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試料番号

1

2

3

陰性対照

調査した胚の数

12

12

12

12

青色を示した胚の数

0

9

4

0

GUS発現率

0

75

33

0

判定

陰性

陽性

陽性

陰性

2.1.3.ニューリーフY・ジャガイモSEMT15―02系統(加工品を含む)の検知

2.1.1.2.1.に準じた方法で定性PCRを行う。ただし、2.1.1.2.1.1.のPCR増幅は、2.1.3.1.のPCR増幅に差し替えて行う。ニューリーフY・ジャガイモSEMT15―02系統の検知プライマー対として86bpの増幅バンドが検出されるニューリーフY・ジャガイモSEMT15―02系統検出用プライマー対、陽性対照用プライマー対として111bpの増幅バンドが検出されるUGPaseプライマー対(ジャガイモに普遍的に内在するUDP―Glucose Pyrophosphorylase(UGPase)遺伝子を検知する)を用いる。ニューリーフY・ジャガイモSEMT15―02系統の確認試験は、123bpの増幅バンドが検出されるニューリーフY・ジャガイモ検出用プライマー対を用いて行う。

ニューリーフY・ジャガイモSEMT15―02系統検出用プライマー対

Fプライマー(NLY0201―5’):5’―TGAAATTCGACTAATTACAAGTTGA―3’

Rプライマー(NLY0201―3’):5’―GCATCGATCGTGAAGTTTCTCAT―3’

UGPaseプライマー対(UGPase遺伝子検出用プライマー対)

Fプライマー(UGPase01―5’):5’―CTCTCCATACTCTCTGCTCCTCG―3’

Rプライマー(UGPase01―3’):5’―CGGCATCAGCAGGAGAAAG―3’

ニューリーフY・ジャガイモ検出用プライマー対

Fプライマー(NLY01―5’):5’―CAAAATCCCAGTATCAAAATTCTT―3’

Rプライマー(NLY01―3’):5’―TGGTTTTGTATCTTTCTTGTTGCTTC―3’

本プライマー対については、独立行政法人食品総合研究所及び国立医薬品食品衛生研究所により開発されたものであることから、配列情報を含む情報の転載、学会等における公表等に関しては、事前に、両機関の担当者と協議すること。

2.1.3.1 PCR増幅

PCR用反応試料管に反応液を以下のように調製する。反応液は、PCR緩衝液*1、0.20mmol/LdNTP、1.5mmol/L塩化マグネシウム、0.5μmol/L5’及び3’プライマー*2、及び0.625units Taq DNA ポリメラーゼ*3を含む液に、10ng/μLに調製したDNA試料液2.5μL(DNAとして25ng)を氷中で加え、全量を25μLにする。次に、その反応試料管をPCR増幅装置*4にセットする。反応条件は次の通りである。95℃に10分間保ち反応を開始させた後、95℃0.5分間、60℃0.5分間、72℃0.5分間を1サイクルとして、40サイクルのPCR増幅を行う。次に終了反応として72℃で7分間保った後、4℃で保存し、得られた反応液をPCR増幅反応液とする。PCR増幅のブランク反応液として、必ずプライマー対を加えないもの並びにDNA試料液を加えないものについても同時に調製する。

*1PCR緩衝液

PCR buffer Ⅱ(アプライドバイオシステムズ社製)又は同等の結果が得られるものを用いる。

*2各種プライマーは3.3.1.に示したものを用いる。

*3Taq DNA ポリメラーゼ

AmpliTaq Gold DNA ポリメラーゼ(アプライドバイオシステムズ社製)又は同等の結果が得られるものを用いる。

*4PCR増幅装置

GeneAmp PCR System9700(アプライドバイオシステムズ社製)又は同等の結果が得られるものを用いる。

2.2.DNA抽出精製法

DNAの抽出精製の際用いる水は、特に断り書きがないかぎり全て逆浸透膜精製したRO水または蒸留水をMilli―Q等で17MΩ/cmまで精製した超純水など、DNA、DNase等がコンタミネーションしていないものを用いること。

2.2.1.トウモロコシ及び大豆穀粒からのDNA抽出精製

界面活性剤セチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)とフェノール/クロロホルム混合液を用いてを抽出精製するCTAB法は、応用範囲が広い上、PCR阻害物質が残存しにくく、純度の高いDNAを得ることが出来る非常に優れた方法であるが、フェノール、クロロホルムという有害試薬を用いること及び煩雑な精製操作が必要という欠点がある。市販のDNA抽出キットを用いるとこれらの欠点を解消することが出来る。市販のDNA抽出キットには、シリカゲル膜タイプのもの、シリカベースのレジンタイプのもの、イオン交換樹脂タイプのもの、マグネット吸着ビーズタイプのものがあるが、いずれの方法を利用しても、トウモロコシ、大豆等の穀粒からPCRに利用可能なDNAを抽出精製することができる。以上の点を考慮して、本項では、CTAB法とシリカゲル膜タイプのキット(QIAGEN DNeasy Plant Mini)、シリカベースのレジンタイプのキット(Promega Wizard DNA Clean―up System)を用いた精製を記す。

