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E-1 香料の原材料として、特定原材料等を用いることがありますが、これらについても表示は必要なのでしょうか。

香料に関しては、実際にアレルギー疾患を引き起こしたという知見が乏しいため、現時点では特定原材料等に関する表示を必須とはしていません。しかしながら、アレルギー症状はごく微量でも引き起こされる場合があることを考慮すると、今後さらに調査・検討が必要です。また、香気成分以外に特定原材料等24品目を原材料として製造された副剤を使用している際には、表示する必要があります。なお、香料の副剤に特定原材料等を使用している場合も、「香料、(原材料の一部に○○を含む)」等、表示する必要があります。

E-2 アルコール類は原材料に麦や果実を使用する場合がありますが、これらについても表示は必要ですか。

アルコール類については、アルコールを飲むことにより、顔が赤くなったり、動悸がしたりという摂取時の反応があるため、その反応が特定原材料等の抗原性によるものかアルコールの作用によるものかを判断することは極めて困難です。したがって、アレルギー疾患を引き起こすとの知見が得られにくいため、飲料用のアルコールや牛乳の乳漿から製造される工業用アルコール(主に食品の製造時に用いられるアルコール)についても、現時点では表示義務の対象となっていません。しかしながら、今後さらに報告・症例の調査に基づき検討していく必要があります。

E-3 発酵食品を製造するときに、発酵を開始させるため用いられる乳酸菌の培養物(スターター)を培養するときに用いる培地の構成成分に特定原材料等を用いている場合も表示の対象となるのでしょうか。

発酵製品において使用されるスターターの培地のうち、特定原材料等を成分として用いていて、最終的に食品に残存する場合については原材料と見なされます。しかし、残存が認められず、原材料としても取り扱われない場合は表示の必要はありません。

F 特定原材料等の範囲について

※ 特定原材料等の範囲は、原則として別添2のように日本標準商品分類の番号で指定されている範囲のものを指します。

→別添2 特定原材料等の範囲(日本標準商品分類より)

F-1 特定原材料の「卵」の範囲を教えてください。

卵については、鶏卵のみを示すのか、その他の鳥類の卵も含めるのかの判断が難しいですが、交差反応が認められている(鶏卵でアレルギーを起こす人は他の鳥類の卵でもアレルギー症状を起こす場合がある)ことにより、鶏卵のみでなく、あひるやうずらの卵等、一般的に使用される食用鳥卵についても対象となります。しかし、他の生物の卵(魚卵、は虫類卵、昆虫卵等)は範囲に含まれません。

また、全卵のみではなく、卵黄と卵白に分離していたとしても、表示が必要です。さらに、生卵を使用している場合は勿論のこと、液卵、粉末卵、凍結卵等を用いた場合も「卵」を使用している旨の記載漏れがないよう注意しましょう。

F-2 特定原材料の「小麦」の範囲を教えてください。

小麦で代表的なのは小麦粉です。小麦はグルテンの含有量の違いにより、普通小麦、準強力小麦、強力小麦、デュラム小麦等に分けられますが、全ての小麦が表示の対象範囲となります。また、小麦粉についても同様に、強力小麦粉、準強力小麦粉、薄力小麦粉、デュラムセモリナ、特殊小麦粉等が対象範囲となります。

小麦は様々な食品に原材料の一部として使用されることが多く、さらに最終製品となる食品を見ただけでは使用されていることが判別できないことがほとんどです。しかし、小麦によるアレルギーの症状は重く、また、食生活の欧米化に伴い患者数増加の傾向があり、即時型のアレルギー物質の中で主要なものの一つとなっていますので、記載漏れのないよう注意が必要です。

なお、大麦、ライ麦等は対象外ですので、表示の必要はありません。

F-3 特定原材料の「乳」の範囲を教えてください。

特定原材料のうち、「乳」に関しては牛の乳より調整、製造された食品全てに関して表示が必要となります。今回は、牛以外の乳(山羊乳、めん羊乳等)は表示の対象外とします。

「乳」に関しては、「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(昭和26年厚生省令第52号)」(以下「乳等省令」という。)に準ずるものとなっています。乳等省令では、乳は、牛以外のものを除くと、「生乳、牛乳、特別牛乳、部分脱脂乳、脱脂乳、加工乳」と、乳製品は「クリーム、バター、バターオイル、チーズ、濃縮ホエイ、アイスクリーム類、濃縮乳、脱脂濃縮乳、無糖れん乳、無糖脱脂れん乳、加糖脱脂れん乳、全粉乳、脱脂粉乳、クリームパウダー、ホエイパウダー、たんぱく質濃縮ホエイパウダー、バターミルクパウダー、加糖粉乳、調製粉乳、はっ酵乳、乳酸菌飲料、乳飲料」とされています。

これらは個々に定義されていて、定義に当てはまらないものは個々の品名で表示できないこととなっています。よって、乳を主原料としていても、これらの定義に当てはまらない食品については、「乳又は乳製品を主原料とする食品」と分類されています。

