添付一覧
○精神病院入院患者と来院者との面会に関する疑義照会について
(平成七年九月二七日)
(健医精発第五四号)
(各都道府県精神保健主管部局長あて厚生省保健医療局精神保健課長通知)
標記については、大阪府より管下の精神病院において特に問題のある事例が生じたことから、別紙のとおり照会があり、左記のとおり回答したので、貴職におかれても御了知の上、法運用の徹底に遺憾なきよう期されたい。
記
精神病院入院患者と来院者との面会については、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第三七条第一項の規定に基づく厚生大臣が定める処遇の基準(昭和六三年厚生大臣告示第一三〇号)により、患者と家族、地域社会等との接触を保ち、医療上も重要な意義を有するとともに、患者の人権の観点からも重要な意義を有するものであり、原則として自由に行われることが必要である。
照会のような事例が仮にあるとすれば、貴見のとおり精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第三七条に違反する極めて遺憾なことであり、また、病院が入院患者に院外者との面会を希望しない旨の文書を書かせて面会拒否をするなどといったことがあるとすれば、病院の都合による一方的な解釈であることから、そのような事例を放置することなく、迅速に是正し、入院患者の人権の保護を図るよう、指導監督の徹底強化を図られたい。
なお、病状の悪化を招き、あるいは治療効果を妨げる等、医療又は保護の上で合理的な方法及び範囲における制度は、個々の患者の医療又は保護の上での必要性を慎重に判断して行われる場合においては、もちろん認められるものであり、より良い精神医療の確保という趣旨にのっとった基準の運用に努められたい。
別紙
精神病院入院患者と来院者との面会に関する疑義について
(平成七年九月一八日健第六四二号)
(厚生省保健医療局精神保健課長あて大阪府環境保健部長照会)
精神病院入院患者と来院者との面会については、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第三七条第一項の規定に基づき厚生大臣が定める処遇の基準(昭和六三年厚生大臣告示第一三〇号)の「第二 通信・面会について」において、「精神病院入院患者の院外にある者との通信及び来院者との面会は、患者と家族、地域社会等との接触を保ち、医療上も重要な意義を有するとともに、患者の人権の観点からも重要な意義を有するものであり、原則として自由に行われることが必要である。」「通信・面会は基本的に自由であることを、文書又は口頭により、患者及び保護者に伝えることが必要である。」「電話及び面会に関しては患者の医療又は保護に欠くことのできない限度での制限が行われる場合があるが、これは、病状の悪化を招きあるいは治療効果を妨げる等、医療又は保護の上で合理的な方法及び範囲における制限に限られるものであり、個々の患者の医療又は保護の上での必要性を慎重に判断して決定すべきものである。」とされています。
ところで、次のような事例は、この基準に反するものであると思われますが、貴職の見解を伺いたく照会します。
記
1 個々の患者の病状に関わりなく、日曜及び祝日を面会日にしないなど、特定の日の全日において来院者の面会を受け付けなかったり、面会の自粛を要請したりすること。
あるいは、面会受付時間について、一般の医療機関が昼間の一定時間に設定しているものと比べて著しく短い時間を設定すること。
2 都道府県及び地方法務局その他の人権擁護に関する行政機関の職員並びに患者の代理人である弁護士及び患者又は保護者の依頼により患者の代理人となろうとする弁護士以外の者に対し、保護者又は扶養義務者の承諾書を提出しなければ面会を認めない、あるいは、保護者が面会をさせないでほしいとしている場合には面会を認めない旨の取扱いをすること。
3 治療上のやむを得ない理由がないにもかかわらず、面会の申し込みに対し、面会者が患者の意思を直接確認する機会を与えずに、患者が会いたくないと言っているなどと伝えて面会を拒むこと。