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○水道水質管理計画の策定に当たっての留意事項について

(平成4年12月21日)

(衛水第270号)

(各都道府県・市・特別区水道行政担当部(局)長あて厚生省生活衛生局水道環境部水道整備課長通知)

標記計画の策定については、別途平成4年12月21日付衛水第269号厚生省生活衛生局水道環境部長通知により指示されたところであるが、なお、左記事項に留意の上、別添作成要領により水道水質管理計画(以下「計画」という。)を速やかに策定されるようよろしくお願いする。

1 基本方針

水道事業者、水道用水供給事業者及び専用水道の設置者(以下「水道事業者等」という。)の水道水質に係る管理の状況を踏まえたうえで、水質検査及び水質監視に係る体制、検査施設の整備等についての基本方針を明らかにすること。

2 水質検査に関する事項

(1) 水質検査に係る計画には、水道事業者等ごとに名称、検査の委託の状況及び今後の方針について記載すること。また、この際、各水道事業者等の水質検査計画との整合に留意すること。

記載例を別表第1に示す。

(2) 水質検査に係る計画の策定については、水道事業者等の現状を踏まえ、以下の事項に配慮すること。

① 水道事業者等は、水質検査を行うために必要な検査施設を自ら設置しなければならないものであること。ただし、地方衛生研究所等の地方公共団体の機関又は厚生労働大臣の登録を受けた者に委託する場合はこの限りでないこと。

② 小規模な水道事業者等で単独に検査施設を設置することが困難である等の事情があるものについては、数事業者等が共同して検査施設を設置する等の方法を講ずるものとすること。

③ 水道事業者等が水質検査を委託する場合であっても水質管理への対応が不十分とならないよう、突発水質汚染時等における危機管理への適切な対応、工程管理のための検査等のきめ細かな水質管理の徹底等が行われる体制を整備する必要があること。

3 水質監視に関する事項

(1) 水質監視に係る計画には、水質監視地点ごとに水源名、水質監視地点名及びその所在地、実施主体、頻度並びに水質監視実施項目について記載すること。

記載例を別表第2に示す。

なお、水質監視地点の概略図を添付すること。

(2) 水質監視に係る計画の策定については、以下の事項に配慮すること。

① 水質監視地点は、水道事業者等が大規模に取水している主要水系毎に必ず設定することとし、都府県にまたがる水系の水質監視を行う場合には、関係都府県間で計画についての調整を図ること。また、地下水については、取水量の多い地域を含むよう監視地点を設定すること。なお、監視地点の設定に当たっては、地域的な偏在が生じないよう十分留意すること。

② 水質監視は、関係する水道事業者等の間で協議の上、大規模水道事業者等が中心となって実施するよう留意することとし、水道事業者等による水質監視が困難な地域にあっては、必要に応じ都道府県等による行政的な調査等の実施により対処することが望ましいこと。

③ 水質監視は、原水について行うことを原則とするが、消毒副生成物については、当該監視地点に係る給水栓において水質監視を行うこと。

④ 水質監視は、水質管理目標設定項目(残留塩素及び水質基準項目と重複する項目を除く。)について実施するほか、以下に掲げる項目を参考に地域の実情に応じて必要となる項目についても、適宜実施すること。

ア 原水の汚染の程度を表し、浄水処理等の工程管理のために有用となる別表第3に示す項目

イ 平成15年4月28日の厚生科学審議会答申「水質基準の見直し等について」において、毒性評価が定まらない若しくは浄水中の存在量が不明等の理由から水質基準項目及び水質管理目標設定項目のいずれにも分類できない項目として整理された別表第4に示す要検討項目

なお、水質監視の実施と合わせて、水道原水の全項目検査を実施するよう留意されたいこと。

4 その他の事項

平成15年10月10日付健発第1010004号厚生労働省健康局長通知別添1(水質管理目標設定項目)に掲げる農薬類の選定にあたっては、同通知別添2に掲げる農薬類のほか、積極的に安全性評価及び検出状況に係る知見の収集に努める要検討農薬類(別表第5)及び測定しても浄水から検出されるおそれが小さく、検討の優先順位が低いその他農薬類(別表第6)をリストアップしたので、参考とされたいこと。

