添付一覧
○食品、添加物等の規格基準の一部改正について
(平成六年一二月二六日)
(衛食第二一二号)
(各都道府県知事・各政令市市長・各特別区区長あて厚生省生活衛生局長通知)
食品、添加物等の規格基準(昭和三四年一二月厚生省告示第三七〇号。以下「告示」という。)の一部が平成六年一二月二六日厚生省告示第三九二号をもって改正されたので、左記の事項に留意の上、その運用に遺憾のないようにされたい。
記
第一 改正の趣旨
(1) ミネラルウォーター類の製造基準において、原水は、飲用適の水でなければならないこととされ、原則として他の食品の製造等に用いられる水と同一の基準を用いてきたところであるが、近年のミネラルウォーター類の消費の増大、多様なミネラルウォーター類の輸入申請の増大等を勘案し、FAO/WHOの合同食品規格委員会のヨーロッパ地域食品規格を参考として、ミネラルウォーター類の原水の基準を一部改めたこと。
(2) 氷菓の原水の基準について、告示に規定する他の食品の原水の基準との整合化を図ったこと。
第二 改正の要点
1 ミネラルウォーター類の製造基準について
(1) ミネラルウォーター類の原水の基準について次のような改正が行われたこと。
① セレン、バリウム、ホウ素及び硫化物について新たに基準が設定されたこと。
② 鉛、フッ素、亜鉛、マンガン及び有機物等について、基準が改正されたこと。
③ 塩素イオン、鉄、蒸発残留物、臭気、味、色度及び濁度については、基準が廃止されたこと。
(2) なお、水道法に規定する水道事業の用に供する水道等により供給される水については、従前のとおりであること。
2 氷菓の製造基準及び保存基準について
氷菓の製造に用いる原水は、飲用適の水でなければならないとされたこと。
第三 施行期日
1 一般細菌、大腸菌群、カドミウム、水銀、ヒ素、六価クロム、シアン、硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素、フッ素、亜鉛、銅、マンガン及び有機物等の項の規定は、公布の日から適用することとされたこと。
2 セレン、バリウム、ホウ素及び硫化物の項の規定は、平成七年六月二六日から適用することとされたこと。
3 鉛の項の規定は、平成七年六月二六日までの間においては、従前の例(〇・一mg/l)によることとされたこと。
4 改正後の氷菓の製造基準及び保存基準は、公布の日から適用することとされたこと。
5 公布の日までに製造され、若しくは輸入されたミネラルウォーター類又は氷菓の原水については、この告示による改正後の規定にかかわらず、なお、従前の例によることとされたこと。
第四 運用上の注意
1 ミネラルウォーター類について
試験法については、表の第三欄に検査方法の名称を掲げたが、これらは基本的に水道水質基準における検査方法と同じであり、その詳細は、平成四年一二月二一日衛水第二六四号「水道水質に関する基準の制定について」の別表1を参照すること。
ただし、大腸菌群については、乳糖ブイヨン―ブリリアントグリーン乳糖胆汁ブイヨン培地法によること。
また、バリウム、ホウ素及び硫化物については、別紙によること。
2 氷菓について
氷菓の製造に用いる原水は、「飲用適の水」とされたが、これは告示に規定する清涼飲料水の製造基準における「飲用適の水」の定義に準ずるものであること。
(別紙)
バリウムの検査方法
Ⅰ フレームレス―原子吸光光度法
1 試薬
(1) 精製水(金属測定用精製水)
非金属性蒸留装置又はイオン交換装置を通した後、約0.2μmのフィルターを通し、微粒子を除く。
(2) 硝酸(金属測定用)
(3) バリウム標準溶液(0.01mg Ba/ml)
