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○食品の製造過程の管理の高度化に関する臨時措置法の施行について

(平成一〇年七月一日)

(10食流第二〇七七号・生衛発第一〇八三号)

(北海道知事あて厚生省生活衛生局長・農林水産省食品流通局長通知)

食品の製造過程の管理の高度化に関する臨時措置法(平成一〇年法律第五九号。以下「法」という。)、食品の製造過程の管理の高度化に関する臨時措置法施行令(平成一〇年政令第二三二号。以下「令」という。)及び食品の製造過程の管理の高度化に関する臨時措置法施行規則(平成一〇年厚生・農林水産省令第一号。以下「施行規則」という。)が平成一〇年七月一日をもって施行されたが、これら法令の円滑な運用を図るため、「食品の製造過程の管理の高度化に関する臨時措置法の施行について」が別紙のとおり定められたので、御了知の上、その円滑かつ適確な運用について特段の御配慮をお願いする。

〔別紙〕

第一 法制定の趣旨

食品の安全性の向上と品質管理の徹底を求める社会的要請に対応して、食品に起因する衛生上の危害の発生を防止し、適正な品質を確保するため、食品の製造過程の管理の高度化を図ることが急務となっている。

法は、このような状況を踏まえ、食品の製造過程において、食品に起因する衛生上の危害の発生の防止と適正な品質の確保を図るため、その管理の高度化を促進する支援措置を講じ、もって公衆衛生の向上及び増進に寄与するとともに、食品の製造又は加工の事業の健全な発展に資することを目的とするものである。

第二 定義

この通達中の用語は、法の用語の例による。

第三 基本方針

法第三条第一項に基づいて厚生大臣及び農林水産大臣が定める製造過程の管理の高度化に関する基本方針(以下「基本方針」という。)は、製造過程の管理の高度化の基本的な方向、製造過程の管理の高度化に関する基準(以下「高度化基準」という。)の作成に関する基本的な事項及びその他製造過程の管理の高度化に関する重要事項を示すものである。また、法第一三条の規定により法第四条第一項の指定を受けた事業者団体(以下「指定認定機関」という。)がその指定に係る食品の種類ごとに作成する高度化基準について、厚生大臣及び農林水産大臣が認定を行う際に、この基本方針に照らし適切なものであるか否かを判断することとなる。(法第三条第一項及び第二項)

なお、食品の製造過程の管理の高度化に関する事情の変化があったときは、厚生大臣及び農林水産大臣は、必要に応じ、基本方針を変更することができるものとする。(法第三条第三項)

第四 指定認定機関の指定

一 趣旨

法においては、事業者団体の多くは、その業界における製造過程の実態に精通していることに着目し、高度化基準の作成及び高度化計画の認定の業務を行わせることとし、これらの業務の実施に必要な技術的能力や経理的基礎を有する事業者団体を対象として行わせることができるよう、あらかじめ国が指定認定機関として事業者団体を指定する仕組みを採用したところである。

二 指定認定機関の指定の申請手続

(一) 指定認定機関としての指定を受けようとする事業者団体は、様式第一号により指定認定機関の指定申請書を作成して、厚生大臣及び農林水産大臣に提出するものとする。(法第一三条、施行規則第三条第一項及び第二項)

(二) 施行規則第三条第二項第六号に規定する高度化基準の作成の業務の実施に関する基本的な計画には、次に掲げる事項を記載するものとする。

① 高度化基準の作成時期

② 高度化基準の作成の方法(高度化基準の作成を担当する委員会の設置等並びにその委員の略歴及び数を含む。)

(三) 施行規則第三条第二項第七号に規定する高度化計画の認定の業務の実施に関する基本的な計画には、認定審査会の設置等認定の業務の実施方法(高度化計画の認定の業務を行う者の略歴及び数を含む。)を記載するものとする。

(四) 指定認定機関は、指定認定機関の指定申請書に添付した書類について変更の届出をしようとするときは、様式第二号により届出書を作成して、厚生大臣及び農林水産大臣に提出するものとする。(施行規則第三条第三項)

三 指定認定機関の指定

厚生大臣及び農林水産大臣は、事業者団体が指定認定機関として適格であると認められるときは、指定認定機関として指定するものとする。(法第一三条)

第五 高度化基準の認定

一 趣旨

高度化基準は、食品の製造又は加工の事業を行う者が製造過程の管理の高度化に関する計画(以下「高度化計画」という。)を作成する際の基準となるものであり、作成された高度化基準が国の示した基本方針に照らし適切であるときは、当該高度化基準について厚生大臣及び農林水産大臣の認定を受けることができることとしたものである。

二 高度化基準の認定申請手続

高度化基準の認定を申請しようとする指定認定機関は、様式第三号により高度化基準の認定申請書を作成して、厚生大臣及び農林水産大臣に提出するものとする。(法第四条第一項及び第二項)

