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○栄養士法施行令等の一部改正について(抄)
(昭和四八年六月七日)
(衛発第三四八号)
(各都道府県知事あて厚生省公衆衛生局長通知)
栄養士法施行令の一部を改正する政令は、昭和四八年四月四日政令第五二号をもつて別添(略)のとおり公布、即日施行され、調理師法施行規則の一部を改正する省令は、同月一○日厚生省令第一四号をもつて別添(略)のとおり公布され、また、栄養士法施行規則の一部を改正する省令及び管理栄養士学校指定規則の一部を改正する省令は、同月一一日厚生省令第一六号及び文部・厚生省令第一号をもつて、それぞれ別添(略)のとおり公布されたが、これらの改正の趣旨及び内容並びに運用上留意すべき事項等は左記のとおりであるので、御了知のうえ、遺憾のないよう配意されたい。
なお、栄養士及び調理師の養成施設に関する改正事項については、養成施設の設置者(設立者)に対し、その内容を十分周知徹底されたい。
記
第一 栄養士法施行令の一部改正関係
一 改正の趣旨
今回の改正は、栄養士の名簿作成に関する事務の簡素化を図るとともに、栄養士養成施設の内容変更について主務大臣の承認を要する事項を整理したものである。
二 改正の内容
(一) 栄養士が都道府県の区域をこえて住所を変更した場合の都道府県知事の名簿作成に関する事務が廃止されたこと。
(二) 都道府県知事は、他の都道府県知事の免許を受けた栄養士について免許の取消し等の処分が行なわれる必要があると認めるときは、理由を附して、免許を与えた都道府県知事にその旨を通知しなければならないこととされたこと。
(三) 指定を受けた栄養士養成施設の教育課程の変更のうち、必修科目の単位数及び履修方法以外の教育課程の変更については、主務大臣の承認を要しないこととされたこと。
三 運用上の留意点
(一) 従来、栄養士が住所を変更したときは、住所変更の届出が義務づけられており、その変更が都道府県の区域をこえて行なわれた場合には、都道府県知事の名簿作成に関する事務として、新住所地の知事から旧住所地の知事に対する通知事務、旧住所地の知事から新住所地の知事に対する名簿の写の送付事務及び新住所地の知事による新らたな名簿の作成事務が必要とされていたところであるが、この名簿作成に要する負担を軽減するため、これらの事務が廃止されたものであること。
従つて、改正後は都道府県知事は、当該都道府県知事が免許を与えた栄養士についてのみ名簿を作成すればよいこととされ、他の都道府県知事から免許を受けた栄養士については、当該都道府県に住所が変更されても、その者の名簿を作成する必要がないこととされたものであること。
(二) 改正後は、免許を与えた栄養士につき栄養士名簿を作成することとされたので、従前免許を与え、その後、他の都道府県に転出した者についても栄養士名簿を整備されたいこと。
(三) 指定を受けた栄養士養成施設の設置者は、当該養成施設において必修科目以外の単位数及び履修方法を変更しようとするときは、主務大臣の承認を要しないこととされたが、この必修科目とは、栄養士法施行令(昭和二八年政令第二三一号)第四条、第四条の二及び第四条の三に規定する必修科目であること。
従つて、例えば、従前、管理栄養士養成施設にあつては、一般教育科目、栄養士養成施設にあつては栄養士課程以外の専門学科の教育課程の変更についても主務大臣の承認が必要とされていたものであるが、これらについては、承認が不要となつたものであること。
第二 栄養士法施行規則の一部改正関係
一 改正の趣旨
今回の改正は、栄養士の資質の向上に資するため、栄養審議会に意見具申(「管理栄養士及び栄養士養成施設指定基準の改善に関する意見」昭和四八年三月五日)に基づいて、養成施設の指定の基準の改善を行なうとともに、行政事務の簡素化を図るため、栄養士名簿の作成事務を整理したものである。
二 改正の内容
(一) 栄養士名簿の作成事務の簡素化に関する事項
ア 栄養士免許証の訂正及び再交付の申請は、免許を与えた都道府県知事に対して申請することに改められたこと。
イ 栄養士が住所を変更したときは、都道府県知事に対する届出を要しないこととされたこと。
ウ 栄養士名簿の記載事項のうち住所が削除されたこと。
(二) 栄養士養成施設及び学校でない管理栄養士養成施設(以下「養成施設」という。)の指定基準に関する事項
ア 開設すべき必修科目の単位数及び履習方法が改められたこと。
イ 必修科目の単位の計算方法が大学設置基準(昭和三一年文部省令第二八号)第二六条の規定の例によることとされたこと。
ウ 養成施設が備えるべき施設のうち、その一部の名称が改められ、またその施設に備えるべき機械、器具の一部が改められたこと。
エ 医師又は医師と同等の知識及び経験を有する教員が担当すべき栄養学の分野のうち、「栄養病理学」が「病態栄養学総論」に改められたこと。
(三) その他
ア 管理栄養士試験及び栄養士試験の受験の際に提出する受験願書の添付書類のうち、写真の大きさが改められたこと。
イ 管理栄養士試験については、学科試験のみの受験は認められないこととされたこと。
