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○弁当及びそうざいの衛生規範について

(昭和54年6月29日)

(環食第161号)

(各都道府県・各政令市・各特別区衛生主管部(局)長あて厚生省環境衛生局食品衛生課長通知)

弁当及びそうざいは、国民の食生活に密着した食品であること、また、加熱等の処理をすることなく、そのまま摂食されるものであること、さらには、過去の食中毒例からみてもこれら食品については細菌性食中毒が最も多く特にその微生物制御が極めて重要な問題となっていること等、その製造等については特に衛生上の配慮が必要とされるところから、今般、別紙のとおり営業者の指針として「弁当及びそうざいの衛生規範」を定め、その衛生の確保及び向上を図ることとしたので、貴職におかれても御了知の上、下記に留意し、貴管下関係者に対し指導方よろしくお願いする。

なお、この規範の内容の実施は、いうまでもなく、営業者による自主的な努力に負うところ大であるので、本規範の周知方につき別添(略)のとおり業界団体に対し依頼したところであるので申し添える。

おって、昭和27年8月2日衛食第97号食品衛生課長通知「折詰弁当の衛生保持について」は廃止する。

第1 本規範設定の趣旨

1 本規範は、営業者が衛生的により良い弁当及びそうざいを提供することを目的として、製造及び販売の全過程における営業者によるこれら食品の衛生的な取扱い等の指針として作成したものであり、ひいては食品衛生監視員の指導指針となるものであること。

2 本規範は、衛生上の危害の発生を防止するために必要な事項及び望ましい事項について、施設・設備の構造及び管理、食品の取扱い等における微生物の制御を中心に集大成したものであること。

第2 運用上の注意

1 本規範は、営業者の業務の指針として定めたものであるが、本規範の対象となる営業者の中には中小零細事業者もあることにかんがみ、施設・設備の大幅な改造又は新設を行う等の望ましい事項の実施については、漸次その改善が図られるよう指導すること等により営業者にとって過度の負担とならないよう十分留意すること。

2 本規範の内容を周知徹底するため営業者が開催する自主的な講習会等に対しては積極的に協力すること。

別紙 弁当及びそうざいの衛生規範

第1 目的

本規範は、弁当及びそうざいについて、これら食品による細菌性の食中毒が多く発生していることにかんがみ、微生物の制御を中心にこれら食品の原料の受入れから製品の販売までの各過程全般における取扱い等の指針を示し、これら食品に関する衛生の確保及び向上を図ることを目的とする。

第2 適用の範囲

本規範は、弁当及びそうざい(長期流通を企図した佃煮、びん詰食品及びかん詰食品等のものを除く。)、これらの製造、販売施設並びにこれらの営業者について適用する。

なお、そうざいの半製品であってそのまま販売されるものについても同様に本規範を適用することとする。

第3 用語の定義

本規範において使用する用語の定義は、次のとおりとする。

用語

定義

1 製品


(1) 弁当

主食又は主食と副食を容器包装又は器具に詰め、そのままで摂食できるようにしたもので、次に掲げるものをいう。

幕の内弁当等の○○弁当、おにぎり、かまめし、いなりずし、その他これに類する形態のもの及び駅弁、仕出し弁当等。

(2) そうざい

通常、副食物として供される食品であって、次に掲げるものをいう。

① 煮物:煮しめ、甘露煮、湯煮、うま煮、煮豆等

② 焼物:いため物、串焼、網焼、ホイル焼、かば焼等

③ 揚物:空揚、天ぷら、フライ等

④ 蒸し物:しゅうまい、茶わん蒸し等

⑤ あえ物:胡麻あえ、サラダ等

⑥ 酢の物:酢れんこん、たこの酢の物等

2 施設

図1(略)を参照のこと。

(1) 施設

作業場及び更衣・休憩場、便所等の場所をいう。

(2) 作業場

製造場及び製品の搬出(積込み)場をいう。

(3) 製造場

検収場、原材料の保管場、下処理場、加工場、加熱処理場、放冷・調製場、包装場及び製品の保管場をいう。

(4) 検収場

原材料の鮮度等の確認を行う場所をいう。

(5) 原材料の保管場及び製品の保管場

原材料及び製品の保管場をいう。

(6) 下処理場

原料の選別、解凍、剥皮、洗浄、撤塩、除殻、水浸等を行う場所をいう。

(7) 加工場

原料の細切、磨砕、調味、整形、粉付等を行う場所をいう。

(8) 加熱処理場

煮る、揚げる等の加熱処理を行う場所をいう。

(9) 放冷・調製場

加熱処理した食品の放冷及び盛り付けを行う場所をいう。

(10) 包装場

製品の包装を行う場所をいう。

(11) 汚染作業区域

製造場のうち、検収場、原材料の保管場及び下処理場をいう。

(12) 非汚染作業区域

製造場のうち、加工場、加熱処理場、放冷・調製場、包装場及び製品の保管場をいう。

(13) 準清潔作業区域

非汚染作業区域のうち、加工場及び加熱処理場をいう。

(14) 清潔作業区域

放冷・調製場、包装場をいう

3 その他


(1) 器具

飲食器、割ぽう具その他食品又は添加物の採取、製造、加工、調理、貯蔵、運搬、陳列、授受又は摂取の用に供され、かつ、食品又は添加物に直接接触する機械、器具その他の物をいう。

