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○医療法施行規則の一部を改正する省令の施行に当たり留意すべき事項等について

(平成元年一月一八日)

(健政発第二〇号)

(各都道府県知事あて厚生省健康政策局長通知)

診療用放射線の防護に関し、医療法施行規則の一部を改正する省令が昭和六三年九月三○日厚生省令第五六号として公布されたことについては、既に昭和六三年九月三○日健政発第六○二号により、お知らせしたところであるが、この省令の改正の要点及び施行に当たり留意すべき事項は左記のとおりであるので遺憾のないよう御指導願いたい。

なお、医療法施行規則の一部を改正する省令の施行について(昭和三七年一一月一二日医発第九四六号)は、廃止されたので御了知ありたい。

第一 共通事項

(一) 用語

次のとおり、用語が改められたこと。

1 従来、吸収線量の意味で使用されていた「放射線量」は、原則として「線量当量」に改められたこと。

2 「許容」は「限度」に改められたこと。

(二) 単位

次のとおり、単位が国際単位系に改められたこと。

1 「キュリー」→「ベクレル」

(1キュリー=3.7×1010ベクレル)

2 「レントゲン」→「クーロン毎キログラム」

(1レントゲン=2.58×10―4クーロン毎キログラム)

3 「レム」→「シーベルト」

(1レム=1×10―2シーベルト)

第二 個別事項

(一) 届出に関する事項

1 診療用放射線照射装置の届出(第二六条)

診療用放射線照射装置として規制の対象となっていたもののうち、第二七条の二に定める機器は、新たに放射性同位元素装備診療機器として規制されることとなったこと。

2 診療用放射線照射器具の届出(第二七条)

診療用放射線照射器具として規制の対象となっていたもののうち、第二七条の二に定める機器は、新たに放射性同位元素装備診療機器として規制されることとなったこと。

3 放射性同位元素装備診療機器の届出(第二七条の二)

(1) 診療用放射線照射装置又は診療用放射線照射器具として規制の対象となっていた医療機器のうち、使用実態に鑑み、安全性が高く遠隔操作等の規制を要しないと考えられるものを、今回の改正により、新たに放射性同位元素装備診療機器として規制することとされたこと。

(2) 厚生大臣の定める放射性同位元素装備診療機器は、別途告示(昭和六三年厚生省告示第二四三号)で定められているので、当該告示を参照されたい。

(3) なお、今回の放射性同位元素装備診療機器の創設に伴い、「医療法上の手続と放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律上の手続との関係について(昭和四五年四月一○日医発第四○五号)」第一の四の(1)中「診療用放射線照射器具」の次に「、放射性同位元素装備診療機器」を追加すること。

4 診療用放射性同位元素の届出(第二八条)

本条に規定する診療用放射性同位元素は、放射性同位元素等による放射線障害防止に関する法律(昭和三二年法律第一六七号)(以下「防止法」という。)の適用を除外されている医薬品である放射性同位元素をいうものであること。

5 変更等の届出(第二九条)

(1) 放射性同位元素装備診療機器についても変更届の対象とされたこと。

(2) 病院又は診療所に放射性同位元素装備診療機器を備えなくなったときは、その旨を届け出ることとされたこと。

(二) エックス線装置等の防護に関する事項

1 エックス線装置の防護(第三○条)

(1) 第一項第一号のエックス線管の容器及び照射筒に関する防護については、従前通り、エックス線量によること。この場合において、「利用線錐以外のエックス線」とは当該容器又は照射筒からの漏えい線量のみをいうこと。また、一時間当りのエックス線量とは、次の表の上欄に掲げるエックス線装置の種類に応じて下欄に掲げるエックス線量とすること。

エックス線装置の種類

エックス線量

治療用エックス線装置

連続定格による一時間のエックス線量

透視用エックス線装置

通常の使用状態における一時間のエックス線量

直接撮影用エックス線装置

通常の使用状態において二○人程度使用したときのエックス線量

間接撮影用エックス線装置

通常の使用状態において一○○人程度使用したときのエックス線量

なお、透視を行う場合にあっては、防護衣、防護手袋等を使用すること等により、放射線診療従事者等の被ばくする線量当量の低減に努めるよう指導されたい。

(2) 第一項第二号の「総濾過」には、従前通り、装置自身による自己濾過をも含むものであること。定格出力の管電圧が六○キロボルト未満のエックス線装置についてもその利用線錐の総濾過がアルミニウム当量一・五ミリメートル以上になるような附加濾過板を付することが望ましい旨指導されたい。

なお、附加濾過板の質は診療上適宜定められるものであるが、その基準は、概ね次のようなものであること。

管電圧(波高値とする。)

使用濾過板

二○キロボルト以下

セロファン

二○キロボルト~一二○キロボルト

アルミニウム

一二○キロボルト~四○○キロボルト

四○○キロボルト以上

(3) 第二項第五号の蛍光板の防護については、従前通り、エックス線の線量率によること。

(4) 第三項の規定は、直接撮影の際、患者の不必要な放射線被ばくを少なくすること及び患者からの散乱線の発生を少なくすることを目的に設けられたものであること。

(5) 第四項第二号の蛍光箱の防護については、従前通り、エックス線量によること。この場合のエックス線量は、エックス線管容器及び照射筒からの漏えい線を含むものであること。