ウ 栄養士免許証の様式が改められたこと。
三 運用上の留意点
(一) 栄養士名簿の作成に関する事項
ア 従来、栄養士は住所を変更したときは、その旨を都道府県知事に届出なければならないこととされていたが、この届出の制度が廃止されたので、栄養士その他関係者に十分周知されたいこと。
イ 栄養士の住所変更に伴う届出義務が廃止されたことにより、栄養士名簿の記載事項のうち住所が削除されたが、現に記載してある栄養士名簿については抹しようする必要はないものであること。
(二) 養成施設の指定基準に関する事項
ア 今回の改正による必修科目の単位数の増減内訳は、別紙第一のとおりであること。
イ 今回の改正による栄養士法施行規則(昭和二三年厚生省令第二号)別表第一、第四及び、第七に掲げる各必修科目毎に開設する授業科目、その単位数及び履修方法は、それぞれの養成施設において定めるものであるが、栄養学及び食品学について一単位以上を必修として課すべき授業科目及びその他必修科目の授業科目の例示は、それぞれ別紙第二、第三及び第四のとおりであること。
ウ 別紙第二、第三及び第四で示した必修科目及び単位数の例示は、(1)栄養学の授業科目に、栄養生理・生化学、病態栄養学総論、病態栄養学各論(各種疾病の食事療法を含む。)及び公衆栄養が加えられ、従前の栄養化学、栄養病理学及び栄養生理学が廃止されたものであること。(2)食品学の授業科目に食品化学実験(基礎実験を含む。)が加えられたものであること。(3)公衆衛生学の授業科目に、健康管理概論が含まれることとされたこと。(4)栄養学及び食品学の授業科目毎の単位数は、それぞれ最低一単位とし、それ以上の単位は、選択開講できるものとされたこと。(5)校外実習については、栄養指導として実施するものとして、その対象施設は、保健所、病院、学校及び事業所に限定され、その履修単位は、最低二単位以上であることとされたこと。
エ 必修科目のうち専門教育科目の単位数は、「講義又は演習」と「実験又は実習」ごとにそれぞれの必修単位数が定められているが、今回の改正により、講義については教室内における毎週一時間一五週の講義をもつて一単位とすることができることとされたので、養成施設における教育課程の編成及び実施にあたつては、とくに講義と演習の均衡に配慮するよう指導されたいこと。
オ 講義、演習及び実験実習についての従来の単位の計算方法は、大学設置基準に定める計算方法に反するものではないこと。
カ 養成施設に置かなければならないこととされている施設のうち、従来の培養室及び発酵室は、今回の改正による微生物実験室に、動物飼育室は動物実験室にそれぞれ該当するので、現に指定を受けている養成施設においては、これらの施設を新らたに備えることを要しないものであること。
キ 医師又は医師と同等の知識及び経験を有する教員が担当すべき栄養学の分野のうち、従来「栄養病理学」を担当していた教員は、今回の改正による「病態栄養学総論」を担当する教員として取り扱つてよいものであり、現に指定を受けている養成施設においては、新らたに教員を採用することを要しないものであること。
なお、医師又は医師と同等の知識及び経験を有する者の取り扱いについては、「栄養士法等の一部を改正する法律等の施行について」(昭和三八年七月二三日衛発第五七九号厚生省公衆衛生局長通知)の第三第七項によるものであること。
四 施行期日等
(一) この省令は、公布の日から施行されるものであること。ただし、二の(三)のア及びイについては、昭和四九年四月一日から施行されるものであること。
(二) 現に指定を受けている養成施設に昭和四八年度以前に入所した学生又は生徒の養成に係る必修科目の単位数及び履修方法については、なお従前の例によることができることとされたが、これらの学生又は生徒に係る教育課程についても昭和四九年度からはできるだけ改正後の基準により編成するよう指導されたいこと。
(三) 昭和四八年度以前に入学した学生又は生徒の養成に係る必修科目の教育課程を改正後の基準により編成する場合は、必修科目の単位数、履修方法及び単位の計算方法のすべてにわたつて改正後の基準により編成するよう指導されたいこと。
(四) 教育課程の変更承認の申請については、なるべく本年一一月末日までに厚生大臣に対し申請書を提出するよう指導されたいこと。
(五) この省令の改正により、栄養士免許証の様式が、日本工業規格B列四番に改められたが、この省令の施行の際、現に交付されている栄養士免許証は、改正後の様式による栄養士免許証とみなされるものであること。
(六) この省令の施行の際、現にある改正前の様式による栄養士免許証の用紙は、昭和四九年三月三一日までは使用できることとされたが、できるだけ早い機会に、改正後の様式に改めるよう努められたいこと。
第三 管理栄養士学校指定規則の一部改正関係
管理栄養士学校指定規則(昭和四一年文部省・厚生省令第二号)は、文部省と厚生省との共同省令であるため、別途、文部省大学学術局長、厚生省公衆衛生局長連名をもつて通知するので、それを参照されたいこと。
第四 略
別紙第1略
別紙第2略
別紙第3略
別紙第4略