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○食品衛生法施行規則及び食品、添加物等の規格基準の一部改正について

(昭和四八年五月二四日)

(環食第一一〇号)

(各都道府県知事・各政令市市長あて厚生省環境衛生局長通知)

食品衛生法施行規則(昭和二三年厚生省令第二三号)及び食品、添加物等の規格基準(昭和三四年一二月厚生省告示第三七〇号)の一部がそれぞれ昭和四八年四月二八日厚生省令第二一号(以下「改正省令」という。)及び厚生省告示第九八号(以下「改正告示」という。)をもつて別添のとおり改正されたので、次の諸点に留意のうえ、その運用に遺憾のないようにされたい。

第一 改正の要旨

一 省令関係

冷凍食品のうち、製造し、又は加工した食品(食肉製品及び鯨肉製品、魚肉ねり製品並びにゆでだこを除く。)を凍結させたものについては、従来より表示することとされていた事項のほか、今回新たに、飲食に供する際に加熱を要するかどうかの別及び飲食に供する際に加熱を要するとされているものにあつては凍結させる直前に加熱されたものであるかどうかの別を表示することとされたこと。

なお、「調理し」が「製造し」に改められたのは、文言上の整理であり、意義に変更はないこと。

二 告示関係

(一) 食品について

イ 冷凍食品のうち製造し、又は加工した食品を凍結させたものの成分規格が次のように定められたこと。

(イ) 無加熱摂取冷凍食品(冷凍食品のうち製造し、又は加工した食品を凍結させたものであつて飲食に供する際に加熱を要しないとされているものをいう。)

a 細菌数(生菌数)が検体一gにつき一〇万以下であること。

b 大腸菌群が陰性であること。

(ロ) 加熱後摂取冷凍食品(冷凍食品のうち製造し、又は加工した食品を凍結させたものであつて、無加熱摂取冷凍食品以外のものをいう。以下同じ。)であつて凍結させる直前に加熱されたもの

a 細菌数(生菌数)が検体一gにつき一〇万以下であること。

b 大腸菌群が陰性であること。

(ハ) 加熱後摂取冷凍食品であつて、凍結させる直前に加熱されたもの以外のもの

a 細菌数(生菌数)が検体一gにつき三〇〇万以下であること。

b E.Coliが陰性であること。

ロ 冷凍食肉製品及び冷凍鯨肉製品、冷凍魚肉ねり製品並びに冷凍ゆでだこは、製造し、又は加工した食品を凍結させたものであつて、容器包装に入れられたものであるが、これらについては既に凍結の有無を問わず各食品ごとに規格基準が定められているので、すべてそれぞれの部分において定めるところによるものとし、今回、それぞれの部分において、冷凍させたものであつて容器包装に入れられたものについての保存基準(冷凍ゆでだこについては成分規格及び保存基準)が定められたこと。

ハ 冷凍食品の保存基準を改め、保存温度の表現をわかりやすくするとともに、生食用冷凍鮮魚介類のみならずすべての冷凍食品について清潔で衛生的な合成樹脂、アルミニウム箔等で包装して保存しなければならないこととされたこと。

ニ 細切りした食肉及び鯨肉を凍結させたものであつて容器包装に入れられたものについて保存基準が定められたこと。

ホ 食品一般の保存基準の項及び各条の項中の大腸菌群試験法等の細菌学的試験法について所要の改正が行なわれたこと。

(二) 添加物の使用基準について

イ 亜硫酸水素カリウム、亜硫酸ナトリウム(結晶)亜硫酸ナトリウム(無水)、次亜硫酸ナトリウム、無水亜硫酸及びメタ重亜硫酸カリウムについて、えびに対する二酸化イオウとしての残存量がそのむき身の一kgにつき○・一g以上にならないように使用しなければならないこととされたこと。

ロ 塩化アルミニウム(結晶)、塩化アルミニウム(無水)、アンモニウムミョウバン、ミョウバン、焼アンモニウムミョウバン及び焼ミョウバンをみそに使用することが禁止されたこと。

