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○栄養表示基準等の取扱いについて

(平成八年五月二三日)

(衛新第四六号)

(各都道府県・各政令市・各特別区衛生主管部(局)長あて厚生省生活衛生局食品保健課新開発食品保健対策室長通知)

栄養改善法(昭和二七年法律第二四八号。以下「法」という。)の一部改正の施行に伴う法第一二条第三項の手数料の額を定める政令(昭和五九年政令第一三八号)、栄養改善法施行規則(昭和二七年厚生省令第三七号。以下「規則」という。)等の一部の改正及び栄養表示基準(平成八年五月厚生省告示第一四六号)の制定等については、平成八年五月二三日衛食第一三五号をもって生活衛生局長より通知されたところであるが、その取扱いについては、左記によることとしたので、関係営業者等に対し、制度の円滑な実施のため、本基準等の周知徹底に努められるようお願いする。

1 適用の範囲について

(1) 栄養表示等の範囲

① 次に掲げる表示をしようとする者及び当該表示がなされたものを輸入する者は、健康増進法(平成14年法律第103号。以下「法」という。)第31条第1項に規定する「販売に供する食品(特別用途食品を除く。)につき、栄養成分(厚生労働省令で定めるものに限る。)又は熱量に関する表示をしようとする者及び本邦において販売に供する食品であって栄養表示がなされたもの(法第29条の承認に係る食品を除く。)を輸入する者」には該当しないものであること。(法第31条第1項)

ア 原材料名としての栄養成分名のみの表示

イ 「ビタミン飴」、「ミネラルウォーター」のように品名の中に一般名称として、栄養成分名のみが表示される表示

ウ 他の法律により義務づけられた栄養成分名の表示(主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律(平成6年法律第113号)により、登録出荷取扱業者、登録卸売業者及び登録小売業者が、その遵守すべき事項に従い、袋詰精米に、ビタミン強化米等の混入物の名称、重量等を記載する場合を含む。)

エ 農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(昭和25年法律第175号)に基づく表示

② 栄養表示基準が適用される栄養表示とは、邦文によるものであること(栄養表示基準第1条)。ただし、全体として邦文表示を行っていて、栄養表示基準に適合しない強調表示のみを邦文以外で行うこと等は適当でないこと。

③ 栄養表示基準が適用される栄養表示とは、健康増進法施行規則(平成15年厚生労働省令第86号)第16条に規定する栄養成分及び熱量そのものを表示する場合はもちろんのこと、その総称(ミネラル、ビタミンなど)、その種類である栄養成分(脂質における不飽和脂肪酸、炭水化物における食物繊維など)、別名称(プロテイン、ファットなど)、その構成成分(たんぱく質におけるアミノ酸など)、前駆体(β―カロテンなど)その他これらを示唆する一切の表現(果実繊維、カルシウムイオンなど)が含まれた表示をいうものであること。

④ 「うす塩味」、「甘さひかえめ」など味覚に関する表示は、栄養表示ではないので栄養表示基準の適用対象にはならないものであること。

なお、「あま塩」、「うす塩」、「あさ塩」などの表示は、栄養表示として適用対象となるものであること。

(2) その他

① 店頭で表示されるポップやポスターなど、食品の容器包装及び添付文書以外のものに栄養表示する場合は、栄養表示基準は適用されないものであること。(法第31条第1項ただし書)

② 販売に供する食品のうち、専ら食品衛生法(昭和22年法律第233号)第4条第8項に規定する営業者が購入し、又は使用するものについては、栄養表示基準は適用されないものであること。(栄養表示基準第1条)

なお、学校給食や病院給食等への販売に供する食品については、学校及び病院等はこの営業者ではないので、栄養表示基準が適用されるものであること。

③ 生鮮食品については、基本的に栄養表示基準の適用対象外とされたが、鶏卵については、特定の栄養成分を使用し、通常のものに比べて、栄養成分に変化を生じさせ、その旨を強調した、いわゆる特殊卵が流通、販売されている実態にかんがみ、栄養表示基準の適用対象とされたものであること。(栄養表示基準第1条)