また、水質検査に係る計画には、次に掲げる事項について記載すること。

(1) 計画の円滑な実施のための水道事業者等、関係水質検査機関及び関係行政機関等からなる体系的・組織的な連絡調整体制に関する基本方針を明らかにすること。

(2) 水質検査及び水質監視が適切に行われるよう、水質検査に係る講習会の実施等検査担当者の技術向上に関する計画を明らかにすること。

(3) 各種の微量化学物質の検査に対応できるよう、関係水質検査機関間での精度管理の実施に関する計画を明らかにすること。

(4) 適切な浄水管理の実施等水質検査及び水質監視の結果に基づき、必要となる対応方針を明らかにすること。

別表第1

名称

検査の委託の状況

今後の方針

備考

○○水道事業

なし

現状に同じ

 

××水道事業

毎日検査・毎月検査以外の項目

平成○○年を目途に××地域共同水質検査センターを設置予定

 

△△水道用水供給事業

なし

現状に同じ

 

△△水道用水供給事業

毎日検査以外の項目

現状に同じ

 

別表第2

水源名

水質監視地点名及びその所在地

実施主体

頻度

水質監視実施項目

備考

○○川

○○浄水場取水口所在地

○○水道事業

年4回

水質管理目標設定項目、アンモニア態窒素、BOD、UV吸光度、SS、THM生成能

 

××市第1深井戸

××市第1深井戸所在地

××水道事業

年4回

水質管理目標設定項目

 

別表第3

番号

項目

1

アンモニア態窒素

2

生物化学的酸素要求量(BOD)

3

化学的酸素要求量(COD)

4

紫外線(UV)吸光度

5

浮遊物質量(SS)

6

侵食性遊離炭酸

7

全窒素

8

全りん

9

トリハロメタン(THM)生成能生物

10

生物

別表第4

番号

項目

目標値(mg/l)

1

銀及びその化合物

2

バリウム及びその化合物

0.7

3

ビスマス及びその化合物

4

モリブデン及びその化合物

0.07

5

アクリルアミド

0.0005

6

アクリル酸

7

17―β―エストラジオール

0.00008(暫定値)

8

エチニル―エストラジオール

0.00002(暫定値)

9

エチレンジアミン四酢酸(EDTA)

0.5

10

エピクロロヒドリン

0.0004(暫定値)

11

塩化ビニル

0.002

12

酢酸ビニル

13

2,4―トルエンジアミン

14

2,6―トルエンジアミン

15

N,N―ジメチルアニリン

16

スチレン

0.02

17

ダイオキシン類

1pgTEQ/L(暫定値)

18

トリエチレンテトラミン

19

ノニルフェノール

0.3(暫定値)

20

ビスフェノールA

0.1(暫定値)

21

ヒドラジン

22

1,2―ブタジエン

23

1,3―ブタジエン

24

フタル酸ジ(n―ブチル)

0.01

25

フタル酸ブチルベンジル

0.5(暫定値)

26

ミクロキスチン―LR

0.0008(暫定値)

27

有機すず化合物

0.0006※(暫定値)

28

ブロモクロロ酢酸

29

ブロモジクロロ酢酸

30

ジブロモクロロ酢酸

31

ブロモ酢酸

32

ジブロモ酢酸

33

トリブロモ酢酸

34

トリクロロアセトニトリル

35

ブロモクロロアセトニトリル

36

ジブロモアセトニトリル

0.06

37

アセトアルデヒド

38

MX

0.001

39

削除

削除

40

キシレン

0.4

41

過塩素酸

0.025

42

パーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)

43

パーフルオロオクタン酸(PFOA)

44

N―ニトロソジメチルアミン(NDMA)

0.0001

45

アニリン

0.02

46

キノリン

0.0001

47

1,2,3―トリクロロベンゼン

0.02

48

ニトリロ三酢酸(NTA)

0.2

※トリブチルスズオキサイドの目標値

別表第5

番号

項目

用途

目標値

(mg/L)

