添付一覧
○水道法第三四条の二第二項の検査の方法について
(昭和五三年六月五日)
(環水第六三号)
(各都道府県知事あて厚生省環境衛生局水道環境部長通知)
水道法の一部を改正する法律(昭和五二年法律第七三号)のうち簡易専用水道に係る部分については、昭和五三年六月二三日から施行されることとなつたが、改正後の水道法(昭和三二年法律第一七七号)第三四条の二第二項の検査の方法については、左記により取り扱うこととしたので、これが円滑な運用に格段の御協力をお願いする。
記
一 検査の依頼
検査は、簡易専用水道の設置者の依頼により、当該水道の設置場所において行うものであること。
二 検査の項目
検査の項目は、施設の外観検査、給水せんにおける水質の検査及び書類検査を原則とすること。
三 施設の外観検査
次に掲げる事項についての検査を実施すること。
ア 水槽等に有害物、汚水等衛生上有害なものが混入するおそれの有無についての検査
イ 水槽及びその周辺の清潔の保持についての検査
ウ 水槽内における沈積物、浮遊物質等の異常な存在の有無についての検査
これらの検査は、簡易専用水道の維持管理の状態がその水質に一見明白な、障害を与えるおそれのあるものであるか否かを検査するものであり、水槽の水を抜かずに判断できる範囲で検査を行うこと。
なお、これらの検査に当たつては、建築物における衛生的環境の確保に関する法律(昭和四五年法律第二○号。以下「ビル管理法」という。)の適用がある簡易専用水道については、同法に基づく当該建築物の建築物環境衛生管理技術者の意見を参考にされたいこと。
四 給水せんにおける水質の検査
ア 臭気、味、色及び濁りに関する検査
イ 残留塩素の有無についての検査
アに掲げる検査は、水質基準に関する省令(昭和五三年厚生省令第五六号)による検査とは異なり、一見明白な水質の異常の有無についての検査であることに留意されたいこと。
イに掲げる検査は、水道水の長期間の滞留、水槽又は管の汚れ、汚水等による汚染等により残留塩素が消費されることに着目した水質判断の指標の一つであり、不検出の場合には、他の検査の結果を勘案し原因を総合的に判断されたいこと。
なお、これらの検査に当たつては、ビル管理法の適用がある簡易専用水道については、同法に基づく当該建築物の建築物環境衛生管理技術者の意見を参考にされたいこと。
五 書類検査
簡易専用水道の設置者が以下に掲げる書類を整理し保存することは、その管理をより実効あらしめるために必要であると考えられるので、その旨指導し、必要に応じて書類の整理及び保存の状況について検査すること。
ア 簡易専用水道の設備の配置及び系統を明らかにした図面
イ 受水槽の周囲の構造物の配置を明らかにする平面図
ウ 水槽の清掃の記録
エ その他の管理についての記録
なお、ビル管理法の適用がある簡易専用水道については、同法の規定により備え付けを義務づけられている帳簿書類に該当するものがあれば、それを検査すること。
六 検査に際しての留意事項
(一) 設置者の依頼に基づき実施することを原則とするが、検査を効率的に行うためには、あらかじめ広報等により周知徹底の措置を講じることが望ましく、また、検査の日時、立会い者等についても相互の連絡を密にしておくことが望ましいこと。
(二) 清潔な作業衣を着用する等衛生的な配慮のもとに行うこと。
(三) 検査に際しては、検査者は別記様式による身分証を携帯し、かつ、関係者の請求があつたときは、これを提示すること。
七 ビル管理法の適用がある簡易専用水道の検査について
ビル管理法の適用がある簡易専用水道については、前号までの取扱いにかかわらず、当該簡易専用水道の設置者が地方公共団体の機関又は水道法第三四条の二第二項に基づく厚生大臣の指定検査機関に管理の状況を示す書類を提出することにより、検査を受けることができるものとすること。ただし、当該書類は、ビル管理法第一○条に規定する帳簿書類に基づき記入するものとする。
八 検査後の措置
(一) 検査終了後、設置者に検査済みを証する書類を交付すること。
(二) 検査を行つた結果、衛生上問題があると認められた場合には、直ちに立入検査、改善命令等の行政権限を有する者にその旨通報するとともに、設置者に対しても速やかに対策を講じるよう助言すること。
九 その他
簡易専用水道の規制の実施に際しては、水道法担当部局とビル管理法担当部局間において、所要の連絡調整を行うこととされたいこと。
別記様式