(2) 器具類

食品に直接接触しないふきん、調理台等及び器具をいう。

第4 施設・設備及びその管理

1 施設・設備

(1) 施設の周囲

施設の周囲の地面は、清掃しやすい構造で、かつ、排水のため適当な勾配があること。

(2) 施設・設備の構造、機能等

(施設の構造)

① 施設は、隔壁等により汚水溜、動物飼育場等不潔な場所から完全に区分されていること。

② 施設は、ねずみの侵入を防止するため、外部に開放される吸・排気口等に金網等が設けられていること。

③ 施設は、こん虫の侵入を防止するため、

ア 施設の外部に開放される窓及び吸・排気口には網戸が設けられていること。

なお、この場合、網戸の網目の大きさは、格子幅1.5mm以下であることが望ましい。

イ 施設の外部に開放される出入口には、自動開閉式の扉等が設けられていること。

④ 施設には、従事者の数に応じた適当な広さの更衣場が設けられていること。

⑤ 製造場は、鉄筋コンクリート造等十分な耐久性を有する構造であることが望ましい。

⑥ 製造場は、隔壁等により住居、事務所等の食品の製造に直接関係のない場所から完全に区分されていること。

⑦ 製造場(原材料、製品の保管場及び検収場を除く。)の面積は、作業が行いやすいように、製造に用いる器具類等の設備の据付面積の約3.5倍以上であることが望ましい。

⑧ 検収場

製造場には、搬入された原材料の鮮度等の確認のため、十分な広さを有する検収場が設けられていることが望ましい。

なお、検収場には原材料が直接床面に接触しないようにスノコ等が設けられていること。

⑨ 原材料、製品等の保管場

ア 製造場には、原材料(添加物を含む。)によって製品が汚染されること等を防止するため、隔壁又は間仕切りで他の場所から区分されたそれぞれの専用の保管場が設けられていること。

イ 原材料のうち、冷凍食品、魚介類、食肉、野菜類及び添加物の保管場は、間仕切り等により明確にそれぞれが区分されていること。

ウ 殺虫剤等の食品に絶対混入してはならない薬品については、作業場以外の所に専用の保管場が設けられていること。

エ 清掃用具については、製造場以外の所に専用の保管場が設けられていること。

オ 保管場に冷凍庫又は冷蔵庫を置く場合には、冷凍又は冷蔵の温度を正確に計ることができる温度計が外部の見やすい位置に設置されていること。

⑩ 製造場内の床面及び内壁の築造又は腰張りは、次のような材料及び構造であること。

ア 床面には、不浸透性及び耐熱性を有し、平滑で、摩擦に強く、滑らず、かつ、亀裂を生じにくい材料が用いられていること。

イ 床面は、排水が容易にできるよう適当な勾配をつけ、すき間がなく、清掃が容易に行える構造であること。なお、その勾配は100分の1.5~2.0が望ましい。

ウ 内壁は、その表面が平滑であり、かつ、少なくとも床面から1m以上が不浸透性、耐酸性及び耐熱性の材料を用いて築造されていること。

但し、それができない場合は、必ず床面から1m以上が不浸透性、耐酸性及び耐熱性の材料を用いて腰張りされていること。なお、腰張りは、ほこりの集積を避けるために図2(略)のように、その上部は45°以下の角度を有する構造であることが望ましい。

エ 内壁の築造又は腰張りは、すき間がなく、清掃が容易に行える構造で淡いクリーム色等明るい色彩であること。

オ 内壁と床面の境界には清掃及び洗浄が容易に行えるよう、図3(略)のように半径5cm以上のアールが付けられていること。

ア 製造場内は、微生物に汚染される度合の大きい区域からそうでない区域への微生物の汚染を防止するために、汚染作業区域と非汚染作業区域に区分し、従事者に分かりやすいようその床面が色別され、又はその境界にテープをはる等により明確に区画されていること。また、必要に応じ、その間の間仕切りが設けられていることが望ましい。

イ 非汚染作業区域は、さらに、これを従事者に分かりやすいよう、その床面はテープをはる等により準清潔作業区域と清潔作業区域に区画すること。

⑫ 製造場内の排水溝は次のような構造であること。

ア 排水溝は、清掃が容易に行えるよう十分な幅を有すること。なお、この場合、その幅は20cm以上であることが望ましい。

イ 排水溝は、排水が適切に流れるような勾配を有すること。なお、この場合、その勾配は100分の2~4が望ましい。

ウ 排水溝の側面と底面の境界には、半径5cm以上のアールが付けられていること。

エ 排水溝には、ねずみ及びこん虫等の侵入防止及びごみの流出防止のために、製造場外部への開口部の近くに、図4(略)のように、網目の大きさの異なる耐酸性及び耐熱性を有する材料でできたかごが網目の大きいものから3個設置されていることが望ましい。

⑬ 排水溝には、ごみ等の逆流防止及び排水の逆流防止のために図4(略)のように施設外部への開口部に格子幅0.8cm以下の鉄格子及びトラップが設けられていることが望ましい。