三 高度化基準の認定基準

高度化基準についての厚生大臣及び農林水産大臣の認定基準は、製造過程の管理の高度化の目標、製造過程の管理の高度化を図るための施設の整備の基準が基本方針に照らし適切なものであることとする。(法第四条第一項)

四 高度化基準の認定の通知

厚生大臣及び農林水産大臣は、高度化基準の認定を行った場合は、その旨を申請者に通知するものとする。

五 高度化基準の変更

(一) 厚生大臣及び農林水産大臣の認定に係る高度化基準を変更しようとする指定認定機関は、様式第四号により高度化基準の変更認定申請書を作成して、厚生大臣及び農林水産大臣に提出するものとする。(法第五条第三項)

(二) 三及び四の規定は、高度化基準の変更の認定について準用するものとする。

六 高度化基準の認定の取消し

(一) 厚生大臣及び農林水産大臣は、基本方針の変更により指定認定機関が認定を受けた高度化基準(変更後のものを含む。以下「認定高度化基準」という。)を変更すべき旨の法第五条第一項の通知を受けたにもかかわらず変更しなかったときは、その認定を取り消すものとする。(法第五条第五項)

(二) 認定の取消しの通知には、四の規定を準用するものとし、通知に際しては高度化基準の認定の取消しの理由を付することとする。

七 高度化基準の認定等の公表

厚生大臣及び農林水産大臣は、高度化基準の認定(変更の認定及び取消しを含む。)を行ったときは、当該認定に係る高度化基準を官報により公表するものとする。(法第四条第三項、第五条第四項)

第六 試験研究計画の認定

一 趣旨

試験研究計画は、指定認定機関が製造過程の管理の高度化のために必要な試験研究を行う場合であって、税制上の特例措置(第九の二参照)を受けようとするときに作成されるものである。当該試験研究計画について厚生大臣及び農林水産大臣の認定を受けることにより、試験研究に係る税制上の特例措置を受けることができることとしたものである。

二 試験研究計画の認定申請手続

試験研究計画の認定を申請しようとする指定認定機関は、様式第五号により試験研究計画の認定申請書を作成して、厚生大臣及び農林水産大臣に提出するものとする。(法第六条第一項及び第二項、施行規則第一条)

三 試験研究計画の認定基準

試験研究計画についての厚生大臣及び農林水産大臣の認定基準は、試験研究計画が高度化基準の作成のために必要な試験研究に関するものであること、試験研究を確実に遂行するため適切なものであること及び構成員に対する負担金の賦課の基準が適切なものであることとする。(法第六条第三項、令第一条)

四 試験研究計画の認定の通知

厚生大臣及び農林水産大臣は、試験研究計画の認定をした場合は、その旨を申請者に通知するものとする。

五 試験研究計画の変更

(一) 厚生大臣及び農林水産大臣の認定に係る試験研究計画を変更しようとする指定認定機関は、様式第六号により試験研究計画の変更認定申請書を作成して、厚生大臣及び農林水産大臣に提出するものとする。(法第七条第一項)

(二) 三及び四の規定は、認定試験研究計画の変更の認定について準用するものとする。

六 試験研究計画の取消し

(一) 厚生大臣及び農林水産大臣は、指定認定機関が認定された試験研究計画(変更後のものを含む。以下「認定試験研究計画」という。)に従って高度化基準の作成のための試験研究を行っていないと認めるときは、その認定を取り消すものとする。(法第七条第二項)

(二) 認定の取消しの通知には、四の規定を準用するものとし、通知に際しては認定試験研究計画の認定の取消しの理由を付することとする。

第七 高度化計画の認定

一 趣旨

高度化計画は、食品の製造又は加工を行う事業者が、製造過程の管理の高度化を行うに当たり、金融・税制上の特例措置を受けようとするときに作成するものである。当該高度化計画について指定認定機関の長の認定を受けることにより、金融・税制上の特例措置を受けることができることとしたものである。

二 高度化計画の認定申請手続

高度化計画の認定を申請しようとする食品の製造又は加工の事業を行う者は、食品の種類及び製造又は加工の施設ごとに、様式第七号により高度化計画の申請書を作成して、当該食品の種類に係る高度化基準を作成した指定認定機関の長に提出するものとする。(法第八条第一項及び第二項、施行規則第二条第一項及び第二項)

三 高度化計画の認定基準

指定認定機関の高度化計画の認定基準は、高度化計画に記載される製造過程の管理の高度化の目標及び製造過程の管理の高度化を図るための施設の整備に関する事項が認定高度化基準に適合するものであることとする。(法第八条第一項)

