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○飲用井戸等衛生対策要領の留意事項について
(昭和六二年一月二九日)
(衛水第一三号)
(各都道府県水道行政担当部(局)長・各政令市水道行政担当部(局)長・各特別区水道行政担当部(局)長あて厚生省生活衛生局水道環境部水道整備課長通知)
近年、多種類にわたる有害物質等による地下水汚染の拡大や小規模受水槽を持つ施設の不適切な管理等がみられ、飲用水の衛生確保に支障をきたすことが危惧されることにかんがみ、昭和六二年一月二九日衛水第一二号厚生省生活衛生局長通知により、飲用に供する井戸等及び水道法等の規制対象とならない水道の衛生確保対策が指示されたところであるが、なお、左記事項に留意の上、その実施及び指導に遺憾なきを期されたい。
期
一 実施主体
飲用井戸等衛生対策要領(以下「要領」という。)に基づく対策は、原則として、水道法に基づく簡易専用水道に係る権限と同様、都道府県、保健所を設置する市又は特別区が管下市町村の協力を得て実施するものとしたこと。ただし、都道府県にあつては、管下市町村において既に条例等に基づき対策が行われている場合、対策を実施するための体制が十分整備される場合等、市町村において対策を実施する方がより適切であると判断される場合にあつては、当該市町村と協議し、合意の上で、市町村において都道府県と連携を図りつつ実施しても差し支えないこと。
二 対象施設
(一) 一般飲用井戸及び業務用飲用井戸には、地下水を利用する井戸のほか、表流水及び湧水を水源として利用する施設を含み、要領に基づく対策にはなじまない天水を利用する施設は含まないものであること。
(二) 業務用飲用井戸のうち、旅館及び公衆浴場に設置されている施設については、別途指示がなされる予定であるので、要領の対象としないこと。
三 衛生確保対策
(一) 都道府県等は、早急に体制を整備し、要領に基づく対策を実施する必要があるが、貴管下の地下水汚染の状況、小規模受水槽水道に対する規制、指導の実施状況等を勘案し、優先順位の高いものから段階的に実施しても差し支えないこと。
(二) 飲用井戸等の管理については、設置者等に対し、みだりに人畜が当該施設及びその周辺に立ち入つて水が汚染されるのを防止するため、必要に応じ、当該施設にかぎを掛け、さくを設ける等適切な措置を講ずるよう指導すること。
また、一般飲用井戸及び業務用飲用井戸の給水開始前の水質検査については、塩素酸、クロロ酢酸、クロロホルム、ジクロロ酢酸、ジブロモクロロメタン、臭素酸、総トリハロメタン、トリクロロ酢酸、ブロモジクロロメタン、ブロモホルム及びホルムアルデヒド(以下「消毒副生成物」という。)を除き(ただし、当該飲用井戸周辺の地下水等よりこれらの物質が検出されている場合を除く。)、水質基準の定められている全項目(ただし、水源が湖沼等水が停滞しやすい表流水でない場合は、(四S,四aS,八aR)―オクタヒドロ―四,八a―ジメチルナフタレン―四a(二H)―オール(別名ジェオスミン)及び一,二,七,七―テトラメチルビシクロ[二,二,一]ヘプタン―二―オール(別名二―メチルイソボルネオール)の検査を省略することができる。)について検査を受けることとし、消毒を行つている場合にあつては、消毒の効果及び消毒副生成物についても行うよう指導すること。
(三) 汚染が判明した場合、設置者等は、直ちに都道府県等の保健所又は市町村へ連絡し、指示を受けることとしているが、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等に代表される有機溶剤その他有害物質に係る水質検査の結果、水質基準以下であつても検出された場合には、連絡をとるよう設置者等を指導されたいこと。
(四) 汚染された飲用井戸等に対する措置に関して、汚染物質の使用及び処分については、関係行政機関によりその適正化の指導等がなされているところであり、これらに基づき適切な措置が講じられるよう担当部局との調整に努められたいこと。
なお、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等に代表される有機溶剤により家庭用井戸が汚染された水道未普及地域において、早急に水道施設を整備し、安全な飲料水を確保する必要性から、簡易水道の補助制度に特例措置を設けているので、本制度も活用の上、管下の水道の布設、普及に努められたいこと。
改正文 (平成四年一二月二一日衛水第二六七号) 抄
平成五年一二月一日から実施する。