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○「不法入国者の臨時衛生措置要領」の改正について
(昭和二七年三月二六日)
(衛発第二八四号)
(各都道府県知事あて厚生省公衆衛生局長通知)
三月三日付厚生事務次官、国家地方警察本部長官、入国管理庁長官及び海上保安庁長官の連名を以て通知した標記の件は関係諸法令の施行を円滑にし不法入国者によって検疫伝染病が国内に移入されることを防止するのを目的とするのであるが、その施行に当っては特に患者発見時等において諸手続が交錯し紛糾を生ずる場合も予想せられるので、左記の点に留意すると共に予め各地区毎に関係機関と連絡を密にし其の措置に遺憾のないようにせられたい。
なお自治体警察については全国自治体警察長連合協議会長に対して同措置について協力を依頼したので近く同会長より全国の関係機関に通知される筈である。
記
1 臨時衛生措置要領第一中の一四日の期間は検疫伝染病の潜伏期間を考慮して定めたものであるので入国後その期間を超えたことが明らかな者については通報は行われず、従ってこの要領による臨時措置の必要もないこと。
2 司法警察職員の通報については不法入国のおそれのある地区については所轄保健所の位置及び連絡方法を、あらかじめ、警察官署、海上保安官署及び入国管理官署に通知し保健所職員を出来るだけ迅速に其の場に派遣し得る様措置し四八時間の留置時間(刑事訴訟法第二○三条、出入国管理令第四四条、第六五条)を遅延せしめないように努めること。
3 本措置は、本来正式の入国に際しては、当然受くべき検疫を受けなかった者に対する補足的なものであるから、検診は検疫伝染病のみを対象とし、たまたま他の法定伝染病患者を発見した時のみ、第二の1によって措置する趣旨であること。
4 収容隔離及び健康隔離等についてはもよりの市町村長と連絡を密にして保健所長がこれに当たり、逃走防止については、刑事手続中の者は警察官署又は海上保安官署、出入国管理令により収容中の者については入国管理官署がそれぞれ責任をもって、これにあたるものであること。
5 密入国癩患者に対する予防及び一時救護については別途通知すること。
6 検診報告は、従前通り週報を以て行われたいこと。