四 高度化計画の認定の通知

指定認定機関の長は、高度化計画を認定したときは、その旨を申請者に通知するものとする。

五 高度化計画の変更

(一) 指定認定機関により認定を受けた高度化計画を変更しようとする食品の製造又は加工の事業を行う者は、様式第八号により高度化計画の変更認定申請書を作成して、当該高度化計画の認定を行った指定認定機関の長に提出するものとする。(法第九条第一項)

(二) 三及び四の規定は、高度化計画の変更認定について準用する。

六 高度化計画の取消し

(一) 指定認定機関の長は、事業者が認定高度化計画を実施する見込みがなく、その結果、三の認定基準に該当しなくなったと認められる場合には、その認定を取り消すものとする。(法第九条第二項)

(二) 指定認定機関の長は、高度化計画を取り消したときは、取消しの理由を付して、その旨を当該認定高度化計画の申請者に通知するものとする。

七 高度化計画の認定事務処理期間

高度化計画の認定に当たっては、食品の製造又は加工の事業を行う者が製造過程の管理の高度化を円滑に図ることができるようにするため、指定認定機関の長は、申請受理後一月以内に処理するよう認定の迅速化に努めるものとする。

八 認定手数料の額の設定について

指定認定機関が高度化計画の認定に際して、その審査に要する経費を申請者から徴収することができる。手数料を徴収しようとするときは、手数料の額は審査に要する経費の実費を勘案し、適切な額を定めるものとする。

第八 資金の貸付け

認定高度化計画に従って製造過程の管理の高度化を図るための施設の整備を実施する者は、当該認定高度化計画に従って製造過程の管理の高度化を行うのに必要な長期かつ低利の資金を、別に農林水産大臣の定めるところにより、農林漁業金融公庫(沖縄県にあっては、沖縄振興開発金融公庫)から貸付けを受けることができることとしている。(法第一〇条第一項)

第九 税制上の特例措置

一 特別償却

(一) 高度化計画の認定を受けた事業者が、当該認定高度化計画に従って取得する建物及びその附属設備並びに特定の機械・装置で事業の用に供したものについては、初年度に限り、普通償却額に加えて、建物及びその附属設備にあっては七%、特定の機械・装置にあっては一四%の特別償却が認められている。(租税特別措置法(昭和三二年法律第二六号。以下「措置法」という。)第一一条の三第三項、第四四条の四第三項関係)

(二) 特別償却の対象となる特定の機械・装置については、建物及び附属設備と併せて設置される次に掲げる機械・装置である。(租税特別措置法施行規則(昭和三二年大蔵省令第一五号)第五条の一四第五項、第二〇条の九第五項関係)

ア 分析装置(食品の製造過程において製品の形状、品質その他の情報を計測し、又は検知するもので、当該情報があらかじめ設定された条件に合致しない場合に当該製品の除去又は異常の発生の表示を行う機構を有するものに限る。)

イ 製造過程管理装置(複数の製造工程機器(食品の製造の用に直接供されるものに限る。)の作動状況又は製品の形状、品質その他の情報を管理するもので、あらかじめ設定された条件に従い当該製造工程機器の運転を制御する機構を有するものに限る。)

ウ 冷蔵設備(建物の一区画に冷凍装置又は冷蔵装置を設置するもので、自動温度制御装置を有するものに限る。)

(三) 本特例措置については、認定高度化計画に従って取得又は製作若しくは建設をされたものであることにつき、指定認定機関の長の証明が必要とされているが、これについては、別に農林水産省食品流通局長の定めるところによる。(租税特別措置法施行規則第五条の一四第四項、第二〇条の九第四項関係)

二 試験研究税制

試験研究計画の認定については、試験研究計画の認定を受けた指定認定機関(以下「試験研究法人」という。)が、認定試験研究計画で定める賦課の基準に基づいて、その構成員に対し試験研究に係る負担金を賦課し、その構成員が当該負担金を納付した場合には、以下の特例が認められている。

(一) 構成員が納付した試験研究に必要な機械装置を取得するための負担金については損金算入が認められている。(措置法第一八条第一項第一〇号、第五二条第一項第一〇号関係)

(二) 構成員が納付した負担金については、試験研究費を支出したものとみなし、試験研究費の総額が昭和四二年以降の事業年度の試験研究費の中で最も多い額を超えるときは、その超える部分の額の二〇%に相当する額を税額から控除することが認められている。(措置法第一〇条第一項、第四二条の四第一項関係)

(三) 試験研究法人がその構成員からの負担金により試験研究用固定資産を取得又は製作した場合、当該固定資産については、その取得価格から一円を控除した額を取得年度に損金算入することが認められている。(措置法第六六条の一〇第一項関係)

