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○平成一〇年度の医療監視の実施について

(平成一〇年五月二八日)

(医薬発第四九八号・健政発第六六九号)

(各都道府県知事・各政令市長・各特別区長から厚生省医薬安全局長・厚生省健康政策局長通知)

標記については、毎年度格段の御配慮を煩わしているところであるが、平成一〇年度においては次の事項に留意の上遺憾のないよう実施されたい。

なお、診療所については、必要に応じ立入検査を実施しているところであるが、実施していない都道府県、政令市又は特別区にあっては、実施に努めること。

一 実施方針

医療監視については「医療監視要綱」に基づき実施するものとするが、本年度においては特に二に掲げる事項に重点を置くとともに、三に掲げる事項についても留意の上医療機関の適正な運営が確保されるようその実施に当たられたい。

なお、医療法上適正を欠く等の疑いのある医療機関については、「医療監視の実施方法等の見直しについて」(平成九年六月二七日指第七二号)に基づき厳正に対処されたい。

二 重点項目

(一) 医療従事者の確保

ア 医師、看護婦等について標準人員の充足状況の検査は、次の方法により行うこと。

(ア) 職員名簿、出勤簿、タイムカード、勤務割表、労働者名簿、賃金台帳その他の帳簿書類を相互に照合すること。また、非常勤職員の雇用契約を確認すること。

(イ) 複数の医療施設を開設している医療法人等の病院については、医療監視を同日に実施する等工夫し、病院間で名簿を照合し、医療従事者の実態の把握に努めること。

イ 医療従事者が著しく不足している病院に対しては、具体的な改善計画を提出させ改善状況を追跡調査する等により指導するとともに、新規入院の抑制、医療従事者に見合った範囲に入院患者をとどめる等指導し、保険担当部局とも連携を密にして対処すること。

また、看護婦について標準数を著しく下回っている(充足率が七〇%未満)医療機関に対しては、「看護婦等の人材確保の促進に関する法律」(平成四年六月二六日法律第八六号)及び「看護婦等の人材確保の促進に関する法律の看護婦等確保推進者に係る留意事項について」(平成四年一〇月二一日指第七四号・看第三三号)に基づき、看護婦等の配置及び業務の改善に関する計画を行う看護婦等確保推進者を設置するよう指導すること。

ウ 無資格者による医療行為の防止については、医療機関に対し採用時における免許証原本の確認の励行を指導するとともに、無資格診療等に係る通報等があった場合には直ちに検査を実施し、関係機関に連絡する等迅速な対応を図ること。

エ 病室の超過収容又は病室外での収容等直ちに是正すべき事項がある場合には、是正を指導するとともに医療機関に改善計画を提出させること。

なお、履行されない場合には医療法に基づく改善命令等により厳正に対処すること。

オ 特例許可老人病院で許可準則に定める医療従事者を確保していない病院については速やかに充足するよう指導すること。

なお、充足の見込みが立たない場合においては「老人病棟等に置くべき医師その他の従事者の定数の取扱いについて」(昭和五八年一月二八日医発第八四号)に基づき届出の手続を行うよう指導すること。

(二) 開設者及び非営利性の確認

病院及び診療所の運営に第三者が関与している疑いのある事例が発生している。これは医療法の根幹にかかわる重大な問題であり、このような事例に係る通報等があった場合には、「医療機関の開設者の確認及び非営利性の確認について」(平成五年二月三日総第五号・指第九号)に基づき厳正に対処すること。

(三) 防火・防災対策

医療施設の防火、防災安全対策は患者を入院させている等施設の特有な事情を考慮し、特に人命尊重の見地から「医療施設における防火・防災対策要綱の制定について」(昭和六三年二月六日健政発第五六号)により指導すること。

特に災害に際し、医療機関に災害救助法が適用された場合には、医療機関は地域の被災者の医療救護活動や収容等について積極的に対応する責務を負うことになるので、その使命が達せられるように、保健所は、常に地域の医療機関や医師会等と連絡を取っておくこと。

また、医療機関が自ら被災することを想定して防災マニュアルを作成することが有用であり、医療機関がマニュアルを作成するに際し、保健所はその作成を支援する視点から「病院防災マニュアル作成ガイドライン」(平成七年八月二九日「阪神・淡路大震災を契機とした災害医療体制のあり方に関する研究会」作成)を提供すること。

(四) 院内感染防止対策

院内感染防止対策は医療施設全体として取り組み、感染予防に関する原則的な注意事項を実行することが必要である。

この対応については、「医療施設における院内感染の防止について」(平成三年六月二六日指第四六号)を参考に、医療機関が適切に対処するよう周知徹底を図ること。

なお、最近問題となっている感染症等についても、「結核の病院内感染の防止等について」(平成九年八月二〇日医薬安第二〇号・健医感発第一二号)、「バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)に対する院内感染防止対策について」(平成九年四月二三日指第四一号・健医感発第一二号)等各々通知等が出ているので、適切に対処するよう周知徹底を図ること。

(五) 医療廃棄物の適正処理

医療廃棄物のうち感染を生ずるおそれがある感染性廃棄物については、廃棄物の処理及び清掃に関する法律を遵守するとともに、「感染性廃棄物の適正処理について」(平成四年八月一八日指第六一号)別添「廃棄物処理法に基づく感染性廃棄物処理マニュアル」により処理するよう指導すること。

なお、産業廃棄物処理業者の一部において不適正な契約や処理をしていた事例が判明したことから、法律の遵守について、再度「感染性廃棄物の適正処理について」(平成七年四月一四日指第二五号)を通知しており、その旨の周知徹底を図ること。

三 留意事項

(一) 院内の事故防止

医療従事者の過誤による事故等の防止については、従来から従事職員の教育、又は研修の実施を指導しているところであるが、事故の再発防止を図るため「診療の用に供するガス設備の保安管理について」(昭和六三年七月一五日健政発第四一〇号)、また、「輸血療法の適正化に関するガイドライン」(平成元年九月一九日健政発第五〇二号)を遵守するよう医療機関の関係職員に周知徹底を図るよう注意の喚起を行うこと。

(二) 職員の健康管理

全職員が定期健康診断を受診するよう指導すること。

四 その他

(一) 医療監視員の資質の向上等

都道府県は、講習会などにより医療監視員の資質の向上を図るとともに、医療監視結果の把握・分析を行い、その結果に基づき統一的な検査・指導を行うこと。

また、医療関係業務の適正な指導を行う必要があることから、専門の資格を有する医療監視員の確保について、特段の配慮をお願いする。

(二) 統一医療監視及び重点医療監視

厚生大臣の所管する医療法人の開設する病院については、統一医療監視として検査日を統一して実施することとし、また、医療従事者の数が標準数を著しく下回っている病院については、重点医療監視を実施することとしているのでご協力をお願いする。

五 医療監視結果に対する対策等

(一) 医療監視結果の不適合事項に対する対策

医療監視の結果、不適合事項を確認したときは、不適合事項、根拠法令及び不適合理由を文書で指示し、その改善の時期、方法等を具体的に記した改善計画書を期限をもって提出させ、その改善状況を逐次把握すること。

特に悪質な事案に対しては、法令に照らし厳正に対処すること。

なお、都道府県知事が医療法上の処分を行おうとする場合は、事前に健康政策局指導課長に協議すること。

(二) 報告

医療機関内において、重大な医療関係法規違反若しくは管理上重大な事故(多数の人身事故、院内感染の発生、診療用放射線器具等の紛失等)があった場合又は軽微な事故であっても今後の行政指導上の参考になると判断される事案については、速やかに事故の概要について医薬安全局監視指導課長に報告すること。