今回は、乳、乳製品、乳又は乳製品を主原料とする食品、その他乳等を(微量であっても)原料として用いられている食品を対象としています。

F-4 特定原材料の「そば」の範囲を教えてください。

そばは従来から日本において重篤なアレルギー疾患の原因物質として有名です。そばアレルギー患者の中には、ごく微量のそばが混入していても重篤な症状がでる方がいます。

特定原材料とされている「そば」は、麺のそばのみではなく、そば粉も含めるため、そば粉を用いて製造される、そばボーロ、そば饅頭、そばもち等も表示の対象となります。

そばは、こしょう等の調味料に含まれる場合もありますので、原材料となる加工品についても細かく確認して、正確な表示をする必要があります。

F-5 特定原材料の「落花生」の範囲を教えてください。

落花生は、いわゆるピーナッツ、なんきんまめとも呼ばれるものです。多くの料理や菓子類に使用されますが、ピーナッツオイル、ピーナッツバター等もアレルゲンとなるので注意が必要です。

落花生によるアレルギーは日本では非常に少ないものでしたが、徐々に患者数が増えてきていて、今後さらに増加傾向をたどることが予測されています。一般に脂肪が多い小粒種は採油用に、蛋白質が多い大粒種は食用にされることが多いようですが、両方とも表示の対象となります。

F-6 特定原材料に準ずるものの「あわび」の範囲を教えて下さい。

あわび類には主に「あわび」と「とこぶし」がありますが、今回は「あわび」のみを対象としています。とこぶしは、外見があわびによく似ていますが、呼吸のための穴が7~8個あるので、4~5個のあわびと区別されます。

とこぶしについては、交差反応性が確認されていないため、今回は対象外となっていますが、今後さらなる研究により、抗原性の交差反応の範囲等を調べていく必要があります。なお、ここでいう「あわび」とは、日本標準商品分類における「あわび」をいい、国産品、輸入品にかかわらず「あわび」として流通しているものすべてを含みます。

F-7 特定原材料に準ずるものの「いか」の範囲を教えて下さい。

全てのいか類が対象となります。具体的には、ほたるいか類、するめいか類、やりいか類、こういか類、その他のいか類(みみいか、ひめいか、つめいか等)を対象としています。

F-8 特定原材料に準ずるものの「いくら」の範囲を教えて下さい。

「いくら」とは、さけ、ます類の卵巣の卵巣膜を取り除き分離した卵粒を塩蔵したものをいいます。「すじこ」は卵巣膜のまま塩蔵したものをいいます。よって、特定原材料に準ずるものの範囲としては、いくらとすじこは同じものと考え、表示の対象となります。

F-9 特定原材料に準ずるものの「えび」の範囲を教えて下さい。

アレルギー表示でいうえびとは、くるまえび類(車エビ、大正エビ等)、しばえび類、さくらえび類、てながえび類、小えび類(ほっかいえび、てっぽうえび、ほっこくあかえび等)等をいいます(日本標準商品分類における「えび類(いせえび・ざりがに類を除く。)」に該当するもの)。

今回、いせえび・うちわえび・ざりがに(ロブスター等)類は分類上、属が異なることより除くことになりましたが、現在、食物アレルギー研究班でえび類とロブスター類の交差反応性を検討しています。これらの研究により交差反応性が認められた場合、「えび」の範囲を再検討することとなります。

また、しゃこ類、あみ類等はその他の甲殻類に分類されるため、表示の対象外となっています(日本標準商品分類による)。

F-10 特定原材料に準ずるものの「オレンジ」の範囲を教えて下さい。

日本標準商品分類によると、オレンジ類はかんきつ類中の1つのグループとなります。アレルギー表示における「オレンジ」の範囲はネーブルオレンジ、バレンシアオレンジ等、いわゆるオレンジ類をいいます。よって、うんしゅうみかん、夏みかん、はっさく、グレープフルーツ、レモン等は対象となりません。

F-11 特定原材料に準ずるものの「かに」の範囲を教えて下さい。

「かに」とはいわゆるかに類であり、いばらがに類(たらばがに、はなさきがに、あぶらがに)、くもがに類(ずわいがに、たかあしがに)、わたりがに類(がざみ、いしがに、ひらつめがに等)、くりがに類(けがに、くりがに)、その他のかに類を表示の対象としています。

なお、ざりがには前述のように分類上属が異なることから、特定原材料に準ずるものの「かに」の範囲には含まれません。

F-12 特定原材料に準ずるものの「牛肉」、「豚肉」、「鶏肉」の範囲を教えて下さい。

肉類については、肉そのものは勿論表示の必要がありますが、日本標準商品分類において肉とは別に分類されている内臓については、特に耳、鼻、皮等、真皮層を含む場合は表示が必要です。また、動物脂(ラード、ヘッド)も表示が必要です。しかしながら、上記以外の内臓(ケーシング材を含む)、皮(真皮を含まないものに限る)、骨(肉がついていないものに限る)については今回は表示の必要はありません。

