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○保健機能食品制度の創設に伴う取扱い及び改正等について

(平成13年3月27日)

(食新発第17号)

(各都道府県衛生主管部(局)長・各政令市衛生主管部(局)長・各特別区衛生主管部(局)長あて厚生省医薬局食品保健部企画課新開発食品保健対策室長通知)

今般、食品衛生法施行規則等の一部を改正する省令(平成13年厚生労働省令第43号)、栄養機能食品の表示に関する基準を定める件(平成13年厚生労働省告示第97号。以下「栄養機能食品表示基準」という。)及び栄養表示基準の一部を改正する件(平成13年厚生労働省告示第98号)により、保健機能食品制度が創設され、その趣旨等については、平成13年3月27日医薬発第244号をもって医薬局長より通知されたところであるが、その運用に当たっての留意事項及び改正内容は下記のとおりであるので、御了知の上、制度の円滑な実施のため、貴管下関係者等に対する周知徹底を始め、その運用に当たっては遺憾なきようにお願いする。

なお、これに伴い、「特定保健用食品に係る表示許可の取扱いについて」(平成3年8月26日衛新第72号新開発食品保健対策室長通知)、「特定保健用食品に係る表示の取扱いについて」(平成4年6月4日衛新第46号新開発食品保健対策室長通知)及び「ドリンク剤及びドリンク剤類似清涼飲料水の取扱いについて」(昭和43年9月21日食品衛生課長通知)は廃止する。

第1 栄養機能食品の取扱いについて

栄養機能食品に係る規格基準及び表示基準等の詳細及び留意点は次のとおりである。

1 定義及び適用範囲について

① 栄養機能食品とは食品衛生法施行規則(昭和23年厚生省令第23号。以下「省令」という。)第21条第1項第1号シ及び栄養表示基準(平成15年厚生労働省告示第176号)第2条第2項に規定する食品であり、機能に関する表示を行うことができる栄養成分(以下「機能表示成分」という。)は、規格基準及び表示基準が設定されたミネラル5種類とビタミン12種類であること(栄養機能食品表示基準第1条及び第2条並びに栄養表示基準第2条及び第3条関係)。

② ①の機能表示成分を含まない食品や、①の機能表示成分を含む食品であっても規格基準に適合しないものにあっては、栄養機能食品と紛らわしい名称や栄養成分の機能の表示をしてはならないこと(省令第21条第1項第4号関係)。

紛らわしい名称として、例えば「○○機能食品」「機能○○食品」「栄養機能○○食品」といった、「機能」の記載が含まれる名称があるが、これらは使用できないこと。

③ 生鮮食品(鶏卵を除く。)については、栄養機能食品の適用対象外であり、栄養成分の機能の表示はできないこと(省令第21条第1項第1号シ関係)。

2 栄養機能食品の規格基準について

一日当たりの摂取目安量に含まれる機能表示成分量が次に示す上限値及び下限値を満たすものでなければ栄養機能食品と称すること及び栄養成分の機能の表示はできないこと(栄養機能食品表示基準第1条及び第2条並びに栄養表示基準第3条第1項第7号及び第8号関係)。

(ミネラル類)

 

亜鉛

カルシウム

マグネシウム

上限値

15mg

600mg

10mg

6mg

300mg

下限値

2.10mg

210mg

2.25mg

0.18mg

75mg

(ビタミン類)

 

ナイアシン

パントテン酸

ビオチン

ビタミンA 注)

上限値

60mg

30mg

500μg

600μg

(2,000IU)

下限値

3.3mg

1.65mg

14μg

135μg

(450IU)

注) ビタミンAの前駆体であるβ―カロテンについては、ビタミンA源の栄養機能食品として認めるが、その場合の上限値は7,200μg、下限値は1,620μgとする。

 

ビタミンB1

ビタミンB2

ビタミンB6

ビタミンB12

上限値

25mg

12mg

10mg

60μg

下限値

0.30mg

0.33mg

0.30mg

0.60μg

 

ビタミンC

ビタミンD

ビタミンE

葉酸

上限値

1,000mg

5.0μg

(200IU)

150mg

200μg

下限値

24mg

1.50μg

(60IU)

