添付一覧
○食品衛生法施行規則及び乳及び乳製品の成分規格等に関する省令の一部改正について
(昭和三六年七月二二日)
(環発第八四号)
(各都道府県知事・各政令市市長あて厚生省環境衛生局長通知)
注 平成七年一〇月一二日衛食第一八六号による改正現在
食品衛生法施行規則(昭和二三年厚生省令第二三号。以下「規則」という。)、食品、添加物等の規格基準(昭和三四年一二月厚生省告示第三七〇号。以下「規格基準」という。)の一部がそれぞれ昭和三六年六月一日厚生省令第二三号及び厚生省告示第一七五号をもつて、乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(昭和二六年厚生省令第五二号。以下「乳等省令」という。)が昭和三六年六月二八日厚生省令第二九号をもつて別紙のとおり改正されたので、次の諸点に御留意の上、これが運営に遺憾のないようにされたく、通達する。
〔別紙〕
記
第一 改正の要旨
A 規則関係
一 食品衛生法(以下「法」という。)第五条第二項の規定に基づき、食肉の輸入の際添付される輸出国の政府機関の発行する証明書の記載事項のうち、荷受人又は借送人が法人の場合の法人の代表者の氏名の記載は、これを省略することとしたこと。
二 法第一一条第一項の規定に基づき、公衆衛生の見地から食品及び添加物の標示基準を次のように改めたこと。
イ 食品及び添加物のうち規則別表第三に掲げる標示を必要とするものは、必ず「名称」を標示することとし、「商品名」のみを標示しているものはこの標示の基準に適合した標示とはみなさないこととしたこと。
ロ 輸入品であつて、製造年月日のわからないものにあつては、製造年月日の標示にかえて輸入年月日の標示および輸入年月日である旨の標示を行えばよいこととしたこと。
ハ 化学的合成品のうち、ビタミンAの誘導体及びその製剤にあつては、その成分及びビタミンAとしての重量パーセントの標示を要することとしたこと。
ニ 酒精飲料について、容量包装の如何を問わず、規則別表第五に掲げる添加物を含むものは、それぞれ規則別表第五の当該添加物又は同表当該下欄に掲げる事項を含む旨の標示を要することとしたこと。
ホ 保存基準の定められた添加物にあつては、保存基準に合う保存方法を標示することを要することとしたこと。
ヘ 標示を要する食品であつて、使用基準又は保存基準が定められたものは、その使用基準又は保存基準に合う使用方法又は保存方法を標示することを要することとしたこと。
ト タール色素の製剤について、「混合」「希釈」の区分による標示を廃し、「製剤」の文字を冠した実効の色名を標示することとしたこと。
チ かん詰食品にあつては、主要な原材料名の標示を要することとしたこと。
リ 略
三 法第一四条第二項の規定に基づき、製品検査の申請の際の申請書に食品衛生管理者の氏名を記載するように追加し、希釈過酸化ベンゾイルの検査単位量を二〇〇キログラムから一〇〇〇キログラムに引き上げたこと。
四 法第一六条の二の規定に基づき、食品等の輸入の際に要する食品等の輸入届書の記載事項中、届出者の氏名及び住所について、法人の場合にはその名称、所在地のみを記載すればよいこととし、代表者の氏名は記載を要しないこととしたこと。
五 法第二一条第二項の規定に基づき、現に営業許可を受けている者が、引続き同一の営業許可を受けようとする場合の申請書の必要記載事項中に現に受けている営業許可の許可年月日を追加したこと。
六 標示の基準において定められた製造所固有の記号を届け出る際、指定都市の管轄する区域内に当該製造所が存する場合は、その指定都市の市長を経由して厚生大臣に固有の記号を届け出るようにしたこと。
七 前記1の改正に関連して食品等輸入届書の様式を同様に改正するとともに、様式の大きさをB列四判からB列五判に改めたこと。
八 法第六条の規定に基づき、新たに人の健康をそこなうおそれのない化学的合成品たる添加物として、次の一二品目を追加指定したこと。