⑭ 製造場内の天井は、次のような材料及び構造とすること。

ア 天井は、床面から2.4m以上の高さであることが望ましい。

イ 天井は、すき間がなく、平滑で清掃が容易に行える構造であること。

ウ 天井には、結露を防止するために断熱材が使用されていることが望ましい。

エ 天井は、汚れがついた時に直ちに分かるように淡いクリーム色等の明るい色彩であること。

オ 天井部にあるパイプ及びダクトは、清掃が容易に行える構造であることが望ましい。さらに、これらは天井裏に内蔵されていることが望ましい。

⑮ 製造場内の窓は、ほこりの集積を避けるために、図5(略)のように、窓の下部は45°以下の角度を有する構造であることが望ましい。

⑯ 製造場(保管場以外の場所)での明るさは、作業台面(床面から80cmの高さ)上の全ての点で照度100ルクス以上となるように、窓の面積が床面積の4分の1以上で自然光線を十分にとり入れられる構造であること。

但し、周囲の環境等から自然光線ではこれを達成できない場合又は作業が夜間に行われる場合は、別にこれを充たす照度装置が設けられていること。

保管場での明るさは、床面から80cmの高さの全ての点で照度50ルクス以上となるように、照明装置が設けられていること。

⑰ 換気装置

ア 製造場(保管場を除く。)には、製造場内の気積(空間)1m3当たり、1時間に20~30m3の吸引能力を有する換気装置が設けられていることが望ましい。また、保管場には、保管場内の気積(空間)1m3当たり、1時間に5m3の吸引能力を有する換気装置が設けられていることが望ましい。

イ 換気装置は、汚染作業区域の空気が非汚染作業区域に流入しないように設置されていること。

ウ 製造場の蒸気、熱気、ばい煙等の発生源の近くには、これらを外部に排除するために、フード(金属板製ロウト型天がい)、ダクト及び換気扇が設けられていること。

なお、換気扇は、フード面で1秒間に0.25~0.5mの吸引能力を有するもので、ダクトは図6(略)のようにその断面積が同じで直角に曲げない等により粉じんが留まらないような構造であることが望ましい。

特に、揚げる等の油脂処理を行う場所にあるフードは、容易に清掃が行える構造であり、かつ、図6(略)のようにオイル(油)受け及び油脂の通過を防止するためのフィルターが設けられていることが望ましい。

エ 非汚染作業区域に十分に清浄な空気が供給されるよう、換気装置には、空気清浄器が設置されていること。

オ 換気装置は、防湿機能を有していることが望ましい。

⑱ 手洗い設備

ア 手洗い設備は、流水受槽式で、手洗いに十分な大きさを有する構造であること。

なお、この場合、受水槽の大きさは、1蛇口当たり幅60cm、奥行50cm以上であることが望ましく、2給水せん以上でひとつの受水槽を共用するものにあっては、図7(略)のような構造であることが望ましい。

なお、給水せんは、足踏式、腕式、自動式により手を使わないで開閉できるもの、又は、下カラン式のものであることが望ましい。

イ 手洗い設備は、施設外部との出入口、汚染作業区域、準清潔作業区域、清潔作業区域ごとに従事者の手洗いに便利な位置に設けられていること。

ウ 手洗い設備には、石けん、爪ブラシ、ペーパータオル、消毒液等を置く場所が設けられていること。

なお、温風乾燥機等及び温水が出る設備が設置されていることが望ましい。

⑲ 検査設備

施設内には、微生物等について検査を行うための検査設備を有することが望ましい。

(食品等取扱設備)

⑳ 製造場の隔壁等により区分された場所ごとに、正確な温度計及び湿度計が従事者の見やすい場所に設置されていること。

((21)) 製造場内(原材料及び製品の保管場を除く。)の冷凍庫又は冷蔵庫には、冷凍又は冷蔵の温度を正確に計ることができる温度計が外部の見やすい位置に設置されていること。

((22)) 食品の加熱処理設備には、正確な温度計、圧力計等が備えてあること。

((23)) 固定した器具及び移動し難い器具が、製造工程の流れに沿い、かつ、作業に便利なよう適切に配列されていること。

((24)) 計画製造量に応じた数及び大きさの解凍槽、加工台、蒸煮がま等の器具が設置されていること。

((25)) 移動性の器具類を衛生的に保管するため、外部から汚染されない構造の専用の保管設備が設けられていること。

((26)) 原料及び移動性の器具類のための洗浄設備は、ステンレス等の耐酸性、耐熱性及び耐久性を有する材料のものであり、かつ、計画製造量に応じた十分な容積を有する3槽式で、水切り台を設けたものであることが望ましい。

((27)) 器具を熱湯、蒸気、殺菌剤又はこれらと同等の効力のあるもので消毒することのできる設備が設けられていること。

((28)) 器具は、容易に分解され、容易に洗浄及び消毒が行える構造であること。

((29)) 加工台(作業台)は、計画製造量に応じた十分な広さを有し、かつ、耐水性材料で作られ、その表面はステンレス等の耐酸性、耐水性及び耐久性を有する材料のもので張る等その清掃及び洗浄が容易に行える構造であること。

((30)) 油脂処理のための器具

ア 器具の油脂に直接接触する部分は、アルミニウム、ステンレス等の油脂の酸化促進に影響の少ない材質のものであること。

イ 揚げ処理に用いる器具は、フード又はフロート等を設ける等、揚げ処理油と空気の接触面積を少なくするような措置が施された構造のものであること。

ウ 揚げ処理に用いる器具は、揚げ処理油の温度を適正に管理するための加熱調節装置を有すること。

(給水及び廃棄物処理設備)