2.4mg

60μg

3 表示事項及び方法について

栄養機能食品の表示事項については、食品衛生法(昭和22年法律第233号)等に規定するものの他、次に掲げる事項に留意して表示を行うこと(省令第21条第1項シからヒまで及び同条第19項並びに栄養機能食品表示基準及び栄養表示基準第2条第2項及び第3条第1項第7号から第9号関係)。

表示事項は、原則として8ポイント以上の活字をもって記載すること。ただし、容器包装又は包装の表示面積が150cm2以下の場合にあっては、5.5ポイント以上の活字で記載すること。なお、表示面積が小さい場合であっても、表示事項を省略することはできないものであること。

① 栄養機能食品である旨及び栄養成分の名称

当該表示が、消費者に一目でわかるような場所に「栄養機能食品(ビタミンA)」等、栄養機能食品である旨の表示に続けてかっこ書きで機能を表示する栄養成分の名称を表示すること。

なお、複数の栄養成分について機能の表示をする場合は、「栄養機能食品(ビタミンC・ビタミンE)」等と表示すること。4つ以上の栄養成分について機能の表示をする場合は、そのうち任意の3つを表示すれば足りる。

② 栄養成分の表示

栄養表示基準に沿ったものであること。すなわち、熱量、たんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウム及び機能表示成分の順に表示すること。

なお、栄養機能食品における栄養成分表示を一定値で記載した場合には、栄養成分表示に対する分析値は次に示す誤差の許容範囲内であること。また、下限値及び上限値を用いて記載した場合には、分析値がその範囲内でなければならないこと。

ア 熱量、たんぱく質、脂質、飽和脂肪酸、コレステロール、炭水化物(又は糖質)、糖類、食物繊維及びナトリウム:-20%~+20%

イ 亜鉛、カルシウム、鉄、銅、マグネシウム、ビタミンA、ビタミンD及びビタミンE:-20%~+50%

ウ ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC及び葉酸:-20%~+80%

③ 栄養機能表示及び摂取する上での注意事項

2の規格基準を満たす栄養成分について、機能の表示を行う場合には、あわせてそれぞれ次に示す注意喚起表示を記載しなければならないこと。また、表示内容の主旨が同じものであっても、告示で定める表示内容以外の記載は認められないこと。

なお、栄養成分によっては、表示事項が同一の場合があるが、その際には、栄養成分の表示事項を次のようにまとめて記載することを認めるものであること。

(例)ナイアシン、ビオチン及びビタミンB2は、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。

なお、栄養機能食品であっても、定められた栄養機能表示以外で、疾病名の表示その他医薬品と誤認されるおそれのある表示をした場合には薬事法違反となるのでその取扱いには十分気をつけること。

(ミネラル類)

名称

栄養機能表示

注意喚起表示

亜鉛

亜鉛は、味覚を正常に保つのに必要な栄養素です。

亜鉛は、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。

亜鉛は、たんぱく質・核酸の代謝に関与して、健康の維持に役立つ栄養素です。

本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するものではありません。亜鉛の摂りすぎは、銅の吸収を阻害するおそれがありますので、過剰摂取にならないよう注意してください。一日の摂取目安量を守ってください。乳幼児・小児は本品の摂取を避けてください。

カルシウム

カルシウムは、骨や歯の形成に必要な栄養素です。

本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するものではありません。一日の摂取目安量を守ってください。

鉄は、赤血球を作るのに必要な栄養素です。

本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するものではありません。一日の摂取目安量を守ってください。

銅は、赤血球の形成を助ける栄養素です。

銅は、多くの体内酵素の正常な働きと骨の形成を助ける栄養素です。

本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するものではありません。一日の摂取目安量を守ってください。乳幼児・小児は本品の摂取を避けてください。

マグネシウム

マグネシウムは、骨や歯の形成に必要な栄養素です。

マグネシウムは、多くの体内酵素の正常な働きとエネルギー産生を助けるとともに、血液循環を正常に保つのに必要な栄養素です。

本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するものではありません。多量に摂取すると軟便(下痢)になることがあります。一日の摂取目安量を守ってください。乳幼児・小児は本品の摂取を避けてください。

(ビタミン類)

名称

栄養機能表示

注意喚起表示

ナイアシン

ナイアシンは、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。

本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するものではありません。一日の摂取目安量を守ってください。

パントテン酸

パントテン酸は、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。

ビオチン

ビオチンは、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。

ビタミンA 注)

