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○食品衛生法施行令の一部を改正する政令及び食品衛生法施行規則の一部を改正する省令の施行について
(昭和四四年八月一八日)
(環食第八八三二号)
(各都道府県知事・政令市市長あて厚生省環境衛生局長通知)
食品衛生法施行令(昭和二八年政令第二二九号。以下「政令」という。)及び食品衛生法施行規則(昭和二三年厚生省令第二三号。以下「省令」という。)の一部がそれぞれ昭和四四年七月一五日政令第一九一号及び昭和四四年七月二五日厚生省令第二○号をもつて別添のとおり改正されたので、左記の事項に十分ご留意のうえ、これが運用に遺憾のないようにされたい。
記
第一 改正の経緯及び趣旨
近年における食品工業の発展に伴う新製品の出現、製造加工工程の複雑化等を背景とし、これに即応した食品衛生行政の体制整備が強く要請されている。特に消費者保護基本法の制定を契機として食品に関する消費者保護行政の強化を要望する声が一段と高まつている。昨年来消費者保護基本法の趣旨を受けて食品衛生法の改正につき検討作業を進めてきたところであるが、食品衛生法の改正については、なお検討を要する点が少なくないので、とりあえず現行食品衛生法の範囲内で関係法令の充実強化を図り、食品に関する消費者保護行政の推進に資することとしたものである。
今回はその一環として昨年西日本一帯に発生した米ぬか油中毒事件に対する対策をも考慮しつつ営業に関する規制の強化及び標示制度の充実を主眼として関係規定の整備を図つたものである。
第二 改正の要点
一 政令の一部改正
一 製品検査に関する事項
(一) 従前、厚生大臣が行なうべきものとされていた希釈過酸化ベンゾイル及びサッカリンナトリウムの製品検査を都道府県知事が行なうこととし、その検査手数料の最高額を三、五○○円としたこと。
(二) サッカリンナトリウム及びタール色素の製剤については、そのすべてを製品検査の対象とすることとし、硫酸カルシウムの製剤については、硫酸カルシウムの含有量が五○パーセントをこえるものを製品検査の対象とすることとし、その対象を明確にしたこと。
(三) 製品検査に関する改正は昭和四五年一月一日から施行すること。
ただし、今回の改正で新たに製品検査の対象にすることとしたサッカリンナトリウム又はタール色素の製剤のうちサッカリンナトリウム又はタール色素を主要成分としない製品であつて、昭和四四年一二月三一日までに製造されたものについては、昭和四五年六月三○日までは製品検査を行なうべき添加物としないこととしたこと。
二 食品衛生管理者に関する事項
(一) 営業者の自主的な衛生管理体制の強化を図るため、食品衛生管理者の管理のもとで製造又は加工を行なわなければならない食品又は添加物として、魚肉ハム、魚肉ソーセージ、食用油脂(脱色又は脱臭の過程を経て製造されるものに限る。)、マーガリン、ショートニング及び食品衛生法(以下「法」という。)第七条第一項の規定により規格が定められた添加物であつて化学的合成品以外のものを追加したこと。
(二) 食品衛生管理者に関する改正は、昭和四五年四月一日から施行すること。
三 営業に関する事項
(一) 都道府県知事が施設基準を定めるべき営業として新たに食用油脂製造業、そうざい製造業及び添加物製造業を指定したこと。
(二) 新たに指定された業種の営業許可等の権限を都道府県知事に所管させることとしこれらの営業の許可申請手数料の最高額をいずれも三、○○○円としたこと、またこれら業種の営業施設についての監視又は指導の回数の基準を年六回としたこと。
(三) そうざい製造業の指定に伴い、従来指定されていた煮豆又はつくだ煮製造業は、そうざい製造業に吸収することとするとともに、弁当を製造する営業(弁当屋)は飲食店営業に含まれる旨を明確にしたこと。また食用油脂製造業の指定に伴いショートニング製造業を許可営業とすることとし、従来のマーガリン製造業をマーガリン又はショートニング製造業に改めたこと。
