年四月九日)

(健医発第六三七号)

(各都道府県知事あて厚生省保健医療局長通知)

難病対策については、原因究明と治療方法確立のため特定疾患治療研究を始め、諸般の施策を実施しているところであるが、多数の患者が長期にわたる療養を余儀なくされている状況にある。

特に、筋萎縮性側索硬化症等の疾患により人工呼吸器を使用しながら在宅で療養している患者の看護等には多大の労力を要するものと考えられるが、患者の具体的な療養実態等については未だ不明な点が多い。

このため、今般、別紙「在宅人工呼吸器使用特定疾患患者訪問看護治療研究事業実施要綱」により、特定疾患治療研究事業の一環として、平成一〇年度から在宅人工呼吸器使用特定疾患患者に対する訪問看護に関する研究を行うこととした。

ついては、本事業の趣旨を十分御理解のうえ、関係方面の協力を得ながら、本事業の推進に積極的に取り組まれるよう特段の御配慮をお願いする。

別紙

在宅人工呼吸器使用特定疾患患者訪問看護治療研究事業実施要綱

第1 目的

在宅人工呼吸器使用特定疾患患者に対して診療報酬で定められた回数を超える訪問看護を実施することにより、在宅人工呼吸器使用特定疾患患者の在宅療養の実態把握と訪問看護の方法等に関する研究を行うことを目的とする。

第2 実施主体

実施主体は、都道府県とする。

第3 対象患者

特定疾患治療研究事業対象疾患患者で、かつ、当該対象疾患を主たる要因として在宅で人工呼吸器を使用している患者のうち、医師が訪問看護を必要と認める患者とする。

第4 実施方法

1 都道府県は、在宅人工呼吸器使用特定疾患患者訪問看護治療研究を行うに適当な訪問看護ステーション(指定訪問看護事業者が当該指定に係る訪問看護事業又は老人訪問看護事業を行う事業所をいう。以下同じ。)又は訪問看護を行うその他の医療機関(以下「訪問看護ステーション等医療機関」という。)に訪問看護を委託し、必要な費用を交付することにより行うものとする。

2 前項の費用の額は、診療報酬において、在宅患者訪問看護・指導料又は老人訪問看護療養費を算定する場合には原則として1日につき4回目以降(ただし、特別な事情により複数の訪問看護ステーション等医療機関により訪問看護を実施する場合にはこの限りではない。)の訪問看護について、患者1人当たり年間260回(以下に掲げる特例措置として実施する場合を含む)を限度として、次により支払うものとする。

なお、複数の訪問看護ステーション等医療機関により訪問看護を実施する場合には、②から⑤に係る該当区分の費用を支払うものとする。

① 医師による訪問看護指示料 1月に1回に限り3,000円

② 訪問看護ステーションが行う保健師又は看護師による訪問看護の費用の額 1回につき8,000円

③ 訪問看護ステーションが行う准看護師による訪問看護の費用の額 1回につき7,500円

④ その他の医療機関が行う保健師又は看護師による訪問看護の費用の額 1回につき5,300円

⑤ その他の医療機関が行う准看護師による訪問看護の費用の額 1回につき4,800円

ただし、1日につき3回目の訪問看護を前2回と同一訪問看護ステーションで行う場合には、特例措置として3回目に対して次の費用を当面の間支払うものとする。

① 保健師又は看護師による訪問看護の費用 1回につき2,500円

② 准看護師による訪問看護の費用 1回につき2,000円

第5 治療研究の期間

治療研究の期間は、同一患者につき1カ年を限度とする。ただし、必要と認められる場合は、その期間を更新できるものとする。

第6 特定疾患対策協議会との関係

各都道府県に設置される特定疾患対策協議会は、都道府県知事からの要請に基づき、この研究事業の実施に必要な参考意見を具申するものとする。

第7 実施手続

この研究事業を実施するに当たって必要な事務手続きについては、関係医師会等と十分協議のうえ定めるものとする。

第8 関係者の留意事項

患者等に与える精神的影響と、その病状に及ぼす影響を考慮して、治療研究によって知り得た事実の取り扱いについて慎重に配慮するよう留意するとともに、特に個人が特定されうるものに係る情報(個人情報)の取り扱いについては、その保護に十分に配慮するよう、関係者に対してもその旨指導するものとする。

第9 報告

都道府県知事は、本事業を委託した訪問看護ステーション等医療機関に対し、毎月、研究報告書の提出を求め、その写しを厚生労働省に送付するものとする。

第10 国の補助

国は、予算の範囲内において、各都道府県がこの研究事業のために支出した費用に対し、その2分の1を補助するものとする。