F-13 特定原材料に準ずるものの「さけ」の範囲を教えて下さい。

今回対象となる「さけ」とは、サケ科のサケ属、サルモ属に属するもので、陸封性を除きます。具体的にはさく河性のさけ・ます類で、しろざけ、べにざけ、ぎんざけ、ますのすけ、さくらます、からふとます等です。

さけとは、サケ科に属するしろざけ、べにざけ、ぎんざけ、ますのすけ等の総称です。陸封性のにじます、ひめます等は一般にマスといわれますが、学問上ではマス類という分類はなく、明確な区分も無いのですべてサケ類とされます。

今回のアレルギー表示では、いわゆる一般に「さけ」として販売されているものを対象とするため、にじますやいわな、やまめ等、陸封性のものは対象外としています。

F-14 特定原材料に準ずるものの「大豆」の範囲を教えて下さい。

アレルギー表示における「大豆」の範囲は、えだまめや大豆もやし等未成熟のものや、発芽しているものも含みます。

大豆には色々な品種があり、色や大きさ、形などによって分類されています。色については、みそ、しょうゆ、納豆、豆腐には黄色系統が用いられ、きな粉や菓子用に緑色系統(青豆、菓子大豆と呼ばれる)、料理用に黒色系統(黒豆)が用いられています。

アレルギーの表示としてはこれら全てが対象となります。

F-15 特定原材料に準ずるものの「やまいも」の範囲を教えて下さい。

「やまいも」は日本標準商品分類でいう「やまのいも」をいいます。「やまのいも」とはジネンジョ、ながいも、つくねいも、いちょういも、やまといも等を対象としています。

一般的に知られている「とろろ」はやまのいもをすりおろしたもので、これを使った料理に「山かけ」、「とろろ汁」等があります。

F-16 特定原材料に準ずるものの「ゼラチン」の範囲を教えて下さい。

「ゼラチン」は主に、牛、豚を主原料として製造され、大変多くの加工品に原材料として用いられています。

今日、「ゼラチン」は日本標準商品分類上、明確な分類項目はありませんが、「ゼラチン」の名称で流通している製品を原材料として用いている場合はアレルギー表示の対象となります。

G 代替表記、特定加工食品について

G-1 特定原材料等に関する表示は必ず今回定められた表記方法で表示しなければならないのですか。

実際に食品に表示をするとき、限られた表示スペースに特定原材料等に関する表示を行っていくことには限界があります。その表記から使用されている特定原材料が連想(代替)できるような一般的(常識的)な表記なら認めてもよいのではないかと考えられますが、難しい漢字表記等、広く一般消費者が理解できないような表示方法となっては無意味となってしまいます。そこで、実際に食品を購入するアレルギー患者(子供から大人まで)、保護者等を主な対象としてアンケート調査を行い、自分でおやつを購入するアレルギーを持つ子供でも読みとることができ、判断できる表記方法を基本として次のように代替表記を認めることとしました。

表記方法については、次に示す代替表記(※1)及び特定加工食品(※2)による表記等を用いることができます。これらの表記方法は必要に応じ見直すこととなります。

→ 別添3 特定原材料等の表記方法代替リスト

原材料名に特定原材料等に関する名称及び代替リストに定める表記が入っているときは、それをもって特定原材料等に関する表記とすることができます。

→ 鶏唐揚げ、海老フライ、大豆油、小麦でんぷん等

※1代替表記:特定原材料等と表記方法や言葉が違うが、特定原材料等と同じものであることが理解できる表記(「乳」については問H参照)

1) 卵…一般的に、「玉子」、「タマゴ」、「エッグ」等の表示であっても、特定原材料である「卵」を使用していると理解できるので、これらは代替表記として認めます。さらに、代替表記を拡大し、これらの代替表記を含む原材料名「厚焼玉子」、「ハムエッグ」、「卵黄」、「卵白」は卵を使用していると理解できると見なし、特定原材料に関する表記として認めます。

2) さけ…「鮭」、「サーモン」「しゃけ」等の表記であっても、特定原材料に準ずるものである「さけ」を使用していると理解できるので、これらは代替表記として認めます。しかし、「ます」では一般に「さけ」を示しているとは理解できないので、代替表記としては認められません。(→さけ、ますの定義についてはF-13参照)

代替表記を拡大し、「鮭フレーク」、「スモークサーモン」により特定原材料等に関する表記とすることはできます。

3) 大豆…「だいず」、「ダイズ」等の表記は代替表記として認められますが、「えだまめ」、「もやし」、「黒豆」等は一般的に大豆と結びつけるのが困難なため、認められません。よって、「えだまめ(大豆)」、「大豆もやし」等で表示する必要があります。また、代替表記の拡大として、「大豆油」、「脱脂大豆」により特定原材料に準ずるものに関する表記とすることができます。

※2特定加工食品:一般的に特定原材料等により製造されていることが知られているため、それらを表記しなくても、原材料として特定原材料等が含まれていることが理解できる加工食品。

