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○栄養士法の一部を改正する法律について

(平成一二年四月二七日)

(健医発第七七六号)

(各都道府県知事・各政令市長・各特別区長あて厚生省保健医療局長通知)

栄養士法の一部を改正する法律(平成一二年法律第三八号)は、本年四月七日に公布され、平成一四年四月一日から施行することとされたところである。今後、必要な政省令等について順次検討の上、制定することとしているが、今般、その改正の趣旨及び主な内容を左記のとおり通知するので、十分御了知の上、貴管下市町村、関係機関、関係団体等に対する周知について御配慮をお願いする。

第一 改正の趣旨

近年、がん、脳卒中、心臓病、糖尿病等の生活習慣病の増加が国民の健康面における大きな課題となっており、これらの疾病の発症と進行を防ぐためには、生活習慣の改善、なかでも食生活の改善が重要な課題となっている。

こうしたなかで、栄養指導の分野においては、個人の身体状況や栄養状態等を総合的、継続的に判断し指導する栄養評価・判定の手法の普及が急がれている。

このたびの改正は、栄養評価・判定に基づく適切な指導を行うための高度な専門的知識及び技術を持ち、傷病者に対する療養のため必要な栄養の指導等の業務に対応する管理栄養士の育成を図るものである。

第二 改正の主な内容

一 管理栄養士の定義

管理栄養士の定義を、厚生労働大臣の免許を受けて、管理栄養士の名称を用いて、傷病者に対する療養のため必要な栄養の指導、個人の身体の状況、栄養状態等に応じた高度の専門的知識及び技術を要する健康の保持増進のための栄養の指導並びに特定多数人に対して継続的に食事を供給する施設における利用者の身体の状況、栄養状態、利用の状況等に応じた特別の配慮を必要とする給食管理及びこれらの施設に対する栄養改善上必要な指導等を行うことを業とする者をいうこととしたこと。(第一条第二項関係)

二 管理栄養士の免許

管理栄養士の免許は、管理栄養士国家試験に合格した者に対して、厚生労働大臣が与えることとしたこと。(第二条第三項関係)

三 免許の欠格事由

栄養士の免許について精神病及び伝染病に係る欠格事由を廃止するとともに、管理栄養士の免許の欠格事由についても栄養士と同様とすることとしたこと。(第三条関係)

四 栄養士名簿及び管理栄養士名簿への登録並びに栄養士免許証及び管理栄養士免許証の交付

栄養士名簿及び管理栄養士名簿への登録並びに栄養士免許証及び管理栄養士免許証の交付について所要の規定を整備することとしたこと。(第三条の二及び第四条関係)

五 管理栄養士の免許の取消し等

(一) 管理栄養士が欠格事由に該当するに至ったときは、厚生労働大臣は、当該管理栄養士に対する免許を取り消し、又は一年以内の期間を定めて管理栄養士の名称の使用の停止を命ずることができることとしたこと。(第五条第二項関係)

(二) 都道府県知事は、栄養士の免許を取り消し、又は栄養士の名称の使用の停止を命じたときは、速やかに、その旨を厚生労働大臣に通知しなければならないこととしたこと。(第五条第三項関係)

(三) 厚生労働大臣は、管理栄養士の免許を取り消し、又は管理栄養士の名称の使用の停止を命じたときは、速やかに、その旨を当該処分を受けた者が受けている栄養士の免許を与えた都道府県知事に通知しなければならないこととしたこと。(第五条第四項関係)

六 管理栄養士国家試験

(一) 修業年限が四年である一定の養成施設において管理栄養士として必要な知識及び技能を修得した者についての管理栄養士国家試験の一部免除は行わないこととしたこと。

(二) 管理栄養士国家試験の受験資格を次のとおりとしたこと。(第五条の三関係)

ア 修業年限が二年である養成施設を卒業して栄養士の免許を受けた後厚生労働省令で定める施設において三年以上栄養の指導に従事した者

イ 修業年限が三年である養成施設を卒業して栄養士の免許を受けた後厚生労働省令で定める施設において二年以上栄養の指導に従事した者

ウ 修業年限が四年である養成施設を卒業して栄養士の免許を受けた後厚生労働省令で定める施設において一年以上栄養の指導に従事した者

エ 修業年限が四年である養成施設であって、学校にあっては文部科学大臣及び厚生労働大臣が、その他の養成施設にあっては厚生労働大臣が、政令で定める基準により指定したものを卒業した者

七 主治の医師の指導

管理栄養士は、傷病者に対する療養のため必要な栄養の指導を行うに当たっては、主治の医師の指導を受けなければならないこととしたこと。(第五条の五関係)

八 施行期日等

(一) この法律は、平成一四年四月一日から施行することとしたこと。(附則第一条関係)。

(二) 改正前の栄養士法に規定する管理栄養士名簿に登録を受けている者は、改正後の栄養士法の規定による管理栄養士の免許を受けた者とみなすこととしたこと。(附則第二条関係)

(三) 改正前の栄養士法の規定による管理栄養士国家試験の一部免除に係る指定を受けている養成施設は、改正後の栄養士法の規定による管理栄養士養成施設の指定を受けたものとみなすこととしたこと。(附則第四条関係)

(四) 平成一七年三月三一日までの間は、改正前と同様のカリキュラム及び受験資格による管理栄養士国家試験を実施することとしたこと。(附則第五条第一項及び第二項関係)

(五) 平成一七年三月三一日において、改正前の規定による受験資格を有する者は、平成二二年三月三一日までの間、新法の規定にかかわらず管理栄養士国家試験を受けることができることとしたこと。(附則第五条第四項関係)