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○「栄養成分の補給ができる旨の表示」及び「栄養機能食品」の対象成分への亜鉛、銅及びマグネシウムの追加について(健康増進法施行規則の一部を改正する省令、栄養表示基準の一部を改正する件及び栄養機能食品の表示に関する基準の一部を改正する件の施行等について)

(平成16年3月25日)

(食安新発第0325001号)

(各都道府県・各保健所設置市・各特別区衛生主管部(局)長あて厚生労働省医薬食品局食品安全部基準審査課新開発食品保健対策室長通知)

今般、健康増進法施行規則の一部を改正する省令(平成16年3月25日厚生労働省令第37号。以下「改正省令」という。)、栄養機能食品の表示に関する基準の一部を改正する件(平成16年3月25日厚生労働省告示第125号。以下「改正栄養機能食品表示基準」という。)及び栄養表示基準の一部を改正する件(平成16年3月25日厚生労働省告示第126号。以下「改正栄養表示基準」という。)により、「栄養成分の補給ができる旨の表示」及び「栄養機能食品」の対象となる栄養成分に、亜鉛、銅及びマグネシウムの3成分が追加され、その改正内容については平成16年3月25日食安発第0325002号をもって食品安全部長より通知されたところであるが、その背景及び運用に当たっての留意点等は下記のとおりであるので、御了知の上、貴管下関係者等に対する周知徹底を始め、その運用に当たっては遺漏無きようお願いする。

第1 「栄養成分補給ができる旨の表示」及び「栄養機能食品」の対象となる栄養成分に亜鉛、銅及びマグネシウムの3成分を追加することについて

1.3成分追加の背景について

栄養機能食品制度は、薬事・食品衛生審議会答申(平成13年2月26日)に基づき制度化され、平成13年4月1日から施行されたところである。

その具体的な対象成分については、同答申別添の報告書「保健機能食品の表示等について」において、「当面検討すべきものとして、平成11年に第6次改定が行われた日本人の栄養所要量で取り上げられた25群のビタミン、ミネラルを優先して取り上げる」こととした上で、さらに、これらの「うち規格基準を設定する対象、上限値の設定については、医薬部外品の基準を参考とすることが適当である」とされ、制度創設に当たり、14のビタミン・ミネラルの規格基準が設定された。この際対象とされなかったビタミン・ミネラル等は、「可能なものから順次規格基準を設定すべく、引き続き検討することが必要であるが、その際には、食品の安全性確保に支障を来すことがないよう、科学的知見に基づき検討することが必要である」とされた。

その後、亜鉛、銅及びマグネシウムについては、平成13年の国民栄養調査結果(平成14年12月発表)により、国民の摂取状況が初めて明らかになり、独立行政法人国立健康・栄養研究所等の研究文献も充実し、同報告書の考え方に基づき栄養機能食品としての上限値を設定することが可能となったところ、表示の適正化により、販売業者による不適正な表示を防ぎ、消費者への正しい情報提供を確保していくことの重要性を踏まえ、今般、当該3成分を「栄養機能食品」に追加し、併せて、「栄養成分の補給ができる旨の表示」の対象にも追加することとしたものである。

なお、今回追加されなかった残りの栄養成分についても、引き続き検討することとする。

2.乳幼児・小児に対する注意喚起についての留意点

今般、亜鉛、銅及びマグネシウムについて、乳幼児・小児が栄養機能食品から摂取することを避けるよう注意喚起することとしたのは、乳幼児・小児については、当該成分は基本的に通常の食生活で満たされることから、あえてサプリメントと呼ばれる、錠剤やカプセル状の形状で補給・補完する必要性がない旨を述べているものであり、人間の生命活動に不可欠な栄養成分であるという本来の特性を否定する趣旨では全くないので、消費者に誤解が生じないよう配慮願いたい。

3.消費者等への正確な情報提供の確保

今後は、日常的な栄養指導の場やリスクコミュニケーション等の機会を通じ栄養機能食品制度に関する正確な理解が得られるよう、消費者に対し、きめ細かな情報提供に努められたい。

また、事業者に対しては、同制度の趣旨に沿い適切に利用されるよう、「食品衛生法施行規則に規定する栄養機能食品に係る適正な表示の指導について」(平成16年3月9日食安発0309001号)に従い、引き続き必要な指導方につき配意願いたい。