2.2.1.1.CTAB法

均質に粉砕された試料2gをポリプロピレン製遠沈管(50mL容)に量り採り、CTAB緩衝液*115mLを入れ、ホモゲナイザーで組織が見えなくなるまで均一化する。遠沈管の縁とホモゲナイザーの先を洗浄するようにCTAB緩衝液30mLを加え、転倒混和後55℃で30分間放置する。次いで放置液を撹拌し、均質化した溶液600μLをマイクロ遠沈管(1.5mL容)に量り採る。次いで500μLのフェノール/クロロホルム混合液*2を加え、転倒混和後ミキサーで軽く懸濁し、7,500xgで15分間室温遠心後、水層(上層)を新しいマイクロ遠沈管に移す。この時中間層にさわらないように注意する。クロロホルム/イソアミルアルコール混合液*3500μLを加え、転倒混和後ミキサーで軽く懸濁し、7,500xgで15分間室温で遠心後、水層(上層)を新しいマイクロ遠沈管に移す。等容量のイソプロピルアルコール(室温)を加え、転倒混和後7,500xgで10分間室温遠心し、デカンテーションで上澄み液を捨てる。500μLの70%エタノールを壁面から静かに加え、7,500xgで1分間室温遠心し、沈殿にさわらないようにできる限りエタノールを吸い取り捨てる。その後、2~3分間真空乾燥する。このとき完全に乾燥しないように注意する。50μLのTE緩衝液*4を加えてよく混和後、室温に15分間放置して、時々転倒混和して完全に溶かす。RNaseA5μLを加え、37℃で30分間放置する。200μLのCTAB緩衝液を加えた後、250μLのクロロホルム/イソアミルアルコール混合液を加え、転倒混和後ミキサーで軽く懸濁し、7,500xgで15分間室温遠心後、水層(上層)を新しいマイクロ遠沈管に移す。この時、中間層にさわらないように採取する。200μLのイソプロピルアルコールを加え、転倒混和してから、7,500xgで10分間、室温で遠心し、デカンテーションで上澄み液を捨てる。次いで、200μLの70%エタノールを壁面から静かに加え、7,500xgで1分間室温遠心し、沈殿にさわらないようにできる限りエタノールを吸い取り捨てる。その後、2~3分間真空乾燥する。この時、完全に乾燥しないよう注意する。50μLの水を加えて混合した後、15分間室温に放置して、時々転倒混和して完全に溶解したものをDNA試料原液とする。

*1CTAB緩衝液

ビーカーに、0.5mol/L EDTA(pH8.0)8mL、1mol/L Tris―塩酸(pH8.0)20mL、5mol/L食塩水56mLを入れ、約150mLとなるように水を加え、撹拌しながらCTAB4gを加えて完全に溶解する。更に水を加え全量を200mLとし、オートクレーブで滅菌したものをCTAB緩衝液とする。

*2フェノール/クロロホルム混合液

1mol/L Tris―塩酸(pH8.0)飽和フェノールとクロロホルム/イソアミルアルコール混合液*3を1:1(v/v)で混合したものをフェノール/クロロホルム混合液とする。

*3クロロホルム/イソアミルアルコール混合液

クロロホルムとイソアミルアルコールを24:1(v/v)で混合したものをクロロホルム/イソアミルアルコール混合液とする。

*4TE緩衝液

各最終濃度が10mmol/L Tris―塩酸(pH8.0)、1mmol/L EDTA(pH8.0)となるように水を用いて調製したものをTE緩衝液とする。

2.2.1.2.シリカゲル膜タイプキット法

均質に粉砕した試料2gをポリプロピレン製遠沈管(50mL容)に量り採り、あらかじめ65℃に温めておいたAP1緩衝液*110mLとRNaseA20μLを加え、試料塊がないようにボルテックスミキサーで激しく混合し、65℃で15分間放置する。その間2、3回、遠沈管を反転させて試料を攪拌する。AP2緩衝液*23,250μLを加え、氷上に5分間放置した後、3,000xg以上で5分遠心する。次いでその上清500μLをQIAshredder spin columnに負荷し、10,000xg以上で4分間遠心後、溶出液を遠沈管(15mL容)に移す。この操作を再度繰り返した後、その溶出液の1.5倍量のAP3緩衝液*3・エタノール混液*4を加える。その混合液500μLをmini spin columnに負荷し、10,000xg以上で1分間遠心する。残りの混合液のうち、更に500μLを同じmini spin column に負荷し、同条件で遠心し溶出液を捨てる。最終的に混合液が全てなくなるまで同様の操作を繰り返す。次いでAW緩衝液*5500μLを負荷し、10,000xg以上で1分間遠心し、溶出液を捨てもう一度AW緩衝液を加え、同様の操作を繰り返す。溶出液を捨て、mini spin columnを乾燥させるため、10,000xg以上で15分間遠心する。mini spin columnをキットの遠沈管に移し、あらかじめ温めておいた水70μLを加え、5分間放置した後、10,000xg以上で1分間遠心しDNAを溶出する。もう一度水を加え、同じ操作を行い、得られた溶出液を合わせ、DNA試料原液とする。

