添付一覧
○国外で使用される農薬等に係る残留基準の設定及び改正に関する指針について
(平成16年2月5日)
(食安発第0205001号)
(各都道府県知事・各保健所設置市長・各特別区長あて厚生労働省医薬食品局食品安全部長通知)
国外で使用される農薬、飼料添加物及び動物用医薬品につき、食品衛生法(昭和22年法律第233号)第11条第1項の規定に基づく食品中に残留する基準の設定及び改正する場合の要請について、別添のとおり当該要請の手続、要請書に添付すべき安全性に関する試験成績等必要な資料の範囲に関する指針を作成したので、貴管内関係者に対し周知徹底方よろしく御指導願いたい。
なお、本通知及び指針に掲げる食品衛生法の条項は、食品衛生法等の一部を改正する法律(平成15年法律第55号)が本年2月27日に施行された後のものであるので、当該指針の活用に当たり留意されたい。
(別添)
国外で使用される農薬等に係る残留基準の設定及び改正に関する指針
(平成16年2月5日)
(食安発第0205001号別添)
一部改正 平成29年12月26日生食発1226第5号
Ⅰ 目的
平成15年5月に公布された食品衛生法等の一部を改正する法律(平成15年法律第55号)により新設された食品衛生法(昭和22年法律第233号)第11条第3項の規定に基づき、食品中に残留する農薬、飼料添加物及び動物用医薬品(以下「農薬等」という。)について、いわゆるポジティブリスト制(基準が設定されていない農薬等が一定量以上含まれる食品の流通を原則として禁止する制度)を導入した。また、食品安全基本法(平成15年法律第48号)の施行等により、国内において農薬取締法(昭和23年法律第82号)、飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律(昭和28年法律第35号)及び医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)に基づき登録申請等のある農薬等については、その登録等と同時に食品衛生法第11条第1項に基づき、食品の規格として農薬等の残留基準の設定及び改正を行っている。
ポジティブリスト制施行に伴い、我が国への輸出が想定される農畜水産物に国外で新たに使用が認められる農薬等に係る残留基準の設定及び改正について、国外からの要請に対応する必要がある。このため、本指針において、残留基準の設定及び改正に必要とされる試験成績等の範囲の目安を示すこととした。なお、本来全ての物質について一律の資料を求めることは合理的ではなく、また、今後とも科学技術の進歩に応じ新しい試験・評価方法の開発が行われることも考えられる。そのため、本指針で挙げられた試験成績及び資料を、評価又は残留基準の検討に用いるのに足る他の試験成績又は資料をもって代用することを妨げるものではない。
Ⅱ 農薬等の残留基準設定及び改正に係る手続
1.要請
国外で使用が認められている農薬等であって、それが我が国への輸出が想定される農畜水産物に使用される場合に、当該農薬等について残留基準の設定又は改正の要請を行う者(以下「要請者」という。)は厚生労働大臣宛てに、様式1により要請書を提出すること。その際、要請書には、当該農薬等に関する安全性に関する資料等を添付しなければならない。
なお、要請者が国外に在住する場合には、日本国内において当該要請に関する事項について責任をもって対応できる者(国内連絡先)を明記すること。また、要請書は、厚生労働省医薬・生活衛生局食品基準審査課残留農薬等基準審査室(以下「事務局」という。)に提出すること。
2.審査
残留基準の設定及び改正の要請については、事務局において審査を行う。食品健康影響評価に係る部分については、食品安全基本法第24条第1項第1号に基づき、内閣府食品安全委員会(以下「食品安全委員会」という。)の意見を聴く。
食品安全委員会の評価結果を踏まえ、残留基準値案につき薬事・食品衛生審議会(以下「審議会」という。)の意見を聴く。
審議会からの答申を踏まえ、食品衛生法第11条第1項に基づく残留基準に係る告示等の必要な手続を行う。
なお、食品安全委員会の評価及び審議会における審議の過程等において、必要とされる場合には、要請者に資料の追加提出等を求めることがある。
3.取下げ
要請者は要請の取下げを行う場合は、様式2により事務局に要請書の取下げを願い出ること。
Ⅲ 必要とされる試験成績等について
1.試験成績等の範囲
残留基準の設定及び改正の要請に当たり、必要とされる試験成績等の範囲は以下の(1)から(3)のとおりとする。なお、当該農薬等の安全性等の評価に関係する資料を有する場合にあっては、以下の規定にかかわらず、それらの資料をあわせて提出すること。ただし、既に食品安全委員会により評価されている資料については原則提出は不要、事務局からの求めに応じて資料を提出することで差し支えない。
また、基準値参照国※においてコーデックス基準が採用されており、当該基準の設定を要請する場合にあっては、原則として当該農薬等の当該農畜水産物に対する残留性試験成績の提出は要さない。