硝酸バリウム(Ba(NO^3)^2)1.903gをメスフラスコ1リットルに採り、少量の硝酸(1+1)に溶かし、さらに硝酸(1+160)を加えて1リットルとし保存溶液とする。保存溶液は、冷暗所に保存し、用時、保存溶液を精製水で100倍に希釈する。
(4) キャリアガス
アルゴンガス又は窒素ガス(純度99.99v/v%以上)。
2 器具及び装置
(1) マイクロピペット(10μl)
(2) フレームレス―原子吸光光度計
光源部、試料原子化部、分光部及び測光部で構成され、バックグラウンド補正機能があり、バリウム中空陰極ランプを備える。
3 試料の採取及び保存
試料は、硝酸及び精製水で洗浄したガラスビン又はポリエチレンビンに採取する。試料1リットルにつき硝酸10mlを加え、冷暗所に保存し、1か月以内に検査する。
4 試験操作
(1) 前処理
試料101ml(硝酸1ml含有)をビーカーに採り、沸騰しない程度に加熱濃縮する。液量が約10mlになったら加熱をやめ、冷後、メスフラスコ200mlに移し、ビーカーは精製水で洗い、洗液もメスフラスコに合わせ、硝酸1ml及び精製水を加えて200mlとして検液とする。
(2) 分析
検液10μlをマイクロピペットを用いてフレームレス―原子吸光光度計に注入し、波長553.6nmで吸光度を測定する。
5 検量線の作成
バリウム標準溶液0、1、3、5、7、10mlを各々メスフラスコ100mlに採り、各々に硝酸1ml及び精製水を加えて100mlとする。以下4―(2)と同様に操作して吸光度を測定し、バリウム濃度(mg/l)と吸光度との関係を求める。
6 濃度計算
4―(2)で求めた検液の吸光度と、5の検量線より、検液のバリウム濃度(mg/l)を求め、次式によって試料のバリウム濃度(mg/l)算出する。
試料中Ba濃度(mg/l)=検液中Ba濃度(mg/l)×20(試料の希釈率)
Ⅱ ICP発光分光分析法
1 試薬
(1) 精製水(金属測定用精製水)
Ⅰ―1―(1)に同じ。
(2) 塩酸(金属測定用)
(3) 硝酸(金属測定用)
(4) バリウム標準溶液(0.01mgBa/ml)
Ⅰ―1―(3)に同じ。
(5) 内部標準溶液(0.01mgY/ml)
酸化イットリウム(Y^2O^3)0.318gをビーカーに採り、塩酸3mlと少量の精製水を加えて加熱溶解し、冷後、メスフラスコ250mlに移し、精製水を加えて250mlとして保存溶液とする。保存溶液は、冷暗所に保存し、用時、保存溶液を精製水で100倍に希釈する。
(6) キャリアガス
アルゴンガス(純度99.99v/v%以上)。
2 器具及び装置
(1) ICP発光分光分析装置
ICP光源部、試料導入部、分光部、測光部及びコンピュータ部で構成され、バックグラウンド補正機能を備える。
3 試料の採取及び保存
Ⅰ―3に同じ。
4 試験操作
(1) 前処理
試料101ml(硝酸1ml含有)をビーカーに採り、内部標準溶液20mlを加え、沸騰しない程度に加熱濃縮する。液量が約10mlになったら加熱をやめ、冷後、メスフラスコ200mlに移し、ビーカーは精製水で洗い、洗液もメスフラスコに合わせ、硝酸1ml及び精製水を加えて200mlとして検液とする。
(2) 分析
検液をICP発光分光分析装置に導入し、波長233.527nm(バリウム)及び371.029nm(イットリウム)の発光強度を測定し、イットリウムに対するバリウムの発光強度比を求める。
5 検量線の作成
バリウム標準溶液0、1、3、5、7、10mlを各々メスフラスコ100mlに採り、各々に硝酸1ml、内部標準溶液1ml及び精製水を加えて100mlとする。以下4―(2)と同様に操作してバリウムとイットリウムの発光強度を測定し、イットリウムに対するバリウムの発光強度比を求め、バリウム濃度(mg/l)と発光強度比との関係を求める。
6 濃度計算
4―(2)で求めた検液の発光強度比と、5の検量線より、検液のバリウム濃度(mg/l)を求め、次式によって試料のバリウム濃度(mg/l)を算出する。