*1AP1緩衝液

シリカゲル膜タイプのキット(QIAGEN DNeasy Plant Mini)付属のもの、あるいは別途購入したのものを用いる。

*2AP2緩衝液

シリカゲル膜タイプのキット(QIAGEN DNeasy Plant Mini)付属のもの、あるいは別途購入したものを用いる。

*3AP3緩衝液

シリカゲル膜タイプのキット(QIAGEN DNeasy Plant Mini)付属のもの、あるいは別途購入したのものを用いる。

*4AP3緩衝液・エタノール混液

AP3緩衝液*3とエタノール(96―100%)を1:2で混合したものをAP3緩衝液・エタノール混液とする。

*5AW緩衝液

使用する直前に、容器ラベルに記載された適量のエタノール(96―100%)を混合したものをAW緩衝液とする。

2.2.1.3.シリカベースレジンタイプキット法

均質に粉砕した試料2gをポリプロピレン製遠沈管(50mL容)に量り採り、抽出用緩衝液*117.2mL、5mol/Lグアニジン―塩酸2mL及び、20mg/mL Proteinase Kを0.8mL加え、激しくボルテックスミキサーで撹拌後、55―60℃で振とうしながら3時間保温する。次いで、室温まで温度を下げ、3,000xgで10分間遠心する。上清が濁っている場合、上清の一部をマイクロ遠沈管(1.5mL容)に移し、更に14,000xgで10分間遠心する。得られた澄明な上清500μLと、DNA Clean‐up Resin1mLをマイクロ遠沈管(1.5mL容)に採り、転倒混和し、混合液とする。次にmini columnの上部に注射筒を付け、マニホールド(吸引装置)*2に装着する。マニホールドのコックが閉じていることを確認した後、混合液を注射筒からmini columnに負荷する。コックを開け、減圧吸引して溶液を完全に除去し、次いで2mLの80%イソプロピルアルコールを注射筒から加えカラムを洗浄する。注射筒を外したmini columnをマイクロ遠沈管(1.5mL容)に装着し、室温下10,000xgで2分間遠心し、カラムを乾燥する。次にmini columnを新しいマイクロ遠沈管(1.5mL容)に移し、あらかじめ65―70℃に温めておいた水50μLを滴下する。1分間放置後、室温下10,000xg以上で1分間遠心し、DNAを溶出し、得られた溶出液をDNA試料原液とする。

*1抽出用緩衝液

150mM塩化ナトリウム、2mmol/L EDTA及び1%SDSを含む10mmol/L Tris―塩酸緩衝液(pH7.5)

*2吸引装置

吸引装置がない場合には、遠心等で同様の結果が得られる。

2.2.2.パパイヤからのDNA抽出精製

採取したパパイヤから種子を除いた果肉部分をおよそ10mm角に切り出し、凍結乾燥を行う。次にミキサーミル等でこれらを混合し、粉砕する。粉砕試料を用い、以下のCTAB法または、シリカゲル膜タイプのキット(QIAGEN DNeasy Plant Mini)を用いた方法に従ってDNAを抽出精製する。

2.2.2.1.CTAB法

粉砕試料20mgをマイクロ遠沈管(1.5mL容)に量り採り、CTAB緩衝液150μLを入れ、マイクロミキサーで組織が見えなくなるまで均一化する。遠沈管の先を洗浄するようにCTAB緩衝液450μLを加え、転倒混和してから55℃で30分間放置する。500μLのフェノール/クロロホルム混合液を加え、転倒混和後ミキサーで軽く懸濁し、7,500xgで15分間室温遠心後、水層(上層)を新しいマイクロ遠沈管に移す。この時中間層にさわらないように注意する。500μLクロロホルム/イソアミルアルコール混合液を加え、転倒混和後ミキサーで軽く懸濁し、7,500xgで15分間室温遠心後、水層(上層)を新しいマイクロ遠沈管に移す。等容量のイソプロピルアルコール(室温)を加え、転倒混和後7,500xgで10分間室温遠心し、デカンテーションで上澄み液を捨てる。500μLの70%エタノールを壁面から静かに加え、7,500xgで1分間室温遠心し、沈殿にさわらないようにできる限りエタノールを吸い取り捨てる。その後、2~3分間真空乾燥する。このとき完全に乾燥しないように注意する。50μLのTE緩衝液を加えてよく混和後、室温に15分間放置して、時々転倒混和して完全に溶かす。RNase A5μLを加え、37℃で30分間放置する。200μLのCTAB緩衝液を加えた後に、250μLのクロロホルム/イソアミルアルコール混合液を加え、転倒混和後ミキサーで軽く懸濁し、7,500xgで15分間室温遠心後、水層(上層)を新しいマイクロ遠沈管に移す。この時、中間層にさわらないように採取する。200μLのイソプロピルアルコールを加え、転倒混和してから、7,500xgで10分間室温で遠心し、デカンテーションで上澄み液を捨て、ピペットでイソプロピルアルコールを捨てる。次いで、200μLの70%エタノールを壁面から静かに加え、7,500xgで1分間室温遠心し、沈殿にさわらないようにできる限りエタノールを吸い取り捨てる。その後、2~3分間真空乾燥する。この時、完全に乾燥しないよう注意する。50μLの水を加えて混合した後、15分間室温に放置して、時々転倒混和して完全に溶解したものをDNA試料原液とする。