((31)) 給水設備

ア 水道水その他飲用に適する水を十分に、かつ、衛生的に供給し得る設備を適切に配置してあること。

イ 井戸水及び自家用水道を使用する場合、その水源(井戸その他)は、便所、汚水溜、動物飼育場等の地下水を汚染するおそれのある場所から少なくとも20m以上の距離にあること。

ウ 井戸水及び自家用水道を使用する場合は、滅菌装置又は浄水装置が設けられていること。

エ 貯水槽を設ける場合の貯水槽は、不浸透性材料を用い、内部は清掃しやすく、かつ、施錠できる構造であること。

((32)) 廃棄物処理設備

ア 施設内には、足踏式等の自動開閉式のふたを有し、清掃しやすく、汚臭汚液がもれず、かつ、こん虫等の侵入しない構造であって、不浸透性材料で作られた廃棄物容器が設けられていること。また、廃棄物の集積場に容易に運搬できるものであること。

なお、多量の廃棄物が発生する製造場には、パイプライン方式等効率的な収集設備が設けられていることが望ましい。

イ 廃棄物の集積場は、施設外に設けられていること。

(その他)

((33)) 便所

ア 便所は隔壁をもって他の場所と必ず区分されていること。なお、製造場から3m以上離れた場所に設けられていることが望ましい。

イ 手洗い設備は、⑱項に従い設けられていること。

ウ 便所には、専用のはき物が備えてあること。

((34)) 製品運搬用のコンテナー等

ア 製品の運搬に使用する自動車の荷台又はコンテナーは、直射日光を遮断し、ねずみ、こん虫及び塵埃(じんあい)の侵入を防止でき、かつ、清掃しやすい構造であること。

イ 製品の運搬に際し、低温管理を行う自動車の荷台又はコンテナーは、製品を十分に低温保存できる設備を有していること。

また、その保存温度を正確に計ることができる温度計が外部の見やすい位置に設置されていること。

(3) 施設・設備等の管理

(施設の周辺の管理)

① 施設の周辺は、衛生を保持するために次のことに留意すること。

ア 1日1回以上清掃し、衛生上支障のないように保持すること。

イ 排水溝は、排水がよく行われるように必要に応じ補修を行い、1日1回以上清掃を行うこと。

ウ ねずみ、こん虫等の発生源が発見された場合は、その発生源の撤去、埋却覆土、焼却、殺虫剤の散布等の必要な措置を講じること。

なお、その場合、作業場がその殺虫剤の散布等により汚染されないよう十分留意すること。

(施設の管理)

② 施設・設備は必要に応じ補修を行い、特に定める場合を除き、1日1回以上清掃し、衛生上支障のないように保持すること。

③ 施設におけるねずみ、こん虫等の発生状況を1月に1回以上巡回点検し、必要があれば半年に1回以上駆除作業を実施し、その実施記録を1年間保存すること。

④ 製造場には、不必要な物品を置かないこと。

⑤ 保管場所は、1週に1回以上清掃を行うこと。

(設備の管理)

⑥ 冷凍庫又は冷蔵庫(保管場にあるものを含む。)の管理

ア 1週に1回以上清掃を行うこと。但し、食品からの溶出液(ドリップ)等により汚れた場合には、その都度行うこと。

イ 冷凍庫又は冷蔵庫は、次のように温度管理を適正に行うこと。

(ア) 冷凍庫内の温度は-15°以下、冷蔵庫内の温度は10°以下(野菜を保管する場所では10°前後)に常時保つこと。なお、この場合、扉の開閉を考えて、冷凍庫では-20°以下、冷蔵庫では5°以下に保つことが望ましい。

(イ) 温度は、毎日午前と午後に1度ずつ定期的に測定すること。なお、自動的に記録される場合を除き、測定結果を記録し、保存しておくことが望ましい。

(ウ) 冷凍庫又は冷蔵庫においては、食品を庫内容積の70%以下で保存することが望ましい。

(エ) 冷凍庫又は冷蔵庫の扉の開閉は、迅速に行い、かつ、必要最少限にとどめること。

⑦ 製造場内の天井及び内壁(床面から1mまでの部分を除く。)は、1月に1回以上清掃し、衛生上支障のないように保持すること。

なお、床面及び内壁のうち床面から1mまでの部分は、少なくとも午前1回、午後1回以上清掃し、必要に応じ洗浄を行うこと。

⑧ 製造場内の各作業区域においては、清掃、消毒その他の措置により、次のような落下細菌数(生菌数)、落下真菌数(カビ及び酵母の生菌数)となるようにすることが望ましい。なお、この測定方法は→別紙によること。