(四) 従来指定されていた氷雪採取業を削除したこと。
(五) 営業に関する事項の改正は、昭和四五年一月一日から施行すること。
二 省令の一部改正
一 標示に関する事項
(一) 容器包装に入れられた加工食品について、名称、製造所所在地、製造者氏名及び別表第五の添加物を含む旨を標示することを義務づけたこと。ただし、容器包装の面積が狭いためこれらの事項を明りように記載できないものとして厚生大臣が定める食品については、その標示を省略することができることとしたこと。
(二) 次の食品に製造年月日の標示を義務づけたこと。
ア 冷凍食品(調理し、又は加工した食品を容器包装に入れて凍結させたものに限る。)
イ 即席めん類
ウ 容器包装に入れられた生めん類(ゆでめん類を含む。)、調理パン及び魚肉ねり製品(魚肉ハム、魚肉ソーセージ及び鯨肉ベーコンの類を除く。)
エ かん詰の清涼飲料水(ただし、略号による標示も認める。)
(三) ハム、ソーセージ及びベーコンの類であつてかん詰、びん詰、たる詰又はつぼ詰のものについて製造年月日の略号による標示を認めることとし、魚肉ハム、魚肉ソーセージ及び鯨肉ベーコンの類であつてかん詰、びん詰、たる詰又はつぼ詰のもの以外のものについては製造年月日の略号による標示は認めないこととしたこと。
(四) 化学的合成品たる添加物について、規格基準の定められていないものも標示を要することとしたこと。
(五) 漂白剤(六品目)、酸化防止剤(九品目)及び発色剤(二品目)を別表第五(食品に含まれる場合その旨の標示すべき添加物)に追加したこと。
(六) 標示は、容器包装(容器包装が小売のために包装されている場合は、当該包装)を開かないでも容易に見ることができるように容器包装又は包装の見やすい場所に邦文をもつて、当該食品又は添加物を一般に購入し、又は使用する者が読みやすく、理解しやすいような用語により正確に行なわなければならないこととしたこと。
(七) 標示に関する事項の改正は、公布の日(昭和四四年七月二五日)から施行すること。ただし、昭和四五年六月三○日までに製造され、加工され、又は輸入される食品及び添加物に係る標示については、従前の例によることができることとしたこと。
二 製品検査に関する事項
(一) 政令の改正に伴い関係条文の整理を行なつたこと。
(二) 製品検査に関する事項の改正の施行日は、政令の施行とあわせ昭和四五年一月一日としたこと。
三 食中毒事件票に関する事項
(一) 統計業務の迅速化を図るため食中毒事件票の様式を改めたこと。
(二) 食中毒事件票に関する事項の改正は、昭和四五年一月一日から施行すること。
第三 運用上の注意
一 政令関係
一 製品検査について
(一) 希釈過酸化ベンゾイル及びサッカリンナトリウムの製品検査は、昭和四五年一月一日から都道府県知事が行なうこととなるが、それまでの間に検査体制の整備、関係営業者の指導等を行なうことにより円滑に検査業務の運営がなされるようにされたいこと。
(二) サッカリンナトリウム又はタール色素の製剤のうち、従来サッカリンナトリウム又はタール色素を主要成分としない製剤として製品検査を要しないものとされていた製剤については、昭和四四年一二月三一日以前に製造されるものにあつては昭和四五年七月一日以後、昭和四五年一月一日以後に製造されるものにあつては同日より製品検査を受けなければならないこととされたので関係営業者に趣旨の徹底を図られたいこと。
なお、ここにいう製剤とはそのもの本来の目的用途(サッカリンナトリウムの場合は食品に甘味を与え、タール色素の場合は食品を着色する)のために使用上便利なようにその実在状態を変えたものであること。