※ JMPR(FAO/WHO合同残留農薬専門家会議)又はJECFA(FAO/WHO合同食品添加物専門家会議)で科学的な評価に必要とされている毒性試験結果などのデータに基づき設定している国(例:米国、カナダ、EU、オーストラリア、ニュージーランド等)とする。
(1) 農薬
①毒性に関する試験成績
「農薬の登録申請に係る試験成績について」(平成12年11月24日12農産第8147号農林水産省農産園芸局長通知。以下「農産園芸局長通知」という。)における毒性に関する試験成績(水産動植物、水産動植物以外の有用生物への影響及び水質汚濁性に関する試験成績を除く。)を基本とする。
②代謝に関する試験成績
農産園芸局長通知における動物代謝に関する試験成績及び植物代謝に関する試験成績を基本とする。農薬が使用された飼料作物が家畜に供されることにより、畜産物中への移行が想定される農薬については家畜を対象とした動物代謝に関する試験成績を提出すること。
③残留性に関する試験成績
農産園芸局長通知における残留性に関する試験成績(土壌への残留性に関する試験成績を除く。)を基本とする。農作物を対象とした残留性に関する試験(以下「作物残留試験」という。)の圃場例数については、基準値参照国の要求事項を満たしていることが望ましいが、少なくとも農産園芸局長通知における要求事項を満たしていること。
また、作物残留試験において用いられた分析法(例えば、流通している食品中の残留農薬のモニタリングに用いることができる分析法)に関する情報を提出すること。作物残留試験において用いた検体の分析部位については、「食品、添加物等の規格基準」(昭和34年厚生省告示第370号)における分析部位と整合が取れていることが望ましいが、それと異なる場合は、食品加工試験に基づく換算係数等の情報を提出すること。海外におけるグループ基準値を参照する場合は、当該基準値参照国における基準設定の根拠となった作物残留試験(例えば、代表作物の作物残留試験結果)を提出すること。農薬が使用された飼料作物が家畜に供されることにより、畜産物中への移行が想定される農薬については家畜を対象とした残留性に関する試験成績及び畜産物への推定残留量を算出するために必要な最大理論飼料負荷量(MTDB)に関する情報を提出すること。
(2) 飼料添加物
「飼料添加物の評価基準の制定について」(平成4年3月16日4畜A第201号農林水産省畜産局長及び水産庁長官通知)の飼料添加物の評価基準の安全性に関する試験及び残留性に関する試験を基本とする。VICH(動物用医薬品の承認審査資料の調和に関する国際協力)における安全性に関するガイドラインに準じたものであっても差し支えない。
(3) 動物用医薬品
「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律関係事務の取扱いについて」(平成12年3月31日付け12動薬A第418号農林水産省動物用医薬品検査所長通知)の別添2の毒性試験法等のガイドラインを基本とする。VICH(動物用医薬品の承認審査資料の調和に関する国際協力)における安全性に関するガイドラインに準じたものであっても差し支えない。
2.GLPの遵守等
1.に掲げる試験においては、原則としてGLPを遵守すること。また、当該試験を自ら実施しない場合は、当該試験成績(学術雑誌に公表されたものを除く。)の使用について試験実施者の承諾を得ていること。
3.使用言語
資料概要は農産園芸局長通知における農薬抄録又はOECDドシエを基本とし、邦文で記載すること。また、残留性に関する試験成績の概要資料については、別冊で提出すること。資料概要以外の添付資料(個々の試験成績、製品ラベル等)については英文で記載されたものであっても差し支えないが、英文以外の場合は邦文又は英文に翻訳したものを添付すること。
4.試験成績等の追加要求
残留基準の設定及び改正の上で必要があると認められる場合には、必要な試験成績及び資料等の提出を、要請者に対して求めることがある。要請者は事務局から必要な試験成績及び資料等の追加要求があった場合には、事務局が提示した提出期限内に当該資料を提出すること。なお、提出期限内に合理的な理由なく試験成績等が提出されなかった場合は、事務局は要請者がその要請を取り下げたものとみなすことがある。
5.その他
基準値参照国における登録等の情報及び設定されている残留基準、設定を希望する残留基準値並びに当該農薬等の適正な使用方法が判断できる資料(例えば、製品ラベル等)を提出すること。
また、加工調理の過程における残留農薬等の消長、移行性及び濃縮性等の知見(特に穀類、オイルシード等)がある場合は、事務局に提出することが望ましい。
また、要請者は国外における基準値の変更や登録等の取下げや、取消しに関する情報があった場合には、入手し得る情報を添えて、速やかに事務局へ連絡すること。
様式1
様式2