ア 汚染作業区域は、落下細菌数(生菌数)100個以下

イ 準清潔作業区域は、落下細菌数(生菌数)50個以下

ウ 清潔作業区域は、落下細菌数(生菌数)30個以下

エ 清潔作業区域は、落下真菌数(カビ及び酵母の生菌数)10個以下

⑨ 製造場内の排水溝は、少なくとも午前1回、午後1回以上洗浄及び消毒を行うこと。

⑩ 照明装置の管理

ア 1週に1回以上清掃を行うこと。

イ 照度は、半年に1回以上定期的に測定すること。

⑪ 換気装置の管理

ア 1週に1回以上清掃を行うこと。なお、換気装置のフィルターは、1月に1回以上分解して清掃を行うこと。

イ 換気量は年に1回以上定期的に測定すること。

ウ 製造場は、換気、除湿及び冷房により湿度を80%以下、温度を25°以下にすることが望ましい。

⑫ 手洗い設備の石けん、爪ブラシ、ペーパータオル、消毒液等は、常に使用できる状態にしておくこと。

⑬ 温度計、圧力計、流量計等の計器類は、1月に1回以上定期的にその正確度を点検すること。

⑭ 器具類(まな板、ふきん、包丁等の移動性の器具類は除く。)は、少なくとも午前1回、午後1回以上洗浄し、1日1回熱湯等により消毒を行うこと。

⑮ まな板、ふきん、包丁等の移動性の器具類は、少なくとも午前1回、午後1回以上十分洗浄し、熱湯等により消毒を行った後、十分乾燥させること。

⑯ まな板及び包丁は、2次汚染を防止するために、例えば、次のように色分けして使用される食品を定めて使用すること。色分けの方法は、包丁においては柄に色テープを巻く等により、まな板においてはその側面にみぞをあけ色板をはめ込む等によること。なお、赤カビとの混同を避けるため赤色は使用しないこと。

(例)

ア 魚介類用 白色

イ 食肉用 黄色

ウ 野菜用 緑色

エ その他の食品用 黒色

オ 上記のうち、生食用は青色を加えること

(給水及び廃棄物処理)

⑰ 井戸水又は自家用水道を使用する場合は、年2回以上水質検査を行い、その成績書を1年間保存すること。但し、天災等により水源等が汚染されたおそれのある場合は、その都度水質検査を行うこと。

水質検査は、公的機関、食品衛生法に基づく指定検査機関等に依頼して行うこと。また、水質検査の結果、飲用不適とされた場合は、直ちに保健所長の指示を受け、適切な措置を講ずること。

⑱ 水道水以外の水を使用する場合は、常に殺菌装置又は浄水装置が正常に作動していることを確認すること。

なお、これらの水の消毒は、次亜塩素酸ソーダを用い、末端給水せんで遊離残留塩素0.1ppm以上とすること。遊離残留塩素の測定は、1週に1回定期的に行い、その測定結果は1年間保存すること。

⑲ 貯水槽は、清潔を保持するため、年1回以上清掃を行うこと。

⑳ 廃棄物容器は、汚臭汚液がもれないよう管理するとともに1日1回以上清掃し、衛生上支障のないよう保持すること。

((21)) 廃棄物は、少なくとも午前1回、午後1回以上集積場に搬出し、製造場に放置しないこと。

(その他)

((22)) 施設・設備の清掃用器材の管理

ア 器材は、使用後その都度必ず洗浄し、乾燥させること。

イ 器材は、製造場以外の専用の場所に保管すること。

((23)) 便所の管理

ア 便所は、1日1回以上清掃し、衛生上支障のないように保持すること。

イ 便所は、定期的に消毒を行うこと。さらに、くみ取り便所にあっては、冬期を除き、1週間に1回以上のこん虫の駆除を行うこと。

((24)) 製品の運搬に使用する自動車の荷台又はコンテナーの管理

ア 製品の運搬に使用する自動車の荷台又はコンテナーの内部は、清掃を1日1回以上行い、衛生上支障のないように保持すること。

イ 製品の運搬に使用する自動車の荷台又はコンテナーの内部に設けた冷凍・冷蔵設備の温度計の計器類は、1週間に1回以上定期的にその正確度を点検すること。

第5 食品等の取扱い

1 原材料

(1) 原材料の購入に当たっては、納入業者の衛生管理に十分配慮すること。

(2) 検収に際しては、次のことを点検し、必要に応じ、その点検結果を記録すること。

① 搬入日時、製造元、納入業者及び搬入数量。

② 品質及び表示等。特に、魚介類の鮮度は、形、色、臭い等の官能検査を行うこと。(→参考1)

③ 厚焼卵を原材料として使用する場合は、加熱後2時間以内のもので、放冷したものが望ましいので、その確認を行うこと。

(3) 原材料の保存

① 原材料は、当該食品に適した方法で、衛生的に保存すること。(→参考2)

② 凍結されていない生鮮魚介類及び食肉は、毎日必要量のみを購入すること。

③ 原材料は、それぞれ専用の保管場に保存し、相互汚染しないように取扱うこと。

(4) 油脂の取扱い

① 油脂は、特に直射日光及び高温多湿を避けて保存すること。さらに、冷暗所に保存することが望ましい。

② 油脂は、ふたのある容器に入れて密閉する等空気との接触を少なくして保存すること。

③ 油脂(但し、再処理のものは除く。)は、次のア及びイに適合するものを原材料として使用すること。

ア 酸価 1以下(但し、ごま油は除く。)