④ 栄養成分が添加されたものでなく、天然に含まれる栄養成分について表示した場合も栄養表示基準の対象となるものであること。

2 表示事項について

(1) 法第31条第2項第1号の食品の栄養成分量及び熱量に関し表示すべき事項(以下「一般表示事項」という。)は、次のとおりである。

① 当該食品の販売される状態における可食部分の100g若しくは100ml又は1食分、1包装その他の1単位(以下「食品単位」という。)当たりのたんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウムの量及び熱量並びに表示しようとする栄養成分(以下「表示栄養成分」という。)の量(栄養表示基準第2条第1号及び第2号)。この場合、栄養成分量、熱量及び食品単位は、販売される状態における可食部分で表示すること。水等を加えることによって、販売時と摂食時で重量に変化があるもの(粉末ジュース、粉末スープ、米、小麦粉、乾めん、マーボ豆腐の素等)においても販売時の栄養成分量及び熱量で表示すること。

② 栄養機能食品(食生活において栄養表示基準別表第1の第1欄に掲げる栄養成分の補給を目的として摂取をする者に対し 当該栄養成分を含むものとして、基準に従って当該栄養成分の機能の表示をするもの)にあっては、一般表示事項以外に次の事項を表示すること。(栄養表示基準第2条第2項)

ア 栄養機能食品である旨

イ 栄養成分の名称及び機能

ウ 一日当たりの摂取目安量

エ 摂取の方法及び摂取する上での注意事項

オ 一日当たりの摂取目安量に含まれる機能の表示を行う栄養成分の量の栄養素等表示基準値(「「日本人の食事摂取基準(2005年版)」の策定に伴う食品衛生法施行規則の一部改正等について」(平成17年7月1日付け食安発第0701006号厚生労働省医薬食品局食品安全部長通知)第1において示されている栄養素等表示基準値)に占める割合

カ 調理又は保存の方法に関し注意を必要とするものはその注意事項

キ バランスの取れた食生活の普及啓発を図る文言として、「食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを。」の表示

ク 本品は、特定保健用食品と異なり、厚生労働大臣による個別審査を受けたものでない旨

③ 食品単位。食品単位を1食分とする場合は、当該1食分の量を併せて表示すること(栄養表示基準第2条第1項第3号及び第4号)。この場合の1食分の量は、通常人が当該食品を1回に摂食する量として、営業者等が定めた量とするものであること。

(2) 炭水化物の表示が原則であるが、炭水化物に代えて糖質及び食物繊維をもって表示することができる。(栄養表示基準第4条)

3 表示の方法について

(1) 表示に当たっては、邦文をもって、当該食品を一般に購入し、又は使用する者が読みやすく、理解しやすいような用語により正確に記載すること。また添付文書に記載する場合以外は、容器包装を開かないでも見える場所に読みやすく記載すること。(栄養表示基準第3条第1項第1号から第3号まで)

(2) 表示の順序については、熱量、たんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウム及び表示栄養成分の順とすること。(栄養表示基準第3条第1項第4号)

(3) 表示に用いる名称は、熱量にあっては、「エネルギー」、たんぱく質にあっては、「蛋白質」「たん白質」「タンパク質」「たんぱく」「タンパク」、ナトリウムにあっては、「Na」、カルシウムにあっては、「Ca」、鉄にあっては、「Fe」、ビタミンAにあっては、「VA」(その他のビタミンも同様)と表示することができるものであること。

(4) 含有量の表示は、食品単位当たりの栄養成分量及び熱量を、次の単位による一定値又は下限値及び上限値で記載すること。(栄養表示基準第3条第1項第4号及び第5号、別表第1並びに別表第2)