第2 「栄養表示基準等の取扱いについて」の一部改正について

「栄養表示基準等の取扱いについて」(平成8年5月23日衛新第46号新開発食品保健対策室長通知)の一部を別添1のとおりに改める。

第3 「保健機能食品制度の創設に伴う取扱い及び改正等について」の一部改正について

「保健機能食品制度の創設に伴う取扱い及び改正等について」(平成13年3月27日食新発第17号新開発食品保健対策室長通知)の一部を別添2のとおりに改める。

(別添1)

1 3(4)のク及び(5)のイを次のように改める(下線部分が変更部分)。

(4)ク 亜鉛、カルシウム、鉄、銅、マグネシウム及びナトリウム mg又はミリグラム

ただし、ナトリウムについて1,000mg以上の場合にあってはg又はグラムとすることができる。

(5)イ 亜鉛、カルシウム、鉄、銅、マグネシウム、ビタミンA、ビタミンD及びビタミンE :-20%~+50%

2 別紙1の表を次のように改める(下線部分が変更部分)。

補給ができる旨の表示について遵守すべき基準値一覧

栄養成分

[第1欄]

高い旨の表示をする場合は、次のいずれかの基準値以上であること

[第2欄]

含む旨又は強化された旨の表示をする場合は、次のいずれかの基準値以上であること

 

食品100g当たり

( )内は、一般に飲用に供する液状で食品100ml当たりの場合

100kcal当たり

食品100g当たり

( )内は、一般に飲用に供する液状で食品100ml当たりの場合

100kcal当たり

たんぱく質

12g(6g)

6g

6g(3g)

3g

食物繊維

6g(3g)

3g

3g(1.5g)

1.5g

亜鉛

3.0mg(1.5mg)

1.0mg

1.5mg(0.8mg)

0.5mg

カルシウム

210mg(105mg)

70mg

105mg(53mg)

35mg

3.6mg(1.8mg)

1.2mg

1.8mg(0.9mg)

0.6mg

0.5mg(0.25mg)

0.18mg

0.27mg(0.14mg)

0.09mg

マグネシウム

75mg(38mg)

25mg

38mg(19mg)

13mg

ナイアシン

4.5mg(2.3mg)

1.5mg

2.3mg(1.1mg)

0.8mg

パントテン酸

1.50mg(0.75mg)

0.50mg

0.75mg(0.38mg)

0.25mg

ビオチン

9.0μg(4.5μg)

3.0μg

4.5μg(2.3μg)

1.5μg

ビタミンA

162μg(81μg)

54μg

81μg(41μg)

27μg

ビタミンB1

0.30mg(0.15mg)

0.10mg

0.15mg(0.08mg)

0.05mg

ビタミンB2

0.33mg(0.17mg)

0.11mg

0.17mg(0.09mg)

0.06mg

ビタミンB6

0.45mg(0.23mg)

0.15mg

0.23mg(0.11mg)

0.08mg

ビタミンB12

0.72μg(0.36μg)

0.24μg

0.36μg(0.18μg)

0.12μg

ビタミンC

30mg(15mg)

10mg

15mg(8mg)

5mg

ビタミンD

0.75μg(0.38μg)

0.25μg

0.38μg(0.19μg)

0.13μg

ビタミンE

3.0mg(1.5mg)

1.0mg

1.5mg(0.8mg)

0.5mg

葉酸

60μg(30μg)

20μg

30μg(15μg)

10μg

(別添2)

第1「栄養機能食品の取扱いについて」を次のように改める(下線部分が変更部分)。

第1 栄養機能食品の取扱いについて

保健機能食品の創設に伴って、新しく類型化された「栄養機能食品」に係る規格基準及び表示基準等の詳細及び留意点は次のとおりである。

1 定義及び適用範囲について

① 栄養機能食品とは食品衛生法施行規則昭和23年厚生省令第23号。以下「省令」という。)第21条第1項第1号シに規定する食品であり、機能に関する表示を行うことができる栄養成分(以下「機能表示成分」という。)は、規格基準及び表示基準が設定されたミネラル5種類とビタミン12種類であること(栄養機能食品表示基準第1条及び第2条関係。)

なお、機能表示成分となっている亜鉛、銅は、現在、食品に使用が可能な食品添加物として認められていないが、今後、審査を行う予定であること。

② ①の機能表示成分を含まない食品や①の機能表示成分を含む食品であっても、規格基準に適合しないものにあっては、栄養機能食品と紛らわしい名称や栄養成分の機能の表示をしてはならないこと(省令第21条第1項第3号関係)。