三 不動産取得税の課税標準の特例

農業協同組合、農業協同組合連合会、水産業協同組合、中小企業等協同組合(企業組合を除く。)又は商工組合が、法第一〇条第一項又は沖縄振興開発金融公庫法施行令(昭和四七年政令第一八六号)第二条第八号の規定に基づく資金の貸付けを受けて取得した施設に対して課する不動産取得税の課税標準の算定については、価格に当該施設の取得価額に対する当該貸付けを受けた額の割合を乗じて得た額を価格から控除することが認められている。(地方税法(昭和二五年法律第二二六号)第七三条の一四第六項関係)

第一〇 指定認定機関の指導監督

一 趣旨

指定認定機関による高度化基準の作成及び高度化計画の認定の業務が公正かつ適切に行われることを担保するため、これらの業務の実施に関して国が指定認定機関に適切な指導監督を行うことが可能となるよう、所要の規定を整備したところである。

二 高度化計画の認定の義務

指定認定機関は、事業者から高度化計画の認定の申請があったときは、正当な理由がある場合を除き、高度化計画の認定のための審査を行わなければならない。(法第一六条)

三 構成員でない者の取扱い

法においては、指定認定機関の構成員でない者であっても、高度化計画を作成し、指定認定機関に当該高度化計画の認定の申請を行うことができることとしている。したがって、指定認定機関が高度化計画の認定の業務を行うに当たっては、構成員と構成員以外の者との取扱いが不公正とならないようにしなければならない。

四 事務所の変更の届出

指定認定機関は、高度化基準の作成及び高度化計画の認定の業務を行う事務所の所在地を変更しようとするときは、変更しようとする日の二週間前までに、様式第九号により事務所の変更届出書を作成して、厚生大臣及び農林水産大臣に提出するものとする。(法第一七条)

五 認定業務規程

(一) 指定認定機関は、高度化計画の認定の業務に関する規程(以下「認定業務規程」という。)の認可を受けようとするときは、様式第一〇号により、認定業務規程の認可申請書を厚生大臣及び農林水産大臣に提出するものとする。(法第一八条第一項、施行規則第四条)

(二) 指定認定機関は、認定業務規程の変更の認可を受けようとするときは、様式第一一号により認定業務規程の変更認可申請書を作成して、厚生大臣及び農林水産大臣に提出するものとする。(法第一八条第一項)

六 業務の休廃止

指定認定機関は、高度化計画の認定の業務の全部又は一部を休止し、又は廃止したときは、業務の休止又は廃止の日から二週間以内に、様式第一二号により届出書を作成して、厚生大臣及び農林水産大臣に提出するものとする。(法第一九条、施行規則第五条)

七 事業計画及び収支予算の認可等

(一) 指定認定機関は、高度化基準の作成及び高度化計画の認定に係る事業計画及び収支予算の認可を受けようとするときは、様式第一三号により認可申請書を作成して、厚生大臣及び農林水産大臣に提出するものとする。(法第二〇条第一項、施行規則第六条)

(二) 高度化基準の作成及び高度化計画の認定に係る事業計画及び収支予算を変更しようとする指定認定機関は、様式第一四号により変更認可申請書を作成して、厚生大臣及び農林水産大臣に提出するものとする。(法第二〇条第一項、施行規則第七条)

八 事業報告書及び収支決算書の提出

指定認定機関は、毎事業年度終了後三月以内に、様式第一五号により高度化基準の作成及び高度化計画の認定に係る事業報告書及び収支決算書を作成して、厚生大臣及び農林水産大臣に提出するものとする。(法第二〇条第二項、施行規則第八条)

九 高度化計画の認定についての報告

指定認定機関は、四月一日から翌年三月末までの高度化計画の申請者及び認定(変更及び取消しを含む。)の状況について、毎年四月末までに、様式第一六号及び第一七号により、厚生省生活衛生局長及び農林水産省食品流通局長に報告するものとする。

第一一 標準処理期間

法第一三条の規定に基づく法第四条第一項の指定に関する申請、法第四条第一項、法第五条第四項、法第六条第一項及び第二項並びに法第七条第一項の認定に関する申請並びに法第一八条第一項及び法第二〇条第一項の認可に係る行政手続法(平成五年法律第八八号)第六条の規定による標準処理期間は、一月とする。

別記様式第1号(第4の2の(1)関係)

様式第2号(第4の2の(4)関係)

様式第3号(第5の2関係)

様式第4号(第5の5の(1)関係)

様式第5号(第6の2関係)

様式第6号(第6の5の(1)関係)

様式第7号(第7の2関係)

様式第8号(第7の5の(1)関係)

様式第9号(第10の4関係)

様式第10号(第10の5の(1)関係)

様式第11号(第10の5の(2)関係)

様式第12号(第10の6関係)

様式第13号(第10の7の(1)関係)

様式第14号(第10の7の(2)関係)

様式第15号(第10の8関係)

様式第16号(第10の9関係)

様式第17号(第10の9関係)