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○結核医療の公費負担制度の保険優先化に伴う取扱いについて

(平成七年六月一六日)

(健医感発第五一号)

(各都道府県・各政令市・各特別区衛生主管部(局)長あて厚生省保健医療局エイズ結核感染症課長通知)

結核予防法の一部を改正する法律(平成七年法律第九十三号)による公費負担制度の保険優先化は、平成七年七月一日から実施されることとされているが、左記の点に留意の上、円滑な施行に努められるよう、特段の配慮をお願いする。

なお、医療機関等の関係者に対しても、周知徹底方お取り計らい願いたい。

1 医療保険各法等による医療に関する給付を受けられない結核患者の取扱い

(1) 被保険者資格を有しない者の取扱い

結核医療に係る公費負担制度が保険優先とされたことに伴い、結核医療に係る費用については、結核予防法(以下「法」という。)第三十四条及び第三十五条の規定に基づき引き続き公費負担を行うが、法第三十七条の規定により結核患者が医療保険各法等の規定により「医療に関する給付を受けることができる者」、即ち、医療保険制度等が適用される者であるときは、その給付の限度において、公費負担を要しないこととされた。したがって、そもそも医療保険制度等が適用されない結核患者については法第三十七条が適用されないことから、法第三十四条及び第三十五条の規定に基づく公費負担が行われるものであること。

具体的な取扱いとしては、都道府県は、一般患者に対する医療(法第三十四条に規定する医療)については同条に規定する医療を受けるために必要な費用の一〇〇分の九五に相当する額を負担することができ、従業禁止、命令入所患者の医療(法第三十五条に規定する医療)については、同条第二項に基づく自己負担がある場合を除き、同条に規定する医療を受けるために必要な費用の全額を公費負担するものであること。

(2) 被保険者資格を有するが加入手続が未了の者の取扱い

医療保険各法等の規定により「医療に関する給付を受けることができる者であるとき」とは、現に医療保険の被保険者証等を有し、現に医療保険の給付を受けることができる者をいう。したがって、例えば、国民健康保険法第五条及び第六条の要件を満たし、同法第七条の定めるところにより、法律的には被保険者資格を取得しているが、同法第九条の届出を行っていないために被保険者証等の交付を受けていない者は、これに該当せず、前記同様公費負担が行われるものであること。

2 結核患者の加入医療保険の把握について

(1) 保険未加入者の取扱い

前記1(2)のような保険未加入者については、早急に医療保険制度の届出等を行わせることが必要であり、結核予防主管課においても、あらゆる機会を通じて、加入医療保険の把握を行い、加入手続を行っていない場合には、被用者保険の被扶養者となる場合や、生活保護の医療扶助の対象となっている場合を除き、市町村の国民健康保険主管課に連絡し、国民健康保険の適用手続が行われるようにすること。

(2) 医療機関等からの問い合わせ

保険優先化に伴い、医療機関等の関係機関においては、従業禁止、命令入所患者で改正前の法により全額公費負担を受けていた者についても、加入保険の種別等を新たに把握する必要が生じる。このため、各保健所等においては、患者の加入保険の種別等について結核登録票等に基づき把握に努めるとともに、関係機関からの問い合わせがあった場合には、迅速かつ適切な対応につき、特段の配慮を願いたいこと。

3 医療保険加入手続が遅れた場合の取扱い

医療保険加入手続が翌月以降に遅れてしまった場合には、その月の医療に要した費用については、公費負担請求をすることとなること。

なお、この場合において、医療保険が遡及して適用され、療養費払いにより被保険者が保険者から給付を受けることができた場合には、都道府県は、当該被保険者に対して求償することができること。

4 一般患者に対する医療費(法第三十四条)の医療機関の窓口における自己負担額の端数処理について

一般患者に対する医療費については、医療費の九五%を公費負担するため、五%の部分が患者の自己負担となるが、この部分は、性格上、医療保険制度における一部自己負担であるから、健康保険法第七十五条に規定する一部負担金の端数処理の規定が適用され、医療機関においては、一〇円未満の金額は、四捨五入して、自己負担額を徴収するものであること。また、国民健康保険等についても同様の取扱いをするものであること。