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○「かき氷」の衛生保持について
(昭和二六年六月一三日)
(発衛第一〇二号)
(各都道府県知事あて厚生事務次官通知)
昨年から本年にかけて急激に赤痢患者発生数が増加しつつあり、夏季を控えて誠に憂慮にたえない状態である。これがため食品衛生の立場においては、氷菓子、冷菓、乳菓等に対する指導、取締の徹底を図る等、夏季における飲食に起因する衛生上の危害発生防止について既に種々御配慮を煩わして来たところであるが、なお、夏季において国民大衆に飲食される機会の多い「かき氷」は保健衛生上公衆に及ぼす影響が甚だ大きいにもかかわらず、その指導取締方法が必ずしも満足すべきものとはいえない状況である。ついてはこれが施設、原材料、製造及び取扱方法等につき食品衛生法に基き指導及び取締を徹底するは勿論、特に左記事項に合致するよう、業者の指導を行い、製品の衛生保持に遺憾のないようにされたい。
記
1 かき氷とは、飲用に供するため氷を削ったもの又はこれに調味料、着色料、あん類、清涼飲料水、保存飲料水等を加えたもので氷を主体としたもの(圧さく等の簡単な操作を施したものを含む。)をいうこと。
2 かき氷の融解水一立方センチメートル中の細菌数は、食品衛生試験法の「氷菓子の細菌数(生菌数)の測定法」によって、一、○○○以下とすること。
3 かき氷の融解水一立方センチメートル中には、食品衛生試験法の「氷菓子の大腸菌群検査法」によって大腸菌群が検出されないこと。
4 原材料の氷は、氷雪の成分規格に合格するものであること。
5 原材料の氷、たねもの等は、使用の場合を除いて常時有蓋の容器に貯蔵すること。
6 氷かきに用いる器具は、使用に当り、飲食に適する流水で十分洗うこと。
7 氷かきに用いる氷を「削り器械」に取りつける際には、飲用適の流水で手指並びに氷を十分に洗うこと。
8 かき氷を入れる容器並びにさじは、使用に際して飲用適の流水で十分に洗じょうし、煮沸消毒するか又はこれと同等の効力を有する方法で消毒すること。
9 かき氷は、容器に盛り、かつ、さじを添えること。
なお、圧さく等の操作を施したものにあっては、可食部に直接手指の接触しないように適当な材料で作った柄をつけるか、又は衛生的で、かつ、不しん透性の紙を以って包装すること。