(6) 第四項第三号の規定は、エックス線管の予熱及び暗流により発生するエックス線による障害を防止するためのものであること。

(7) 治療用エックス線装置については、運動式のものであっても必ずしも対向板を設ける必要はなく、画壁等の外側において所定の線量当量以下になればよいこと。

(8) 移動型又は携帯型エックス線装置は、手術室で一時的に使用する場合を除き、撮影のみに使用し、透視は行わないこと。なお、使用する場合には、放射線診療従事者等及び他の患者等に対する必要な防護措置を講じた上で行う旨指導されたい。

(9) 歯科用エックス線装置(デンタルエックス線装置をいい、パノラマ・エックス線装置は含まれない。以下同じ。)については次のような措置を講ずるよう指導されたい。

(ア) 撮影専用とし、透視は行わないこと。

(イ) 焦点皮膚間距離は、一五センチメートル以上に保つこと。ただし、やむを得ず一五センチメートル以内に近づけるときは、放射線障害の防止に注意すること。

(ウ) 照射野の直径は、皮膚面において八センチメートルを超えないようにすること。

2 診療用高エネルギー放射線発生装置の防護(第三○条の二)

(1) 第一号の「利用線錐以外の放射線量」は当該発生管からの漏えい線量のみをさすこと。なお、本号においては従前通り中性子線を含まないこと。

(2) 第二号の規定は、患者の不必要な被ばくを少なくすること等を目的に設けられているものであり、電路を開放した後照射を開始するまでに発生する不必要な放射線及び電路を閉鎖した後に発生する不必要な放射線をしゃへいするためのものであること。

(3) 第四号の規定は、いわゆるインターロックであって、不注意に使用室に人が立ち入る場合等に発生する放射線障害を未然に防ぐためのものであること。

3 診療用放射線照射装置の防護(第三○条の三)

(1) 第一号の放射線源の収納容器に関する防護については、放射線量率によること。

なお、照射時における容器のしゃへい能力については個々の場合に応じてできるだけ患者が不必要な放射線により被ばくすることのないよう指導されたい。

(2) 診療用高エネルギ―放射線発生装置同様、診療用放射線照射装置についてもできる限り、インターロックとするよう指導されたい。

(3) 第二号の規定は、いわゆるアフターローディング装置については、適用されないこと。

(三) エックス線診療室等の構造設備に関する事項

1 エックス線診療室(第三〇条の四)

(1) 第一号のエックス線診療室の画壁等の防護については、従前は、エックス線診療室の区分ごとにエックス線装置の一週間当たりの延べ使用時間に応じた放射線量率によることとされていたが、今回の改正によりエックス線診療室の区分及びエックス線装置の使用時間にかかわらず、一週間当たりの一センチメートル線量当量によることとされたこと。

また、第一号ただし書に規定する「その外側が、人が通行し、又は停在することのない場所」とは、床下がただちに地盤である場合、壁の外ががけ、地盤面下等である場合など極めて限定された場合であり、特に天井及び窓等について防護が不完全な場合が予想されるので、その適用については十分注意して指導されたい。

なお、この場合の線量当量率は、画壁等の外側の最も近接した点で通常の使用状態において測定すること。

(2) 第二号ただし書のうち「体腔管照射を行う等の場合」とは、次に掲げる場合に限られること。

(ア) 当該医師みずからの操作により、透視、体腔管治療又は超軟線治療を行う場合。

(イ) 一週間につき二〇〇〇ミリアンペア秒以下で操作する歯科用エックス線装置による撮影を行う場合。

(ウ) 使用時において機器から一メートル離れた場所における線量当量が、六マイクロシーベルト毎時以下となるような構造である骨塩定量分析エックス線装置を使用する場合。

(エ) 使用時において機器表面における線量当量が、六マイクロシーベルト毎時以下となるような構造である輸血用血液照射エックス線装置を使用する場合。

なお、これらの場合にあっても、防護衣等を使用することにより、放射線診療従事者等の被ばくする線量当量の低減に努めるよう指導されたい。

(3) (2)の(イ)の場合のうち、一時に二人以上の患者の診療を行わない構造になっている歯科用エックス線装置による撮影を行う室については、エックス線診療室と診察室とを兼用しても差し支えないこと。

なお、この場合にあっても第三〇条の四に定める基準を満たし、あわせて管理区域を設定し第三〇条の一六に定める措置を講ずることは当然であること。

これ以外の場合にあっては、増改築、歯科用エックス線装置の購入等の機会をとらえ、速やかに専用のエックス線診療室を整備するよう指導されたい。

なお、歯科における放射線被ばく防護について(昭和五三年七月二〇日医発第七八二号)は廃止する。

(4) (2)の(エ)にいう輸血用血液照射エックス線装置については、放射線診療従事者等以外の者が当該機器を使用する場合にみだりに立ち入らないよう画壁を設ける等の措置を講じ、画壁の内部から外部に通ずる部分に、かぎその他の閉鎖のための設備又は器具を設ける場合にあっては、当該機器使用場所をエックス線診療室とみなして差し支えないものであること。