ア たんぱく質 g又はグラム

イ 脂質 g又はグラム

ウ 飽和脂肪酸 g又はグラム

エ コレステロール mg又はミリグラム

オ 炭水化物 g又はグラム

カ 糖類(単糖類又は二糖類であって、糖アルコールは除く。) g又はグラム

キ 食物繊維 g又はグラム

ク 亜鉛、カルシウム、鉄、銅、マグネシウム及びナトリウム mg又はミリグラム

ただし、ナトリウムについて1,000mg以上の場合にあってはg又はグラムとすることができる。

ケ ビタミンA及びビタミンD μg若しくはマイクログラム又はIU若しくは国際単位

ビタミンE mg又はミリグラム

ナイアシン、パントテン酸、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6及びビタミンC mg又はミリグラム

ビオチン、ビタミンB12及び葉酸 μg又はマイクログラム

コ 熱量 kcal又はキロカロリー

(5) 一定値を記載する場合は、栄養表示基準別表第2の分析方法による分析を基準として次の誤差の許容範囲内であること。また、下限値及び上限値を記載する場合は、分析値がその範囲内であること。(栄養表示基準第3条第1項第6号及び別表第2)

ア 熱量、たんぱく質、脂質、飽和脂肪酸、コレステロール、炭水化物、糖類、食物繊維及びナトリウム:-20%~+20%

イ 亜鉛、カルシウム、鉄、銅、マグネシウム、ビタミンA、ビタミンD及びビタミンE:-20%~+50%

ウ ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC及び葉酸:-20%~+80%

(6) 表示された含有量については、当該食品の消費期限又は品質保持期限の期間中、一定値をもって表示されている場合は、誤差の許容範囲内、また、下限値及び上限値で表示されている場合は、その幅の中に含まれていなければならないものであること。

(7) 含有量の有効数字や数値の丸め方については、基準を設けないものであること。

材料のバラツキ、掲示変化等を考慮して、一定値をもって表示されている場合は、誤差の許容範囲、また、下限値及び上限値で表示されている場合は、その幅の中に含まれていることが重要であること。

(8) 次の場合は、0と表示することができること。(栄養表示基準第3条第1項第6号ただし書及び別表第2)

① たんぱく質、脂質及び炭水化物については、100g(ml)当たり0.5g未満の場合

② 飽和脂肪酸については、100g(ml)当たり0.1g未満の場合

③ コレステロールについては、100g(ml)当たり5mg未満の場合

④ 糖類については、100g(ml)当たり0.5g未満の場合

⑤ ナトリウムについては、100g(ml)当たり5mg未満の場合

⑥ 熱量について100g(ml)当たり5kcal未満の場合

(9) 栄養機能食品における栄養成分の機能の表示及び摂取をする上での注意事項の表示は、栄養表示基準別表第1の第2欄及び第4欄の基準量を満たす栄養成分について、それぞれ当該栄養成分に対応する第3欄及び第5欄に掲げる表示事項を記載して行うこと。表示内容の主旨が同じものであっても栄養表示基準で定める表示内容以外の記載は認められないこと。

なお、栄養成分によっては、表示事項が同一の場合があるが、その際には、栄養成分の表示事項を次のようにまとめて記載することを認めるものであること。

(例) ナイアシン、ビオチン及びビタミンB2は、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。

(10) 栄養機能食品における栄養成分の名称の表示は 栄養機能食品である旨の表示に続けてかっこ書きで表示するものとし、「栄養機能食品(ビタミンA)」等とすること。

なお、複数の栄養成分について機能の表示をする場合は、「栄養機能食品(ビタミンC・ビタミンE)」等と表示すること。4つ以上の栄養成分について機能の表示をする場合は、そのうち任意の3つを表示すれば足りる。

(11) 栄養機能食品にあっては、次に掲げる表示をしてはならないこと(栄養表示基準第3条第3項)。

① 厚生労働大臣が定める基準に係る栄養成分以外の成分の機能の表示

② 特定の保健の目的が期待できる旨の表示

(12) 含有量が0の場合であるものについても表示事項の省略はできないものであること。ただし、複数の表示事項が0である場合は、例えば、「たんぱく質と脂質が0」というように一括して表示することができるものであること(栄養表示基準第3条第2項)。

