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○生食用かきの衛生対策について
(平成八年九月三〇日)
(衛乳第二二九号)
(各都道府県・各政令市・各特別区衛生主管部(局)長あて厚生省生活衛生局乳肉衛生課長通知)
標記については、日頃より種々御配慮をいただいているところであります。
さて、本年五月以降、大規模な食中毒事件が全国的に発生しており、食品の衛生管理の重要性があらためて認識されているところであります。かきの出荷シーズンを迎えるに当たって、生食用かきのより一層の安全性を確保するため、別紙のとおり、関係県の協力を得て衛生対策の要点を作成しました。
つきましては、これら要点に留意し、各都道府県におかれまして衛生管理要領等を作成し、営業者を指導するようお願いします。
なお、輸入かきの衛生対策について別紙のとおり輸入者を指導するよう検疫所あて通知していることを申し添えます。
別紙
生食用かきの衛生対策について
第一 目的
本年五月以降、病原性大腸菌O―一五七をはじめとする食中毒事件が多発している状況であり、生食用かきについてはこれまでO―一五七の検出は報告されていないものの、より一層の安全性を確保し、生食用かきによる食中毒の発生を未然に防止する観点から衛生対策の要点を定め、特に生産県における食品衛生上の対策を強化することとする。
第二 衛生対策の要点
Ⅰ 生食用かきの生産県等における衛生対策
生食用かきの生産県等は、以下の衛生対策を講じる。
1 生産海域の微生物コントロール
(1) 生産海域の海水が規格基準(海水一〇〇ml当たり大腸菌最確数が七〇以下)に適合していることを定期的に確認する。
(2) 生産海域のかきを用いたVTECの検査を定期的に実施し、VTEC陽性となった場合は、当該海域から生食用かきが出荷されないよう措置する。
2 むき身処理場の衛生管理の徹底
使用水の衛生管理、従業員の健康診断、かきの衛生的な取り扱い等を徹底し、二次汚染を防止する。
3 製品検査
製品を出荷する前に定期的に、成分規格(細菌数は、一gにつき五万以下、E.coli.最確数は一〇〇gにつき二三〇以下)及びVTECの自主検査を実施するよう営業者に指導する。
4 衛生的な取り扱いの徹底
保存基準(一〇℃以下)の遵守及び製品の衛生的な取り扱いを徹底し、細菌の増殖防止に努める。
5 バッチコントロールの徹底
流通している製品から取り扱い業者や採捕海域等がトレースバックできるように製品表示や製造管理台帳(製造加工に携わる者が記録等を行う。)等によりバッチコントロールを徹底する。
6 流通段階においてVTECが検出された場合の措置
流通している生食用かきからVTECが見つかった場合、当該同一ロットについては廃棄処分とし、原因を調査の上、再発防止策が講じられるまで当該生産海域から生食用かきが出荷されないよう措置する。
7 加熱加工用から生食用への混入防止
加熱加工用かきが生食用として流通販売されないようバッチコントロールを徹底する。
Ⅱ 生食用かきの消費県等における衛生対策
生食用かきの消費県等は、以下の衛生対策を講じる。
1 流通段階における衛生管理の徹底
保存基準(一〇℃以下)の遵守及び製品の衛生的な取り扱いを徹底し、細菌の増殖防止に努める。
2 流通段階においてVTECが検出された場合の措置
(1) 流通している生食用かきからVTECが検出された場合、当該製品の生産県に対してその旨通報するとともに当該同一ロットのものについて廃棄処分等の措置をとる。
(2) 輸入生食用かきからVTECが検出した場合は速やかに当課あて報告する。
別添 略