添付一覧
○痴呆性老人専門治療病棟及び痴呆性老人デイ・ケア施設の施設整備基準について
(昭和六三年七月五日)
(健医発第七八五号)
(各都道府県知事あて厚生省保健医療局長通知)
痴呆性老人対策の推進については、かねてから特段の御配慮を煩わしているところであるが、今般、痴呆性老人対策の一環に資するため、別添のとおり「老人性痴呆疾患専門治療病棟施設整備基準」及び「老人性痴呆疾患デイ・ケア施設施設整備基準」を定め、昭和六三年度から実施することとしたので、その適正かつ円滑な整備を図られたく通知する。
なお、貴管下市町村、医療法人等の関係機関に対し、貴職から通知されたい。
〔別添〕
老人性痴呆疾患治療病棟施設整備基準
第一 老人性痴呆疾患治療病棟の基本的な考え方
1 老人性痴呆疾患治療病棟の目的は、精神症状や問題行動が特に著しいにもかかわらず、寝たきり等の状態にない痴呆性老人であって、自宅や他の施設で療養が困難な者に対し、これを入院させることにより、精神科的医療と手厚いケアを短期集中的に提供するものであること。
2 老人性痴呆疾患治療病棟を有する医療機関は、痴呆性老人に関する相談、家族に対する在宅療養の指導、痴呆性老人に対するデイ・ケアなどを実施し、地域に開かれた施設として機能するよう努めるとともに、痴呆性老人に対する高度専門医療機関として、地域の医療機関、保健所及び社会福祉施設等と十分に連携を保つものであること。
第二 施設及び設備に関する事項
1 一般原則
(1) 老人性痴呆疾患治療病棟の施設及び構造設備については、本基準のほか、医療法、建築基準法、消防法、老人精神病棟に関する公衆衛生審議会の意見、精神病院建築基準(昭和四四年衛発第四三一号公衆衛生局長通知)等の関係規定を遵守するとともに、日照、採光、換気、清潔、事故防止等につき十分考慮したものとし、入院患者の保健衛生及び安全・防災等につき万全を期すること。
(2) 老人性痴呆疾患治療病棟の環境及び立地については、入院患者の入院生活を健全に維持するため騒音、振動等による影響を極力排除すること。
(3) 本基準は、老人性痴呆疾患治療病棟がその目的の達成するために必要な基準を定めたものであり、当該施設の開設者は、常にその施設、設備及び運営の向上に努めること。
2 規模
(1) 一病棟はおおむね四○~六○床とすること。
(2) 患者一人あたりの病棟面積はおおむね二五平方メートル程度(平成一三年三月一日に既に存するものにあっては、おおむね二三平方メートル以上)とすること。
3 施設に関する基準
(1) 病室
ア 定員は四人以下とすること。
イ 個室はおおむね総病床数の一○%以上設けること。
ウ 患者一人あたりの病室の床面積六・四平方メートル(平成一三年三月一日に既に存するものにあっては、六平方メートル)以上とすること。ただし、個室の場合は、八平方メートル以上とすること。
(2) 観察室
ア ナースステーションに隣接して設けるとともに、ベッド四床程度を収容可能な面積を確保すること。
イ 酸素吸入装置、吸引装置等身体的医療に必要な機器を設置すること。
(3) 生活機能回復訓練室
ア 保有病床数一床あたりおおむね四平方メートル以上の面積を有すること。
イ 生活機能回復訓練に必要な専用のリハビリテーション機器を備えること。
(4) デイルーム
ア ナースステーションから直接観察できる位置に設けること。
イ 生活機能回復訓練室と兼用が可能であること。
(5) 浴室
痴呆性老人の入浴に適した構造・設備、たとえばスロープ付き風呂や特殊浴槽などを有すること。
(6) 便所
ア 入院患者の昼間の行動範囲、夜間の居室からの距離、使用頻度等に配慮し、適切な箇所数設けること。
イ 痴呆性老人の使用に適した構造・設備、たとえば手すりなどを有すること。
ウ 汚物洗浄用の温水シャワーを付設することが望ましいこと。
(7) 在宅療養訓練指導室