(13) 表示事項は、原則として、8ポイント以上の活字をもって記載すること。ただし、容器包装又は包装の表示面積が150cm2以下の場合にあっては、5.5ポイント以上の活字で記載すること。

なお、表示面積が小さい場合であっても、表示事項を省略することはできないものであること。

(14) 含有量の表示に際しては、必ず分析を行わなければならないものではなく、結果として表示された含有量が正確な値であれば表示基準違反にはならないこと。

(15) 宅配牛乳等同一の食品が継続的に同一人に販売されるものであって、容器包装に表示することが困難なものについては、商品の販売に伴って定期的に同一人に提供される文書に必要な栄養表示を行うことによってこれに代えることができるものであること。

(16) セットで販売され、通常一緒に食される食品(即席めんなどにおけるめん、かやく、スープの素、ハンバーグセットにおけるハンバーグとソース等)の表示については、セット合計の含有量を表示すること。これに併せて、セットを構成する個々の食品についても、含有量を表示することは差し支えないこと。

(17) 炭水化物に代えて糖質及び食物繊維の表示を行う場合、(2)、(4)、(5)及び(8)中「炭水化物」とあるのは「糖質及び食物繊維」とする。

4 強調表示基準の適用の範囲について

(1) 栄養表示基準において、栄養表示基準第5条から第11条までの遵守すべき事項(以下「強調表示基準」という。)が適用される表示は、次のとおりであること。

① 別紙1の表に掲げる栄養成分についての補給ができる旨の表示。従って、これら以外の栄養成分についての補給ができる旨の表示は、強調表示基準は適用されない。

② 別紙2の表に掲げる栄養成分及び熱量についての適切な摂取ができる旨の表示。従って、これら以外の栄養成分についての適切な摂取ができる旨の表示は、強調表示基準は適用されない。

(2) 強調表示基準が適用されるか否かに関わらず、一般表示事項は表示しなければならないものであること。

(3) 強調表示基準については、誤差の範囲は認められないが、増量(割合)又は低減量(割合)の表示値は、分析値以下であればよいものであること(栄養表示基準第7条第4項第2号、第10条第4項)。

(4) 強調表示基準は、当該食品の販売時における重量等で適用されるものであること。すなわち、水等を加えることによって、販売時と摂食時で重量等に変化があるもの(粉末ジュース、粉末スープ、米、小麦粉、乾めん、マーボ豆腐の素等)においても販売時の重量等で適用されるものであること。

(5) 子どもを対象とした食品であっても一般の食品と同じ強調表示基準が適用されるものであること。

5 補給ができる旨の表示について

(1) 法第31条第2項第2号に規定する補給ができる旨の表示とは、高い旨の表示、含む旨の表示及び強化された旨の表示をいうものであること。

(2) 高い旨の表示とは、補給ができる旨の表示のうち含む旨の表示及び強化された旨の表示にあたらないものであり、具体的には「高」、「多」、「豊富」その他これに類する表示をいうものであること(栄養表示基準第5条第1項)。

(3) 高い旨の表示をする場合は、別表第1の分析方法による栄養成分量が別紙1の表の第1欄の基準値以上であること(栄養表示基準第5条第1項及び第2項)。

(4) 高い旨の表示は、当該栄養成分を強化していなくても、その食品本来の性質として基準を満たしていれば行うことができるが、例えば、単に「高たんぱく質チーズ」と表示するなど、当該チーズが他のチーズに比べて、たんぱく質が多いという誤解を招くような表示は適当ではないので、「チーズは高たんぱく質食品です。」というような表示をするよう指導されたいこと。

(5) 含む旨の表示とは、「源」、「供給」、「含有」、「入り」、「使用」、「添加」その他これに類する表示をいうものであること(栄養表示基準第6条第1項)。

(6) 含む旨の表示をする場合は、別表第2の分析方法による栄養成分量が別紙1の表の第2欄の基準値以上であること(栄養表示基準第6条第1項及び第2項)。

6 適切な摂取ができる旨の表示について

(1) 法第31条第2項第3号に規定する適切な摂取ができる旨の表示とは、含まない旨の表示、低い旨の表示及び低減された旨の表示をいうものであること。

(2) 含まない旨の表示とは、「無」、「ゼロ」、「ノン」その他これに類する表示をいうものであり、「不使用」、「無添加」は該当しないものであること(栄養表示基準第8条第1項)。