検査方法

1

アセタミプリド

殺虫剤

殺菌剤

0.2

固相抽出―GC―MS法、LC―MS法

2

イミダクロプリド

殺虫剤

殺菌剤

0.1

LC―MS法

3

エチプロール

殺虫剤

殺菌剤

0.01

LC―MS法

4

クロロピクリン

殺虫剤

5

テブコナゾール

殺菌剤

0.07

固相抽出―GC―MS法、LC―MS法

6

パラチオンメチル 注1)注2)

殺虫剤

0.04

7

ヒメキサゾール(ヒドロキシイソキサゾール)

殺菌剤

0.1

8

ピラクロホス 注2)

殺虫剤

固相抽出―GC―MS法、LC―MS法

9

フルスルファミド

殺菌剤

LC―MS法

10

ブロマシル

除草剤

0.05

固相抽出―GC―MS法、LC―MS法

11

ペントキサゾン

除草剤

0.6

LC―MS法

12

ホサロン

殺虫剤

0.005

固相抽出―GC―MS法、LC―MS法

13

メタアルデヒド

殺虫剤

0.06

14

メトラクロール

除草剤

0.2

固相抽出―GC―MS法、LC―MS法

注1) パラチオンメチルは、販売・使用禁止農薬である。

注2) パラチオンメチル及びピラクロホスは、失効農薬である。

別表第6

番号

項目

用途

目標値

(mg/L)

検査方法

1

2―クロロプロピオン酸メチル(MCPM)

農薬等原料

2

2,4―DB

除草剤

3

DBEDC

殺虫剤

殺菌剤

4

MCPB

除草剤

植物成長調整剤

0.08

5

アシベンゾラルSメチル 注4)

殺菌剤

0.1

LC―MS法

6

アジムスルフロン

除草剤

0.2

7

アミトロール 注4)

除草剤

0.003

8

アメトリン 注4)

除草剤

0.2

固相抽出―GC―MS法、LC―MS法

9

イナベンフィド 注4)

植物成長調整剤

0.3

LC―MS法

10

イマゾスルフロン

殺虫剤

除草剤

0.2

11

ウニコナゾールP

植物成長調整剤

0.04

固相抽出―GC―MS法、LC―MS法

12

エトキシスルフロン

除草剤

0.1

LC―MS法

13

エトベンザニド

除草剤

0.1

固相抽出―GC―MS法、LC―MS法

14

エンドタール

除草剤

15

オキサジアルギル

除草剤

0.02

LC―MS法

16

オキサミル

殺虫剤

0.05

LC―MS法

17

オキソリニック酸

殺菌剤

0.05

18

キザロホップエチル

除草剤

0.02

LC―MS法

19

クロチアニジン

殺虫剤

殺菌剤

0.2

LC―MS法

20

クロマフェノジド

殺虫剤

0.7

LC―MS法

21

クロルタールジメチル(TCTP) 注4)

除草剤

固相抽出―GC―MS法

22

クロルピリホスメチル

殺虫剤

0.03

固相抽出―GC―MS法、LC―MS法

23

シクロスルファムロン

除草剤

0.08

24

ジクロフェンチオン(ECP) 注4)

殺虫剤

0.006

固相抽出―GC―MS法、LC―MS法

25

シクロプロトリン

殺虫剤

0.008

26

ジクロメジン 注4)

殺菌剤

0.05

LC―MS法

27

ジクロルプロップ

植物成長調整剤

0.09

LC―MS法

28

ジコホル(ケルセン) 注3)注4)

殺虫剤

0.06

29

ジチアノン

殺菌剤

0.03

30

シノスルフロン 注4)

除草剤

0.2

LC―MS法

31

ジノテフラン

殺虫剤

殺菌剤

0.6

LC―MS法

32

ジフェノコナゾール

殺虫剤

殺菌剤

0.02

固相抽出―GC―MS法、LC―MS法

33

シフルトリン

殺虫剤

殺菌剤

0.05

34

ジフルベンズロン

殺虫剤

0.05

LC―MS法

35

シプロコナゾール

殺菌剤

0.02

固相抽出―GC―MS法、LC―MS法

36

シプロジニル

殺菌剤

0.07

固相抽出―GC―MS法、LC―MS法

37

シペルメトリン

殺虫剤

0.1

LC―MS法

38

シメコナゾール

殺菌剤

0.02

固相抽出―GC―MS法、LC―MS法

39

ジメチルビンホス 注4)

