添付一覧
○食品、添加物等の規格基準の一部改正について
(平成14年8月2日)
(食基発第0802001号)
(各都道府県・各政令市・各特別区衛生主管部(局)長あて厚生労働省医薬局食品保健部基準課長通知)
食品、添加物等の規格基準の一部を改正する件(平成14年8月2日厚生労働省告示第267号)により、食品、添加物等の規格基準(昭和34年厚生省告示第370号。以下「告示」という。)の一部が改正され、その運用については平成14年8月2日付け食発第0802005号をもって厚生労働省医薬局食品保健部長より各都道府県知事、政令市市長、特別区区長あて通知されたところであるが、さらに下記の点に留意の上、その取扱いに遺漏のないようにされたい。
記
第1 共通事項
フタル酸ビス(2―エチルヘキシル)については、Cas No.117―81―7が該当すること。また、フタル酸ジイソノニルについては、Cas No.28553―12―0、Cas No.68515―48―0が該当すること。
第2 器具及び容器包装
1 平成15年8月1日以降においては、油脂又は脂肪性食品を含む食品に接触する器具又は容器包装にフタル酸ビス(2―エチルヘキシル)を原材料として用いたポリ塩化ビニルを主成分とする合成樹脂を原材料として用いてはならないこととなり、この規格に合わない製品の販売、販売の用に供するための製造、輸入、営業上の使用が禁止されるが、それまでの間においてもできるだけ差し控えるよう指導されたいこと。
2 今回の改正における「油脂又は脂肪性食品」については、食品、添加物等の規格基準の第3器具及び容器包装のB器具若しくは容器包装一般の試験法の4の「油脂及び脂肪性食品」の定義に準ずるものであること。
なお、「油脂及び脂肪性食品」の定義については、「食品、添加物等の規格基準の一部改正について」(昭和48年環食化第541号)の記の第2の2において「食品中又は食品表面の油脂含量がおおむね20%以上で、乾燥した固形食品以外の食品」とされており、判断に当たっては、「食品、添加物等の規格基準の一部改正について」(昭和55年環食化第36号)の記の2において「最新の科学技術庁資源調査所編「日本食品標準成分表」を資料として用いること」とあるので、これらを参考にすること。
3 「油脂又は脂肪性食品を含有する食品」とは、2の「油脂又は脂肪性食品」と、これを1種類以上含む食品が該当するものであること。(例としては、ハンバーグ、ぎょうざ、カレー、ビーフシチュー、ケーキ、油や油揚げを含む煮物などがあること。)
4 今回の改正における「ポリ塩化ビニルを主成分とする合成樹脂」については、食品、添加物等の規格基準の第3器具及び容器包装のD器具若しくは容器包装又はこれらの原材料の材質別規格の(2)の2の「ポリ塩化ビニルを主成分とする合成樹脂製の器具又は容器包装」の定義に準ずるものであること。
なお、「ポリ塩化ビニルを主成分とする合成樹脂製の器具又は容器包装」の定義については、「食品、添加物等の規格基準の一部改正について」(昭和54年環食第160号)の記の第3の1の(1)において「基ポリマー中の塩化ビニルの含有率が50%以上のもの」とされているので、これを参考にすること。
第3 おもちゃ
1 平成15年8月1日以降においては、①おもちゃには、フタル酸ビス(2―エチルヘキシル)を原材料として用いたポリ塩化ビニルを主成分とする合成樹脂を原材料として用いてはならないこと、②食品衛生法施行規則第25条第1号に規定するおもちゃには、フタル酸ジイソノニルを原材料として用いたポリ塩化ビニルを主成分とする合成樹脂を原材料として用いてはならないこととなり、この規格に合わない製品の製造、販売等が禁止されるが、それまでの間においてもできるだけ差し控えるよう指導されたいこと。
2 今回の改正に伴い、告示中に用いられる「ポリ塩化ビニルを主成分とする合成樹脂」の表現については、食品、添加物等の規格基準の第3器具及び容器包装のD器具若しくは容器包装又はこれらの原材料の材質別規格の(2)の2.の「ポリ塩化ビニルを主成分とする合成樹脂製の器具又は容器包装」の定義に準ずるものであること。
第4 試験法
試験法を別紙のとおり示す。
1 設定の趣旨
この試験法は告示の趣旨に則り、材質試験においては、製品中に原材料としてフタル酸ビス(2―エチルヘキシル)及びフタル酸ジイソノニルが使用されていないこと、また溶出試験においては、製品中に原材料としてフタル酸ビス(2―エチルヘキシル)が使用されているものについて溶出又は浸出がないことを確認するための試験である。したがって、基準値は、使用されていない又は使用していることに由来する溶出がないことが確認できる数値に設定している。
2 試験の対象
(1) 器具及び容器包装
食品に直接接触する部分がポリ塩化ビニルを主成分とする合成樹脂を原材料として作られている器具及び容器包装を対象とすること。
(2) おもちゃ
ポリ塩化ビニルを主成分とする合成樹脂製の部分があれば、この部分があることを以てポリ塩化ビニルを主成分とする合成樹脂製のおもちゃと見なし、当該合成樹脂の部分を対象として行うものとすること。
なお、乳幼児が接触するおそれのない部分については、法の趣旨から見て試験を要しないものであること。
3 その他
本件の試験に当たっては、別紙の試験法と比較して特異性及び検出限界等において同等又は優れている試験法と認められる試験法を用いて差し支えないこと。
第5 適用期日
平成15年8月1日から適用すること。