イ 過酸化物価 10以下

2 製造・加工中の食品

(1) 冷凍庫又は冷蔵庫から出した食品は、速やかに製造に用いること。

(2) 汚染作業区域における食品の取扱いは、次に定めるところによること。

① 魚介類

ア 専用の洗浄設備、包丁及びまな板を使用すること。

イ 冷凍魚介類の解凍は、飲用適の流水中で行うか、10°以下の低温の室で行うこと。

② 野菜類

ア 専用の洗浄設備、包丁及びまな板を使用すること。

イ 流水によっては汚れが落ち難い場合には、洗浄剤により洗浄すること。

ウ 生食用の野菜及び果物は、特に十分洗浄し、次亜塩素酸ソーダ(遊離残留塩素100ppm以上)に約10分間浸漬した後、十分な流水ですすぎ洗いを行う等の殺菌を行うこと。

③ 食肉は、専用の包丁及びまな板を使用すること。

(3) 製造場(保管場を除く。)における食品及び移動性の器具は、床面に落ちた水のはねかえりを避けるため、床面から高さ30cm以上の場所に置くこと。

なお、床面から高さ60cm以上の場所に置くことが望ましい。

(4) 添加物を使用する場合は、必ず正確に秤量し、適正に使用すること。

(5) 油脂による揚げ処理

① 製品の特性に応じて適当な量の油脂を用い、適正な温度及び時間をもって揚げ処理を行い、不必要な加熱を避けること。特に、200°以上での揚げ処理は行わないことが望ましい。

② 揚げ処理においては、油脂中の揚げかす等の浮遊物や沈澱物を取り除きながら、適当な油脂の量の7%以上が減った場合には、その分の油脂を新たに補充すること。

③ 揚げ処理中の油脂が、発煙、いわゆるカニ泡、粘性等の状態から判断して、次のア~ウに該当するにいたり、明らかに劣化が認められる場合には、その全てを新しい油脂と交換すること。

ア 発煙点が170°未満となったもの

イ 酸価が2.5を超えたもの

ウ カルボニル価が50を超えたもの

④ 揚げ処理に使用した油脂(再使用するものに限る。)は、必ず速やかにろ過する等により揚げかす等の浮遊物及び沈澱物を除去した後、放冷すること。

(6) 製造の時間は、長時間煮込むものを除き、下処理の後2時間以内とすることが望ましい。

(7) 加熱処理したもの(主食と副食をそれぞれ別の容器に入れた弁当の主食は除く。)は、直ちに放冷場で放冷すること。

なお、図8(略)のように空気清浄装置を通した空気で放冷することが望ましい。

(8) 弁当の調製

① 弁当の主食と副食は、調理パン等を除き、それぞれ別の容器に入れることが望ましい。

なお、主食と副食を同一容器に入れる場合は、主食も放冷後盛り付けすること。

② 次の食品は、6月から10月までの間、副食として供さないことが望ましい。

但し、盛り付け終了後、4時間以内に販売されるものにあっては、この限りでない。

ア サラダ

イ 卵焼

ウ 切身のハム及びソーセージ

エ 生鮮魚介類の刺身

3 製品

(1) 製品は、次の①及び②に適合するものを使用及び製造するようにすることが望ましい。

① 製品のうち、卵焼、フライ等の加熱処理したものは、次の事項に適合すること。

ア 細菌数(生菌数)は、検体1gにつき100,000以下であること。

イ 冷凍食品の規格基準で定められたE.Coliの試験法により、大腸菌は陰性であること。

ウ 黄色ブドウ球菌は、陰性であること。

② 製品のうち、サラダ、生野菜等の未加熱処理のものは、検体1gにつき細菌数(生菌数)が1,000,000以下であること。

(2) 製品の保管

① 製品は、直射日光及び高温多湿を避けて保存すること。

② そうざいは、10°以下又は65°以上(但し、揚げ物を除く。)で保存することが望ましい。

(3) 弁当は、本規範においてこれまでに述べた事項を忠実に遵守する限り一般に、盛り付け後喫食までの時間が7時間以内の場合には食中毒発生の可能性が少なく、4時間以内の場合にはその可能性がほとんどないと考えられるので、この点に留意しながら、製造及び販売を行うこと。

(4) 製品の運搬

運搬時においては、製品の容器包装の破損等に起因する汚染を防止するため、適切に製品を取扱うこと。

4 検査

(1) 検食の保存

1製造工程の終了ごとに、製品のうちから1食分を検食として5°以下で48時間以上(但し、日・祭日及び振替休日にまたがる場合は日・祭日及び振替休日の翌日まで)保存すること。この場合、製品の配送先、配送時刻及び配送量の記録もともに保存すること。

(2) 営業者は、次に定めるところにより月に1回以上自主的に次のように検査を行うこと。但し、食品の鮮度及び異物の有無の検査については、購入若しくは製造のたびごとに行うこと。

① 検査対象は、原材料、半製品及び製品とし、特に必要と認められる場合は、器具類及び従事者とする。

② 検査は、次の項目のうちから検査対象を考慮して適切に行うこと。

ア 微生物の有無及び生菌数

(ア) 一般細菌数(生菌数)、大腸菌群、大腸菌

(イ) 腸炎ビブリオ、ブドウ球菌、サルモネラ等の食中毒菌

(ウ) カビ、酵母

イ 食品添加物の有無及びその量

ウ 油脂の酸価及び過酸化物価

③ 検査方法

ア 検査は、食品、添加物等の規格基準に示された試験法又は厚生省が通達で示した試験法により行うこと。

イ アの試験法が定められていないものの検査は、食品衛生検査指針等の行政機関が関与して設定した試験法及び衛生試験法注解(日本薬学会編)で設定した試験法で行うこと。

ウ 簡易検査は、前記の試験法により難い場合に行うこと。

(3) 検査後の措置

① 原材料については、検査の結果、不良なものは使用しないこと。

② 半製品及び製品については、検査の結果、第5の3の(1)に適合しなかった場合は、器具類のふきとり検査、従事者の手指等の検査等を行うことにより、その原因追求に努め、今後そのようなものが製造されないよう適切に衛生管理を行うこと。

