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○医療法施行規則の一部を改正する省令の施行について

(平成八年三月二六日)

(健政発第二六三号)

(各都道府県知事あて厚生省健康政策局長通知)

医療法施行規則の一部を改正する省令(平成八年厚生省令第一三号。以下「改正省令」という。別添参照。)は、平成八年三月二六日に公布され、同日から施行されたところであるが、その施行に当たっては、特に下記の事項に留意の上、その運用に遺憾なきを期されたい。

第一 病院の開設許可申請書の記載事項等に関する事項(医療法施行規則第一条、第二条、第三条、第四条及び第五条関係)

一 趣旨

病院の開設許可申請者等の事務負担軽減の観点から改正を行うものであり、規制緩和推進計画(平成七年三月閣議決定)により措置すべき事項とされたものであること。

二 病院等の開設許可申請書の記載事項等の省略

病院等の開設許可申請書の記載事項等のうち病院等の建物自体に係る記載事項等については、既存の病院等の開設者が相続、合併又は当該病院等の譲渡により交代する場合には通常変更されないことにかんがみ、変更がない事項の記載等を省略できることとしたものであること。

したがって、改正省令による改正後の医療法施行規則(昭和二三年厚生省令第五〇号。以下「新省令」という。)第一条、第二条、第四条及び第五条に規定する「譲渡」とは、所有権の移転を伴うもののみならず、広く既存の病院等においてその開設者の変更を伴うもの(相続、合併に係るものを除く。)を意味するものであること。

三 病院等の開設許可申請書の記載事項等に要している医師免許証の提示等

病院等の開設許可申請書の記載事項等のうち開設者の氏名等については、改正省令による改正前の医療法施行規則第一条第一項第一号等及び「無資格者による医業及び歯科医業の防止について」(昭和四七年一月一九日付け医発第七六号厚生省医務局長通知)第二―一により、免許証の提示及びその写しの添付の両方を要していたが、これを免許証の提示又はその写しの添付のいずれかの選択に改めるものであること。

第二 患者等の食事の提供の業務に関する事項(医療法施行規則第九条の一〇及び第二〇条関係)

一 趣旨

これまで病院における患者等への食事の提供(以下「患者給食」という。)の業務については、調理から配膳までのすべてを衛生面での配慮が行き届いた病院内の給食施設で行うこととされてきたところであること。

しかしながら、近年の調理技術及び衛生管理技術の進歩によって、冷蔵又は冷凍による安全な運搬及び保管が可能となるとともに、病院外の調理加工施設であっても適切な衛生管理が行われているところが増えており、衛生面での不安から病院内の施設に限定する必要は乏しくなっているのが現状であること。

また、患者給食においては、治療の一環であるという観点が必要であるが、それに加えて現在においては、アメニティの向上に関する方策や個人ごとの栄養管理、栄養指導等、より良い患者サービスの提供に資することも求められていること。このような多様化した患者ニーズに応えるためには、患者給食の提供方法についても、病院自らが行う場合も含め、様々な形態の中からサービスの向上につながるものを病院が自主的に選択することが必要となっていること。

こうした状況を踏まえ、医療法施行規則第九条の一〇及び第二〇条第八号の改正を行い、病院がサービス向上のために選択し得る一つの手段として、病院外の調理加工施設における患者給食業務の実施を認めるものとしたものであること。

二 〔略〕

第三 医療機器の保守点検の業務に関する事項(医療法施行規則第九条の七及び第九条の一二関係)

一 趣旨

医療機器の保守点検は、その性能を維持し、安全性を確保することによって、疾病の診断、治療等が適切に行われることを期待して、実施されるものであること。

しかし、保守点検の業務を適正に行う能力のない者が保守点検を行った場合には、診療に著しい影響を与えるおそれがあり、このため、これまでにも在宅酸素療法の用に供する酸素供給装置については、医療機器の保守点検の業務を行う者が満たすべき基準を設け、保守点検の業務の質の確保を図ってきたところであること。

今般、その他の医療機器についても、適正な管理が行われなければ、疾病の診断、治療等に著しい影響を与えるおそれがあり、慎重な取扱いを要するものについて、医療機器の保守点検の業務を行う者が満たすべき基準を設けることとしたものであること。

二 〔略〕

第四 診療用放射性同位元素又は放射性同位元素によって汚染された物の焼却による廃棄に関する事項(第三〇条の一一関係)

一 趣旨

病院又は診療所における診療用放射性同位元素又は放射性同位元素によって汚染された物(以下「診療用放射性同位元素等」という。)の焼却による廃棄を認めることに伴い、診療用放射性同位元素等を焼却する場合の設備の基準について定めるものであり、規制緩和推進計画により措置すべき事項とされたものであること。

二 診療用放射性同位元素等の焼却等について

(一) 新省令第三〇条の一一第一項第四号ロ(三)の規定は、フード、グローブボックス等の装置の設置を義務付けたものではないが、これを設けた場合には排気設備に連結すべきものであること。

(二) 診療用放射性同位元素等の焼却に当たっては、別紙「放射性有機排液の焼却対象、施設及び取扱いに関する安全指針」に基づいて焼却を行うほか、十分な安全性が確保されるべきものであること。