1) いか…「するめ」は一般的に「いか」を原材料として製造されると知られているので、「するめ」によって特定原材料等に関する表示とすることができます。

2) 小麦…「パン」、「うどん」は一般的に「小麦」を原材料とすると理解できます。ただし、例えば小麦の他に乳製品も使用している菓子等の場合は「小麦」表示は省略できますが、「乳製品」の表示は必要となります。

特定加工食品であっても、例えば「ロールパン」の原材料に「小麦」、「牛乳」、「卵」等を使用していた場合では、「小麦」についてはパンの表記で省略可能となりますが、「牛乳、卵」については表示が必要です。よって、「ロールパン、(原材料の一部に牛乳、卵を含む)」等の表示が必要となります。

また、一般的に「小麦」を原材料とすることが理解できない表記として、「スパゲティ」、「中華麺」、「フラワーペースト」等があります。これらの表記には「小麦」を原材料とする旨を表記する必要があります。

3) 大豆…「しょうゆ」は「大豆」を原材料とすると理解できます。ただし、しょうゆの原材料に大豆、小麦を使用している場合は、しょうゆに小麦を使用している旨は表示が必要です。つまり、「大豆」は省略できても「小麦」については、「しょうゆ(大豆、小麦、食塩、その他)」とするか、「しょうゆ、(原材料の一部に小麦を含む)」等の記載が必要です。その他の特定加工食品例としては、「豆腐」、「みそ」等があります。

また、特定加工食品として認められない(一般的に理解できない)表記としては、「おから」、「きなこ」等があります。

G-2 加工食品に使用した特定原材料等について、全てを詳細に記載すると表示欄に書ききれなくなってしまうのですが。

24品目の特定原材料等を重複して使用する場合は、以下のように省略できることとなります。

① 特定原材料等を含む複合原材料(2種類以上の原材料からなる食材をいいます。例えば、事例1におけるフラワーペースト)を用いた複合調理加工品(事例1におけるシュークリーム)に関しては、消費者に誤認を与えない限りにおいて、全ての原材料(複合原材料の原材料を含める)を重量割合の多い順に表示できます。

【事例1】括弧をはずして表記する場合

複合調理加工品

原材料名

省略可能な表記例

シュークリーム

フラワーペースト(小麦粉、コーンスターチ、砂糖、大豆油、その他)、卵、牛乳、砂糖、小麦粉、でんぷん(小麦粉)、食塩

、牛乳、砂糖、小麦粉、でんぷん、大豆油、食塩

※ 事例中の★、▲、◎、●等の印は、当該事例を見やすくするためのものであり、実際の表示には必要ありません。

② 通常、原材料が混合されているもの(ポテトサラダ、ビスケット等)や、一緒に食べられるもの(単一そうざい等)については、加工品の特定原材料等について、JAS法の表示を行った上で、原材料表示の最後に括弧を付して、(大豆、小麦、…、…を原材料の一部として含む)等、特定原材料等を使用している旨を記載することにより表示することができます。

また、特定原材料等に関する表示については、原材料表示中繰り返し表示していく必要はありません。(事例2中、ビスケットにおける「全乳粉」、「ホエイパウダー(乳製品)」、「カゼインCa(乳由来)」、「カゼインNa(乳由来)」では、「全粉乳」が「乳」の代替表記であることにより、その他の「乳」に関する特定原材料表示は、既に表記が行われていることから省略することができます。)

【事例2】下記表記について

複合調理加工品

原材料名

省略可能な表記例

ポテトサラダ

じゃがいも、にんじん、ハム(豚肉、食塩、砂糖、その他)、マヨネーズ(卵、大豆油、醸造酢、その他)、たんぱく加水分解物(豚肉*)、調味料(アミノ酸等)、発色剤(亜硝酸Na)、リン酸Na

じゃがいも、にんじん、ハム、マヨネーズ、たんぱく加水分解物、調味料(アミノ酸)、発色剤、(亜硝酸Na)、リン酸Na、(原材料の一部に豚肉*及び大豆油を含む)

五目豆

大豆、にんじん、れんこん、しいたけ、ごぼう、砂糖、しょうゆ(大豆、小麦、食塩、その他)、酒、みりん、大豆油、食塩、調味料(アミノ酸)、乳化剤(大豆由来)

大豆、にんじん、れんこん、しいたけ、ごぼう、砂糖、しょうゆ、酒、みりん、大豆油、食塩、調味料(アミノ酸)、乳化剤、(原材料の一部に小麦を含む)

麺つゆ

しょうゆ(大豆、小麦、食塩、その他)、かつおぶし、こんぶ、アミノ酸液(小麦由来)、砂糖、塩

しょうゆ、かつおぶし、こんぶ、アミノ酸液、砂糖、塩、(原材料の一部に小麦を含む)

ビスケット

小麦粉、砂糖、卵、全粉乳、ホエイパウダー(乳製品)、カゼインCa(乳由来)、カゼインNa(乳由来)