試料中Ba濃度(mg/l)=検液中Ba濃度(mg/l)×20(試料の希釈率)
ホウ素の検査方法
Ⅰ ICP発光分光分析法
1 試薬
(1) 精製水(金属測定用精製水)
非金属性蒸留装置又はイオン交換装置を通した後、約0.2μmのフィルターを通し、微粒子を除く。
(2) 塩酸(金属測定用)
(3) 硝酸(金属測定用)
(4) ホウ素標準溶液(0.1mg H^3BO^3/ml)
ホウ酸(H^3BO^3)1.000gをメスフラスコ1リットルに採り、精製水に溶かして1リットルとし保存溶液とする。保存溶液は、ポリエチレンビンに移して冷暗所に保存し、用時、保存溶液を精製水で10倍に希釈する。
(5) 内部標準溶液(0.0005mg Y/ml)
酸化イットリウム(Y^2O^3)0.318gをビーカーに採り、塩酸3mlと少量の精製水を加えて加熱溶解し、冷後、メスフラスコ250mlに移し、精製水を加えて250mlとして保存溶液とする。保存溶液は、冷暗所に保存し、用時、保存溶液を精製水で100倍、さらに20倍、計2,000倍に希釈する。
(6) キャリアガス
アルゴンガス(純度99.99v/v%以上)。
2 器具及び装置
(1) ICP発光分光分析装置
ICP光源部、試料導入部、分光部、測光部及びコンピュータ部で構成され、バックグラウンド補正機能を備える。
3 試料の採取及び保存
試料は、硝酸及び精製水で洗浄したポリエチレンビンに採取する。
4 試験操作
(1) 前処理
試料100mlを、石英又はポリテトラフルオロエチレン製ビーカーに採り、硝酸1ml及び内部標準液50mlを加え、沸騰しない程度に加熱濃縮する。液量が約10mlになったら加熱をやめ、冷後、メスフラスコ500mlに移し、ビーカーは精製水で洗い、洗液もメスフラスコに合わせる。硝酸4ml及び精製水を加えて500mlとし、検液とする。
(2) 分析
検液をICP発光分光分析装置に導入し、波長249.773nm(ホウ素)及び371.029nm(イットリウム)の発光強度を測定し、イットリウムに対するホウ素の発光強度比を求める。
5 検量線の作成
ホウ素標準液0、2、4、6、8、10mlを各々メスフラスコ100mlに採り、各々に硝酸1ml、内部標準溶液10ml及び精製水を加えて100mlとする。以下4―(2)と同様に操作してホウ素とイットリウム発光強度を測定し、イットリウムに対するホウ素の発光強度比を求め、ホウ素濃度(mg/l)と発光強度比との関係を求める。
6 濃度計算
4―(2)で求めた検液の発光強度比と、5の検量線より、検液のホウ素濃度(mg/l)を求め、次式によって試料のホウ素濃度(mg/l)を算出する。
試料中H^3BO^3濃度(mg/l)=検液中H^3BO^3濃度(mg/l)
×5(試料の希釈率)
Ⅱ 吸光光度法
1 試薬
(1) 精製水(金属測定用精製水)
Ⅰ―1―(1)に同じ。
(2) 石灰乳(2w/v%)
消石灰(Ca(OH)^2)2gに精製水を加えて100mlとし、乳状とする。
(3) 塩酸(金属測定用)
(4) シュウ酸溶液
シュウ酸(2水塩)((COOH)^2・2H^2O)50gをアセトン(CH^3COCH^3)450mlに溶かし、ろ過する。本溶液は2週間安定である。
(5) クルクミン溶液
クルクミン(C^21H^20O^6植物性)0.1gをエタノール(95v/v%)400mlに溶かし、ろ過して褐色ビン中に保存する。本溶液は2週間安定である。
(6) ホウ素標準溶液(0.01mg H^3BO^3/ml)
ホウ酸(H^3BO^3)1.000gをメスフラスコ1リットルに採り、精製水に溶かして1リットルとし保存溶液とする。保存溶液は、ポリエチレンビンに移して冷暗所に保存し、用時、保存溶液を精製水で100倍に希釈する。
