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○精神保健福祉法による措置入院患者及び結核予防法による命令入所患者に対する国民健康保険の住所地主義の特例に係る取扱いについて

(平成七年六月二六日)

(健医感発第五三号、健医精発第三二号)

(各都道府県・各政令市・各特別区衛生主管部(局)長あて厚生省保健医療局エイズ結核感染症課長、精神保健課長通知)

国民健康保険法第一一六条の二に規定する社会福祉施設入所者に対する国民健康保険の住所地主義の特例は、健康保険法等の一部を改正する法律(平成六年法律第五六号)により創設され、平成七年四月一日より実施されているが、国民健康保険法等の一部を改正する法律(平成七年法律第五三号)により、新たに、精神保健及び精神障害者の福祉に関する法律(以下「精神保健福祉法」という。)第二九条第一項の規定による精神病院への入院措置が採られた者、及び結核予防法第二九条第一項の規定による結核療養所(結核患者を収容する施設を有する病院を含む。以下同じ。)への入所命令がされた者がこの特例に加えられ、平成七年七月一日より施行されることとされている。

この特例に係る取扱いについては、別添のとおり、本日付け保険発第一〇一号各都道府県民生主管部局長あて厚生省保険局国民健康保険課長通知「社会福祉施設入所者に対する住所地主義の特例の創設についての一部改正について」をもって示されたところであるが、この特例の趣旨、内容及び留意事項については左記のとおりであるので、御了知の上、貴管下市町村及び関係医療機関に周知を図られたい。

なお、本通知については、厚生省保険局と調整済みであることを申し添える。

一 国民健康保険の住所地主義の特例の趣旨及び内容

国民健康保険の適用は、住所地の市町村で行われているため、従来、被保険者が社会福祉施設へ入所措置されたことにより、その施設の所在地の市町村に住所が移った場合には、施設所在地の市町村の国民健康保険の被保険者となり、施設所在地の市町村の国民健康保険の負担が重くなるという問題が生じていた。このような市町村間における医療費負担の不公平を是正するため、社会福祉施設の入所者であって、措置により他の市町村から転入してきた者については、当該他の市町村が行う国民健康保険の被保険者とすることとする特例が創設され、この特例は、平成七年四月一日以降に当該措置により住所地が移転する者から適用されているところである。

精神病院や結核療養所への入院は、必ずしも長期にわたるものではないが、一年以上の長期にわたる入院が継続し、結果的に住民票の住所が病院の所在地に移転することもあるため、今般、精神保健法及び結核予防法の公費負担医療の保険優先化により、医療機関所在地の市町村保険者の負担が一部増加することを踏まえ、この国民健康保険の住所地主義の特例に、精神保健福祉法による精神病院への入院措置が採られた者及び結核予防法による結核療養所への入所命令がされた者が加えられ、平成七年七月一日以降にこれらの措置により住所地が移転する者から適用されることとされたものであること。

二 留意事項

(一) 精神保健福祉法第二九条第一項の規定による精神病院への措置入院又は結核予防法第二九条第一項の規定による入所命令が行われて、それが長期間継続したため、措置又は命令の際、ある市町村の区域内に住所を有していたと認められる者が、他の市町村の区域内に住所を有するに至った場合は、国民健康保険の適用については、国民健康保険法第一一六条の二の規定の適用を受け、当該他の市町村が行う国民健康保険の被保険者となる。

この場合に、被保険者が当該規定の適用を受けるに至ったときは、国民健康保険法施行規則第五条の二に基づき、入院措置又は入院命令がなされた際現に当該被保険者が属していた世帯の世帯主及び当該措置又は命令により当該被保険者が属することとなった世帯の世帯主は、それぞれ、一四日以内に、市町村に届出を行わなければならないこととされている。

そこで、この事務の円滑実施を図るため、当該措置又は命令を行った都道府県(政令市及び特別区を含む。以下同じ。)の精神保健担当課又は結核予防担当課は、国民健康保険の被保険者である者について、当該措置又は命令を行ってから一年を経過するまでの間に当該措置又は命令が解除されていないときはその一年を経過する前に(当該措置又は命令を行った際一年以上の入院が見込まれる場合にはその措置又は命令の際速やかに)、その都道府県の国民健康保険担当課を通じ又は直接に、当該措置又は命令を受けた者の従前の住所地の市町村の国民健康保険担当課に対し、以下の事項を連絡されたいこと。

① 当該措置又は命令に係る者の氏名

② 当該措置又は命令を行った年月日

③ 病院等の名称及び所在地

(二) また、法第一一六条の二の規定の適用を受けていた者に係る入院措置又は入所命令措置を解除した場合も、当該措置を解除した都道府県の精神保健担当課又は結核予防課は、国民健康保険担当課を通じ又は直接に、速やかに当該措置を受けた者の従前の住所地を区域内に有する市町村の国民健康保険担当課に、以下の事項を連絡されたいこと。

① 当該措置又は命令の解除に係る者の氏名

② 当該措置又は命令の解除を行った年月日

③ 病院等の名称及び所在地

(三) 従来より、精神病院及び結核療養所においては、入院者に係る国民健康保険の各種手続きについて必要に応じ、助言、代行等の御協力をいただいているところであるが、今般、国民健康保険の住所地主義の特例制度が創設されることに伴い、その適用を受ける者については、国民健康保険の各種届出、申請等を行う相手先は、その者の保険者、すなわち、その者が入院又は入所前に住所を有していた市町村となるので、引き続き協力を得られるよう、都道府県等においては、その旨を精神病院及び結核療養所に周知すること。