添付一覧
○水道水源開発等施設整備費国庫補助事業(海水淡水化施設整備)について
(平成七年八月三一日)
(衛水第二〇一号)
(各都道府県水道行政担当部(局)長あて厚生省生活衛生局水道環境部水道整備課長通知)
今般、水道水源開発等施設整備費国庫補助金交付要綱の一部が改正され、平成七年八月三一日厚生省生衛第七九一号をもって厚生事務次官より通知したところであるが、水道水源開発施設整備費における「海水淡水化施設整備」については、平成七年度以降左記により行うこととしたので御了知のうえ、貴管下水道事業者及び水道用水供給事業者に対しては、貴職から通知されたい。
なお、平成四年八月三一日付け生衛第一九〇号当職通知は廃止する。
記
1 補助目的
水需給のひっ迫により早急に水源確保が必要とされ、かつ、ダム建設が困難である地域、又は、渇水の影響により常時給水が困難となるおそれがある地域等において、海水淡水化施設を整備する水道事業者等に対し、その整備に必要な経費の一部を補助することにより水需給の安定を図ることを目的とする。
2 補助採択基準
次のいずれかに該当する事業であること。
(1) 水需給が著しくひっ迫し、早急に水源開発が必要であって、ダム等の建設が困難な地域、又はダム等による水源開発に比較して海水淡水化施設の費用効果の方が大きい地域に海水淡水化施設を整備する事業であること。
なお、費用効果については、海水淡水化以外の方法により水源を確保するとした場合の用水単価を試算し、これをもって比較する。
(2) 水道水源開発等施設整備費国庫補助金交付要綱別表1中の「渇水に対応するため、海水淡水化施設を緊急に整備する事業であって、厚生大臣が適当と認めるもの」とは次の事業をいう。
ア 過去五年間において、一日一二時間以上の断水を一か月以上実施したことがある水道事業者であり、かつ、次のいずれかに該当するものが海水淡水化施設を整備する事業であること。
(ア) 水源をダムの開発計画に依存しているが、ダム建設の遅延により、当面の水需給が著しく逼迫し、早急に水源開発が必要な水道事業者。
(イ) 流域外のダムに対する水源の依存度が高く、取水制限を受けると水需給が著しく逼迫するため、早急に水源開発が必要な水道事業者。
(ウ) 地形上大規模な水源開発が困難な地域で、地下水への依存度が高く、渇水時に水需給が著しく逼迫するため、早急に水源開発が必要な水道事業者。
イ アに該当する水道事業者に用水給水を行っている水道用水供給事業者が海水淡水化施設を整備する事業であること。
3 補助対象施設
次に掲げる逆浸透方式又は電気透析方式の設備により、海水又はかん水を淡水化する施設及びこれと密接な関連を有する施設とする。なお、他の方式の設備による場合は、あらかじめ厚生省に協議すること。
(1) 逆浸透方式施設
原水設備、調整設備(薬品注入設備を含む。)、逆浸透設備、放流設備、電気・機械及び計装設備
(2) 電気透析方式施設
原水設備、調整設備(薬品注入設備を含む。)、電気透析設備、放流設備、電気・機械及び計装設備
4 施設基準
海水淡水化施設のうち逆浸透方式施設に係る施設基準については、別添「海水淡水化施設(逆浸透方式)基準」によることとし、電気透析方式施設についてはこれに準じるものとする。
別添
海水淡水化施設(逆浸透方式)基準
逆浸透方式による海水淡水化施設の設備は次に掲げる基準を満たすこととし、その整備に当たっては、原水水質、設置場所周辺の環境影響等を十分に考慮すること。
1 原水設備
(1) 原水設備は、取水口及び海岸井戸等から計画取水量を取水できるものであること。
(2) 計画取水量は、回収率及び作業用水量等を勘案して決定すること。
(3) 取水地点及び取水方法は、水温及び水質の季節変動並びに日変動が少なく、年間を通して清浄な海水を安定取水できる場所及び方法とすること。
(4) 取水口には、施設稼働の障害となる浮遊物、ごみ等が流入しないよう防護柵、防止スクリーンを設置すること。
(5) 必要に応じて沈砂池を設置すること。
(6) 取水ポンプの台数は、計画取水量を基準として定め、予備機を設置すること。
2 調整設備
(1) 調整設備は、逆浸透膜モジュールへの濁質、スケール成分、有機物及び生物等の影響を極力低減できるよう構成すること。
(2) 調整設備から逆浸透設備へ供給される水の水質は、SDI値が四程度以下を目標とすること。
(注) SDI値(Silt Density Index)の求め方
SDI値=(1-TO/T15)×100/15
TO:0.45μmの精密ろ過膜を用いて、試料水を206kPaの加圧下でろ過するときに、初めに500mlをろ過するのに要した時間
T15:TOと同じ状態で15分間継続してろ過した後に、500mlをろ過するのに要した時間
3 逆浸透設備
(1) 逆浸透設備は、高圧ポンプ、逆浸透膜装置(原則として一段とする。)、逆浸透膜洗浄装置及び淡水水槽等をもって構成すること。
(2) 水量が多い場合は、動力回収装置を設備することが望ましい。
(3) 膜モジュールは、原水水質及び生産水質に応じて、適切な膜の種類及びモジュール形式を選定すること。
(4) 逆浸透設備の回収率は三〇~四〇%を標準とし、できる限り高い回収率を維持できるようにすること。
4 放流設備
(1) 放流地点及び放流方法は、環境影響調査及び排水の拡散予測等を行ったうえで、海生生物及び周辺地域等への影響が最小限となる場所及び方法とすること。
(2) 放流海水以外の排水は、必要に応じて処理すること。
5 電気、機械及び計装設備
(1) ポンプ等には予備機を設けること。
(2) 電力設備の二重化及び非常用電源装置の設置等により、電力供給の安定化を図ること。
(3) 計装設備は適切な制御が確実に行えるものであること。