(三) 硫酸カルシウム製剤のうち、硫酸カルシウム五○パーセント以下を含有するものは製品検査の対象としないこととされたのは、このような製剤は通常イーストフードとして用いられるものであつて低品質のものも少なく、全製品について検査を実施する必要性はないものと判断したためであるが、これについても成分規格は当然適用されるのでその品質が低下することのないよう営業者を指導されたいこと。
二 食品衛生管理者について
(一) 関係営業者の食品衛生管理者を設置する義務は昭和四五年四月一日から生ずることとなるので貴管下の該当営業者に対し、その旨周知徹底を図られたいこと。
(二) 法第一九条の二第四項第四号に基づく資格者の養成のための講習会については、厚生大臣の指定が行なわれ次第通知する予定であること。
(三) 食用油脂については、その製造又は加工の過程が複雑で特に衛生上の配慮を必要とする脱色又は脱臭の過程を経て製造されるものの製造又は加工を行なう営業施設についてのみ食品衛生管理者の設置を義務づけることとされたこと。従つてこれらの過程を経ない食用油脂の製造又は加工を行なう営業施設は営業許可の対象とはなるが食品衛生管理者を置く必要はないこと。
(四) 今回の改正により法文上化学的合成品たる添加物のうち規格が定められていないものの製造又は加工を行なう施設には、食品衛生管理者の設置義務がなくなつたが化学的合成品たる添加物については今後極力規格を定めていく方針であること。
三 許可営業について
(一) 今回新たに許可営業とされた営業については、すみやかに営業施設基準の設定、営業許可手数料額の決定等所要の規定の整備を図り、昭和四五年一月一日から円滑に許可業務が実施されるよう配慮願いたいこと。なお、施設基準の設定にあたつては、別添施設基準準則〔別添(二)~(四)〕を参照されたいこと。
(二) 食用油脂製造業
ここにいう食用油脂には動物性、植物性の別を問わず、すべて食用油脂が含まれること。従つて獣肉、魚介類又は鳥類の肉、皮、骨、臓器等を原料として、食用油脂を製造する施設は、食用油脂の製造の許可を受けなければならないこと。なお食用油脂製造業と同時に飼料、肥料、工業用油脂等の製造を行なう場合には、当然へい獣処理場等に関する法律(昭和二三年法律第一四○号)による許可を要するものであるが、その施設と食用油脂製造用の施設とは、区別すること。
(三) そうざい製造業
ア ここにいうそうざいには、煮物(つくだ煮、煮しめ、甘露煮、湯煮等)、焼物(いため物、串焼、網焼、ホイル焼等)、揚物(空揚、衣揚等)、蒸し物(しゆうまい、茶わん蒸等)、酢の物及びあえ物(胡麻あえ、サラダ等)で通常副食物としてそのまま摂食されるものは、すべて含まれるが、そうざいの原料及び中間製品並びに通常副食物として供されることのない珍味等は含まれないこと。
イ そうざい製造業には漬物製造業は含まれないこと。
ウ かん詰又はびん詰のそうざいを製造する営業は今後そうざい製造業の許可を要すること。
(四) 添加物製造業
添加物製造業とは、法第七条第一項の規定により規格が定められた添加物の製造又は加工(小分けを含む)を行なう営業をいうものであること。
(五) 今回の改正により弁当屋が飲食店営業に含まれる旨が明記されたが、ここにいう弁当屋とは駅弁、調理パン、サンドイッチ弁当等を調整する営業をいうものであること。
(六) 氷雪採取業は、近年施設数も減少し、国民の食生活に及ぼす影響も少なくなつているので、許可営業の対象から削除することとしたが、今後も営業者を十分指導監督し、衛生水準が低下することのないようにされたいこと。
(七) 改正前の許可営業のうち、今回の改正により、分離独立したもの(かん詰又はびん詰の食用油脂製造業又はそうざい製造業)及び名称を変更したもの(煮豆又はつくだ煮製造業及びマーガリン製造業)を昭和四五年一月一日以後において営業する者については、本年一二月三一日までに受けた許可が有効な期間は、従前の業種区分による許可で差し支えなく、昭和四五年一月一日以後許可を更新する者又は新規に営業許可を受ける者については、改正後の営業許可の業種区分によること。
