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○魚介類のCNP(クロルニトロフェン)汚染の調査について

(平成六年三月一四日)

(衛乳第二六号)

(各都道府県・各政令市・各特別区食品衛生主管部(局)長あて厚生省生活衛生局乳肉衛生課長通知)

CNPについては、今般、生活衛生局において開催された残留農薬安全性評価委員会により別添1のとおり報告がされ、農林水産省においても都道府県に対しCNPの使用中止等について別添2のとおり通知がされたところです。

つきましては、今後、CNPが使用されなければ、新たな魚介類汚染は生じないものと考えられますが、念のため、昨年までのCNPの使用実績、当該水系における魚介類の出荷量等を勘案して、必要があると認められる場合は別添3の試験法によりこれら魚介類のCNP汚染の実態を把握するようお願いします。

なお、調査結果については、翌月の一五日までに別添様式により当課あて報告方お願いします。

別添1・2 略

(別添様式)

別添3

魚介中のCNP試験法

試薬

――

有機溶媒:残留農薬試験用

無水硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム:残留農薬試験用

合成ケイ酸マグネシウム:残留農薬試験用の合成ケイ酸マグネシウムを130℃で一夜加熱した後、使用の直前にデシケーター中で放冷する。

抽出法

―――

細切均一化した試料10gに、アセトン100mlを加えてバイオミキサーで3分間ホモジナイズした後、2500rpmで10分間遠心分離する。上清を分取した後、残渣にアセトン50mlを加えて同様に操作する。得られた上清を合わせて約20mlに濃縮した後、10%塩化ナトリウム溶液100ml及びn―ヘキサン50mlを加えて、10分間振とうする。ヘキサン層を分取した後、水層にn―ヘキサン50mlを加えて同様に操作する。ヘキサン層を合わせて適量の無水硫酸ナトリウムを加えて15分間放置した後、ろ過する。減圧濃縮器を用いてろ液を約5mlに濃縮する。

この抽出液にn―ヘキサン10ml及びn―ヘキサン飽和アセトニトリル30mlを加えて5分間振とうした後、静置してアセトニトリル層を分取する。残ったヘキサン層にn―ヘキサン飽和アセトニトリル30mlを加えて、同様の操作を2回繰り返す。アセトニトリル層を合わせて、減圧濃縮器を用いて溶媒を留去し、残渣をn―ヘキサン約5mlに溶解する。

精製法

―――

内径15mmのカラム管に、合成ケイ酸マグネシウム10g、次いでその上に無水硫酸ナトリウム5gをn―ヘキサンに懸濁して充填する。このカラムに上記の濃縮液を注入した後、ヘキサン100mlを注入し、流出液は捨てる。次いで、エーテル及びヘキサンの混液(1:9)100mlを注入する。流出液を減圧濃縮器を用いて濃縮し、溶媒を留去する。残渣をn―ヘキサンに溶解し、正確に5mlとして試験液とする。

定性、定量及び確認法

――――――――――

電子捕獲型検出器付きガスクロマトグラフを用いて、定性及び定量を、また、必要に応じてガスクロマトグラフ―質量分析計を用いて確認を行う。

ガスクロマトグラフィー条件(例)

(1) カラム:メチルシリコン、0.25mm×30m、膜厚0.25μm

カラム温度:50℃(1mim)-25℃/mim-175℃-10℃/mim-300℃(4mim)

注入口温度:220℃

検出器温度:300℃

注入量:1μl、スプリットレス

ガス流量:キャリアーガスとしてヘリウム(1.2ml/mim)を、メイクアップガスとして窒素(50ml/mim)を使用する。

本条件におけるCNPの保持時間は13.6分である。

(2) カラム:50%フェニル―50%メチルシリコン、0.53mm×15m、膜厚1.0μm

カラム温度:210℃

注入口温度:270℃

検出器温度:270℃

注入量:3μl

ガス流量:キャリアーガスとしてヘリウム(14ml/mim)を、メイクアップガスとして窒素(40ml/mim)を使用する。

本条件におけるCNPの保持時間は7.6分である。

検出限界

――――

本法によるCNPの検出限界は0.005ppmである。