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○精神病院における指導監督等について
(平成一〇年一〇月二日)
(障第五八九号)
(各都道府県知事・各指定都市市長あて厚生省大臣官房障害保健福祉部長通知)
精神病院に対する指導監督等については、従来から適正な実施をお願いしているところであるが、先般、国立療養所犀潟病院において、措置入院中の患者の死亡事例があり、新潟県で調査を行ったところ、入院患者の身体的拘束、隔離に際して、厚生省令で定める必要事項のうち診療録に記載されていない事例や精神保健指定医の診察の記録がなく身体的拘束を行っていた事例等が判明したため、新潟県が、同病院に対して精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和二五年法律第一二三号。以下「精神保健福祉法」という。)第三八条の七第一項の規定に基づき、処遇改善命令を行うという事態が発生した。
国立の医療機関において、このような事態が生じたことは誠に遺憾であり、厚生省としては、今後とも適切な医療の確保に努めていくこととしている。
各都道府県、指定都市におかれても、左記に留意し、人権に配慮した適切な精神医療が確保されるよう引き続き配慮されたい。
記
1 精神病院に対する指導監督等の徹底について
各都道府県・指定都市においては、管下医療機関に対し、このようなことが起こらないよう周知徹底を図るとともに、平成一〇年三月三日障第一一三号・健政発第二三二号・医薬発第一七六号・社援第四九一号厚生省大臣官房障害保健福祉部長、健康政策局長、医薬安全局長、社会・援護局長通知「精神病院の指導監督等の徹底について」及び平成一〇年三月三日障精第一六号厚生省大臣官房障害保健福祉部精神保健福祉課長通知「精神病院の指導監督等の徹底について」の趣旨を踏まえ、管下医療機関に対する一層の指導の強化を図られたくお願いする。
なお、厚生省としては、平成一〇年度中に、従来から「公衆衛生関係行政事務指導監査」の一環として行っている精神保健福祉法の指導監査の際に、直接、精神病院への立入調査を実施し、各都道府県・指定都市が毎年実施している精神病院に対する実地指導方法の確認等を行うこととしている。また、法律上極めて適正を欠く等の疑いのある精神病院に対しては、当該都道府県・指定都市との連携のもとに、厚生省も直接実地指導を実施することとしており、御了知の上、御協力をお願いする。
2 精神病院における問題事例の迅速な対応について
今回の事例については、事実の発端からの対応が遅れ、処遇改善命令を行うまでに相当の日数を要した状況を踏まえ、厚生省としては、国立病院における事件、事故が発生した場合の報告体制について、再度、周知徹底を図ったところである。
今後、各都道府県・指定都市におかれても、管下の精神病院において、入院患者の処遇等に関する事件、事故が発生した場合は、速やかに報告するよう病院管理者に対し周知徹底を図るとともに、当該報告を受けた際には、迅速に対応されたい。なお、このような問題事例が発生した場合には、速やかに厚生省に報告されたい。