小麦粉、砂糖、卵、全粉乳、ホエイパウダー、カゼインCa、カゼインNa

※ 事例中の★、*、◎、●、▲等の印は、当該事例を見やすくするためのものであり、実際の表示には必要ありません。

③ 複合調理加工品を複数詰めあわせて販売されているもの(弁当類を含む)については、多種の食材の詰め合わせ食品であり、記載事項が大変多くなり、かえって消費者に分かりにくい表示になってしまう恐れがあります。また、個々の複合調理加工品についてアレルギー表示を行うことは実行上困難です。

これらの理由により、原材料表示と添加物表示の間に(その他、○○、○○、○○由来原材料を含む)と表記することで特定原材料等に関する表記とすることができることとしました。しかしながら、実際にどの複合調理加工品にどのような特定原材料等を含んでいるか、個々の原材料の把握を行い、消費者からの問い合わせには個別に情報提供できるように情報管理をする必要があります。(情報提供については問I-7参照)

【事例3】多種の複合調理加工品の詰め合わせ食品についての表記例

詰め合わせ食品

原材料名

省略可能な表記例

料理詰め合わせ

鶏唐揚げ(鶏肉、でんぷん、コーンスターチ、小麦粉、大豆油、しょうゆ(大豆、小麦粉、その他))、カレーコロッケ(ばれいしょ、大豆油、小麦粉、パン粉、鶏卵、玉ねぎ、にんじん、豚肉*、砂糖、食塩、カレー粉)、サラミソーセージ(畜肉(豚肉、牛肉)、結着材料(小麦粉、大豆たんぱく)、食塩、砂糖、その他)、海老の塩焼き(海老、食塩)、枝豆(枝豆(大豆)、食塩)、フライドポテト(ばれいしょ、植物油、食塩、香辛料)、プロセスチーズ、トマト、発色剤(亜硝酸Na)、保存料(ソルビン酸K)、調味料(アミノ酸等)、リン酸Na

鶏唐揚げ、カレーコロッケ、サラミソーセージ、海老の塩焼き、枝豆、フライドポテト、プロセスチーズ、トマト、(その他小麦、卵、大豆、牛肉、豚肉*由来原材料を含む)、発色剤(亜硝酸Na)、保存料(ソルビン酸K)、調味料(アミノ酸等)、リン酸Na

幕の内弁当

ご飯、野菜かき揚げ(玉葱、人参、ごぼう、小麦粉、植物油、でんぷん、春菊、粉末卵白)、鶏唐揚げ(鶏肉、でんぷん、コーンスターチ、小麦粉、大豆油)、煮物(里芋、人参、ごぼう、れんこん、砂糖、かつおだし、こんぶだし、香辛料、しょうゆ(大豆、小麦、食塩、その他))、焼鮭(鮭、塩)、スパゲッティ(小麦粉、卵、植物油、食塩)、エビフライ(エビ、小麦粉、パン粉、植物油、でんぷん、粉末卵白)、ポテトサラダ(じゃがいも、人参、玉葱、マヨネーズ(卵、植物油、醸造酢、その他)、食塩)、メンチカツ(牛肉、粉状植物性蛋白(大豆)、玉葱、トマト、大豆油、小麦粉、パン粉、でん粉、鶏卵、ビーフエキス)、大根刻み漬け(大根、こんぶ、食塩、砂糖、醸造酢、しょうゆ(大豆、小麦、食塩、その他))、付け合わせ、調味料(アミノ酸等)、pH調整剤、グリシン、着色料(カラメル、カロチノイド、赤102、赤106、紅花黄)、香料、膨張剤、甘味料(甘草)、保存料(ソルビン酸K)

ご飯、野菜かき揚げ、鶏唐揚げ、煮物(里芋、人参、ごぼう、れんこん、その他)、焼鮭、スパゲッティ、エビフライ、ポテトサラダ、メンチカツ、大根刻み漬け、付け合わせ、(その他小麦、卵、大豆、牛肉由来原材料を含む)、調味料(アミノ酸等)、Ph調整剤、グリシン、着色料(カラメル、カロチノイド、赤102、赤106、紅花黄)、香料、膨張剤、甘味料(甘草)、保存料(ソルビン酸K)

※ 事例中の★、☆、◎、●、○、◆、◇等の印は、当該事例を見やすくするためのものであり、実際の表示には必要ありません。

G-3 表示の省略方法でJAS法上、省略の難しいものはありますか。

例えば、ラード(40%)、牛脂(30%)、パーム油(20%)、大豆油(10%)を混合して製造された食用油脂がある場合、全部を表示した場合、「食用油脂(豚脂、牛脂、パーム油、大豆油)」となります。これらのうち、特定原材料に準ずるものではないのはパーム油のみですが、JAS法上は含有量が多いもの(パーム油)を省略し、より少ないもの(大豆油)を表記することは、消費者に誤認を与える可能性もあるので認められません。よって、この場合は省略せずに表記するか、この食用油脂を用いて食品を製造した場合は「○○、△△、食用油脂、××、(原材料の一部に豚肉、牛肉、大豆を含む)」と表記します。