(三) 診療用放射性同位元素等を焼却する場合以外にあっては、従来から存する廃棄施設の構造設備の変更等は必要がないこと。

第五 その他〔略〕

三 「医療法施行規則の一部を改正する省令の施行について」(平成元年一月一八日付け健政発第二〇号厚生省健康政策局長通知)第二―(三)―八―(五)を削る。

第六 施行期日等

一 改正省令は、公布日(平成八年三月二六日)から施行すること。ただし、医療機器の保守点検の業務に関する改正規定は、平成八年一〇月一日から施行すること。

二 平成八年三月二六日において現に病院外へ搬出して食器の洗浄業務を行っている者については、平成八年九月三〇日までは、食器の消毒設備を有しなくても差し支えないものであること。

三 二に規定する者に食器の洗浄業務を委託する病院の給食施設にあっては、平成八年九月三〇日までの間は、新省令第二〇条第八号ただし書の規定にかかわらず、食器の消毒設備を設けなければならないものであること。

(別紙)

放射性有機廃液の焼却対象、施設及び取扱いに関する安全指針

第一 焼却対象物

一 含まれる核種及び性質、性状

焼却対象物は 3H、14C、32P、35S及び45Caを含む有機廃液(以下「廃液」という。)で十分な可燃性があり、装置に適した流動性を持つものに限ること。

二 放射性同位元素の濃度

焼却する廃液中の放射性同位元素の濃度(以下「RI濃度」という。)は、焼却炉の焼却能力、排気量及び排水量に応じて、排気口における排気中のRI濃度及び排水中のRI濃度が法定の許容濃度以下となる濃度とすること。

第二 焼却施設

一 焼却炉の具備すべき要件

(一) 材質

廃液タンク及び配管(給液管)を含む装置の材質は、耐熱性があり、廃液及び焼却残さに対し耐食性を有したものであること。また、燃焼室は、耐火材を用いたものであること。

(二) 構造及び性能

① 気体が漏れにくく、かつ、灰が飛散しにくい構造とすること。

② 焼却炉本体及び捕集装置等の内部に付着又は沈澱した固形物を洗浄又は除去できる構造とすること。

③ タンク内の廃液及び助燃剤の温度が燃焼中に上昇するおそれがあるときは、遮熱板又は冷却装置を設けること。

④ 廃液及び助燃剤のタンクには液位計を設けること。

⑤ 不完全燃焼を起こしにくいものであること。

⑥ 燃焼状態の安定を保つことができるよう、次の措置を講じること。

ア ノズルのつまり防止策を施すこと。

イ 自動送液停止装置を設けること。

⑦ 点火が安全かつ確実に行われること。

⑧ 給気が安定に行われること。

⑨ 点検又は修理を行う場合に汚染が広がりにくい構造とすること。

⑩ 爆発防止装置として次の装置を設けること。

ア 点火前、燃焼終了時及び運転中の燃焼停止時に、残留ガスのエアパージができる装置

イ 運転中の燃焼停止時に、自動的に廃液の供給が停止する装置

ウ その他再点火時に爆発を防止する装置

⑪ 必要に応じて放散孔を設けること。

⑫ 必要に応じて給液管には逆火防止装置として逆止弁を設けること。

⑬ 地震感知消炎装置を設けること。

⑭ 火炎検知装置又は監視窓を設けること。

⑮ 焼却炉の異常高温及び異常消炎を監視する装置を設けること。また、必要に応じて焼却炉の異常圧力並びに廃液及び助燃剤タンクの異常高温を監視する装置を設けること。

⑯ ばい煙等の捕集装置を設けること。

(三) 焼却炉を設置する施設の具備すべき要件

廃棄作業室、汚染検査室、排気設備及び排水設備を設けること。

二 取扱い

(一) 焼却炉の取扱いに関する注意事項

① 廃液を焼却する前に、燃焼状態が安定するように助燃剤等による予熱を行うこと。

② 点火及び燃焼終了時に、必ずエアパージを行うこと。

③ 焼却炉の運転中は炉内温度、煙漏れ、水漏れ及び必要に応じ炉内圧力その他の異常の有無について十分な監視を行うこと。

④ あらかじめ定められた期間ごとに次の点検及び清掃を行うこと。イの作業は廃棄作業室内で行い、汚染の広がらないように注意して行うこと。

ア 燃焼室並びに燃焼機器、地震感知消炎装置及び電気系統の作動状況、ポンプ系統に関する点検

イ 火炎検知装置、監視窓及びタンク配管系統の清掃並びに燃焼室内及び捕集装置内の残さの洗浄又は除去

(二) 焼却残渣等の取扱い

① 捕集装置の洗浄水又は捕集水を排水する場合は、排水設備に排水すること。

② 固形物、残さ等は、保管又は委託により廃棄すること。

(三) 測定

放射線の量及び放射性同位元素による汚染の状況の測定は一月を超えない作業期間ごとに行い、その結果を記録すること。

(四) 廃棄の記録

廃棄の作業を行った場合には、その都度記録すること。

(五) 焼却炉の管理体制等

① 焼却炉の管理体制は、関係者の職務、権限及び責任を明確化し、明示すること。

② 異常時及び緊急時の措置

ア 異常を発見した場合は直ちに運転を停止し、原因を究明すること。

イ 異常の原因が明らかでないまま運転を再開しないこと。また、再点火する前に十分エアパージを行うこと。

③ 焼却炉の運転担当者、保守点検担当者及び廃棄作業に従事する者に対する教育訓練を行うこと。

④ 次の項目を含むマニュアルを作成すること。

ア 焼却炉の安全運転法、廃液の取扱法及び異常時並びに緊急時の措置

イ 保守点検項目及びその時期