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○食品衛生法施行規則等の一部改正について
(昭和三三年一〇月一八日)
(衛発第九六〇号)
(各都道府県知事・各指定都市市長あて厚生省公衆衛生局長通知)
食品衛生法施行規則(昭和二三年厚生省令第二三号)、食品、添加物、器具及び容器包装の規格及び基準(昭和二三年厚生省告示第五四号)及び食品衛生試験法(昭和二三年厚生省告示第一○六号)の一部がそれぞれ昭和三三年一○月一八日厚生省令第三三号並びに厚生省告示第三一二号及び同第三一三号をもつて別紙のとおり改正されたので、次の諸点に御留意のうえ、これが運営に遺憾のないようにされたい。
記
第一 新に化学的合成品として指定されたものについて
食品衛生法(以下「法」という。)第六条の規定に基き、人の健康をそこなうおそれのない化学的合成品たる添加物として、ビタミンB1のジラウリル硫酸塩、ビタミンB1のナフタリン・1・5・ジスルホン酸塩、エステルガム及びチオ硫酸ソーダを追加指定したこと。
これらの添加物のうち、ビタミンB1のジラウリル硫酸塩及びビタミンB1のナフタリン・1・5・ジスルホン塩酸は食品強化料として、エステルガムはチユーインガム基礎剤として、チオ硫酸ソーダはクロルテトラサイクリン末を含有する氷の製造に際して使用される水の脱クロル剤として、使用されるものであること。
なお、今回指定された四品目については、すべて成分規格が定められたが、使用基準については、エステルガム及びチオ硫酸ソーダの二品目について定められたこと。
第二 従来、法第六条の規定に基き指定されていたもので今回新に成分規格の定められたものについて
従来、法第六条の規定に基き、人の健康をそこなうおそれのないものとして指定されていた亜硫酸カリ等二二品目について、法第七条第一項の規定に基き公衆衛生の見地から成分規格を定めたこと。
なお、これら二二品目の成分規格についての規定は、昭和三四年一月一日から適用されるが、これに伴い、これらの添加物については、食品衛生法施行規則(以下「規則」という。)第五条第一項の規定が同年一月一日から適用されることになるので、その運用に遺憾のないよう関係業者を指導されたいこと。
第三 使用基準の一部が改正された化学的合成品について
従来、法第七条の規定に基き公衆衛生の見地から使用基準の定められていた添加物のうち、毒性及び効力等からみて衛生上支障のない範囲内で、エステル類、デハイドロ酢酸、デハイドロ酢酸ソーダ、パラオキシ安息香酸エチルエステル、パラオキシ安息香酸ブチルエステル、パラオキシ安息香酸プロピルエステル、亜硝酸カリ及び亜硝酸ソーダについて今回使用基準の一部が改められたこと。
(一) エステル類
エステル類のうち醋酸エチルエステルについては、著香の目的及び醋酸ビニール樹脂の溶剤の用途のいずれにも使用できるよう明確化したこと。
(二) デハイドロ酢酸及びデハイドロ酢酸ソーダ
今回の改正により、みそ漬、かす漬、酢漬及び醤油漬の野菜及び果菜の漬物にも使用できることとなつたこと。
(三) パラオキシ安息香酸エチルエステル、パラオキシ安息香酸ブチルエステル及びパラオキシ安息香酸プロピルエステル
これらの三品目については、酢並びにみそ漬、かす漬、酢漬及び醤油漬の野菜及び果菜の漬物にそれぞれ一定量以下使用できることとなつたこと。
また、清涼飲料水に関しては、今回、その使用の実態及び効力等を考慮して基準量を引下げたものであること。
なお、これら三品目の清涼飲料水に関する使用基準は、本年一二月末日まではなお従前の基準によることができ、従つて規則第五条第一項第一号へに基く標示も本年内に限り新旧いずれの基準によつてもよいが、明年一月一日から清涼飲料水に関する使用方法についての標示違反が出ることのないように、できるだけ早めに改正基準に基く標示を行うよう関係業者を指導されたいこと。
(四) 亜硝酸カリ及び亜硝酸ソーダ
従来、食肉製品のみに使用が認められていた亜硝酸カリ及び亜硝酸ソーダは、今回、鯨肉製品、魚肉ソーセージ及び魚肉ハムにも使用が認められることとなつたこと。
第四 食品の成分規格について
従来、食肉製品の成分規格としてその一キログラムにつき亜硝酸根は○・○七グラム以下となつていたが、今回、亜硝酸カリ及び亜硝酸ソーダの使用基準の拡大に伴い、鯨肉製品にはその一キログラムにつき○・○七グラム以下、魚肉ソーセージ及び魚肉ハムについてはその一キログラムにつき○・○五グラム以下と規定されたこと。
ここで魚肉ソーセージ及び魚肉ハムとは、多少とも魚肉の含まれているソーセージ及びハムを含むものであること。
第五 食品衛生試験法の一部改正について
三二酸化鉄等六品目について食品衛生試験法の一部を改めたものであること。