(4) 検査記録の保存

鮮度及び異物の有無の検査を除く検査の結果は、記録し、製品管理の資料として1年間以上保存すること。

5 表示等

(1) 容器包装に入れられた弁当及びそうざいの表示は、次のような条件を満たすこと。

なお、表示事項は、容器包装の見やすい場所に又は容器包装の上にさらに包装(外装)を行う場合には、なかの表示が透視できる場合を除き、外装の見やすい場所に、邦文で読みやすく、理解しやすいような用語により正確に記載すること。

① 名称

サラダ、ギョウザ、幕の内弁当等と記載すること。

② 消費期限等

「消費期限 平成7年4月1日」、「品質保持期限 7.4.1」、「消費期限 07.04.01」、「品質保持期限 1995年4月1日」、「消費期限 95.4.1」、「品質保持期限 95.04.01」等のように記載すること。なお、弁当の類にあっては、必要に応じて時間まで記載すること。

③ 製造所所在地又は加工所所在地

住居表示に関する法律に基づく住居表示に従って、住居番号まで正しく記載することを原則とする。

但し、川崎市等の指定都市及び道府県庁所在市における道府県名は省略することができる。

④ 製造者又は加工者の氏名

ア 法人の場合には、法人名を記載すること。この場合、法人であることを明記すること。

但し、株式会社を「K.K.」又は「株」、合名会社を「名」、合資会社を「資」及び有限会社を「有」と略して記載することができる。

イ 個人の場合には、個人の氏名を記載すること。この場合、屋号等は認められないこと。

⑤ 食品添加物

食品添加物(食品衛生法施行規則(昭和23年厚生省令第23号)別表第2及び化学的合成品以外の食品添加物リストに掲げる物)については、栄養強化の目的で使用されたもの、加工助剤及びキャリーオーバーを除き、原材料表示の一環として、当該食品添加物を含む旨を表示するとともに、同規則別表第5の中欄に掲げる物として使用されるものを含む食品にあっては、同表当該下欄に掲げる用途名を併記すること。

その際、食品添加物を含む旨の表示は、一般に広く使用されている名称を有する食品添加物にあっては、その名称をもって、食品衛生法施行規則別表第5の2の上欄に掲げる物として使用される食品添加物を含む食品にあっては、同表当該下欄に掲げる一括名をもって、これに代えることができる。

⑥ 保存方法

「保存方法 要冷蔵(10℃以下で保存)」、「保存方法 10℃以下で保存」等のように保存方法を記載すること。

また、温度以外の保存の条件がある場合は、「直射日光及び高温多湿を避けて保存」等取扱い上必要な事項を表示すること。

(2) 製品の温度管理等の取扱いについて、販売業者に対し周知徹底する必要がある場合は、製造業者において説明書等を作成し、又は外包装に要冷蔵若しくは10°以下で保存する等と記載すること。

第6 営業者及び従事者

1 営業者

(1) 衛生管理体制の確立

① 施設又はその部門ごとに、従事者のうちから製品の衛生管理について知識及び経験を有する者を食品衛生責任者に選任すること。

② 営業者は、衛生管理が適切に行われるよう図9(略)のように営業者又は営業者の指名する者が最高責任者となり、食品衛生責任者を運営の中心とする衛生管理体制を確立すること。

③ 各部門は、従事者の数、取扱い数量等を適切に考慮して図9(略)の例のように区分すること。

④ 食品衛生責任者は、営業者の指示に従い、衛生管理を行い、製造及び販売が衛生的に行われるよう従事者の教育に努めること。

⑤ 受注管理

営業施設、設備、人的能力等に応じた食品の取り扱いを行い、適正な受注管理に努めること。

(2) 食中毒が起きた場合の対応

営業者は、食中毒が発生した場合、その拡大及び再発を防止するため、次に定めるところにより、迅速かつ適切に保健所に協力すること。

① 営業者は、自己の製品による食中毒事件又はその疑いのある事件の発生を探知した場合、次の事項について直ちに管轄の保健所に通報し、その指示を受けること。

ア 探知の日時及び方法

イ 発生の日時

ウ 被害者の住所、氏名等

エ 喫食した製品の内容

オ 被害者の主要症状

カ 検食及び被害者の残品の確保状況

② 食中毒事件又はその疑いのある事件に関し、保健所からの指示があった場合は、それを必ず記録し、指示に忠実に従った措置を取るとともにその措置も必ず記録しておくこと。