L―アスパラギン酸ナトリウム、L―イソロイシン、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、塩化アルミニウム(結晶)、カゼインナトリウム、5′―グアニル酸ナトリウム、コリンリン酸塩、サイクラミン酸カルシウム、サツカリン、L―バリン、L―リジンL―アスパラギン酸塩
これらの添加物のうち、塩化アルミニウム(結晶)はみその変色防止及び酒の清澄剤として、L―イソロイシン及びL―バリンはアミノ酸の食品強化剤として、L―アスパラギン酸ナトリウム及び5′―グアニル酸ナトリウムは食品調味として、カゼインナトリウムは食品の乳化安定剤として、コリンリン酸塩は合成清酒の調味料として、サイクラミン酸カルシウムは食品の甘味料として、サツカリンはチユーインガムの甘味料として、L―リジンL―アスパラギン酸塩は調味並びに強化剤として使用されるものであり、エリソルビン酸及びエリソルビン酸ナトリウムは食品の酸化防止剤として使用されるものである。
九 名称を化学的に統一するため脂肪酸プロピレングリコールエステルをプロピレングリコール脂肪酸エステルに改めたこと。
B 乳等省令関係
一 規則の改正と同様に製造所固有の記号を届け出る際、指定都市の管轄する区域内に当該製造所が存する場合は、その指定都市の市長を経由して厚生大臣に固有の記号を届け出るようにしたこと。
二 はつ酵乳及び乳酸菌飲料の成分規格に乳酸菌数又は酵母数の規格を設け、はつ酵乳については一cc当り一○○○万個以上、乳酸菌飲料については一○○万個以上としたこと。
三 廃止
C 規格基準関係
一 略
二 コツプ販売式自動販売機の規格及びこの中に収められる清涼飲料水の製造基準及び保存基準並びにこれらの運搬器具の規格を設けたこと。
三 氷雪の成分規格のうちクロールイオンの含有量を二ppm以下から三○ppm以下に改め都道府県知事又は指定都市市長の例外承認の規定を削除したこと。
四 略
五 法第七条第一項の規定に基づいて今回新たに指定された一二品目に関する規格基準を定めたこと。また、これに伴つて試薬、試液、容量分析用標準溶液、標準溶液、標準品、ロ紙、ガラスロ過器、フルイおよび付表の項に追加があつたこと。
六 従来から法第三条の規定に基づき、人の健康を害う虞のないものとして指定されていたプロピレングリコール脂肪酸エステル及びクエン酸カルシウムについて法第七条第一項の規定に基づき公衆衛生の見地から成分規格を定めたこと。
七 従来、食品添加物として使用されていた天然物の中、カゼイン及び大豆リン脂質は品質の劣つたものが多量に工業用として使用されているので、工業用と区分するため成分規格を設けて食品添加物の品質を確保したこと。
八 従来、法第六条の規定に基づき、人の健康を害う虞のないものとして指定されていたビタミンA^1及びビタミンA^1脂肪酸エステルについては、単品についてもその製剤についても成分規格が定められていなかつたが、今回市販されている形態であるこれらの製剤、ビタミンA油、粉末ビタミンA及び油性ビタミンA脂肪酸エステルについて成分規格を定めたこと。なお、天然品であるビタミンAの製剤についてもこの成分規格が適用されるものである。
九 法第六条の規定に基づいて今回新たに指定された化学的合成品たる添加物のうち、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、塩化アルミニウム(結晶)、コリンリン酸塩及びサツカリンの五品目につき使用基準が設けられたこと。
このうち、エリソルビン酸及びエリソルビン酸ナトリウムはL―アスコルビン酸及びL―アスコルビン酸ナトリウムの立体異性体で化学的な性質が類似しているが、L―アスコルビン酸としての栄養効果は期待しえないものであるので、特にL―アスコルビン酸補給源と考えられる食品には使用を禁止する目的で使用基準を設けたものである。サツカリンはサツカリンナトリウムと異なり水に対する溶解度が小さいので、持続性の甘味を要求するチユーインガムにのみ使用を許したものであること。
