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○水道の布設工事の監督の強化と事業認可の申請等について

(昭和三七年二月二日)

(環水第六号)

(各都道府県民生主管部(局)長あて厚生省環境衛生局水道課長通知)

標記に関しては未だ不充分なる点が認められるので、工事の適正なる執行をはかるため次の諸点に注意して指導されたい。

一 水道の布設工事の監督は、政令で定められた有資格の技術者によっておこなわれなければならないが、その実施が徹底していないきらいがあるので、今後は必ず実施するよう指導されたい。

また工事の発注にさいし、細部の設計不備のまま入る等の事例がみられるので今後は必ず実施設計によりおこなうよう指導されたい。

水道事業者において資格ある技術職員を有しない場合は、第三者に委嘱して工事の施工に関する技術上の監督業務をおこなわせなければならないが、このさい設計の責任を明らかにするため当初の設計者に一貫して監督業務までおこなわせることが望ましい。

二 布設工事の竣功時における検査は、水道法第一三条に規定されているが、その実施が徹底していないきらいがあるので、今後は通水前の水質検査及び施設検査は必ず実施するよう指導し、とくに管路における漏水検査は厳格におこなうよう指導されたい。

三 水道法に基く水道事業、水道用水供給事業の認可及び専用水道の確認の申請に関しては、次のとおりとするので、関係市町村にもその旨伝達されたい。

(一) 認可又は確認申請書に記載すべき内容は、水道事業にあっては法第七条、第一〇条及び同施行規則第一条から第八条まで、水道用水供給事業にあっては法第二七条、第三〇条及び同施行規則第四九条から第五二条まで、専用水道にあっては法第三三条並びに同施行規則第五三条及び第五四条に示されているとおりであるが、そのほか次の諸点によるものとする。

(二) 「主要な水理計算」に記載すべき内容は、取水施設から配水幹線の末端にいたる次の工種に関する水理計算(規模・容量・型式決定の根拠及び損失水頭の計算)の結果及び計算方法の概要を記載すること。なお、変更認可申請の際の記載については、新設、増設及び改造される水道施設並びに当該新設等により従前の水理計算の結果に変更を生じる水道施設に関するものとすること。

取水堰、取水門、取水塔、取水管きょ、ダム、原水調整池、凝集池、沈でん池、ろ過池、高度浄水施設、配水池、配水塔、ポンプ設備、管きょ(導水、送水、配水幹線及び主要施設の連絡管きょを含む。)

なお、配水管の管径決定のさいの配水区画ごとの人口、水量をあらわす図及び表を添付すること。

(三) 「主要な構造計算」に記載すべき内容は、主要構造物の主要部材の応力計算の結果及び計算方法の概要並びに断面算定の結果及び算定方法の概要を記載すること。なお、変更認可申請の際の記載については、新設、増設及び改造される水道施設並びに当該新設等により従前の構造計算の結果に変更を生じる水道施設に関するものとすること。また、ここでいう主要構造物とはダム及び取水堰(水道専用の場合のみ)、取水門、取水塔、原水調整池、凝集池、沈でん池、ろ過池、高度浄水施設、浄水池等主要な浄水施設、配水池、配水塔及び高架タンクをいう。

(四) 「図面及び地図」は次によること。

一 図面に関する一般的注意事項

a 図面の目録をつけること。

b 建設省国土地理院の地形図を用いる場合のほかは、図面実測図(航空写真による地形図を含む。)であること。

c 縮尺は次号以下にのべる括弧内のものを用い、計画給水人口二万人以下のものは、おおむね括弧内の左の縮尺によること。

d 各図面の右隅には図面番号、事業名、表題、縮尺、事業者名を記載すること。

e 既設と拡張部分は色分けまたは線の太さ、種類を変える等により明確に区分すること。

f 図面中に記載する施設の名称は、水道法並びに日本水道協会編纂の水道施設設計指針・解説に用いられている用語を使用すること。

二 給水区域が他の水道事業の給水区域と重複しないこと及び給水区域が他の水道事業の給水区域と重複しないこと及び給水区域内における専用水道の状況を示した給水区域を明らかにする地図(一万分の一~二万五〇〇〇分の一)

三 水道施設の位置を明らかにする地図(一万分の一~二万五〇〇〇分の一)

これは取水、貯水、導水、浄水、送水施設、配水池、配水幹線、ポンプ場等の主要施設の配置を明示したものであること。

四 水源の周辺の概況を明らかにする地図(一〇〇〇分の一~五〇〇〇分の一)

五 主要な水道施設の構造を明らかにする平面図、立面図、断面図及び構造図は次によること。

a 取水場、浄水場、配水場等の一般平面図(五〇〇分の一~一〇〇〇分の一)

b 主要な水道施設の水位高低図(縦一〇〇分の一または二〇〇分の一、横任意)

c 主要構造物の一般図(一〇〇分の一~五〇〇分の一)

d 主要構造物の構造詳細図(一〇分の一~一〇〇分の一)

主要構造物の定義は(3)による。これは主要構造物の主要な寸法、配筋状況のわかる平面図、立面図、断面図及び構造図であって、鉄筋径、ピッチ、本数等、鉄筋量をほぼ算出しうる程度のものを明示したものであること。なおこのさいコンクリート構造物については、土木学会のコンクリート標準示方書、日本建築学会のプレストレストコンクリート設計施工基準・同解説及び日本水道協会の水道用プレストレストコンクリートタンク標準仕様書に準拠して設計されたものであること。

六 導水管きょ、送水管及び主要な配水管の配置状況を明らかにする平面図(一〇〇〇分の一~一万分の一)及び縦断面図(縦二〇〇分の一~四〇〇分の一、横一〇〇〇分の一~五〇〇〇分の一)で、平面図には測点符号、管種、管径、延長のほか、制水弁、泥吐弁、空気弁、減圧弁、並止弁、消火栓、接合井、河川・軌道横断、中継ポンプ場等の附帯設備の位置を明示し、縦断面図にはこのほか測点区間距離、追加距離、管中心高、地盤高、静水位、動水位(火災時及び平常時につき、動水勾配、流量)を記載すること。

七 拡張の場合は、既設水道施設の概要図

a 取水場、浄水場、配水場の平面図(五〇〇分の一~一〇〇〇分の一)

b 導水、送水及び主要な配水管の平面図(一〇〇〇分の一~一万分の一)

(五) その他申請に関する注意事項

一 「水源の水量の概算」には、表流水にあっては河川渇水量を、また地下水にあっては揚水試験結果、土質柱状図による等、具体的に水量の確実性を説明したものであること。

二 「工事設計書に記載すべき水質試験結果」は、新たに設ける水源は勿論、既設水源についても、水質が最も低下する時期の試験結果を記載すること。

三 「経常収支の概算」については、各経費の算出根拠が明らかでないものがみられるので、その算出根拠を添付すること。

四 「工事費の算出根拠」については、その資材数量の根拠が明らかでないものがみられるので、その算出根拠を明らかにした書類を添付すること。