2.2.2.2.シリカゲル膜タイプキット法

粉砕試料80mgをマイクロ遠沈管(2mL容)に量り採り、シリカゲル膜タイプのキット(QIAGEN DNeasy Plant Mini)を用い、以下の方法に従ってDNAを抽出精製する。

試料にあらかじめ65℃に温めておいたAP1緩衝液600μLとキット付属のRNaseA4μLを加え、試料塊がないようホモジナイザーを用いて混合し、65℃で15分間放置する。その間数回遠沈管を反転させ試料を撹拌する。その後AP2緩衝液195μLを加え、氷上に5分放置後、室温下10,000xgで5分間遠心する。上清をQIAshredder spin columnに負荷し、室温下10,000xgで2分間遠心し、溶出液をマイクロ遠沈管(2mL容)に移す。遠沈管に、1.5倍量のAP3緩衝液・エタノール混液を加え、10秒間ボルテックスミキサーで撹拌した後、得られた混合液のうち500μLを、mini spin column に負荷し、室温下10,000xgで5分間遠心し、溶出液を捨てる。次いで、残りの混合液のうち、更に500μLを同じmini spin columnに負荷し、同条件で遠心し溶出液を捨てる。最終的に混合液がすべてなくなるまで同様の操作を繰り返す。次いで、columnにAW緩衝液500μLを加え、室温下10,000xgで5分間遠心し、溶出液を捨てもう一度AW緩衝液を加え、同じ操作を繰り返す。溶出液を捨て、mini spin columnを乾燥させるため、10,000xg以上で15分間遠心する。mini spin columnをキットの遠沈管に移し、あらかじめ温めておいた水50μLを加え、5分間放置した後、10,000xgで1分間遠心しDNAを溶出する。もう一度水を加え、同様の操作を行い、得られた溶出液を合わせ、DNA試料原液とする。

混合液中に析出物が有る場合columnが詰まりやすくなる。その場合、完全に溶出させるため遠心時間を10分程度まで延ばす。

2.2.3.加工食品からのDNAの抽出精製

平成12年農林水産省告示第517号第3条に規定する別表2の加工食品からのDNAの抽出精製は、独立行政法人農林水産消費技術センター作成のJAS分析試験ハンドブック「遺伝子組換え食品検査・分析マニュアル個別品目編」に記載されている方法を準用する。タコス、トルティーヤ、コーンチップ及びコーンフレーク(加熱加工されているものに限る。)、ジャガイモ(加工品を含む。)並びに缶詰のパパイヤからのDNAの抽出精製は以下の手法で行う。

2.2.3.1.タコス、トルティーヤ、コーンチップ及びコーンフレーク(加熱加工されているものに限る)からのDNAの抽出精製

試料を凍結乾燥した後、ミキサーミル等で粉砕する。次いで粉砕試料1gをポリプロピレン製遠沈管(50mL容)に量り採り、イオン交換樹脂タイプのDNA抽出精製キット(QIAGEN Genomic―tip)を用い以下のようにDNAを抽出精製する。

試料にG2緩衝液*14mLを加えて、ボルテックスミキサー等で激しく混合し、更にG2緩衝液4mL、Proteinase K*2100μLとRNase A 10μLを加えて、よく振って混合した後、50℃で2時間放置する。その間2~3回遠沈管を反転させて試料を転倒混和する。次いで、3,000xg以上で,低温下(4℃)15分遠心し、得られた上清をポリプロピレン製遠沈管(15mL容)に移し、更に軽く遠心する。次いで、QBT緩衝液*11mLを用い平衡化したQIAGEN Genomic‐tip 20/Gに2mLずつ数回に分けて負荷する。次いで、チップをQC緩衝液*1で2mLずつ3回洗浄した後、チップを新しい遠沈管に移し、あらかじめ50℃に温めておいたQF緩衝液*1を1mLずつ2回加え、DNAを溶出する。溶出液を遠沈管に移し、0.7倍量のイソプロピルアルコールを加えよく混合し、10,000xg以上で、低温下(4℃)15分間遠心し、上清を捨てた後、70%エタノール1mLを加え、更に10,000xg以上で、低温下(4℃)5分間遠心する。更に上清を捨て、残った沈殿をアスピレーターを用い乾燥した後、水100μLを加え、65℃で5分間放置し、ピペッティングによりDNAを溶解させ、DNA試料原液とする。

*1G2緩衝液、QBT緩衝液、QC緩衝液及びQF緩衝液はキットに付属しているが、足りない場合にはキットの説明書に従って調製可能である。

*2QIAGEN社のもの、又は同等の効力を持つものを用いる。

2.2.3.2.ジャガイモ(加工品を含む)からのDNAの抽出精製

試料をミキサーミル等により粉砕した後、粉砕試料200mgをポリプロピレン製遠沈管(15mL容)に量り採る。試料中に水分が多い場合は8,000xgで15分間遠心し、上清を捨てる。次いでシリカゲル膜タイプのキット(QIAGEN DNeasy Plant Mini)を用い、以下の様にDNAを抽出精製する。