殺虫剤

0.01

固相抽出―GC―MS法、LC―MS法

40

ジメピペレート 注4)

除草剤

0.003

固相抽出―GC―MS法、LC―MS法

41

シラフルオフェン

殺虫剤

殺菌剤

0.3

LC―MS法

42

シンメチリン 注4)

除草剤

0.1

固相抽出―GC―MS法、LC―MS法

43

スピノサド

殺虫剤

殺菌剤

0.06

44

セトキシジム

除草剤

0.4

45

チアクロプリド

殺虫剤

殺菌剤

固相抽出―GC―MS法、LC―MS法

46

チアメトキサム

殺虫剤

殺菌剤

0.05

固相抽出―GC―MS法、LC―MS法

47

チオシクラム

殺虫剤

0.03

48

チフルザミド

殺虫剤

殺菌剤

0.04

固相抽出―GC―MS法、LC―MS法

49

テクロフタラム 注4)

殺菌剤

0.1

50

テトラクロルビンホス(CVMP) 注4)

殺虫剤

0.01

固相抽出―GC―MS法、LC―MS法

51

テトラコナゾール

殺虫剤

殺菌剤

0.01

固相抽出―GC―MS法、LC―MS法

52

テブフェノジド

殺虫剤

殺菌剤

0.04

LC―MS法

53

トリネキサパックエチル

植物成長調整剤

0.01

LC―MS法

54

トリフルミゾール

殺菌剤

0.04

固相抽出―GC―MS法、LC―MS法

55

トルフェンピラド

殺虫剤

0.01

LC―MS法

56

ナプロアニリド 注4)

除草剤

0.02

LC―MS法

57

ニテンピラム

殺虫剤

殺菌剤

1.3

LC―MS法

58

パクロブトラゾール

殺菌剤

植物成長調整剤

0.05

固相抽出―GC―MS法、LC―MS法

59

バリダマイシン

殺虫剤

殺菌剤

60

ビスピリバック 注1)

除草剤

0.03

61

ピメトロジン

殺虫剤

殺菌剤

0.03

LC―MS法

62

ピラゾスルフロンエチル

除草剤

0.03

LC―MS法

63

ピリミノバックメチル

除草剤

0.05

固相抽出―GC―MS法、LC―MS法

64

ピリミホスメチル

殺虫剤

0.06

固相抽出―GC―MS法、LC―MS法

65

ピレトリン

殺虫剤

0.1

66

フェノキサニル

殺虫剤

殺菌剤

0.02

LC―MS法

67

フェンバレレート

殺虫剤

0.04

68

フラチオカルブ 注4)

殺虫剤

0.008

69

フラメトピル

殺虫剤

殺菌剤

0.02

固相抽出―GC―MS法、LC―MS法

70

フルアジホップ

除草剤

0.01

LC―MS法

71

プロパニル(DCPA) 注4)

除草剤

0.04

固相抽出―GC―MS法、LC―MS法

72

プロパホス 注4)

殺虫剤

0.001

固相抽出―GC―MS法、LC―MS法

73

プロパルギット(BPPS)

殺虫剤

0.02

LC―MS法

74

プロヘキサジオン 注2)

殺菌剤

植物成長調整剤

0.5

75

プロポキスル(PHC) 注4)

殺虫剤

0.2

固相抽出―GC―MS法、LC―MS法

76

プロメトリン

除草剤

0.08

固相抽出―GC―MS法、LC―MS法

77

ペルメトリン 注5)

殺虫剤

殺菌剤

0.1

LC―MS法

78

ベンスルタップ

殺虫剤

殺菌剤

除草剤

0.09

79

ベンダイオカルブ 注4)

殺虫剤

0.009

LC―MS法

80

ホキシム

殺虫剤

0.003

LC―MS法

81

ボスカリド

殺菌剤

0.1

固相抽出―GC―MS法、LC―MS法

82

ミルネブ(チアジアジン) 注4)

殺菌剤

83

メタミドホス

殺虫剤

0.001

LC―MS法

84

メチルイソシアネート

殺虫剤等中間体

0.006

85

モノクロトホス 注4)

殺虫剤

0.002

LC―MS法

86

リニュロン

除草剤

0.02

LC―MS法