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○医療監視の実施方法等の見直しについて

(平成九年六月二七日)

(指第七二号)

(各都道府県衛生主管部(局)長あて厚生省健康政策局指導課長通知)

医療監視については、従来から厳正な実施をお願いしているところであるが、最近、医療機関における不祥事が発生し、国民の医療に対する信頼を根底から失いかねない事態となっている。

今般、医療監視の実施方法等について見直しを行い、左記のとおりとりまとめたので、今後の医療監視の実施に当たっては、遺憾なきよう留意されたい。

なお、各政令市・特別区に対しては、貴職から通知されたい。

1 医療監視の実施方法について

(1) 医療監視の実施時期について

医療法上適正を欠く等の疑いのある医療機関については、数度にわたる医療監視を行う等により厳正に対処すること。

(2) 医療監視の事前通告について

医療法上適正を欠く等の疑いのある医療機関に対して医療監視の事前通告を行う際には、最長でもおおむね一週間から一〇日前に行うこととし、また、必要に応じて事前に通告を行うことなく医療監視を実施すること。

(3) 医療監視後の再調査について

医療監視により改善指導を行った医療機関については、その改善状況を逐次把握するとともに、特に悪質な場合には改めて医療監視を実施するなどにより指導の徹底に努めること。

2 医療監視項目について

(1) 医療従事者の勤務状況に関する検査内容の充実について

従来、医療従事者の勤務状況の検査に当たっては、職員名簿、免許証、出勤簿、タイムカード、勤務割表、労働者名簿、賃金台帳等により調査していたところであるが、今後は、医療従事者名簿等の改ざん等の疑いがある場合には、さらに社会保険料の事業主負担の支払状況、住民税特別徴収税額通知書等の税関係書類、診療録、看護記録についても調査を実施すること。

また、必要に応じて面接による職員本人への個別の確認等を行うこと。

(2) その他の検査内容の充実について

医療従事者の勤務状況以外の監視項目についても、特に悪質な医療関係法規違反の疑いのある医療機関については、当該内容について重点的に医療監視を実施すること。

なお、その際の検査方法等については、必要に応じて厚生省に相談されたいこと。

3 医療監視の実施の強化について

(1) 医療監視に協力しない医療機関に対する告発について

医療監視を拒み、妨げ、若しくは関係書類等を提出しない等、医療監視に協力しない悪質な医療機関については、司法当局に対し、医療法第七四条第二号違反の疑いで告発を行う等により厳正に対処すべきこと。

(2) 他関係部局との連携の強化について

医療監視の実施に当たっては、保険・精神・福祉担当部局等の関係部局との連携を図るとともに、特に問題のある医療機関については、必要に応じて関係法規に基づく立入検査にあわせて医療監視を実施すること。

(3) 国、都道府県、保健所間の連携の強化について

特に悪質な違反の疑いのある医療機関については、内部部局間の連携を図り、医療監視の実施に際しては、保健所職員の他、都道府県職員も同時に立入るようにすべきこと。

(4) 系列病院等への統一医療監視の実施について

従来、統一医療監視については、同一の医療法人が開設する医療機関について実施してきたところであるが、今後は、同系列と見なしうる医療機関についても都道府県間、保健所間で連携を図りつつ、同時に医療監視を実施すべきこと。

(5) 医療監視員の資質の向上について

医療監視に当たっては、関係法規に基づく適切な対応がとられるよう、医療監視制度の趣旨、関係法令等についても、各医療監視員に周知を図る等、医療監視員に対する研修内容の一層の充実を図ること。

4 提供された情報に対する適切な対応について

住民、患者等からの医療機関に関する苦情、相談等については、各都道府県において、その適切な把握に努め、医療法違反が疑われる場合等については、医療監視を実施すること等により、適切に対処すること。