試料にあらかじめ65℃に温めておいたAP1緩衝液1.5mLとRNase A 10μLを加え、試料塊がないようボルテックスミキサーで激しく混合し、65℃で15分間放置する。その間数回遠沈管を反転させサンプルを撹拌する。その後AP2緩衝液400μLを加え、氷上に5分放置後、室温下10,000xgで5分間遠心する。上清を別の遠沈管に移し、その内500μLをQIAshredder spin columnに負荷し、10,000xgで2分間、室温で遠心し、溶出液をキットの遠沈管に移す。これを全量終えるまで数回繰り返す。得られた溶出液のうち半量を別のマイクロ遠沈管(2mL容)に移し、それぞれの遠沈管に1.5倍量のAP3緩衝液・エタノール混液を加え、10秒間ボルテックスミキサーで撹拌し、溶解液を得る。得られた溶解液のうち500μLを、mini spin columnに負荷し、室温下10,000xgで1分間遠心し、溶出液を捨てる。次いで残りの溶解液のうち、更に500μLを同じmini spin columnに負荷し、同条件で遠心し溶出液を捨てる。最終的に溶解液がすべてなくなるまで同様の操作を繰り返す。

次いで、columnにAW緩衝液500μLを加え、室温下10,000xgで1分間遠心し、溶出液を捨てもう一度AW緩衝液を加え、同じ操作を繰り返す。溶出液を捨てた後、mini spin columnを乾燥するため、10,000xg以上で15分間遠心する。mini spin columnをキットの遠沈管に移し、あらかじめ温めておいた水50μLを加え、5分間放置した後、室温下10,000xgで1分間遠心しDNAを溶出する。もう一度水を加え、同じ操作を行い、得られた溶出液を合わせ、DNA試料原液とする。

2.2.3.3.缶詰のパパイヤからのDNAの抽出精製

試料を水でよく洗浄し、凍結乾燥した後、ミキサーミル等で粉砕する。次いで粉砕試料2gをポリプロピレン製遠沈管(50mL容)に量り採り、イオン交換樹脂タイプのDNA抽出精製キット(QIAGEN Genomic‐tip)を用い以下のようにDNAを抽出精製する。

試料にG2緩衝液7.5mLを加えて、ボルテックスミキサー等で激しく混合し、更にG2緩衝液7.5mL、QIAGEN Proteinase K 200μLとRNase A 20μLを加えて、よく振って混合した後、50℃で2時間放置する。その間2~3回遠沈管を反転させて試料を転倒混和する。次いで、3,000xg以上で、低温下(4℃)15分間遠心し、得られた上清をポリプロピレン製遠沈管(15mL容)に移し、更に軽く遠心する。次いで、QBT緩衝液1mLを用い平衡化したQIAGEN Genomic‐tip 20/Gに2mLずつ数回に分けて負荷する。次いで、tipをQC緩衝液で2mLずつ3回洗浄した後、チップを新しい遠沈管に移し、あらかじめ50℃に温めておいたQF緩衝液を1mLずつ2回加え、DNAを溶出する。溶出液を遠沈管に移し、0.7倍量のイソプロピルアルコールを加えよく混合し、10,000xg以上で、低温下(4℃)15分間遠心し、上清を捨てた後、70%エタノール2mLを加え、更に10,000xg以上で、低温下(4℃)5分間遠心する。更に上清を捨て、残った沈澱をアスピレーターを用い乾燥した後、水100μLを加え、65℃で5分間放置し、ピペッティングによりDNAを溶解させ、DNA試料原液とする。

2.2.4.DNA試料原液中のDNAの純度の確認並びにDNA試料液の調製と保存

DNA試料の適当量を取りTE緩衝液で10倍希釈して200~320nmの範囲で紫外部吸収スペクトルを測定し、260nm及び280nmの吸光度(O.D.260及びO.D.280)を記録する。次いでO.D.260の値1を50ng/μL DNAとしてDNA濃度を算出する。またO.D.260/O.D.280を計算する。この比が1.7~2.0になれば、DNAが充分に精製されていることを示す。得られたDNA濃度から、DNA試料原液を以後のPCRに必要な濃度に水で希釈しDNA試料液とし、20μLごとにマイクロ試料管に分注し、-20℃以下で冷凍保存する。分注したDNA試料液は、融解後直ちに使用し、残った溶液は再度保存せず廃棄する。なお、DNA試料原液の濃度がPCRで規定された濃度に達しないときは、そのままDNA試料液として用いる。

O.D.260がDNA由来の吸光度、O.D.280がタンパク質等不純物由来の吸光度と考える。

3 安全性審査済みの組換えDNA技術応用食品の検査方法

3.1.大豆

3.1.1.ELISA法

試料中のCP4EPSPSタンパク質を検知する手法である。100mesh(編み目の一目の長さ150μm)のふるいを通過した粉末試料0.5gを用いて、SDI社製GMO Soya Test Kit Ver.2.0の説明書に記載された手法に従って試験する。以下に方法について記述する。