なお、この場合にあっては、当該エックス線診療室全体を管理区域とすること。

2 診療用高エネルギー放射線発生装置使用室(第三○条の五)

第一号の診療用高エネルギー放射線発生装置使用室の画壁等の防護については、第二(三)1(1)を参照されたい。

なお、この場合の線量当量の測定は、放射線発生装置の定格出力を最高値にとり、画壁等の外側の最も近接した点で行うこと。

3 診療用放射線照射装置使用室(第三○条の六)

第二号の診療用放射線照射装置使用室の画壁等の防護については、第二(三)1(1)を参照されたい。

4 診療用放射線照射器具使用室(第三○条の七)

第一号の診療用放射線照射器具使用室の画壁等の防護については、第二(三)1(1)を参照されたい。

この場合の線量当量の測定は、通常、患者に対して使用する最大量の診療用放射線照射器具を、通常使用する場所に置き、画壁等の外側の最も近接した点で行うこと。

なお、「使用」とは、診療用放射線照射器具を患者に装着することであるので、診療用放射線照射器具を装着した患者は、放射線治療病室等に収容するよう指導されたい。

5 放射性同位元素装備診療機器使用室(第三○条の七の二)

(1) 本条は、今回の改正により新たに規定された放射性同位元素装備診療機器使用室の構造設備の基準を定めるものであること。

(2) 放射性同位元素装備診療機器を使用するに当つては、放射性同位元素装備診療機器使用室を設けることが原則であるが、第三○条の一四に定めるように、本条に定める基準に適合する室である場合には、使用しても差し支えないこと。

なお、この場合にあっては、第二七条の二第三項の届出は、当該使用場所を放射性同位元素装備診療機器使用室とみなして行わせること。

(3) 第二号の規定は、盗難防止の観点から規定されたものであること。

(4) 第四号「その他適切な放射線障害の防止に関する予防措置」の内容は、次のとおりであること。

(ア) 骨塩定量分析装置に関しては、管理区域を設定するとともに、使用時に六マイクロシーベルト毎時以上となる場所には、同装置の使用の際、間仕切りを設けること。

(イ) ガスクロマトグラフ用エレクトロン・キャプチャ・ディテクタに関しては、機器の表面をもって管理区域とし、標識を付すること。

(ウ) 輸血用血液照射装置に関しては、使用時に六マイクロシーベルト毎時以下となる場所に画壁を設ける等の措置を講ずることにより管理区域の境界を明確にすること。その場合にあっては、第三〇条の七の二に定める構造設備の基準に適合していれば、当該使用場所を放射性同位元素装備診療機器使用室とみなして差し支えないこと。

また、放射線診療従事者等の被ばくする線量当量の低減に努めるよう指導されたい。

なお、放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律施行規則(昭和三五年総理府令第五六号)第一四条の六第一項第六号の規定により、輸血用血液照射装置を使用する場合に、その旨を自動的に表示する装置を設けなければならないことを念のため申し添える。

6 診療用放射性同位元素使用室(第三○条の八)

(1) 第一号の規定は、放射性同位元素が火災に際して近隣を汚染することの多いことに鑑み、防火上の安全を図るために設けられたものであること。

(2) 第二号については、準備室(小分け、分注、調剤等を行う室をいう。)と診療を行う室とを区画し、準備室の放射性同位元素によって汚染された空気、水等が診療を行う室を汚染することをなるべく少なくするよう指導されたい。

(3) 第三号の画壁等の外側における放射線の防護については、従前は、一週間につき一○○ミリレム以下の放射線量とされていたが、今回の改正により、他の使用室と同様、一週間につき一ミリシーベルト以下の線量当量とされたこと。

この場合の線量当量は、一週間の線量当量として測定することが望ましいが、これが困難な場合には通常の診療又は調剤等を行う場所において、通常使用する最大量による線量当量率を測定し、算出して差し支えないこと。

(4) 第一○号の規定は、準備室に設けられる洗浄設備について、診療用放射性同位元素又は放射性同位元素によって汚染された液を安全に廃棄するために廃棄施設の排水設備に凍結することとされたものであること。

(5) 第一一号の規定は、フード、グローブボックス等の装置の設置を義務付けたものではないが、これを設けた場合に排気設備に連結すべきものとされたものであること。

7 貯蔵設備(第三○条の九)

(1) 第二号については、従前は、貯蔵施設の外側における放射線量率を二ミリレム毎時以下とすることとされていたが、今回の改正により、一センチメートル線量当量を一週間につき一ミリシーベルト以下とすることとされたこと。