(3) 含まない旨の表示をする場合は、別表第2の分析方法による栄養成分量又は熱量が別紙2の表の第1欄の基準値に満たないこと(栄養表示基準第8条第1項及び第2項)。

(4) 「ノンシュガー」、「シュガーレス」という表示は、糖類に係る含まない旨の表示の基準が適用されるものであること(栄養表示基準第8条)。

(5) 「砂糖不使用」の表示については、強調表示基準は適用されないものであること。ただし、砂糖の表示は栄養成分に関する表示には該当するので、一般表示事項の表示は必要であり、その際、表示栄養成分量としてはショ糖の量を記載すること。

なお、砂糖を原料として使用していなければ、その食品本来の成分としてショ糖が含まれていたり、他の糖類を使用していても「砂糖不使用」と表示することは、栄養表示基準による規制はないものであること。

(6) 「食塩無添加」の表示についても、同様に強調表示基準は適用されないものであるが、一般の表示事項は必要であること。

なお、その食品本来の成分としてナトリウムが含まれていても食塩無添加表示をしても差し支えないものであるが、従来、ナトリウムに代えて食塩で栄養指導が行われてきた経緯等に鑑み、食塩以外の形であってもナトリウムを添加していれば、食塩無添加の表示は行わないこと。

(7) 低い旨の表示とは、「低」、「ひかえめ」、「少」、「ライト」、「ダイエット」その他これに類する表示をいうものであること(栄養表示基準第9条第1項)。

(8) 低い旨の表示をする場合は、別表第2の分析方法による栄養成分量又は熱量が別紙2の表の第2欄の基準値以下であること(栄養表示基準第9条第1項及び第2項)。

(9) 適切な摂取ができる旨の表示の基準が適用される栄養成分及び熱量は、あくまで「国民の栄養摂取状況からみて、その過剰な摂取が国民の健康の保持増進に影響を与えている」(法第31条第2項第2号)ものであって、そもそも栄養成分や熱量である以上、エネルギーを供給し、又は生命の維持・成長に必要不可欠なものであり、本来、有害な成分でないことは当然であること。

(10) ドレッシングタイプ調味料(いわゆるノンオイルドレッシング)の取扱いについては、当分の間、栄養表示基準別表第4備考によることとするが、ノンオイルドレッシングのうち別表第4備考の基準値(3g/100g未満)は満たすものの、別表第4の基準値(0.5g/100g未満)を超えるものにあっては、消費者に適切な情報提供を図るため、原材料として食用油脂を使用していない旨及び当該食品の脂質量の由来を明らかにする旨の表示を行うよう努めること。

7 相対表示について

(1) 相対表示には、強化された旨の表示及び低減された旨の表示があること。

(2) 強化された旨の表示は、他の食品と比べて栄養成分量が強化された旨の表示であること(栄養表示基準第7条第1項)。比較対象食品名及び増加量又は割合を記載せずに、単に「高」等の表示がされた場合は、強化された旨の表示ではなく、高い旨の表示となること。

(3) 強化された旨の表示をする場合は、別表第2の分析方法による当該栄養成分の増加量が別紙1の表の第2欄の基準値以上であること(栄養表示基準第7条第1項及び第2項)。

この場合は、一般表示事項に準ずる方法により比較対象食品名及び増加量又は割合を表示すること。また、増加量又は割合の表示値は別表第2の分析方法による分析値以下であること。栄養表示基準第7条第1項及び第4項)

(4) 低減された旨の表示は、他の食品と比べて栄養成分量が低減された旨の表示であること(栄養表示基準第10条第1項)。比較対象食品及び低減量又は割合を記載せずに単に「低」等の表示がなされた場合は、低減された旨の表示ではなく低い旨の表示となること。

