アクセシビリティ閲覧支援ツール

添付一覧

添付画像はありません

○「水道水質に関する基準の制定について」の一部改正について

(平成一〇年六月一日)

(生衛発第九二八号)

(各都道府県知事あて厚生省生活衛生局水道環境部長通知)

水道水質に関する基準については、水質基準に関する省令(平成四年厚生省令第六九号)に定める水質基準に加え、本職通知「水道水質に関する基準の制定について」(平成四年一二月二一日付衛水第二六四号)により、水質基準を補完する項目として快適水質項目及び監視項目を設定しているところである。

今般、最近の知見等を踏まえ、生活環境審議会水道部会水質管理専門委員会の審議を経て、ウラン及び亜硝酸性窒素について監視項目として新たに設定するとともに、ほう素の指針値を改正することとしたので、左記について御了知の上、貴管下水道事業者等に対する周知指導方よろしくお願いする。

第一 監視項目の一部改正及び追加について 略

第二 留意事項

1 水質監視体制の整備

ウラン及び亜硝酸性窒素に係る水質監視については、水道水質管理計画において新たに位置づけるとともに、水道事業者等において検査機器の整備に努める等、体系的・組織的な水質監視の実施体制の整備につき必要な措置を講じられたいこと。

2 その他

生活環境審議会水道部会水質管理専門委員会におけるウラン、亜硝酸性窒素及びほう素に係る検討結果を添付するので参考とされたいこと。

水道水質に関する基準の見直しの検討結果(抄)

物質名

基準値又は指針値

項目の位置づけ

基準値又は指針値算出の根拠

WHO飲料水水質ガイドライン

[1998年の見直し対象となったものはWHO98、1993年制定のままのものはWHO93と付記]

毒性評価

水道水の寄与率

ウラン

0.002mg/L

新たに監視項目として追加。

ラットの毒性試験での腎毒性に基づきTDI0.6μg/kg/day(WHOの評価を採用)

10%

0.002mg/L(WHO98)

(毒性評価の観点から暫定値)

亜硝酸性窒素

硝酸性窒素との合計量としての現行基準値10mg/Lに加え、単独での指針値0.05mg/Lを設定。

現行では硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素として基準項目とされており、これに加えて亜硝酸性窒素単独で監視項目に追加。

ラットの毒性試験での副腎、心臓及び肺への影響に基づきADI0.06mg―NO2/kg/day(WHOの評価を採用。なお、亜硝酸性窒素としては、0.02mg/kg/dayに相当)

10%

亜硝酸塩0.2mg/L(WHO98)

(毒性評価の観点から暫定値、亜硝酸性窒素としては0.06mg/Lに相当)

ホウ素

1mg/L

現行どおり監視項目とする。ただし海水淡水化施設に限定して基準項目として運用することを検討。

ラットの毒性試験での胎児への影響に基づきTDI0.096mg/kg/day(同じ試験結果に基づくWHOの評価0.16mg/kg/dayを修正)

40%(海水淡水化施設からの給水地域における寄与率をもとに設定)

0.5mg/L(WHO98)(自然由来のホウ素濃度が高い地域では実用可能な処理技術で達成が困難であるため暫定値)