様々な原材料の中、特定原材料等のみを括弧書きで特記してしまい、他の原材料を省略すると、かえって消費者に誤解を与えてしまう可能性もあるので、注意が必要です。

このように、食品衛生法上での表示規定とJAS法上での表示規定がありますので、表示に不足が生じないよう確認することが重要です。

G-4 表示内容が多くなることも考え、別に詳細を記入した用紙を付けて情報提供することは可能でしょうか。

食品衛生法施行規則及び乳等省令においては、容器包装を開かないでも容易に見ることができるように当該容器包装又は包装の見やすい場所に記載することとしています。したがって、添付文書等によるアレルギー物質を含有する旨の情報提供のみでは、表示とはみなされません。ただし、正確に表示をした上でさらに情報提供の用紙を添付することは可能です。

H 特定原材料「乳」について

H-1 乳等は沢山の種類があり、既に一般食品とは別の表示方法が定められていますが、アレルギー表示についてはどのような表記をすればよいのでしょうか。

特定原材料のうち、乳を原材料とする食品の表示に関しては、乳等省令に準ずるものとします。ただし、一般的に乳成分を含むことが理解されにくい原材料名については別に「乳製品」又は「乳成分を含む」等、分かりやすく併記することが必要です。

乳等については、乳等省令で定義されている次のものを用い、代替表記(種類別の表記)をもって特定原材料表記とすることとします。ただし、乳等省令でいう「乳」とは、生乳、牛乳、特別牛乳、生山羊乳、殺菌山羊乳、生めん羊乳、部分脱脂乳、脱脂乳及び加工乳のことをいいますが、この中で、今回は牛乳以外の乳(山羊乳、めん羊乳)は表示の対象外となっています。山羊乳、めん羊乳については、交差反応が確認されていないので、今後さらに検討していきます。

<乳等省令29項目について>

代替表記

表示の定義

「生乳」

さく取したままの牛の乳

「牛乳」

直接飲用に供する目的で販売する牛の乳

「特別牛乳」

牛乳であって特別牛乳として販売するもの

「部分脱脂乳」

生乳、牛乳又は特別牛乳から乳脂肪分を除去したものであって、脱脂乳以外のもの

「脱脂乳」

生乳、牛乳又は特別牛乳からほとんどすべての乳脂肪分を除去したもの

「加工乳」

生乳、牛乳若しくは特別牛乳又はこれらを原料として製造した食品を加工したものであって、直接飲用に供する目的で販売するもの(部分脱脂乳、脱脂乳、はっ酵乳及び乳酸菌飲料を除く)

「クリーム(乳製品)」

生乳、牛乳又は特別牛乳から乳脂肪分以外の成分を除去したもの

「バター」

生乳、牛乳又は特別牛乳から得られた脂肪粒を練圧したもの

「バターオイル」

バター又はクリームからほとんどすべての乳脂肪分以外の成分を除去したもの

「チーズ」

ナチュラルチーズ及びプロセスチーズ

「濃縮ホエイ(乳製

品)」

乳を乳酸菌ではっ酵させ、又は乳に酵素若しくは酸を加えてできた乳清を濃縮し、固形状にしたもの

「アイスクリーム類」

乳又はこれらを原料として製造した食品を加工し、又は主要原料としたものを凍結させたものであって、乳固形分3.0%以上を含むもの(発酵乳を除く)