(5) 「減塩」や「食塩○○%カット」という表示は、ナトリウムに係る低減された旨の表示の基準が適用されるものであること。

(6) 低減された旨の表示をする場合は、別表第2の分析方法による当該栄養成分の低減量が別紙2の表の第2欄の基準値以上であること(栄養表示基準第10条第1項及び第2項)。

この場合、一般表示事項に準ずる方法により比較対照する食品名及び低減量又は割合を表示すること。また、低減量又は割合の表示値は別表第1の分析方法による分析値以下であること(栄養表示基準第10条第3項及び第4項)。さらに、しょうゆのナトリウムについて、表示する場合には、同種の標準的なしょうゆに比べて低減割合が20%以上であること。(栄養表示基準第11条)

(7) 比較対象食品名は、「自社従来品○○○」「5訂日本食品標準成分表○○○」「コーヒー飲料標準品」等当該食品を特定するために必要な事項を記載すること(栄養表示基準第7条第3項第1号、第10条第3項第1号)。

(8) 比較対象食品名及び増加(低減)量又は割合は、相対表示と近接した場所に記載すること。ただし、比較対象食品が全く同種の食品である場合は、比較対象食品名の記載は、近接した場所でなくてもよいこと。

(9) 比較対象食品は、全く同種の食品でなくても、例えばバターとマーガリンを比較する等も可能であるが、次の場合は不適当であること。

① 比較対象食品の当該栄養成分が一般流通品と比べて高く、「低減された旨」の表示を行った食品の当該栄養成分が一般流通品と比較して大差ない場合。

② 比較対象食品の流通がかなり以前に終了している等、事実上比較が不可能な場合。

(10) 増加(低減)割合の基準は、しょうゆのナトリウムについてのみ定めたが、今後、実態を調査して他の食品の他の栄養成分についても定める予定であること。

8 その他

(1) 平成17年2月1日から適用される栄養機能食品の表示に係る規定に関する経過措置は、平成18年3月31日までに製造され、加工され、又は輸入される栄養機能食品の表示について適用されるものであること。(栄養表示基準の一部を改正する件(平成17年厚生労働省告示第16号)制定文)

(2) 都道府県等は、経過措置期間においては、関係業者に対し、特に制度の円滑な実施のため、改正内容の周知徹底に努められたいこと。

また、指導に当たっては、平成18年3月31日までの間は、経過措置期間中であるので、改正前に既に商品の企画、開発がなされたものについて、十分配慮すること。

なお、経過措置が適用された食品が、経過措置期間終了後である平成18年4月1日以降市場に滞流していても、栄養表示基準違反となるものではないこと。

(3) 平成17年7月1日から適用される栄養表示基準の改正に関する経過措置は、当該改正前の栄養表示基準に従って表示をする食品で、平成18年12月31日までに製造され、加工され、又は輸入されるものの表示について適用されるものであること。(栄養表示基準の一部を改正する件(平成17年厚生労働省告示第310号)制定文)

(4) 都道府県等は、平成18年12月31日までの経過措置期間においては、関係業者に対し、制度の円滑な実施のため、改正内容の周知徹底に一層努められたいこと。

また、指導に当たっては、平成18年12月31日までの間は、経過措置期間中であるので、改正前に商品の企画、開発がなされたものについて、十分配慮すること。

なお、平成18年12月31日までの経過措置期間中に製造等された食品が、経過措置期間終了後である平成19年1月1日以降市場に滞流していても、栄養表示基準違反となるものではないこと。

(5) 栄養表示基準に従った表示をしない者があるときは 厚生労働大臣が、その者に対し、栄養表示基準に従い必要な表示をすべき旨の勧告をすることができるものであること。また、この勧告を受けた者が、正当な理由なく勧告に係る措置をとらなかったときは、その者に対し、勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができるものであること(法第32条第1項及び第2項)。

(6) 特別用途食品は、厚生労働大臣の許可を受けて適正な栄養表示をしているので、法律上栄養表示基準は適用されないものであること。

別紙1

補給ができる旨の表示について遵守すべき基準値一覧

栄養成分

[第1欄]