ア 家族に対して、痴呆性老人の日常生活介助の指導・訓練を行うのに必要な浴室・便所等を設置すること。
イ 家族が宿泊できるようにすること。
ウ 面積は、二○平方メートル以上とすること。
(8) 廊下
ア おおむね全長五○メートル以上の回廊部を有すること。
イ 両側に病室がある廊下の幅は、内法を二・七メートル(大学附属病院(特定機能病院及び精神病床のみを有する病院を除く。)並びに内科、外科、産婦人科、眼科及び耳鼻いんこう科を有する一〇〇床以上の病院にあっては二・一メートル)以上、その他の廊下の幅は内法をおおむね一・八メートル以上とすること。
ウ 入院患者の安全を確保するため、段差の解消、手すりの設置等に留意すること。
(9) その他
いわゆる保護室は必要としない。
4 構造整備の基準
(1) 老人性痴呆疾患治療病棟は、原則として一階に設置することとし、二階以上の場合は、エレベーターを設置するほか、直接屋外へ通ずる避難路を備えること。
(2) 建築基準法第二条第九号の二に規定する耐火建築物であり、消防法第一七条の規定に基づく消防用設備等を設置すること。
(3) 空気調和設備等により、施設内の適温の確保に努めるとともに、換気による臭気対策に配慮すること。
(4) 新築の場合は、天井高を二・七メートル以上とすること。
(5) 床材は滑りにくく、衝撃吸収性が高いものを使用すること。
(6) 窓には、いわゆる鉄格子を設置しないこと。
(7) 高さが簡単に調節できる寝台(ギャッヂベッド)、車椅子、ストレッチャー等の設備を必要数確保すること。
老人性痴呆疾患デイ・ケア施設施設整備基準
第一 老人性痴呆疾患デイ・ケア施設の基本的な考え方
老人性痴呆疾患デイ・ケア施設は、地域に開かれた施設として、在宅の痴呆性老人やその家族に対する支援、通院医療の普及、老人性痴呆疾患治療病棟から退院した患者の継続的医学管理の確保と退院の円滑化等を図ることを目的に、精神症状や問題行動が激しい痴呆性老人を対象とするデイ・ケアを実施し、生活機能を回復させるための訓練及び指導、家族に対する介護指導等を実施するものであること。
第二 施設及び整備に関する事項
1 一般原則
(1) 老人性痴呆疾患デイ・ケア施設の施設及び構造設備については、本基準のほか、医療法、建築基準法、消防法等の関係規定を遵守するとともに、日照、採光、換気、清潔、事故防止等について十分考慮したものとし、通所者の保健衛生及び安全・防災等につき万全を期すること。
(2) 本基準は、老人性痴呆疾患デイ・ケア施設がその目的を達成するために必要な基準を定めたものであり、当該施設の開設者は、常にその施設、設備及び運営の向上に努めなければならない。
2 規模
(1) 当該施設の面積は、六○平方メートル以上とし、かつ利用者一人あたりおおむね四平方メートル以上とすること。
(2) 一回のデイ・ケアの利用者は、二五名以内とすること。
3 施設に関する基準
(1) デイ・ケアに必要なリハビリテーション機器を備えること。
(2) 便所
ア 一箇所以上設置すること。
イ 痴呆性老人の使用に適した構造・設備、たとえば手すりなどを有すること。
ウ 汚物洗浄用の温水シャワーを付設することが望ましいこと。
(3) その他
デイ・ケア利用者のための休憩室を設けること。
4 構造整備の基準
(1) 老人性痴呆疾患デイ・ケア施設は、原則として一階に設置することとし、二階以上の場合は、エレベーターを設置するほか、直接屋外へ通ずる避難路を備えること。
(2) 建築基準法第二条第九号の二に規定する耐火建築物であり、消防法第一七条の規定に基づく消防用設備等を設置すること。
(3) 空気調和設備等により、施設内の適温の確保に努めるとともに、換気による臭気対策に配慮すること。
(4) 床材は滑りにくく、衝撃吸収性が高いものを使用すること。
(5) 車椅子等の設備を必要数確保すること。