一○ 従来法第七条の規定に基づき、公衆衛生の見地から使用基準の定められていた添加物のうち、次の一○品目の使用基準の一部を改めたこと。
イ 亜硫酸カリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム(結晶)、亜硫酸ナトリウム(無水)、次亜硫酸ナトリウム、無水亜硫酸及びメタ重硫酸カリウムはほしパイナツプル一キログラムにつき、○・五○グラム以上亜硫酸が残存しないよう使用できるよう改めたこと。
ロ 酢酸エチルを、柿の脱渋用のアルコール又は脱渋剤製造に使用するアルコールの変性用として使用できるように改めたこと。
ハ・ニ 略
一一 従来法第七条の規定に基づき、公衆衛生の見地から成分規格の定められていた添加物のうち、L―アスコルビン酸等一一品目につき成分規格の一部を次の理由で改め、また、これに伴つて試薬、試液、容量分析用標準溶液、標準溶液、標準品、ロ紙、ガラスロ過器、フルイおよび付表の項の一部を改めたこと。
イ L―アスコルビン酸及びL―アスコルビン酸ナトリウムの確認試験に今回新たに指定されたエリソルビン酸及びエリソルビン酸ナトリウムと区別するための確認試験を追加したこと。
ロ 略
ハ β―カロチン定量法中「二・四五○」は印刷上の誤りであつたので「二、四五○」に改めたこと。
ニ グリセリン脂肪酸エステル、シヨ糖脂肪酸エステル及びソルビタン脂肪酸エステルの純度試験中ヒ素の試験法はアルカリ性で煮沸すると容器よりヒ素が溶出して限度に影響することがあるので、石英製または磁製の容器を使用するよう改めたこと。
ホ サツカリンナトリウムの純度試験(2)遊離酸及び遊離アルカリ中、水溶液で試験をすることとなつているが、空気中の炭酸ガスを含有する場合は異なつた結果を示すことがあるので新たに煮沸し冷却した水を使用するように改めたこと。
ヘ 略
ト L―リジンL―グルタミン酸塩の確認試験(2)中、酢酸を展開溶媒の一成分として使用するよりも「氷酢酸」を使用した方が分離の判定がよりよいので氷酢酸に改めたこと。
一二 添加物一般の試験法中の色素試験法の5、重金属中クロムの試験法は従来のアルカリ性酸化法ではマグネシウム等のイオンの混在する場合は試験に支障を来たすので、検討の結果酸性酸化法に改めたこと。
一三 その他着香料試験法中文章上の不備を整備したこと。
第二 運用上の注意
一 輸入食品等について
イ 輸入食品等についての証明書及び届け書については、各港の駐在官あてに別途通知する。
ロ 削除
ハ 製品検査の申請の場合、輸入業者が申請する場合、食品衛生管理者の欄は「なし」と記入させること。
二 食品等の標示について
名称及びかん詰食品の主要原材料名の標示は、他省等とも関連があるので十分調整のうえ別途通知する。
三 製品検査について
製品検査の申請書に食品衛生管理者の氏名を記載することについては、単に食品衛生管理者の氏名を記載させるだけでなく、製品検査制度の円滑な運営を図るため、食品衛生管理者をして製品検査申請書記載事項を確認せしめ、同時に製品検査申請品について十分管理監督せしめるよう指導すること。
四 略
五 廃止
六 乳等省令関係について
イ 特にはつ酵乳及び乳酸菌飲料の成分規格に乳酸菌数又は酵母数が規定され、昭和三七年一月一日から施行されることとなつたので、その間において営業者に対し十分なる指導啓蒙を行ない本件施行後において遺憾のないようにされたいこと。
ロ 更に成分規格に伴う試験法が新たに定められ、この試験にはB、C、D、加プレートカウント寒天培養基が採用されたので、この培養基を用いた測定法による規格の適否を行うようにされたいこと。
ハ 廃止
様式第1・2号 廃止
様式第3~5号 略