試料又は標準品0.5gをポリプロピレン製遠沈管(15mL容)に正確に量り採り、Soya Extraction緩衝液4.5mLを加え、ボルテックスミキサーを用い10秒間混合した後、2,500xgで15分間遠心し、上清を抽出液とする。Soya Assay緩衝液280μLに抽出液20μLを加え撹拌し希釈液とする。更に、Soya Assay緩衝液380μLに希釈液20μLを加え撹拌し、試料液とする。このキットで作成できる検量線の範囲は0―2.5%であるので、未知検体の抽出液について検量線の範囲内で定量値が内挿できるよう、別に10倍希釈した試料液も準備しておく。ウェルに試料液を100μLずつ加え、37℃で1時間保温する。その後、Wash緩衝液で3回洗浄し、Reconstituted and Diluted Soya Conjugate Mix 100μLを加え、37℃で1時間保温する。更にWash緩衝液で3回洗浄する。次に、Color Reagent 100μLを加え、室温で10分間放置した後、Stop Solution 100μLを加えて反応を停止する。反応停止後、マイクロプレートリーダーを用い、450nmの波長でウェルの吸光度を測定し、別途購入した標準試料を用い作成した検量線より組換え体の含有量を求める。なお、同一の実験を2ウェルで行い、得られた値を平均する。

3.1.2.定量PCR法

TaqMan Chemistryを利用した定量PCR法を行う。同法では、両プライマー対間のDNA配列にアニールするリポーター、クエンチャー両色素を結合した蛍光オリゴヌクレオチドプローブを使用する。同プローブが、DNAポリメラーゼの5’ヌクレアーゼ活性により加水分解されると、リポーター色素がクエンチャー色素から分離し、蛍光を放射する。蛍光強度は、PCRサイクル数に対し指数関数的に増強する。従って、一定の蛍光強度に達したPCRサイクル数を比較することで、元のDNA量が求められる。組換えDNA技術応用食品の定量は、非組換え体に普遍的に存在する遺伝子を内標として用い、内標に対する組換え遺伝子量を求めることで行う。大豆においては、大豆に普遍的に存在するレクチン遺伝子を内標とし、レクチン遺伝子を認識するプライマー対(Le1―n02)とプローブ(Le1―Taq)を使用し定量PCRを行い、DNA試料中のレクチン遺伝子のコピー数を求める。同時に、同一試料について、組換え遺伝子を認識するプライマー対(RRS―01)とプローブ(RRS―Taq)を使用し別に定量PCRを行い、得られた試料中の組換え遺伝子のコピー数を求める。組換え遺伝子のコピー数をレクチン遺伝子のコピー数で除し、その値をあらかじめ求められている係数(内標比)で更に除して得られた値に100を乗したものが、試料中に含まれる遺伝子組換え作物の%含量となる。以下に定量PCRの実際を述べる。なお、5.1.2.並びに5.2.2.定量PCR法で用いる水は、特に断り書きがないかぎり全て逆浸透膜精製したRO水または蒸留水をMilli―Q等で17MΩ/cmまで精製した超純水とする。

内標比:種子を用い、定められた定量PCR反応で検出される種子中の内標遺伝子(大豆の場合レクチン遺伝子)数に対する対象組換え遺伝子数の比の値を求めたもの。各プライマー対及びプローブを用いた際の内標比は別紙に規定する。

3.1.2.1.検量線用標準液の作成

あらかじめコピー数が判明している遺伝子組換え(GM)プラスミドDNA溶液を用意し、サケ精子DNA溶液(5ng/μL)を用い、2.5μL中にプラスミドDNAが検量線を作成するに適当な一定量(例えば10、125、1,500、20,000、250,000コピー数)になるよう希釈する。得られた希釈液を検量線用標準液とする。

DNA溶液の希釈

DNAが微量非特異的に遠沈管壁面に吸着する影響を避ける目的で、サケ精子DNA溶液を用い希釈する。

3.1.2.2.PCR用反応液の調製

PCR用反応液25μLの組成は以下のとおりである。Universal PCR Master Mix*112.5μL、対象プライマーは最終濃度として0.5μmol/L(例:対象プライマー対混合液25μmol/Lを0.5μL)、対象プローブは最終濃度として0.2μmol/L(例:対象プローブ溶液10μmol/Lを0.5μL)、20ng/μL DNA試料液2.5μL(50ng)又は検量線用標準液2.5μL、或いは5ng/μLサケ精子DNA溶液(ブランク試料液)2.5μL。PCR反応で生じる誤差を減少させるため、1DNA試料液あたり3回分(3ウェル)のPCR用反応液を調製する*2

あらかじめUniversal PCR Master Mixに対象プライマー、対象プローブを加えた溶液(マスターミックス)を実験に必要な量より多少多めに用意しておき、マスターミックスと各DNA試料又はブランク試料液を別な遠沈管で混合し、この混合液を更にプレート上の各ウェルに25μLずつ分注する。分注が終了した後、真上からプレートの蓋をする。この時、片側に歪みがたまらないよう両側のウェルから交互に閉める。次に専用ローラーを用い完全にウェルを密閉する。最後にウェルの底を観察し、底に気泡がある場合は、プレートのふちを軽く叩いて気泡を抜いておく。