ハ サッカリンナトリウムを栄養改善法第一二条の規定による特殊栄養食品の許可を受けたものに限り使用できることとされたこと。

ニ ソルビン酸及びソルビン酸カリウムについて、あん類に対する使用量がその一kgにつきソルビン酸として一g以下でなければならないこととされたこと。

ホ デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム及び2―(2―フリル)―3―(5―ニトロ―2―フリル)アクリル酸アミドをあん類に使用することが禁止されたこと。

(三) 洗浄剤について

イ 成分規格が次のとおり定められたこと。

(イ) ヒ素を検出する試験を行ない、その含有の限度は○・○五ppm以下とされたこと。

(ロ) 重金属を検出する試験を行ない、その含有の限度は鉛として一ppm以下とされたこと。

(ハ) メチルアルコールを検出する試験を行ない、その含有の限度は1mg/1ml以下とされたこと。

(ニ) 脂肪酸系洗浄剤のpHは六・○~一○・五、脂肪酸系洗浄剤以外の洗浄剤のpHは六・○~八・○とされたこと。

(ホ) 酵素および漂白剤は含んではならないとされたこと。

(ヘ) 食品添加物として指定されている香料以外の化学的合成品たる香料は含んではならないとされたこと。

(ト) 食品添加物として指定されている着色料及びインダントレンブルーRS等四種類の着色料以外の化学的合成品たる着色料は含んではならないとされたこと。

ロ 使用基準が次のとおり定められたこと。

(イ) 使用時における洗浄剤の濃度が、脂肪酸系洗浄剤の場合界面活性剤として○・五%以下、脂肪酸系洗浄剤以外の洗浄剤の場合界面活性剤として○・一%以下とされたこと。

(ロ) 野菜又は果実は洗浄剤溶液に五分間以上浸漬してはならないこととされたこと。

(ハ) 洗浄後の飲食器、野菜及び果実は、飲用適の水ですすがなければならないこととするとともに、すすぐ場合の時間または回数が定められたこと。

三 施行期日

亜硫酸水素カリウム、亜硫酸ナトリウム(結晶)、亜硫酸水素ナトリウム(無水)、次亜硫酸ナトリウム、無水亜硫酸及びメタ重亜硫酸カリウム並びにソルビン酸及びソルビン酸カリウムに係る改正規定は公布の日から施行されたが、その他の改正規定は昭和四八年一一月一日から施行されること。

第二 運用上の注意

一 飲食に供する際に加熱を要するかどうかの別の表示は、名称の表示に併記し、名称の表示と同等又はそれ以上の大きさで記載するよう指導されたいこと。

二 従来、ブランチングした野菜等を凍結させたものであつて容器包装に入れられたものは、生鮮食品として冷凍食品の範囲から除外していたが、今回の改正に伴い、冷凍食品として取扱うものとすること。なお、ブランチングした食品は、改正省令及び改正告示にいう凍結させる直前に加熱されたものではないこと。

三 微生物の働きを利用して製造された食品(例えば、生地パン、納豆、ナチュラルチーズ入りパイ等)を凍結させたものであつて容器包装に入れられたものについては冷凍食品の成分規格の規定のうちの汚染の指標としての細菌数(生菌数)に係る部分は、適用しないものであること。

四 もつぱら飲食器の洗浄の用に供されることが目的とされている洗浄剤とは、自動食器洗浄機専用の洗浄剤等をいうものであること。

五 洗浄剤の成分規格中アニオン系界面活性剤の生分解度の試験法については追つて告示する予定であること。

六 洗浄剤の成分規格中の脂肪酸エステル系界面活性剤とは、ショ糖、脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等の界面活性剤をいうものであること。

七 洗浄剤の使用基準として定められた事項については、家庭用品質表示法(通商産業省所管)に基づいて表示が行なわれることとなるが、関係規定の所要の改正については、通商産業省に依頼してあるものであること。