(八) 従前条例により、許可営業とされていた営業で今回の改正により新たに許可営業とされたものを含む営業者は、従前の条例とは別個に食品衛生法による許可を受けなければならないので、所要の手続が円滑に行なわれるよう配慮されたいこと。
二 省令関係
一 容器包装に入れられた加工食品は、すべて標示を要する食品とされたが、この加工食品のうちには、細切、乾燥等簡易な調理、加工のみが施された食品は含まないこと。したがつてたとえば次に掲げる食品には標示義務はないこと。
さしみ等
塩干、塩蔵魚介類(軽度の撒塩、合塩等をしたもので、生鮮または生干しのもの)
乾燥した野菜、果実、魚介類および海そう類
冷凍した魚介類および果実等
二 容器包装の面積が狭いため標示を省略することができる食品としては、ばら売りすることを目的として製造される菓子類等が定められる予定であること。
三 添加物を含む旨の標示は次によられたいこと。
イ 当該食品の製造業者自身が用いた添加物については標示すること。
ロ 当該食品の製造業者が他から譲り受けて用いた原料であつて、そのものが当該食品の主要原材料である場合は、その原料に含まれている添加物についても標示すること。
四 標示は一般の購入者又は使用者が読みやすいように行なわなければならないが、添加物の標示はややもすれば非常に小さな活字を用いるため実効が上らないうらみがあるので、原則として六号活字以上の大きさの活字で行なわせることとし、面積が狭いためどうしてもこの活字で標示ができない場合であつても、少なくとも七号活字以上の大きさの活字で行なわれるよう指導されたいこと。
五 「冷凍食品」には、果物、生鮮野菜、生鮮魚介類及び食肉並びにこれらを細切したものを凍結させたもの及びアイスクリーム類は含まないこと。
「即席めん類」には、インスタントラーメン、インスタントヤキソバ等農林物資規格法による即席一号めん及び即席二号めんが含まれること。
「生めん類(ゆでめん類を含む)」には、生めん、ゆでめんのほか、これらと同様の状態にしたマカロニ、スパゲティ、ヌードル及びバーミセリー等を含むものであること。
「調理パン」とは、サラダ、ハム、カツ、コロッケ等の副食物をパンにはさみ込みそのまま摂食できるようにしたものをいうこと。
六 従来、つくだ煮は、保存性が比較的高いそうざい類似品として製造年月日の省略を認めていたところであるが今後はそうざいとして標示を要する食品とするものであること。
七 標示が義務づけられることとなつた「化学的合成品たる添加物のうち規格基準の定められていないもの」は、具体的には、アンモニア、グルコン酸、次亜塩素酸、二酸化炭素、ノルビキシンカリウム、ノルビキシンナトリウム、ビタミンA、ピロリン酸第一鉄、同第二鉄であること。
八 容器包装のうえさらに、小売のための包装が行なわれている場合は、当該包装に標示を行なえば良いこととされたが、これは今回の改正により容器包装に入れられた加工食品すべてに標示が義務づけられたこともあり、従前のように容器包装及び包装に二重に標示を行なうことを義務づけることは、現実的でなく、また改正後の規制によつても十分標示の目的は達せられると判断したためであること。
九 昭和四五年六月三○日までに製造され、加工され又は輸入される食品及び添加物については、従来の例による標示も認めることとしているが、できる限り速やかに改正後の規定に適合する標示が行なわれるよう関係者を指導されたいこと。
一○ なお改正後の標示義務食品及び標示事項を一覧表に整理すると別添〔(一)〕のとおりであるので参考にされたいこと。
三 その他
一 厚生省報告例及び保健所運営報告に係る関連部分の改正は、別途行なわれる予定であること。
二 地方公共団体手数料令に基づく食品衛生関係の手数料についてはその額の適否について近く実態調査等を行ないその額を必要に応じ改訂する予定であること。
別添(1)略
別添(2)略
別添(3)略
別添(4)略