(2) 第八号の「貯蔵容器」については、従前は、取扱時における放射線防護の観点から、貯蔵容器から一メートルの距離における放射線量率とされていたが、今回の改正により、貯蔵容器から一メートルの距離における線量当量率とされたこと。

この場合の線量当量率は、貯蔵しうる最大量を貯蔵して測定すること。

なお、同号ただし書に規定する貯蔵箱等とは、当該貯蔵箱等の内部が引き出し式、つめ込み式等となっており、当該貯蔵箱等のとびら、ふた等を開放した場合においても一メートルの距離における線量当量率が一○○マイクロシーベルト毎時以下になるように放射線をしゃへいすることができる構造になっているものをいうこと。

8 廃棄施設(第三○条の一一)

(1) 第一項第一号の規定は、今回の改正により、他の使用室等と同様にその外側における放射線の線量当量を一週間につき一ミリシーベルト以下とすることとされたものであるが、排液処理槽、保管廃棄設備等継続的に放射線を放出するものについては、従前通り、特にその防護について留意するよう指導されたい。

(2) 患者の糞便、汚染された衣類を洗濯した水等についても、その放射性同位元素の濃度が別表第三又は別表第四に定める濃度を超える場合は本条の適用を受けるものであり、排水設備により廃棄すること。

(3) 第一項第二号イ及び同項第三号イの規定に基づき、排水監視設備又は排気監視設備を設けて病院又は診療所の境界における排水中又は排気中の濃度を監視することにより、これらの濃度を一定限度以下とする能力を有する排水設備又は排気設備施設も、今回の改正により、廃棄施設として認められることとなったこと。

(4) 第二項の規定は、今回の改正により、第一項第二号イ及び同項第三号イに規定する能力を有する排水設備又は排気設備を設けることが著しく困難な場合において、病院又は診療所の境界における実効線量当量を一年間につき一ミリシーベルト以下とする能力を当該排水設備又は排気設備が有することにつき厚生大臣の承認を受けた場合は第一項第二号イ及び同項第三号イの規定を適用しないこととされたものであるが、本項の承認は、厚生大臣が個別に行うものであるので、病院又は診療所の開設許可申請、変更許可申請又は施設設備の使用許可申請に当たり、本項の規定に該当する排水設備又は排気設備がある場合には、許可申請者に対して、あらかじめ厚生大臣から当該能力の承認を受けるよう指導されたい。

9 放射線治療病室(第三○条の一二)

(1) 第一号の画壁等の防護については、従前は、放射線量率を二ミリレム毎時以下とすることとされていたが、今回の改正により、一センチメートル線量当量を一週間につき一ミリシーベルト以下とすることとされたこと。

この場合の線量当量は、通常の場合における最大使用量、患者の数及び各患者から画壁等までの距離を考慮して測定すること。

なお、第一号ただし書きにより放射線治療病室相互の画壁等については、第一号本文に規定するしゃへいを必要としないこととされているが、この場合であっても隣室の患者が不必要に放射線に被ばくすることのないよう適当な防護措置を講ずるよう指導されたい。

また、二人以上を収容する病室については、各患者の間に適当な防護物を設け、又は、適当な距離をとる等患者が不必要な放射線に被ばくすることのないよう指導されたい。

(2) 第三号の規定は、診療用放射性同位元素により治療を受けている患者を収容する放射線治療病室の患者の嘔吐物、排せつ物等による放射性同位元素による汚染の除去に関するものであること。

なお、診療用放射性同位元素により治療を受けている患者の使用する便所は、第二(三)8(2)に記したとおり廃棄施設としての構造設備の基準に適合させなければならない場合が多く、他の患者と共用しないことが望ましいので、なるべく専用のものとするよう指導されたい。

(四) 管理者の義務に関する事項

1 使用場所の制限(第三○条の一四)

(1) 表中のエックス線装置の使用に関し、下欄に掲げる「特別の理由により移動して使用する場合」とは、移動型又は携帯型エックス線装置(間接撮影用エックス線装置を除く。)を、移動困難な患者に対して使用する場合及び歯科用エックス線装置を臨時に移動して使用する場合をいうものであること。

また、今回の改正により、新たに追加された「特別の理由により診療用高エネルギー放射線発生装置使用室若しくは診療用放射線照射装置使用室において使用する場合」とは、放射線を照射すべき部位を正確に決定するため診療用高エネルギー放射線発生装置又は診療用放射線照射装置とエックス線装置を組合せて使用する必要がある場合に限定されること。なお、この場合であってもエックス線装置の使用は遠隔操作で行うこと。

(2) 今回の改正により、一定の要件のもとに集中強化治療室又は心疾患強化治療室(以下「集中強化治療室等」という。)における診療用放射線照射器具の使用が認められたこと。

なお、表中の診療用放射線照射器具の使用に関し、「一時的に使用する場合」とは、集中強化治療室等における医学的な管理の必要がある患者に対し、診療用放射線照射器具の使用が必要上やむを得ない場合に限り、一時的に使用することを認めるという趣旨であり、集中強化治療室等において管理する必要のない患者に対して使用するようなことは認められないこと。