2 器具及び装置
(1) 光電分光光度計
光源(タングステンランプ)、分光装置及び光電光度計を備える。
(2) 測定用セル
ガラス又は石英製、層長10mm。
3 試料の採取及び保存
Ⅰ―3に同じ。
4 試験操作
(1) 前処理
試料1mlを、磁製蒸発皿に採り、精製水を加えて20mlとした後、石灰乳0.5mlを加えてアルカリ性とし、蒸発乾固する。冷後、残留物に塩酸(1+3)1ml及びシュウ酸溶液5mlを加えて混和し、さらにクルクミン溶液2mlを加えて混和する。
55±3°の水浴上で蒸発乾固した後、さらに30分間、水浴上で乾燥する。冷後、残留物をアセトン25mlで抽出し、ろ過する。ろ液をメスフラスコ50mlに移し、ろ紙及び磁製蒸発皿をアセトンで洗い、洗液もメスフラスコに合わせ、アセトンを加えて50mlとし、検液とする。
(2) 分析
検液を測定用セル(光路長10mm)に採り、光電分光光度計を用いて波長540nmにおける吸光度を測定する。
5 検量線の作成
ホウ素標準液0、1、2、3、4、5mlを各々磁製蒸発皿に採り、精製水を加えて20mlとする。以下4―(1)、(2)と同様に操作して吸光度を測定し、ホウ素量(mg)と吸光度との関係を求める。
6 濃度計算
4―(2)で求めた検液の吸光度と、5の検量線より、検液のホウ素濃度(mg)を求め、次式によって試料のホウ素濃度(mg/l)を算出する。
試料中H^3BO^3濃度(mg/l)=検液中H^3BO^3量(mg)×1,000(ml)
÷1(試料量ml)
硫化物の検査方法
吸光光度法
1 試薬
(1) 精製水
(2) 水酸化ナトリウム
(3) 硫酸
(4) N,N―ジメチル―p―フェニレンジアミン溶液
N,N―ジメチル―p―フェニレンジアミン((CH^3)^2NC^6H^4NH^2)0.7gを、冷却した硫酸(1+1)100mlに少量ずつ溶かす。用時、調製する。
(5) 塩化第二鉄溶液
塩化第二鉄(6水塩)(FeCl^3・6H^2O)7.5gを精製水で溶かして100mlとする。
(6) リン酸水素二アンモニウム溶液(40w/v%(NH^4)^2HPO^4)
(NH^4)^2HPO^4400gを採り、水に溶かして1,000mlとする。
(7) 炭酸ナトリウム
(8) 無炭酸精製水
精製水を約5分間煮沸した後、放冷する。
(9) イソアミルアルコール((CH^3)^2CHCH^2CH^2OH)
(10) 16.67mmol/lヨウ素酸カリウム溶液
ヨウ素酸カリウム(KIO^3)を120~140°で1.5~2時間加熱する。硫酸デシケーター中で放冷した後、3.567gをメスフラスコ1リットルに採り、精製水に溶かして1リットルとする。
(11) ヨウ化カリウム(KI)
(12) デンプン溶液
じゃがいもデンプン1gを精製水100mlとよく混和し、熱精製水200ml中にかき混ぜながら徐々に加え、液が半透明になるまで煮沸した後、静置し、上澄液を用いる。必要以上に加熱すると、ヨウ素―デンプン反応の鋭敏度が減少する。
(13) ピロガロール溶液(6w/v%)
ピロガロール(C^6H^3(OH)^3)12w/v%溶液と水酸化カリウム60w/v%溶液を等量ずつ混和する。
(14) 水酸化カリウム
(15) 塩酸
(16) 無酸素精製水
精製水を約5分間煮沸した後、ピロガロール溶液を入れた洗気ビンを連結して放冷する。
(17) 0.1mol/lチオ硫酸ナトリウム溶液
チオ硫酸ナトリウム(Na^2S^2O^3・5H^2O)26g及び炭酸ナトリウム0.2gをメスフラスコ1リットルに採り、無炭酸精製水約800mlに溶かし、イソアミルアルコール10mlを加え、さらに無炭酸精製水を加えて1リットルとする。よく振り混ぜたのち栓をして2日間静置後、以下に従いファクターを求める。
