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○栄養士法及び栄養改善法の一部を改正する法律の施行について
(昭和六〇年七月一日)
(健医発第八二五号)
(各都道府県知事あて厚生省保健医療局長通知)
栄養士法及び栄養改善法の一部を改正する法律は、昭和六○年六月二五日法律第七三号(別添)として公布されたところであるが、その改正の趣旨及び要点は左記のとおりであるので、御了知の上、関係者に対する周知徹底を図られたく、通知する。
なお、本法律は、昭和六二年四月一日から施行することとされており、この法律の施行に必要な細目の事項については、おつて、関係政省令等の改正にあわせて通知する予定であるので念のため申し添える。
記
一 改正の趣旨
人生八○年型時代を迎え、成人病等の慢性疾患が増加している中で、国民の健康を確保し活力ある社会を建設していくためには、これらの疾患と関連の深い食生活の改善指導の充実を図る必要がある。
この度の改正は、専門職としての栄養士及び管理栄養士の資質の向上を図るとともに、特に栄養改善上の必要性が高い場合には専門職である管理栄養士の指導が確保できる体制を整備しようとするものである。
二 改正の要点
(一) 栄養士法の一部改正
ア 栄養士の免許の資格要件
栄養士免許を受ける資格要件は、従来、(1)厚生大臣の指定した栄養士の養成施設において二年以上栄養士たるに必要な知識及び技能を修得した者及び(2)厚生大臣の行う栄養士試験に合格した者と定められていた(旧栄養士法第二条)が、これを、厚生大臣の指定した栄養士の養成施設において二年以上栄養士として必要な知識及び技能を修得した者とし、栄養士試験を廃止することとしたこと。
ただし、経過措置として、昭和六七年三月三一日までは、なお、従前の例により栄養士試験を実施することとしたこと。
イ 管理栄養士の登録の資格要件
管理栄養士の登録の資格要件は、従来、栄養士であつて、(1)厚生大臣の行う管理栄養士試験に合格した者及び(2)栄養士の養成施設のうち修業年限が四年であるものであつて、学校にあつては文部大臣及び厚生大臣が、その他の養成施設にあつては厚生大臣が指定したものにおいて管理栄養士たるに必要な知識及び技能を修得した者と定められていた(旧栄養士法第五条の二)が、これを、栄養士であつて管理栄養士国家試験に合格した者とし、(2)の者について無試験で管理栄養士の登録を行う制度を廃止することとしたこと。
ただし、経過措置として、次のいずれかに該当する者については、管理栄養士名簿に登録を受けて管理栄養士になることができることとしたこと。
(ア) 旧栄養士法第五条の三に規定する管理栄養士試験に昭和六二年四月一日前に合格した者
(イ) 旧栄養士法第五条の二第二号の指定を受けた栄養士の養成施設を昭和六二年四月一日前に卒業した者
(ウ) 旧栄養士法第五条の二第二号の指定を受けた栄養士の養成施設において昭和六二年四月一日以前から管理栄養士として必要な知識及び技能を修得中の者であつて、昭和六二年四月一日以後に当該養成施設を卒業したもの
また、栄養士法等の一部を改正する法律(昭和三七年法律第一五八号。以下「昭和三七年改正法」という。)附則第四項に規定する者については昭和六五年三月三一日までの間に限り、管理栄養士名簿に登録を受けて管理栄養士になることができることとしたこと。
ウ 管理栄養士国家試験の受験資格
管理栄養士国家試験の受験資格を、栄養士であつて次のいずれかに該当する者としたこと。
(ア) 修業年限が二年である養成施設を卒業して栄養士の免許を受けた後厚生省令で定める施設において二年以上栄養の指導に従事した者
(イ) 修業年限が三年である養成施設を卒業して栄養士の免許を受けた後厚生省令で定める施設において一年以上栄養の指導に従事した者
(ウ) 修業年限が四年である養成施設を卒業した者
ただし、経過措置として、昭和三七年改正法附則第二項又は第三項に規定する者については、昭和六五年三月三一日までの間に限り、管理栄養士国家試験を受けることができることとしたこと(これらの者のうち(ア)、(イ)又は(ウ)に該当するものについては、昭和六五年三月三一日以降も管理栄養士国家試験を受けることができること)。
また、旧栄養士法第五条の四第三号の指定を受けている栄養士の養成施設に関し、昭和六二年四月一日以後当該養成施設を卒業した者については、当分の間、管理栄養士国家試験を受けることができることとしたこと。
エ 管理栄養士国家試験の一部免除
修業年限が四年である栄養士の養成施設であつて、学校にあつては文部大臣及び厚生大臣が、その他の養成施設にあつては厚生大臣が、指定したものにおいて管理栄養士として必要な知識及び技能を修得した者については、管理栄養士国家試験の一部を免除することができることとしたこと。
ただし、経過措置として、昭和三七年改正法附則第二項又は、第三項に規定する者が管理栄養士国家試験を受ける場合においては、昭和六五年三月三一日までの間に限り、管理栄養士国家試験の一部を免除することができることとしたこと。
なお、旧栄養士法第五条の二第二号の指定を受けている栄養士の養成施設については、新栄養士法第五条の三第二項の指定を受けたものとみなされるので、改めて指定の手続きをとる必要はないものであること。
オ その他
(ア) 管理栄養士国家試験の受験者が不正行為を行つた場合の制裁規定を設けたこと。
(イ) 管理栄養士国家試験に関する事務をつかさどるため、厚生省に管理栄養士国家試験委員を置くこととしたこと。
(ウ) 管理栄養士国家試験事務担当者に対し、厳正保持の義務を課するとともに、これに違反した者に対する罰則を定めたこと。
(エ) その地所要の改正を行つたこと。
(二) 栄養改善法の一部改正
ア 集団給食施設であつて栄養改善上特別の給食管理が必要なものとして都道府県知事が指定するものの設置者は、当該施設に管理栄養士を置かなければならないこととしたこと。なお、この指定の基準は、厚生大臣が別に定めることとしたこと。