また、「適切な防護措置及び汚染防止措置」の内容は、概ね次のとおりであること。

(ア) 使用核種は次のとおりとすること。

ヨウ素一二五、イリジウム一九二、金一九八

(イ) 他の患者が被ばくする一センチメートル線量当量が一週間につき一○○マイクロシーベルト以下となるようなしゃへいその他の措置を講じること。

(ウ) 診療用放射線照射器具使用室を有していること。

(エ) 診療用放射線照射器具を使用する場合には、放射線治療病室を有すること。

(オ) 使用後においては、測定器により使用場所の線量当量を測定し、診療用放射線照射器具の紛失や放置がないことを確認すること。

(カ) 集中強化治療室等における放射線障害発生の防止については、責任者を選任する等管理体制を明確にしておくこと。

(3) 今回の改正により、一定の要件のもとに集中強化治療室等における診療用放射性同位元素の使用が認められたこと。

なお、表中の診療用放射性同位元素の使用に関し、下欄に掲げる「一時的に使用する場合」とは、集中強化治療室等における医学的な管理の必要のある患者に対し、診療用の放射性同位元素の使用が必要上やむを得ない場合に限り、特別に使用することを認めるという趣旨であり、集中強化治療室等において管理する必要のない患者に対して使用するようなことは認められないこと。

また、「適切な防護措置及び汚染防止措置」の内容は、概ね次のとおりであること。

(ア) 使用時においては、汚染検査に必要な測定器を備え、使用後は、使用場所の線量当量を測定し、汚染の有無を確認すること。

(イ) 使用時においては、汚染除去に必要な器材を備えること。

(ウ) 集中強化治療室等で診療用放射性同位元素により汚染されるおそれのある場所の床、壁面が気体又は液体が浸透しにくく、平滑で腐食しにくい構造となっていること。

(エ) 使用核種は次のとおりとすること。

テクネシウム九九m、タリウム二○一、ヨウ素一二三

(オ) 他の患者が被ばくする放射線の一センチメートル線量当量が一週間につき一○○マイクロシーベルト以下となるようなしゃへいその他の措置を講じること。

(カ) 診療用放射性同位元素使用室を有すること、また、使用する診療用放射性同位元素の準備及び使用後の汚染物の処理は、診療用放射性同位元素使用室で行うこと。

(キ) 集中強化治療室等における放射線障害発生の防止について責任者を選任する等管理体制を明確にしておくこと。

(4) 放射性同位元素装備診療機器については、第三○条の七の二に定める構造設備の基準に適合する室であれば、専用の放射性同位元素装備診療機器使用室を設置しなくとも、使用することが認められることとなったが、この場合にあっても、放射線取扱施設で使用することは、認められないこと。

2 診療用放射性同位元素等の廃棄の委託(第三○条の一四の二)

本条第一項に基づく「廃棄物詰替施設、廃棄物貯蔵施設、廃棄施設の位置、構造及び設備にかかる技術上の基準を定める件」(昭和五七年厚生省告示第一四五号)についても所要の改正が行われたので、当該告示を参照されたい。

3 患者の収容制限(第三○条の一五)

第一項ただし書の規定は、診療用放射線照射器具又は診療用放射性同位元素を装着又は投与された移動困難な患者を集中強化治療室又は心疾患強化治療室に収容し、観察する場合を想定し、今回の改正により新たに設けられたものであること。したがって、患者が移動可能な状態となった場合は速やかに放射線治療病室に収容するよう指導されたい。

なお、「適切な防護措置及び汚染防止措置」とは、第二(四)1(2)及び(3)と同様であること。

4 管理区域(第三○条の一六)

(1) 今回の改正により、放射性同位元素を経口摂取するおそれのある場所での飲食が禁止されたことに伴い(第三○条の一八第一項第六号)、管理区域の設定に当たつて水に含まれる放射性同位元素の濃度を考慮する必要はないものとされたこと。

(2) 管理区域内に人がみだりに立ち入らないようにするための措置として、第一項に規定する標識を付するほか、注意事項を掲示し、また、必要に応じて柵を設ける等の措置を講ずること。

(3) 今回の改正により、放射線診療従事者等の定義が改められたこと。(詳細については、第二(四)6(1)を参照のこと。)

5 敷地の境界等における防護(第三○条の一七)

(1) 本条の規定は、病院又は診療所内に居住する者及び病院又は診療所の近隣に居住する者等の一般人の放射線による被ばくを防止するために設けられたものであること。

(2) 従来の基準では一週間につき一○ミリレム以下の放射線量とされていたが、今回の改正により三月間につき二五○マイクロシーベルト以下の線量当量に基準が引き上げられたこと。

6 放射線診療従事者等の被ばく防止(第三○条の一八)

