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○「栄養表示基準における栄養成分等の分析方法等について」の一部改正について
(平成16年5月13日)
(食安新発第0513001号)
(各都道府県・各保健所設置市・各特別区衛生主管部(局)長あて厚生労働省医薬食品局食品安全部基準審査課新開発食品保健対策室長通知)
食品衛生法施行規則の一部を改正する省令及び食品、添加物等の規格基準の一部を改正する件(平成16年1月20日食安発0120001号食品安全部長通知)により、L―アスコルビン酸2―グルコシド等が、添加物に指定されたところである。
今般、「食品中の食品添加物分析法」の改正について(平成16年5月13日付食安基発0513003号)が通知されたことに伴い、「栄養表示基準における栄養成分等の分析方法等について」(平成11年4月26日付衛新第13号新開発食品保健対策室長通知)の一部を下記のように改正することとしたので、貴管下関係者に対する周知徹底を始め、その運用に遺憾のないようにされたい。
記
栄養成分等の分析方法等の「29 ビタミンC」に、L―アスコルビン酸2―グルコシドの試験方法(定量法)を別添1のとおり追加する。
【別添1】
(5) 逆相高速液体クロマトグラフ法
本法は、L―アスコルビン酸2―グルコシドを含む食品に適用される。
① 機器
・高速液体クロマトグラフ:紫外部吸収検出器付き
・遠心分離機
② 試薬
・アセトニトリル:高速液体クロマトグラフ用
・リン酸二水素カリウム:特級
・テトラブチルアンモニウムヒドロキシド:特級、10%水溶液
・リン酸溶液:20%水溶液
・水:水道水を超純水製造装置で処理した水
③ 試料液の調製
1) 液状食品(不溶物をほとんど含まないもの)
試料約5.0gを精密に量り、移動相注1)を加えて正確に50mlとする。不溶物がある場合は遠心分離し、メンブランフィルター(0.45μm)でろ過したものを試料液とする。
2) 粉体及び固体食品(半液状食品を含む)
試料を粉砕してその約5.0gを精密に量り、移動相30mlを加えて10分間攪拌又は振とうする。不溶物がある場合はろ過又は遠心分離し、ろ液又は上澄液は50ml容メスフラスコなどの受器に捕集する。ろ過残さ又は沈殿を少量の移動相で数回洗浄し、洗液も先の受器に合わせて捕集し、さらに移動相を加えて正確に50mlとする。この液をメンブランフィルター(0.45μm)でろ過したものを試料液とする。
④ 検量線用標準液の調製
L―アスコルビン酸2―グルコシド約0.10gを精密に量り、移動相注1)を加えて溶かして正確に100mlとする。その20mlを正確に量り、移動相を加えて正確に200mlとしたものを標準液とする(この液1mlは、L―アスコルビン酸2―グルコシド約100μgを含む)。標準液1~50mlを正確に量り、移動相を加えて正確に100mlとし、検量線用標準液とする(この液1mlは、L―アスコルビン酸2―グルコシド約1~50μgを含む)。
⑤ 測定,計算
1) 測定条件
紫外部吸収検出器付高速液体クロマトグラフを用い、次の条件により測定する注2)。
カラム充てん剤注3):オクタデシルシリル化シリカゲル
カラム管:内径4.6mm、長さ250mm
カラム温度:40℃
移動相:水800mlにリン酸二水素カリウム1.4gとテトラブチルアンモニウムヒドロキシド26mlを加え、リン酸水溶液でpH5.2に調整した後、水で1000mlとする。この液900mlとアセトニトリル100mlを混和したもの。
流速:0.8ml/分
測定波長:260nm
2) 検量線
検量線用標準液それぞれ10μlずつを正確に量り、液体クロマトグラフに注入し、ピーク面積からL―アスコルビン酸2―グルコシドの検量線を作成する注4)。
3) 定量注5―7)及び計算
試料液10μlを正確に量り、液体クロマトグラフに注入し、得られたピーク面積と検量線から試料液中のL―アスコルビン酸2―グルコシド濃度A(μg/ml)を求め、次式によって試料中のL―アスコルビン酸2―グルコシド含量(mg/100g)を計算する。
L―アスコルビン酸2―グルコシド(mg/100g)=(A×50×100)/(W×1000)
A:試料液中のL―アスコルビン酸2―グルコシド濃度(μg/ml)
W:試料の採取量(g)
[注]
1) L―アスコルビン酸2―グルコシドは、水、5%メタリン酸溶液に比べ、移動相に溶かしたときに最も安定である。
2) 本法のほかに、次の条件でも測定できる。カラム充てん剤:アミノプロピル基を化学結合したシリカゲル、カラム管:内径4.6mm長さ250mm、移動相:アセトニトリル/リン酸二水素カリウム・0.5vol%リン酸溶液(5.44→1000)の混液(60:40)、流速:0.7ml/分、そのほかの条件は本法と同じ。この条件で測定したときの検出下限は0.25mg/100gである。
3) 液体クロマトグラフィーのカラムとしては、TSKgel ODS―80Ts QAなどが使用出来る。
4) 試料液の濃度が検量線の濃度範囲を超える場合、試料液を移動相で適宜希釈するか、試料採取量を減らして試験する。
5) 本法の検出下限は0.10mg/100gである。なお、清涼飲料水、飴及び錠菓における添加回収率は98.2~99.1%である。