紛らわしい名称として、例えば「○○機能食品」「機能○○食品」「栄養機能○○食品」といった、「機能」の記載が含まれる名称があるが、これらは使用できないこと。

③ 生鮮食品(鶏卵を除く。)については、栄養機能食品の適用対象外であり、栄養成分の機能の表示はできないこと(省令第21条第1項第1号シ関係)。

2 栄養機能食品の規格基準について

1日当たりの摂取目安量に含まれる機能表示成分量が次に示す上限値及び下限値を満たすものでなければ栄養機能食品と称すること及び栄養成分の機能の表示はできないこと(栄養機能食品表示基準第1条及び第2条、栄養表示基準(平成15年4月厚生労働省告示第176号)第3条第1項第7号及び第8号関係)。

(ミネラル類)

 

亜鉛

カルシウム

マグネシウム

上限値

15mg

600mg

10mg

5mg

300mg

下限値

3mg

250mg

4mg

0.5mg

80mg

(ビタミン類)

 

ナイアシン

パントテン酸

ビオチン

ビタミンA 注)

上限値

15mg

30mg

500μg

600μg(2,000IU)

下限値

5mg

2mg

10μg

180μg(600IU)

注) ビタミンAの前駆体であるβ―カロチンについては、ビタミンA源の栄養機能食品として認めるが、その場合の上限値は3,600μg、下限値1,080μgとする。

 

ビタミンB1

ビタミンB2

ビタミンB6

ビタミンB12

上限値

25mg

12mg

10mg

60μg

下限値

0.3mg

0.4mg

0.5mg

0.8μg

 

ビタミンC

ビタミンD

ビタミンE

葉酸

上限値

1,000mg

5.0μg(200IU)

150mg

200μg

下限値

35mg

0.9μg(35IU)

3mg

70μg

3 表示事項及び方法について

栄養機能食品の表示事項については、食品衛生法(昭和22年法律第233号)等に規定するものの他、次に掲げる事項に留意して表示を行うこと(省令第21条第1項シからモまで及び同条第3項並びに栄養表示基準第2条第2項関係)。

① 栄養機能食品である旨

当該表示が、消費者に一目でわかるような場所に表示すること。「保健機能食品(栄養機能食品)」と表示すること。

② 栄養成分の表示

栄養表示基準に沿ったものであること。すなわち、熱量、たんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウム及び機能表示成分の順に表示すること。

なお、栄養機能食品における栄養成分表示を一定値で記載した場合には、栄養成分表示に対する分析値は次に示す誤差の許容範囲内であること。また、下限値及び上限値を用いて記載した場合には、分析値がその範囲内でなければならないこと。

ア 熱量、たんぱく質、脂質、飽和脂肪酸、コレステロール、炭水化物(又は糖質)、糖類、食物繊維及びナトリウム :-20%~+20%

イ 亜鉛、カルシウム、鉄、銅、マグネシウム、ビタミンA、ビタミンD及びビタミンE :-20%~+50%

ウ ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC及び葉酸 :-20%~+80%

③ 栄養機能表示及び摂取する上での注意事項

2の規格基準を満たす栄養成分について、機能の表示を行う場合には、あわせてそれぞれ次に示す注意喚起表示を記載しなければならないこと。また、表示内容の主旨が同じものであっても、告示で定める表示内容以外の記載は認められないこと(栄養機能食品表示基準第1条及び第3条並びに栄養表示基準第2条第2項第7号及び第9号関係)。

なお、栄養成分によっては、表示事項が同一の場合があるが、その際には、栄養成分の表示事項を次のようにまとめて記載することを認めるものであること。

(例)ナイアシン、ビオチン及びビタミンB2は、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。

なお、栄養機能食品であっても、定められた栄養機能表示以外で、疾病名の表示その他医薬品と誤認されるおそれのある表示をした場合には薬事法違反となるのでその取扱いには十分気をつけること(栄養機能食品表示基準第4条関係)。

(ミネラル類)

名称

栄養機能表示

注意喚起表示

亜鉛

亜鉛は、味覚を正常に保つのに必要な栄養素です。

亜鉛は、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。

亜鉛は、たんぱく質・核酸の代謝に関与して、健康の維持に役立つ栄養素です。

本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するものではありません。亜鉛の摂りすぎは、銅の吸収を阻害するおそれがありますので、過剰摂取にならないよう注意してください。一日の摂取目安量を守ってください。乳幼児・小児は本品の摂取を避けてください。