(1) 今回の改正により、被ばく管理の対象となる「放射線診療従事者等」の定義が、「放射線診療に従事し、又はこれを介助する者」から「診療用放射性同位元素又はエックス線装置等の取扱い、管理又はこれに付随する業務に従事する者であつて管理区域に立ち入る者」に改められ、防止法との整合性が図られたこと。

「放射線診療従事者等」とは、具体的には、放射線診療に従事若しくは放射性医薬品を取り扱う医師、歯科医師、診療放射線技師、看護婦、准看護婦、歯科衛生士、臨床検査技師、薬剤師等をいい、営繕職員、事務職員、前記以外の看護婦等は含まないこと。

なお、エックス線装置等の使用時において放射線被ばくのおそれのある場合には、管理者に対し、原則として放射線診療従事者等以外の者を管理区域内に立ち入らせないよう指導されたい。

また、これらの者を使用時又は使用時以外の管理区域内に立ち入らせる場合にあつては、一センチメートル線量当量について一○○マイクロシーベルトを超えるおそれのある場合は、線量当量の測定を行うよう指導されたい。

(2) 放射線診療従事者等の被ばくの基準について、従前は、最大許容被ばく線量及び最大許容集積線量によることとされていたが、今回の改正によりこれを廃止し、実効線量当量限度及び組織線量当量限度によることとされたこと。

(3) 今回の改正により、放射性同位元素を経口摂取するおそれのある場所での飲食が禁止されたことに伴い、診療用放射性同位元素使用室、貯蔵施設又は廃棄施設において放射線診療従事者等が飲用する水に含まれる放射性同位元素の濃度規制が廃止されたこと。

(4) 今回の改正により、線量当量は、外部被ばくによる線量当量及び内部被ばくによる線量当量に分けて測定するものとされたこと。

なお、測定することが著しく困難な場合には、計算によつて算出できるものであること。

(5) 今回の改正により、新たに女子(妊娠不能と診断されたものを除く。)についての測定の方法が定められたこと。

(6) 外部被ばくによる線量当量の算定方法、内部被ばくによる線量当量の測定方法並びに実効線量当量及び組織線量当量の算定方法については別途告示(昭和六三年厚生省告示第二四五号)が定められたので、当該告示を参照されたい。

7 患者の被ばく防止(第三○条の一九)

従前においては、放射線による治療を受けている患者以外の患者について、その被ばくする放射線量を三月間につき一三○ミリレム以下とするものとされていたが、今回の改正により、病院又は診療所内に収容されている患者全てについて、当該患者が診療により被ばくする線量当量を除き、その被ばくする線量当量を三月間につき一・三ミリシーベルト以下とするものとされたこと。

8 取扱者の遵守事項(第三○条の二○)

放射性同位元素等による汚染の除去を行うときは、診療用放射性同位元素使用室内の汚染を除去するために設けられた場所及び専用の洗濯場において行うよう指導されたい。

9 エックス線装置等の測定(第三○条の二一)

治療用の装置についてはその精度を確保する必要があるため、今回の改正により新たに、診療用高エネルギー放射線発生装置及び診療用放射線照射装置についても、その放射線量の測定義務が課されることとされたこと。

10 放射線障害が発生するおそれのある場所の測定(第三○条の二二)

放射性同位元素装備診療機器使用室の測定については、第一項第一号に定める一定の条件をみたすときには、六月を超えない期間に一回測定を行えば足りることとされたこと。

11 記帳(第三○条の二三)

今回の改正で第三○条の四から第三○条の七までに掲げる各表が削られたことにより、第一項の規定による記帳は、エックス線装置等の一週間当たりの使用時間数を把握する意義を有することとなつたものであるが、従前通り、この場合の一週間当たりの使用時間は、原則として、各使用時間の累積によること。なお、次に掲げる装置についてはそれぞれに掲げるところにより算出して差し支えない。

(ア) 直接撮影用エックス線装置

1週間の撮影回数×/骨の場合1秒/パノラマ・エックス線装置1秒(注)/その他の場合 10分の1秒/

(注) パノラマ・エックス線装置については、フィルム保持部分を透過するもれ線量が少ないこともあり、一秒と換算しても差し支えない。

(イ) 間接撮影用エックス線装置

蓄電器放電型のもの 1週間の撮影回数×20分の1秒

変電器型のもの   1週間の撮影回数×10分の8秒

12 廃止後の措置(第三○条の二四)

診療用放射性同位元素使用室、放射線治療病室の用途を変更する場合は、あらかじめ本条による措置を講ずるよう指導されたい。

また、第二号の規定による譲渡の相手方は防止法による許可を受けた廃棄業者に限られるものであるので遺憾のないよう指導されたい。

13 事故の場合の措置(第三○条の二五)

事故による放射線障害は、病院又は診療所のみならず一般社会に与える影響が大きいので、速やかに関係機関に通報するよう周知徹底されたい。

なお、女子(妊娠不能と診断された者を除く。)を放射線障害を防止するための作業に従事させることのないよう指導されたい。

(五) 限度に関する事項

1 濃度の限度等(第三○条の二六)