高い旨の表示をする場合は、次のいずれかの基準値以上であること

[第2欄]

含む旨又は強化された旨の表示をする場合は、次のいずれかの基準値以上であること

食品100g当たり

( )内は、一般に飲用に供する液状の食品100ml当たりの場合

100kcal当たり

食品100g当たり

( )内は、一般に飲用に供する液状の食品100ml当たりの場合

100kcal当たり

たんぱく質

15g(7.5g)

7.5g

7.5g(3.8g)

3.8g

食物繊維

6g(3g)

3g

3g(1.5g)

1.5g

亜鉛

2.10mg(1.05mg)

0.70mg

1.05mg(0.53mg)

0.35mg

カルシウム

210mg(105mg)

70mg

105mg(53mg)

35mg

2.25mg(1.13mg)

0.75mg

1.13mg(0.56mg)

0.38mg

0.18mg(0.09mg)

0.06mg

0.09mg(0.05mg)

0.03mg

マグネシウム

75mg(38mg)

25mg

38mg(19mg)

13mg

ナイアシン

3.3mg(1.7mg)

1.1mg

1.7mg(0.8mg)

0.6mg

パントテン酸

1.65mg(0.83mg)

0.55mg

0.83mg(0.41mg)

0.28mg

ビオチン

14μg(6.8μg)

4.5μg

6.8μg(3.4μg)

2.3μg

ビタミンA

135μg(68μg)

45μg

68μg(34μg)

23μg

ビタミンB1

0.30mg(0.15mg)

0.10mg

0.15mg(0.08mg)

0.05mg

ビタミンB2

0.33mg(0.17mg)

0.11mg

0.17mg(0.08mg)

0.06mg

ビタミンB6

0.30mg(0.15mg)

0.10mg

0.15mg(0.08mg)

0.05mg

ビタミンB12

0.60μg(0.30μg)

0.20μg

0.30μg(0.15μg)

0.10μg

ビタミンC

24mg(12mg)

8mg

12mg(6mg)

4mg

ビタミンD

1.50μg(0.75μg)

0.50μg

0.75μg(0.38μg)

0.25μg

ビタミンE

2.4mg(1.2mg)

0.8mg

1.2mg(0.6mg)

0.4mg

葉酸

60μg(30μg)

20μg

30μg(15μg)

10μg

別紙2

適切な摂取ができる旨の表示について遵守すべき基準値一覧

栄養成分

[第1欄]

含まない旨の表示は次の基準値に満たないこと

[第2欄]

低い旨の表示は次の基準値以下であること

食品100g当たり

( )内は、一般に飲用に供する液状の食品100ml当たりの場合

食品100g当たり

( )内は、一般に飲用に供する液状の食品100ml当たりの場合

熱量

5kcal(5kcal)

40kcal(20kcal)

脂質

0.5g(0.5g)

3g(1.5g)

飽和脂肪酸

0.1g(0.1g)

1.5g(0.75g)かつ飽和脂肪酸由来エネルギーが全エネルギーの10%

コレステロール

5mg(5mg)かつ飽和脂肪酸の含有量*

1.5g(0.75g)かつ飽和脂肪酸のエネルギー量が10%*

「*」は、1食分の量を15g以下と表示するものであって当該食品中の脂質の量のうち飽和脂肪酸の含有割合が15%以下で構成されているものを除く

20mg(10mg)かつ飽和脂肪酸の含有量*

1.5g(0.75g)かつ飽和脂肪酸のエネルギー量が10%*

「*」は、1食分の量を15g以下と表示するものであって当該食品中の脂質の量のうち飽和脂肪酸の含有割合が15%以下で構成されているものを除く

糖類

0.5g(0.5g)

5g(2.5g)

ナトリウム

5mg(5mg)

120mg(120mg)

(注) ドレッシングタイプ調味料(いわゆるノンオイルドレッシング)について、脂質の含まない旨の表示については「0.5g」を、当分の間「3g」とする。

本表は栄養表示基準別表第4及び第5を整理したものである。