カルシウム

カルシウムは、骨や歯の形成に必要な栄養素です。

本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するものではありません。1日の摂取目安量を守ってください。

鉄は、赤血球を作るのに必要な栄養素です。

本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するものではありません。1日の摂取目安量を守ってください。

銅は、赤血球の形成を助ける栄養素です。

銅は、多くの体内酵素の正常な働きと骨の形成を助ける栄養素です。

本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するものではありません。一日の摂取目安量を守ってください。乳幼児・小児は本品の摂取を避けてください。

マグネシウム

マグネシウムは、骨や歯の形成に必要な栄養素です。

マグネシウムは、多くの体内酵素の正常な働きとエネルギー産生を助けるとともに、血液循環を正常に保つのに必要な栄養素です。

本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するものではありません。多量に摂取すると軟便(下痢)になることがあります。一日の摂取目安量を守ってください。乳幼児・小児は本品の摂取を避けてください。

(ビタミン類)

名称

栄養機能表示

注意喚起表示

ナイアシン

ナイアシンは、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。

本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するものではありません。1日の摂取目安量を守ってください。

パントテン酸

パントテン酸は、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。

ビオチン

ビオチンは、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。

ビタミンA 注)

ビタミンAは、夜間の視力の維持を助ける栄養素です。

 

ビタミンAは、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。

妊娠3ヶ月以内又は妊娠を希望する女性は過剰摂取にならないよう注意してください。

ビタミンB1

ビタミンB1は、炭水化物からのエネルギー産生と皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。

本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するものではありません。1日の摂取目安量を守ってください。

ビタミンB2

ビタミンB2は、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。

ビタミンB6

ビタミンB6は、たんぱく質からのエネルギー産生と皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。

ビタミンB12

ビタミンB12は、赤血球の形成を助ける栄養素です。

ビタミンC

ビタミンCは、皮膚や粘膜の健康維持を助けるとともに、抗酸化作用を持つ栄養素です。

ビタミンD

ビタミンDは、腸管でのカルシウムの吸収を促進し、骨の形成を助ける栄養素です。

ビタミンE

ビタミンEは、抗酸化作用により、体内の脂質を酸化から守り、細胞の健康維持を助ける栄養素です。

葉酸

葉酸は、赤血球の形成を助ける栄養素です。

葉酸は、胎児の正常な発育に寄与する栄養素です。

本品は、胎児の正常な発育に寄与する栄養素ですが、多量摂取により胎児の発育が良くなるものではありません。

注) ビタミンAの前駆体であるβ―カロチンについては、ビタミンAと同様の栄養機能表示を認める。この場合、「妊娠3ヶ月以内又は妊娠を希望する女性は過剰摂取にならないよう注意して下さい」旨の注意喚起表示は、不要とする。

④ 1日当たりの摂取目安量

過剰摂取障害の防止の観点から、次のように、消費者が簡単に理解できるような表示にすること。

「1日当たり1本を目安にお飲み下さい。」、「1日当たり2個を目安にお食べ下さい。」、「1日当たり2~4粒を目安にお召し上がり下さい。」

なお、1日当たりの摂取目安量を幅で示した場合には、当該食品により摂取が見込まれる栄養成分量は幅で示されることになることから、機能表示成分の栄養所要量に対する割合も幅を用いて示すこと。

⑤ 1日当たりの摂取目安量に含まれる機能表示成分の栄養所要量に対する割合

1日当たりの摂取目安量と比較するための栄養所要量は、原則として「栄養表示基準の活用のための相談指導業務等について(平成12年3月30日付健医地生発第22号及び衛新第18号生活習慣病対策室長及び新開発食品保健対策室長連名通知)の別紙の「栄養素等摂取目安量」の6歳以上の数値を使用し、求められた充足率については百分率又は割合で表示すること。

なお、商品の摂取対象が限定されている場合等には、第6次改定日本人の栄養所要量の対応する対象年齢の数値を用いても構わないこと。その際には栄養所要量のどの対象年齢と比較したのか明確に理解できるよう記載すること。

⑥ 厚生労働大臣による個別審査を受けたものではない旨(省令第21条第1項第1号ヒ関係)。

栄養機能食品であって、健康増進法(平成14年法律第103号)第26条第5項に規定する特別用途食品でないものにあっては、厚生労働大臣による個別審査を受けたものではない旨を記載すること。