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○容器包装中のPCB分析法について

(昭和四七年一〇月二六日)

(環食化第三八五号)

(各都道府県・各政令市衛生主管部(局)長あて厚生省環境衛生局食品化学課長通知)

容器包装中のPCB分析を行なうに際しての検体のサンプリング法については、昭和四七年一○月七日環食第四九一号をもって通知したところであるが、このたび、PCB汚染のおそれのある紙製および合成樹脂製容器包装中のPCB分析法が別添のとおり作成されたので、検査を行なう場合にはこれによることとされたい。

なお、合成樹脂製容器包装のうちPCB汚染が問題となるのはフィルム製品に限られるので、分析法もこれに限定した。

〔別添〕

紙製及び合成樹脂フィルム製容器包装中のPCB分析法

1 試験溶液の調製

細切した試料二gを二○○mlのフラスコ中に秤取し、これに一Nエタノール性水酸化ナトリウム溶液(あるいは水酸化カリウム溶液)五○mlを加え、冷却器を付して水溶上で三○~六○分間おだやかに還流させる。

冷後溶液をグラスフィルターを用いてろ過し、フラスコ並びにグラスフィルター上の残渣をn―ヘキサン二○ml、エタノール二○mlついで水二○mlで順次洗浄し、ろ液及び洗液三○○mlの分液ロ斗中に合せる。これにn―ヘキサン五○mlを加え一分間振盪し、下層をさらにn―ヘキサン五○mlづつで二回抽出する。全n―ヘキサン層を合せ、水五○mlづつで二回洗浄し、ついで無水硫酸ナトリウムカラム(径約一cmのカラムクロマト用カラムに五cmの高さに詰めたもの)を通して脱水後KC―濃縮器を用いて五mlに濃縮する。

試料がワックス等を含む場合はここに得られた濃縮液を稀釈し、厚生省環境衛生局PCB分析研究班設定の分析法(昭和四七年一月二九日環食第三八五号参照。以下「食品中のPCB分析法」という。)中C、一アセトニトリル・n―ヘキサン分配の項に準じて操作し、ワックス等を除いたのち、五mlのn―ヘキサン溶液とする。

五mlに濃縮したn―ヘキサン溶液をコック付ガラス管(径約二cm、長さ約三○cm)に常法に従って一○gの活性フロリジルを詰めて製したカラム上に注入し、n―ヘキサン二○○mlで溶出し、溶出液を五mlに濃縮する。

2 操作法

(a) 定性試験

つぎの操作条件で電子捕獲型検出器によるガスクロマトグラフィーを行って得られた試料ピークの幾つかが、つぎの操作条件下における単品標準品のガスクロマトグラフィーによって得られたピークの何れかと保持時間が一致していなければならない。

操作条件 1

カラム担体(※1) ケイソウ土(標準網フルイ一七七~二五○μ)を六N塩酸で二時間還流して洗い、ついで蒸留水で流出液が中性となるまで洗った後乾燥し、メチルシラザン処理(ヘキサメチルジシラザン(特級)、トリメチルクロルシラン(特級)およびピリジンの混液(3:1:5)に浸し、一○分間水洗し乾燥する。)を施す。

カラム充てん剤 カラム担体に対しガスクロマトグラフ用シリコン(※2)を二%含ませる。

カラム管 内径約三mm、長さ一・五~二mのガラス管を用いる。

カラム温度 一八○℃~二○○℃

試験溶液注入口温度 二二五℃

検出器 至適加電圧を与え二五○℃附近(線源がトリチウムの場合は最高使用温度)で操作する。

キャリヤーガス 高純度窒素ガスを用いる。流速はカラム温度、カラム長さ等との関連においてピーク類の保持時間が適当な値であるように選べばよい。

操作条件2

つぎに示す操作条件以外は操作条件1に示すところによる。

カラム充てん剤 カラム担体に対してガスクロマトグラフ用ポリエチレングリコールサクシネート二%及びリン酸○・五%を含ませる。

(注) ※1 ガスクロムQ又はクロモソルブGあるいはW(何れもAW―DMCS又はAW―HMDS)が適当である。

※2 QF―一、SE―三○、OV―一あるいはDC―二○○が適当である。

(b) 定量試験

(a)定性試験の操作条件のうちいずれか適切な条件のもとに得られた試験結果をもととし、ピークパターンがこれに最も近いPCB標準品を選んで標準品とし、この標準品について定量条件下における全ピークのピーク高の和をもって検量線を作製する。ついで試験溶液より得られたピーク中標準品と保持時間の一致する全ピーク高の和を測定し先の検量線より、試験溶液中の総PCB量を定量し試料中のPCB含量を算出する。

(c) 確認試験(十塩化ビフェニル法)

本試験法は、(b)定量試験の結果が基準値を超えた試料についてのみ行う。

つぎに示す操作条件以外は「食品中のPCB分析法」の2十塩化ビフェニルによる総PCBの定量の項に準じて操作する。

操作条件

カラム担体 (a)の操作条件1に準ずる。

カラム充てん剤 (a)の操作条件1及び2に準ずる。

カラム管 内径約三mm長さ一mのガラス管を用いる。

カラム温度 二○○℃

検出器 (a)の操作条件1に準ずる

キャリヤーガス (a)の操作条件1に準ずる。

なお、PCB計算に当っては定量操作に用いた標準品中のビフェニル含量にもとづく係数を使用する。

3 PCB標準品の調製とその選択

標準品としては、例えば左記のものが考えられる。

標準品例

二塩化ビフェニル(工業製品)

三塩化ビフェニル(  〃 )

四塩化ビフェニル(  〃 )

五塩化ビフェニル(  〃 )

六塩化ビフェニル(  〃 )

三塩化ビフェニル(工業製品)十五塩化ビフェニル(工業製品)の1:1及び2:1の混合物。

なお、これまでの報告によれば、容器包装中のPCBは三塩化ビフェニルのガスクロマトグラムパターンに合うものが多いといわれている。

4 分析値の整理

食品の場合に準ずる。