*1Universal PCR Master Mix

本液は粘性が高い。従って、同溶液を加えて混合する場合、混合が確実に行われるように注意を要する。不充分な場合には、PCR反応がうまくいかない場合がある。従って、使う直前に3秒程度ボルテックス撹拌後、軽く遠心し、溶液を試料管の底に集めておいてから使用すると良い。また、ウェルに分注するときは、以後撹拌、遠心が困難なことを考慮し、ウェルの底に確実に入れる。

*2定量PCR反応液の調製

冷凍庫から出した試薬類は、必要なものにつき室温で融解後、氷上で保存する。氷上で保存した試薬につき、同一のチップを用い連続分注すると、ピペット内の空気が冷却されるため、2回目以降、通常のピペット操作では正確に分注されないので注意する。ピペットの説明書に書かれた、低温試料を扱う場合の操作法(通常、ふきとめと呼ばれる操作)を理解して使用すること。

3.1.2.3.定量PCR

ABI PRISM7700或いは同5700を用いて行う。装置にプレートをセットし、装置の蓋の温度(Cover temperature)が105℃付近になったことを確認した後、反応とデータの取り込みを開始する。反応条件は以下のとおりである。50℃2分間保持の後、95℃で10分間保ち、ホットスタート法で反応を開始した後、95℃30秒、59℃1分を1サイクルとして、40サイクルの増幅反応を行う。反応終了後、実験結果の解析を行う。

3.1.2.4.検量線の作成

内標遺伝子及び組換え遺伝子につき、以下の操作で検量線を作成する。サイクル数に対して蛍光シグナルの増加量(ΔRn)をプロットした増幅曲線上で、検量線用標準液及びDNA試料液由来の蛍光シグナルが指数関数的に増幅しているΔRn部を選択し、threshold line(Th)を引く。この際、ブランク試料液で出現することのある非特異的増幅曲線と交差しないように注意する。Thの厳密な引き方は、独立行政法人農林水産消費技術センター作成のJAS分析試験ハンドブック「遺伝子組換え食品検査・分析マニュアル定量的PCR編」に記載されている方法を準用する。Thと、検量線用標準液の蛍光シグナルが交差した点をthreshold cycle(Ct)値とする。次に各々の検量線用標準液のコピー数の対数値(x軸)に対するCt値(y軸)をプロットし、各Ctに対して得られた近似直線を検量線とする。

3.1.2.5.試料の組換えDNA技術応用食品含有率の計算

未知DNA試料につき検量線作成で用いたThを使用してCt値を求め、内標遺伝子並びに組換え遺伝子につき、それぞれ検量線から各3ウェルとも初期遺伝子コピー数を内挿し、その値の平均を初期内標遺伝子コピー数及び初期組換え遺伝子コピー数とする。次に、次式に従って、対象組換えDNA技術応用食品含有率を求める。

対象組換えDNA技術応用食品含有率(%)=[初期組換え遺伝子コピー数/(初期内標遺伝子コピー数×内標比)]×100

大豆の場合、現在のところ市場に流通している遺伝子組換え大豆はRoundup Ready Soybeanのみであり、Le―1とRRS遺伝子のコピー数から算出された値は、遺伝子組換え大豆の含有率を示している。

3.1.3.結果の判定

3試料につき各1回の抽出を行い、ELISA法又は定量PCR法により得られた値の平均が5%以上の組換えDNA技術応用食品含有率となった試料については、不適切な分別生産流通管理が行われていた可能性がある。

3.2.トウモロコシ

トウモロコシでは、異なった発現蛋白質をもつ組換え品種が存在する上、同一の発現蛋白質が発現する組換え品種であっても、組換え品種毎に蛋白質の発現量が異なるため、多種の遺伝子組換えトウモロコシが混入している穀粒では、遺伝子組換えトウモロコシの含有率を求める目的でELISA法を用いることはできない。従って、定量PCR法でのみ分析が可能である。

3.2.1.定量PCR法

上述のように、トウモロコシでは分析対象が複数品種存在するため、まず一次スクリーニングを実施し、得られた結果に基づき更に品種毎の分別定量を行い、組換え品種毎の定量値を合計して、結果の判定を行う。なお、トウモロコシの場合、トウモロコシに普遍的に存在する内標遺伝子として、スターチシンターゼIIb(SSIIb)遺伝子を用い、同遺伝子を認識するプライマー対SSIIbとプローブSSIIb―Taqを使用して得られた同遺伝子のコピー数と、分析対象となる組換え遺伝子を認識するプライマー対とプローブを使用して得られた対象遺伝子のコピー数を大豆の場合と同様に算出し、3.1.2.5.で示した式に基づき対象遺伝子組換えトウモロコシの含有率を求める。