(1) 排気口における排気中又は排水口における排水中の放射性同位元素の濃度の限度については、従前は、八時間の平均濃度により規制されていたが、今回の改正により、排気、排水の他排液を含め、三月間の平均濃度による規制に改められたこと。

(2) 排気中又は排水中の放射性同位元素の濃度の限度は、別表第三及び別表第四のとおり、また、放射性同位元素によつて汚染される物の表面の放射性同位元素の密度の限度が別表第五のとおり改められたこと。

2 線量当量限度(第三○条の二七)

従来は放射線診療従事者等の被ばくする最大許容被ばく線量が三月間につき三レム、男子の緊急時被ばくについては一二レムとし、かつ最大許容集積線量について定めていたが、今回の改正によりこれを廃止し、実効線量当量限度については、四月一日を始期とする一年間につき五○ミリシーベルト、男子及び妊娠不能と診断された女子の緊急時被ばくについては、一○○ミリシーベルトとされ、組織線量当量限度については、被ばくを受ける部位等に応じて限度が定められたこと。

(六) 線量当量の算定等

1 放射線取扱施設及び管理区域の境界における線量当量の算定

(1) 線量当量の算定に当たつては、エックス線装置等の利用形態に従い、使用時、保管時又は使用時及び保管時の合計の線量当量を計算すること。また、内部被ばくのある場合は、その数値も加算すること。新たにエックス線装置等を備えようとする場合については推定によること。なお、使用時及び保管時の線量当量の算定はそれぞれ以下のように行うこと。

(ア) 使用時における線量当量は、次のように算出すること。

① 第三○条の二三の規定により記帳されている放射線取扱施設及び当該施設に係る管理区域にあつては、記帳された一週間当たりの延べ使用時間に線量当量率を乗じて算出すること。ただし、エックス線装置については、一週間当たりの延べ使用時間が四八○秒未満である場合は四八○秒として計算すること。

② 診療用放射性同位元素使用室及び当該使用室に係る管理区域にあつては、一週間当たりの最長の延べ使用時間に線量当量率を乗じて算出すること。

③ 複数の放射線取扱施設に係る管理区域にあつては、各施設の一週間当たりの延べ使用時間に線量当量率を乗じて算出した線量当量を合計すること。

(イ) 保管時における線量当量は、次のように算出すること。

① 一週間当たりの保管時間数は、四八時間から使用時間数を減じたものとすること。

② 複数の放射線取扱施設に係る管理区域にあつては、各施設の保管時間に、当該施設の線量当量率を乗じて算出した線量当量を合計すること。

(2) 線量当量の評価は、「放射線診療従事者等が被ばくする線量当量の測定方法並びに実効線量当量及び組織線量当量の算定方法を定める件」(昭和六三年厚生省告示第二四五号)を参考に行うこと。

ただし、当該評価に当たつて、その評価点におけるエネルギーが不明な場合については、次のとおり取り扱うこと。

(ア) 放射線がエックス線又はガンマ線の場合

・H1cm(mSv)=照射線量×空気吸収線量への換算係数×1.74(注)

・H3mm(mSv)=照射線量×空気吸収線量への換算係数×1.67(注)

・H70μm(mSv)=照射線量×空気吸収線量への換算係数×1.59(注)

(注)空気吸収線量への換算係数については、以下のとおりとする。

・照射線量の単位がRの場合は、8.73とする。

・照射線量の単位がC/kgの場合は、3.38×104とする。

(イ) 放射線が中性子線の場合

・H1cm(mSv)=自由空間中の粒子フルエンス(n/cm2)×2.58×10-7

・H3mm(mSv)=自由空間中の粒子フルエンス(n/cm2)×2.66×10-7

・H70μm(mSv)=自由空間中の粒子フルエンス(n/cm2)×2.19×10-7

2 病院又は診療所の敷地の境界等における線量当量の算定

線量当量の算定については、病院等の敷地の境界等における三月間当たりの全てのエックス線装置等の使用時及び保管時の線量当量を合計するものとするが、この場合の三月間とは、四月一日、七月一日、一○月一日及び一月一日を始期とする三月間とすること。

なお、算定に当たつては、当該期間中の一週間当たりの線量当量を三月間当たりに換算しても差し支えない。その際、一週間当たりの保管時間数は、一六八時間から使用時間を減じたものとし、一週間当たりで示されている時間数を三月間当たりに換算する場合は、一三倍すること。

3 排水・排気等に係る放射性同位元素の濃度の算定

(1) 第三○条の一一第三号のロ及び第三○条の一八第一項第四号に基づく、空気中の放射性同位元素の濃度の算定に当たつては、次式により、核種ごとに八時間の平均濃度を求め、次に当該平均濃度を規則別表第三の第二欄に示す濃度限度<(注1)>で除して核種ごとの割合を求め、これらの割合の和を算出すること。<(注2)>

(8時間平均濃度)=((1日最大使用数量)×(飛散率))/(8時間当たりの排気量)