ビタミンAは、夜間の視力の維持を助ける栄養素です。

ビタミンAは、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。

妊娠3ヶ月以内又は妊娠を希望する女性は過剰摂取にならないよう注意してください。

ビタミンB1

ビタミンB1は、炭水化物からのエネルギー産生と皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。

本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するものではありません。一日の摂取目安量を守ってください。

ビタミンB2

ビタミンB2は、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。

ビタミンB6

ビタミンB6は、たんぱく質からのエネルギー産生と皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。

ビタミンB12

ビタミンB12は、赤血球の形成を助ける栄養素です。

ビタミンC

ビタミンCは、皮膚や粘膜の健康維持を助けるとともに、抗酸化作用を持つ栄養素です。

ビタミンD

ビタミンDは、腸管でのカルシウムの吸収を促進し、骨の形成を助ける栄養素です。

ビタミンE

ビタミンEは、抗酸化作用により、体内の脂質を酸化から守り、細胞の健康維持を助ける栄養素です。

葉酸

葉酸は、赤血球の形成を助ける栄養素です。

葉酸は、胎児の正常な発育に寄与する栄養素です。

本品は、胎児の正常な発育に寄与する栄養素ですが、多量摂取により胎児の発育が良くなるものではありません。

注) ビタミンAの前駆体であるβ―カロチンについては、ビタミンAと同様の栄養機能表示を認める。この場合、「妊娠3ヶ月以内又は妊娠を希望する女性は過剰摂取にならないよう注意して下さい。」旨の注意喚起表示は、不要とする。

④ 一日当たりの摂取目安量

過剰摂取障害の防止の観点から、次のように、消費者が簡単に理解できるような表示にすること。

「一日当たり1本を目安にお飲み下さい。」、「一日当たり2個を目安にお食べ下さい。」、「一日当たり2~4粒を目安にお召し上がり下さい。」

なお、一日当たりの摂取目安量を幅で示した場合には、当該食品により摂取が見込まれる栄養成分量は幅で示されることになることから、機能表示成分の栄養素等表示基準値に対する割合も幅を用いて示すこと。

⑤ 一日当たりの摂取目安量に含まれる機能表示成分の量が栄養素等表示基準値に占める割合

一日当たりの摂取目安量に含まれる機能表示成分の量が、「「日本人の食事摂取基準(2005年版)」の策定に伴う食品衛生法施行規則の一部改正等について」(平成17年7月1日付け食安発第0701006号厚生労働省医薬食品局食品安全部長通知)第1において示す栄養素等表示基準値に占める割合を、百分率又は割合で表示すること。

なお、商品の摂取対象が限定されている場合等には、「日本人の食事摂取基準(2005年版)」の対応する対象年齢の数値を用いても構わないこと。その際には、「日本人の食事摂取基準(2005年版)」のどの対象年齢と比較したのか明確に理解できるよう記載すること。

⑥ バランスの取れた食生活の普及啓発を図る文言

「食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを。」と表示すること。

⑦ 厚生労働大臣による個別審査を受けたものではない旨

4 表示禁止事項について

栄養機能食品にあっては、次に掲げる表示をしてはならないこと(省令第21条第1項第3号及び栄養表示基準第3条第3項)。

① 厚生労働大臣が定める基準に係る栄養成分以外の成分の機能の表示

② 特定の保健の目的が期待できる旨の表示

第2 「栄養表示基準等の取扱いについて」の一部改正

栄養表示基準等の取扱いについて(平成8年5月23日衛新第46号新開発食品保健対策室長通知)の一部を次のように改める。

〔次のよう〕略

第3 「栄養表示基準における栄養成分等の分析方法等について」の一部改正

栄養表示基準における栄養成分等の分析方法等について(平成11年4月26日衛新第13号新開発食品保健対策室長通知)の一部を次のように改める。

〔次のよう〕略

第4 「健康食品の摂取量及び摂取方法の表示に関する指針等について」の一部改正

健康食品の摂取量及び摂取方法の表示に関する指針等について(昭和63年11月30日衛新第20号新開発食品保健対策室長通知)の一部を次のように改める。

〔次のよう〕略

第5 健康食品の表示等に関する指針についての一部改正

健康食品の表示等に関する指針について(平成元年9月22日衛新第54号新開発食品保健対策室長通知)の一部を次のように改める。

〔次のよう〕略