「濃縮乳」

生乳、牛乳又は特別牛乳を濃縮したもの

「脱脂濃縮乳」

生乳、牛乳又は特別牛乳から乳脂肪分を除去したものを濃縮したもの

「無糖れん乳」

濃縮乳であって直接飲用に供する目的で販売するもの

「無糖脱脂れん乳」

脱脂濃縮乳であって直接飲用に供する目的で販売するもの

「加糖れん乳」

生乳、牛乳又は特別牛乳にしょ糖を加えて濃縮したもの

「加糖脱脂れん乳」

生乳、牛乳又は特別牛乳の乳脂肪分を除去したものにしょ糖を加えて濃縮したもの

「全粉乳」

生乳、牛乳又は特別牛乳からほとんどすべての水分を除去し、粉末状にしたもの

「脱脂粉乳」

生乳、牛乳又は特別牛乳の乳脂肪分を除去したものからほとんどすべての水分を除去し、粉末状にしたもの

「クリームパウダー(乳製品)」

生乳、牛乳又は特別牛乳の乳脂肪分以外の成分を除去したものからほとんどすべての水分を除去し、粉末状にしたもの

「ホエイパウダー(乳製品)」

乳を乳酸菌ではっ酵させ、又は乳に酵素若しくは酸を加えてできた乳清からほとんどすべての水分を除去し、粉末状にしたもの

「たんぱく質濃縮ホエイパウダー(乳製品)」

乳を乳酸菌で発酵させ、又は乳に酵素若しくは酸を加えてできた乳清の乳糖を除去したものからほとんどすべての水分を除去し、粉末状にしたもの

「バターミルクパウダー」

バターミルクからほとんどすべての水分を除去し、粉末状にしたもの

「加糖粉乳」

生乳、牛乳又は特別牛乳にしょ糖を加えてほとんどすべての水分を除去し、粉末状にしたもの又は全粉乳にしょ糖を加えたもの

「調整粉乳」

生乳、牛乳若しくは特別牛乳又はこれらを原料として製造した食品を加工し、又は主要原材料とし、これに乳幼児に必要な栄養素を加え粉末状にしたもの

「はっ酵乳」

乳又はこれと同等以上の無脂乳固形分を含む乳等を乳酸菌又は酵母ではっ酵させ、糊状又は液状にしたもの又はこれらを凍結したもの

「乳酸菌飲料」

乳等を乳酸菌又は酵母ではっ酵させたものを加工し、又は主要原料とした飲料(はっ酵乳を除く)

「乳飲料」

生乳、牛乳、若しくは特別牛乳又はこれらを原料として製造した食品を主要原材料とした飲料であって、「生乳」「牛乳」「特別牛乳」「部分脱脂乳」「脱脂乳」「加工乳」まで及び「乳製品」に掲げるもの以外のもの

H-2 乳成分を含む食品の特定原材料表示は、どのようにおこなうのでしょうか。

特定原材料表示の中で、「乳」は乳等省令との関係もあり、表示方法が複雑となっています。H-1で示しましたとおり、乳等省令で示されている品目の定義に当てはまらないものについては、その品目名を代替表記として使用することはできません。

今回、特定原材料表示を行う必要がある「乳」を含む食品には、乳等省令で定義されている「乳」、「乳製品」及び「乳又は乳製品を主原料とする食品」の他に乳等を(微量であっても)原料として用いられている食品を対象としています。それぞれについて、特定原材料表記として「乳」を含む旨を一般の消費者が判断できるように表記する必要があります。

H-3 乳等省令で定められている「乳」を原材料として使用している場合の特定原材料表示は、どのようになるのでしょうか。

乳等省令で定められている「乳」を原材料とする加工食品は①「乳」を原材料として含む旨、②乳成分を原材料として含む旨又は③乳の種類別を記載することとなります。ただし、乳等省令で定められている「乳製品」については、乳を原材料としますが、H-1で示した代替表記のとおり、その種類別(一部(乳製品)と付す必要があります。)によって特定原材料表示となります。

・特定原材料表示として「牛乳」と代替表記できるのは、乳等省令で定める「直接飲用に供する目的で販売する牛の乳」のみです。

・乳を原材料とする加工品であって、例えば、牛乳、脱脂乳等、複数の乳を使用している場合は「牛乳」と一の種類別のみを表記することでも足ります。

H-4 乳等省令で定められている「乳製品」を原材料として使用している場合の特定原材料表示は、どのようになるのでしょうか。

乳等省令で定められている「乳製品」を原材料とする加工食品は、①「乳製品」を原材料として含む旨、②乳成分を原材料として含む旨又は③乳製品の種類別(一部(乳製品)と付す必要があります。)によって特定原材料表記となります。

・チョコレートの原材料として全粉乳を使用しているとき、表示には「チョコレート(砂糖、全粉乳、ココアバター、…)」と記載することになります。

・乳製品を原材料とする加工品であって、例えば、全粉乳、脱脂粉乳等、複数の乳製品を使用している場合は「全粉乳」と一の種類別のみを表記することで足ります。

H-5 「乳又は乳製品を原料とする食品」を原材料として使用している場合の特定原材料表示は、どのようになるのでしょうか。

乳等省令における「乳」及び「乳製品」の定義にあてはまらないが、これらを原料としている食品である「乳又は乳製品を原料とする食品」を原材料とする場合の表示ですが、その名称又は品名のみで、乳を原材料として使用していることが判断できる場合はその名称又は品名の表記によって特定原材料表示とすることができます。

・「チーズフード」のように、代替表記の拡大(代替規定として用いることができる「チーズ」という言葉を使用していることにより、乳を原料としていることが分かるとする方法です。詳細は問G-1参照)となるものは、その表記をもって特定原材料表記とすることができます。

一方、その名称又は品名のみで乳を原材料としていることが判断できない場合は、次のように考えられます。

・「乳又は乳製品を主要原料とする食品」そのものについては、①乳若しくは乳製品を原材料として含む旨、②乳成分を原材料として含む旨又は③主要原料である乳若しくは乳製品の種類別のうち、少なくとも一つを含む旨を表示しなければなりません。

・ある食品の複合原材料として、「乳又は乳製品を原料とする食品」を用いる場合、その複合原材料の原材料となる「乳」若しくは「乳製品」を表示してはいけません。理由としては、乳等省令の定義にあてはまらない食品を原材料としているのに、あたかも、「乳」若しくは「乳製品」そのものを用いて製造しているように表示することは認められないからです。この場合は、「乳又は乳製品を原料とする食品」と原材料表記するか、省略表示として、原材料表示と添加物表示の間に(原材料の一部に乳成分を含む)等、表記することができます。