16.67mmol/lヨウ素酸カリウム溶液25mlを共栓三角フラスコ300mlに採り、ヨウ化カリウム2g及び硫酸(1+5)5mlを加え、直ちに栓をして、静かに振り混ぜ、暗所に5分間静置した後、精製水約100mlを加え、遊離したヨウ素を上記チオ硫酸ナトリウム溶液を用いて滴定する。褐色が淡黄色に変わったときデンプン溶液数滴を加え、生じた青色が消えるまで滴定を続ける。要したチオ硫酸ナトリウム溶液の量a(ml)を求める。別に、同一条件で空試験を行い、要したチオ硫酸ナトリウム溶液の量b(ml)を求め、次式によってファクターを算出する。
ファクター(F^1)=25÷(a-b)
(18) 0.05mol/lヨウ素溶液
ヨウ化カリウム20gをビーカーに採り、精製水20mlに溶かした後、ヨウ素(I^2)約13gを加えて溶かし、精製水を加えて1リットルとする。褐色ビン中に保存する。以下に従いファクターを求める。
上記ヨウ素溶液25mlを三角フラスコ200mlに採り、ファクター(F^1)既知の0.1mol/lチオ硫酸ナトリウム溶液を用いて滴定する。褐色が淡黄色に変わったときデンプン溶液数滴を加え、生じた青色が消えるまで滴定を続ける。要したチオ硫酸ナトリウム溶液の量c(ml)を求め、次式によってファクターを算出する。
ファクター(F^2)=c×F^1÷25
(19) 硫化物標準原液(1mgS/ml)
硫酸ナトリウム(9水塩)(Na^2S・9H^2O)の結晶7.6gをビーカーに採り、少量の無酸素精製水で表面を洗い、ろ紙上で水分を除いた後、無酸素精製水に溶かして1リットルとする。冷暗所に保存し、用時、以下に従いファクターを求める。
ファクター(F^2)既知の0.05mol/lヨウ素溶液20mlを共栓三角フラスコ200mlに採り、塩酸(1+1)5mlを加えて混和する。上記硫化物標準原液20mlを加え、直ちに栓をして静かに振り混ぜ、暗所に5分間静置した後、ファクター(F^1)既知の0.1mol/lチオ硫酸ナトリウム溶液を用いて滴定する。褐色が淡黄色に変わったときデンプン溶液2mlを加え、生じた青色が消えるまで滴定を続ける。要したチオ硫酸ナトリウム溶液の量d(ml)を求め、次式によってファクターを算出する。
ファクター(F^3)=(20×F^2-d×F^1)÷20×1.603
(20) 硫化物標準液(0.001mgS/ml)
S10mg相当の硫化物標準原液(10×F^3)mlをメスフラスコ1リットルに採り、無酸素精製水を加えて1リットルとし、さらに無酸素精製水で10倍に希釈する。用時、調製する。
2 器具及び装置
(1) 光電分光光度計
光源(タングステンランプ)、分光装置及び光電光度計を備える。
(2) 測定用セル
ガラス又は石英製、層長50mm。
3 試料の採取及び保存
試料は、精製水で洗浄したガラスビン又はポリエチレンビンに、空気の混入を避けて採取し、直ちに水酸化ナトリウムを加えてpH12以上とし、速やかに検査する。
4 試験操作
(1) 前処理
試料100mlを共栓三角フラスコに採り、硫酸(1+1)2mlを加え、N、N―ジメチル―p―フェニレンジアミン溶液1mlを加えて混和し、塩化第二鉄溶液2mlを加えて、直ちに栓をして混和し、1分間静置する。リン酸水素二アンモニウム溶液3mlを加え、栓をして混和後、5分間静置し検液とする。
(2) 分析
検液を測定用セル(光路長50mm)に採り、光電分光光度計を用いて波長670nmにおける吸光度を測定する。
5 検量線作成
硫化物標準液0、1、3、5、7、10mlを各々共栓三角フラスコに採り、無酸素精製水を加えて100mlとする。以下4―(2)と同様に操作して吸光度を測定し、硫化物濃度(mg/l)と吸光度との関係を求める。
6 濃度計算
4―(2)で求めた検液の吸光度と、5の検量線より、検液の硫化物濃度(mg/l)を求める。