(2) 排水に係る放射性同位元素の濃度の算定に当たつては、次式により、核種ごとに排水一回ごとの排水中の放射性同位元素の濃度を求め、次に当該濃度を規則別表第三の第三欄に示す濃度限度<(注1)>で除して核種ごとの割合を求め、これらの割合の和を算出すること。

なお、この割合の和が一を超える場合にあつては、希釈槽の希釈能力を考慮しつつ、最高一○倍の希釈を行うこととして最終的な割合の和を算出して差し支えない。

(排水1回ごとの排水中の放射性同位元素の濃度)=(排水時の貯留槽中の放射能)/(貯留槽1基の貯水量)(注3)

=(1日最大使用数量)×(混入率)×〔(1-exp(-λt1))/λ〕×exp(-λt2)/(貯留槽1基の貯水量)

λ:核種の崩壊定数(/日) (=0.693/T)

T:核種の物理的半減期(日)

t1:流入期間(=貯留槽1基の貯水量/貯留槽への1日の流入量)(日)

t2:放置期間(日)

(3) 排気に係る放射性同位元素の濃度の算定に当たつては、次式により、核種ごとに三月間の平均濃度を求め、次に当該平均濃度を規則別表第三の第四欄に示す濃度限度<(注1)>で除して核種ごとの割合を求め、これらの割合の和を算出すること。

(3月間平均濃度)=(1日最大使用数量)(注2)×(飛散率)(注2)×(透過率)(注4)×91/(1日の総排気量)×91)

(注1) 規則別表第三で一つの核種につき複数の化学形が示されている場合は、最も厳しい値となる濃度限度を用いる。

(注2) 飛散率及び透過率は原則として次のとおりとする。ただし、合理的な理由がある場合には、左記以外の飛散率及び透過率を用いてもよい。

(ア) 第三○条の一一第三号のロ及び第三○条の一八第一項第四号に定める場所並びに排気口における飛散率

気体 ガストラップ装置を使用する場合 10-1

それ以外のとき         1

液体・固体 10-3

(イ) 排気口においてフィルターを用いるときの透過率

HEPAフィルター 気体(含ヨウ素)1 液体・固体 0.01

チャコールフィルター ヨウ素0.1(厚さ2インチ)、0.2(厚さ1インチ以上2インチ未満)

(注3) 混入率については、原則として10ー2とする。ただし、合理的な理由がある場合には、これ以外の数値を用いても差し支えない。

(注4) (年間使用数量)/(1日最大使用数量)が九一未満となる場合は、その数量とする。

4 線量当量、実効線量当量又は組織線量当量を算定する場合には、自然放射線による被ばくを除くものとすること。

また、空気中又は水中の放射性同位元素の濃度を算定する場合には、空気中又は水中に自然に含まれている放射性同位元素を除いて算出するものとすること。

(七) 経過措置等に関する事項

(1) 改正後の医療法施行規則(以下「新規則」という。)の施行の際、新規則第二七条の二に規定される放射性同位元素装備診療機器に該当する機器を既に備えている病院等の管理者に対し、平成元年四月一日から、同月三○日までの間に、同条第一号から第四号までに掲げる事項を都道府県知事に届け出るよう周知徹底されたい。

なお、このうち、当該機器を既に診療用放射線照射装置又は診療用放射線照射器具として届け出ており、専用の使用室において使用している場合には、使用室についての医療法第七条第二項に基づく放射性同位元素装備診療機器使用室への変更許可については不要である。

(2) 新規則施行の際、現に存する病院等に対する新規則第三○条の一一第二号イ及び同条第三号イ並びに第三○条の一七の規定の適用については、改築等を考慮し、平成三年三月三一日までの間は、なお、従前の例によることができることとなつているが、それまでの間においても、使用時間を減らす、使用核種又は使用数量を減らす等により、病院等の敷地の境界における線量当量及び排気・排水に係る放射性同位元素の濃度が新規則の規定に適合するよう指導されたい。

(3) 診療用放射線の防護に係る新規又は変更の許可申請、届出等については、左記のとおり行うよう指導されたい。

(ア) 平成元年三月三一日までの新規又は変更の許可申請、届出等については、

・予定使用開始時期又は変更の予定時期が、平成元年三月三一日までのものについては、改正前の医療法施行規則に基づいて提出すること。

・予定使用開始時期又は変更の予定時期が、平成元年四月一日以降のものについては、新規則に基づいて提出すること。

なお、この場合にあつて、医療法第七条の許可を与えることが適当であると判断される許可申請については、許可以前であつても、医療法上の手続きと放射性同位元素等による放射線障害防止に関する法律上の手続きとの関係について(昭和四五年四月一○日医発第四○五号)に基づき、厚生省健康政策局に対して報告を行つても差し支えない。この際、処理意見として医療法第七条による許可を与えることが適当である旨を記すこと。

(イ) 平成元年四月一日以降の申請、届出等については、新規則に基づいて提出すること。

(ウ) なお、届出等を新単位に変更するためのみの手続きを行う必要はないこと。