H-6 ある食品に、特定原材料「乳」を含む食品を複合原材料として使用した場合の表示は、具体的にどのようになるのでしょうか。

特定原材料「乳」を含む食品を複合原材料として、ある食品の一部に使用している場合の省略表記としては、原材料表示と添加物表示の間に(その他乳由来原材料を含む)、あるいは(原材料の一部に乳成分を含む)等、表記することができます。

・洋菓子にバニラクリームが使用されているとき、バニラクリームの原材料が、「植物油脂、水飴、乳製品、卵白、砂糖」だった場合、これは乳成分を使用しているわけですが、このとき「バニラクリーム」の表記だけでは乳成分が含まれることが理解できないので、「洋菓子(小麦粉、卵、バニラクリーム、…、(原材料の一部に乳成分を含む))」とし、乳成分を含む旨を記載することにより特定原材料表記とすることができます。ただし、このような成分を含む旨で特定原材料の使用について述べる表示は特定原材料等の中では「乳」のみに限られます。

【事例】乳成分を含む旨を表示する場合

品名

原材料名

省略可能な表記例

クッキー

小麦粉、砂糖、ショートニング、ホワイトチョコレートチップ(砂糖、全粉乳、ココアバター、その他)、卵、でんぷん(小麦)、全脂大豆粉、食塩、乳化剤、香料、カラメル色素、膨張剤

小麦粉、砂糖、ショートニング、ホワイトチョコレートチップ、卵、でんぷん、全脂大豆粉、食塩、(その他乳由来原材料を含む)、乳化剤、香料、カラメル色素、膨張剤

菓子パン

カスタードクリーム(牛乳、卵、砂糖、小麦粉、その他)、小麦粉、糖類、ショートニング、卵、イースト、食塩、乳化剤、イーストフード、調味料(アミノ酸等)、酸味料、増粘多糖類、カゼインNa(乳由来)、着色料(カロチン)、香料

カスタードクリーム、小麦粉、糖類、ショートニング、卵、イースト、食塩、(その他乳由来原材料を含む)、乳化剤、イーストフード、調味料(アミノ酸等)、酸味料、増粘多糖類、カゼインNa、着色料(カロチン)、香料

※原材料表示欄への成分での表示は、特定原材料としての「乳」のみに用いることができます。他の特定原材料等には使用できません。

I 行政の取り組み、その他

I-1 実際にアレルギー表示はいつから施行されるのでしょうか。

アレルギー表示に関する厚生労働省令の改正は、平成13年4月1日から施行となります。しかし、実際に表示を徹底するまでに時間が必要であることを考慮して、省令附則による経過措置として、平成14年3月31日までに製造され、加工され、若しくは輸入される食品等に係る表示についてはなお従前の例によることができるとされています。したがってこれらの食品については、省令で定める5つの特定原材料を含んでいても、平成14年4月1日以降も表示の義務は法令上はないことになりますが、アレルギー患者の健康危害の防止のため、これらの食品についても可能な限り表示を行うよう努めることが重要であると考えられます。

I-2 特定原材料等24品目は見直しを行い、変更されることはあるのでしょうか。

特定原材料等24品目は時代の変化とともに改訂されるものであり、今後、食物アレルギー研究班でさらに実態調査・科学的研究を行っていきます。そのため、新たな知見や報告により、見直しを行う必要性があることから、定期的に再検討していく予定です。

I-3 行政は安全性確保のためにモニタリング検査(抜き取り調査)をすべきではないでしょうか。

現在の検査技術では、特定原材料等が含まれているか否かの試験検査はできない状況にあります。そのため、行政側から表示が正しくなされているか否かを検証するには、食品の輸入・製造・加工業者の記録などを確認することとなります。そのため、食品の輸入・製造・加工に際して各営業者は、各卸売り(仕入れ)業者からの特定原材料等の記録を保管しておく必要があります。

このように記録を保管することで、営業者は行政からの検査の求めに応じることができるほか、消費者からの各種問い合わせへの対応や情報提供を行う際にも対応できることとなります。

I-4 アレルゲンの検出検査はできるのですか。

特定の化学物質がアレルゲンである場合、例えばカゼイン等の検出は可能で、既に実用化されています。

また、食品のアレルゲン検出検査については、サンドウィッチエライザ法や患者血清とのイムノブロッティング法などがあり、スクリーニング方法としては有用です。

しかしながら、今回のアレルギー表示は小麦等の特定原材料等の使用を表示するものであり、この特定原材料等(小麦等)そのものを検知するための検査法の開発にはさらなる研究が必要です。

例えば、カゼインを食品から検出しても、カゼインには完全に化学合成により製造するものもあるため、牛乳由来とは特定できない場合があります。また、上記の方法では特定の原材料が入っていることの立証は難しいのが実状です。