3.2.1.1.スクリーニング

3.2.1.1.1.Cauliflower mosaic virus由来の35S promoterが組み込まれた組換え品種の定量

組換えトウモロコシ品種Event176、Bt11、T25及びMon810は、全てCauliflower mosaic virus由来の35S promoter(CaM)が組み込まれているため、同遺伝子含量を指標として、これらの品種の混合物については、大まかな含量を推定することが可能である。分析方法は、用いるプライマー対とプローブを除き、大豆の定量PCR法で示された方法と同一である。内標遺伝子として、スターチシンターゼIIb(SSIIb)遺伝子を用い、同遺伝子を認識するプライマー対SSIIbとプローブSSIIb―Taqを使用する。対象遺伝子のプライマー対とプローブはP35S―1とP35S―Taqであり、別紙に規定された内標比を用いて、最終的にCaM遺伝子が組み込まれた遺伝子組換えトウモロコシの含有率を算出する。

P35S―1とP35S―Taqを用いた際の内標比は、Mon810を対象として算出されたものを用いる。同品種は米国で最も作付け面積が広い組換え品種であること、組換え遺伝子中に35Spromoterが1コピーしか存在しないことから、遺伝子組換えトウモロコシの含有率を過小評価する可能性が低い。なお、P35S―Taqは、PCR用反応液の最終濃度として0.1μmol/Lで用いる。

3.2.1.1.2.GA21の定量

組換え品種GA21は、CaM遺伝子が組み込まれていない。従って、本品種の含有率を確認するためには、CaM遺伝子を分析するものと同一のDNA試料液について、別にGA21特異的なプライマー対GA21―3とプローブGA21―Taqを用い、3.2.1.1.1.と同様の方法でGA21遺伝子のコピー数を算出し、GA21の含有率を求める。

3.2.1.1.3.結果の判定

3試料につき、各1回の抽出を行い、得られたDNA試料液について定量PCRを行った結果、CaM遺伝子が組み込まれた遺伝子組換えトウモロコシの含有率にGA21の含有率を加えた値が4.5%を越える場合は、更に、別に2回の抽出を行い、計3回の抽出より得られたDNA試料液について、それぞれトウモロコシ組換え品種特異的定量を行う。

3.2.1.2.トウモロコシ組換え品種特異的定量

3.2.1.2.1.Event176、Bt11、T25及びMon810の定量

GA21については、3.2.1.1.2.と同様の方法で行う。組換え品種Event176、Bt11、T25及びMon810については、定量用プライマー対とプローブとして、それぞれE176―2とE176―Taq、Bt11―3とBt11―Taq、T25―1とT25―Taq及びM810―2とM810―Taqを用い、3.2.1.1.1.と同様の方法でEvent176、Bt11、T25、Mon810の各遺伝子のコピー数を算出し、Event176、Bt11、T25、Mon810の品種別含有率を求める。

3.2.2.結果の判定

3.2.1.1.2.で得られたGA21、Event176、Bt11、T25及びMon810の含有率について、1DNA試料液づつ総和を算出する。それらの平均が5%を越えた試料については、不適切な分別生産流通管理が行われていた可能性がある。

(別紙)内標比

食品名

対象品種

内標比

備考

大豆

Roundup Ready Soybean

0.95

Le1―n02とLe1―Taq及びRRS―01とRRS―Taqを使用

トウモロコシ

特定せず(スクリーニング)

0.39

SSIIbとSSIIb―Taq及びP35S―1とP35S―Taqを使用

トウモロコシ

GA21

1.40

SSIIbとSSIIb―Taq及びGA21―3とGA21―Taqを使用

トウモロコシ

Event176

2.05

SSIIbとSSIIb―Taq及びE176―2とE176―Taqを使用

トウモロコシ

Bt11

0.50

SSIIbとSSIIb―Taq及びBt11―3とBt11―Taqを使用

トウモロコシ

T25

0.34

SSIIbとSSIIb―Taq及びT25―とT25―Taqを使用

トウモロコシ

Mon810

0.38

SSIIbとSSIIb―Taq及びMon810―2とMon810―Taqを使用

(参考)

1 2.2.DNA抽出精製法のうち、2.2.1.2.のシリカゲル膜タイプキット法に用いられるAP1及びAP2緩衝液及びRNase Aは、キットに含まれるものとは別にキアゲン(〒104―0054東京都中央区勝どき3―13―1 Forefront Tower II. Tel.03―5547―0811 Fax.03―5547―0818)から購入可能である。

2 3.安全性審査済の組換えDNA技術応用食品の検査方法のうち、3.1.2.1.検量線用標準液の作成に用いられるGM標準プラスミドDNAは、ニッポンジーン(〒930―0982富山市問屋町1―29.Tel.076―451―6548Fax.076―451―6547)から購入可能である。

3 3.安全性審査済の組換えDNA技術応用食品の検査方法のうち、3.1.2.2.PCR用反応液の調製に用いられる対象プライマー、対象プローブは、ニッポンジーン、ファスマック(〒243―0041厚木市緑ヶ丘5―1―3Tel.046―295―8787,Fax.046―294―3738)から購入可能である。

4 独立行政法人農林水産消費技術センター作成のJAS分析試験ハンドブック「遺伝子組換え食品検査・分析マニュアル」は下記ホームページから入手可能である。

http://www.maff.go.jp/sogo_shokuryo/jas/manual00.htm