添付一覧
○腸管出血性大腸菌感染症に係る二次感染予防の徹底について
(平成八年七月二三日)
(健政計第二八号・健医感発第七五号・衛食第一九七号)
(各都道府県・各政令市・各特別区衛生主管部(局)長あて厚生省健康政策局計画課長・厚生省保健医療局エイズ結核感染症課長・厚生省生活衛生局食品保健課長連名通知)
標記感染症に係る二次感染予防については、格別のご尽力を煩わせているところであるが、今般大阪府堺市において二次感染を疑わせる患者が見受けられることから左記事項に留意の上、二次感染予防の徹底に万全を期するようお願いする。
記
一 患者等対策について
(一) 健康相談及び健康診断の周知
感染のおそれのために健康に不安がある者に対しては、保健所において、健康相談を受けられること及び健康診断により検便を受けられることを広く周知すること。
(二) 消毒方法に関する情報提供
次の(三)のイ消毒等の実施についての消毒方法を分かりやすく患者(病原体保有者を含む。以下同じ。)又はその保護者等に情報提供すること。
(三) 日常生活の留意事項の周知
患者又はその保護者等に対し、次の留意事項を周知すること。
ア 手洗い等の励行について
(ア) 患者は、調理や食事の前及び用便後における流水による十分な手洗いと、逆性石鹸又は消毒用アルコールによる消毒を励行すること。
(イ) 患者と乳幼児が生活を共にする際は、特に手洗い等の励行に努めること。
イ 消毒等の実施について
(ア) 患者の糞便を処理するときは、ゴム手袋を使用する等衛生的に処理すること。特に乳幼児のおむつの交換時に保護者等が汚染を受けることがないよう十分気をつけること。なお、おむつは消毒を行い扱う場所を決めるなど衛生的な取扱いを行うこと。
(イ) 患者の糞便に触れた者は直ちに流水で十分に手洗いを行い、かつ、糞便に触れた部分を逆性石鹸又は消毒用アルコールで消毒をすること。
なお、患者の用便後は、水洗トイレのとっ手やドアのノブなど患者が触れた可能性のある部分の消毒を行うこと。
(ウ) 患者の糞便に汚染された衣服等は、煮沸や薬剤で消毒したうえで、家族の衣服等とは別に洗濯し、天日で十分に乾燥させること。
(エ) 患者の糞便が付着した物品等は、煮沸や薬剤で消毒を行うこと。
ウ 入浴等について
(ア) 患者が風呂を使用する場合には、混浴を避けるとともに、使用後に乳幼児を入浴させないこと。また、風呂の水は毎日換えること。
(イ) 患者等が家庭用のビニールプール等を使用する場合には、乳幼児と一緒の使用は避けるとともに、使用時毎に水を交換すること。
二 食品の取扱い等について
食品を取扱う際には、次の留意事項を遵守するように指導すること。
(一) 食品の保存、運搬及び調理に当たつては、衛生的な取扱いに十分注意すること。
(二) 患者のいる家庭では、病気が治るまでの間、野菜を含め、食品すべてに十分な加熱を行うこと。食品によっては、まわりが焼けていても中心部が加熱されていない場合があるので、薄くのばし、火がとおりやすい形にするなど調理の工夫を行うこと。
(三) 調理した食品は、なるべく保存を避け、速やかに食べること。なお、調理した食品を保存する場合は、低温で保存し細菌の増殖を防ぐこと。
(四) 食品を扱う場合には、手や調理器具を流水で十分に洗うこと。
(五) 生肉が触れたまな板、包丁、食器等は熱湯等で十分消毒し、手も洗うこと。また、消毒を行っていないまな板等は他の食品の調理に使用しないこと。
三 一般的な留意事項について
患者以外の者に対しても、帰宅時、用便後、食事前等には手洗いを励行するとともに、睡眠を十分に取り暴飲暴食を控える等により体調を整えるよう周知すること。