③ 営業者は、事件発生後、直ちに衛生管理体制を活用して保健所の行う調査に全面的に協力するよう徹底を図ること。

④ 営業者は、事件発生後、保健所の指示に基づく資料を作成し、保健所に提出すること。

(3) 従事者の衛生管理

① 営業者は、従事者の採用に当たっては、次のような項目について健康診断を行い、その健康状態について把握すること。

ア 既往症

イ 胃腸障害に係る自覚症状

ウ 糞便の細菌学的検査

エ その他

② 採用後も上のアを除く項目についての健康診断を年1回以上行うこと。

③ 保健所長から検便を受けるべき旨の指示があった場合は、必ず従事者に検便を受けさせること。

④ 営業者は、従事者が次のような状態にある場合には、食品の製造等に決して従事させないこと。

ア 食中毒の原因となる疾患(化のう疾患)又は飲食物を介して伝染するおそれのある疾患に感染した場合。

イ 従事者若しくはその同居者が法定伝染病患者又はその疑いのある者である場合及び保菌者であることが判明した場合。但し、従事者当人が保菌していないことが判明したときを除く。

なお、海外旅行から帰国した従事者、又は海外旅行から帰国した者と同居し、若しくは同一の職場で作業している従事者で胃腸障害等の症状を呈しているため、必要な検査を受け、その検査結果が判明していない場合も同様とする。

2 従事者

① 従事者は、前記1の④のいずれかに該当する場合は、食品の製造等に従事しないこと。

② 従事者は、次に定めるところにより、手指の洗浄及び消毒を行うこと。(→参考3)

ア 作業前及び用便後は必ず行うこと。

イ 微生物等に汚染されていると思われる器具等に接触した場合は、その都度行うこと。

ウ 汚染作業区域から非汚染作業区域に移動した場合は、その都度行うこと。

エ 以上のことがない場合にも、作業中は、2時間以内に1回以上行うこと。

③ 従事者は、作業中は清潔な外衣を着用すること。作業場内では専用の清潔で衛生的な頭巾、マスク及びはき物を用いること。但し、マスクは必要に応じ使用すること。

④ 従事者は、便所に作業中のはき物のままで出入りしないこと。

⑤ 従事者は、汚染作業区域と非汚染作業区域間の移動を可能な限り少なくすること。

⑥ 従事者は、必ず常に爪を短く切ること。また、作業を行うに当たり、腕及び手指に腕時計、指輪等又はマニキュアを付けないこと。

⑦ 従事者は、作業場においては、所定の場所以外で着替え、喫煙、放たん、食事等を決してしないこと。

(訪問者)

⑧ 製造場には、訪問者をできる限り入れないこと。但し、やむを得ない場合には、頭巾、外衣等をつけさせる等従事者と同様の衛生管理上必要な措置を講じさせること。

別紙

1 落下細菌(生菌)数の測定方法

標準寒天平板培地を入れたペトリザラ(直径9~10cm、深さ1.5cm)2~3枚を測定場所(床面から80cmの高さの調理台面等)に置き、ふたをとり5分間水平に静置した後、再び静かにふたをしめて、これを35.0°(上下1.0°の余裕を認める。)の温度で48時間(前後3時間の余裕を認める。)培養し、細菌集落数を算定し、その平均値を求めて、ペトリザラ1枚当たりの5分間の落下細菌数とする。

なお、測定は作業中に行うこと。

2 落下真菌(生菌)数の測定方法

バレイショ・ブドウ糖寒天平板培地(クロラムフェニコール又はテトラサイクリン50mgないし100mg/Lの量を添加する)を入れたペトリザラ(直径9~10cm、深さ1.5cm)2~3枚を測定場所(床面から80cmの高さの調理台面等)に置き、ふたをとり、20分間水平に静置した後、再び静かにふたをしめて、これを23°(上下2.0°の余裕を認める。)の温度で7日間培養して培地上に発生する真菌集落数を算定し、その平均値を求めて、ペトリザラ1枚当たりの20分間の落下真菌数とする。

なお、測定は作業中に行うこと。

参考1 外観による各種食品原料鮮度判定の目安


良好

中程度

不良

野菜類

ツヤがあり、水々しい。

虫により食害され、又はキズがあっても、一部切除すれば水々しい。

葉がしおれ、ぐったりし、弾力性がない。

鮮魚類

(冷凍魚は解凍後)

1 死後硬直中。

2 うろこが、しっかり皮膚についており、魚種特有の色をもち、水々しい光沢がある。

3 眼球は突出し、血液の浸出や混濁がない。

4 えらが美しい赤色を示している。

5 外部から圧しても腹部に軟弱感がない。

6 肉質に透明感があり、骨から魚肉がとれ難い。

1 弾力性はやや劣る。

2 眼球は突出せず、やや混濁している。

3 えらは鮮明さを欠き、少量の粘着物を認める。

4 腹部はやや軟弱感がでてくる。

5 肉質はやや不透明となり、血管もやや不透明となっている。

6 臭気はやや生臭い感じとなる。

1 魚体は軟化し、自己消化が著しい。

2 眼球は陥没し、著しく混濁し、又は脱離している。

3 えらは暗緑色となり、不快臭を出す。

4 腹部は崩れ、軟弱となる。

5 肉質は白濁する。

6 水に浮かぶ。

1 殻の表面がザラザラして光沢がない。

2 振って音がしない。

3 電灯の光にすかして明るくすけてみえる。


1 割った時に卵白が広くひろがる。

2 振って音がする。

3 電灯の光にすかして明るくみえない。

大豆製品

1 外観、臭気、味が正常。

2 製造後短時間。


1 表面に粘液が生じている。

2 異物が混入している。