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○保健所における「食と健康教室」の開催について

(平成二年一一月二二日)

(健医発第一五六六号)

(各都道府県知事・各政令市市長・各特別区区長あて厚生省保健医療・健康政策局長連名通知)

経済の高度成長に伴う国民所得の増大と栄養改善事業の推進等により、我が国の食生活は著しい向上をみるにいたり、国民の平均寿命は大幅に伸長し、人生八〇年時代を迎えている。

しかしながら、他方、社会環境の複雑化に伴う精神的緊張の増大、モータリゼーション等の進展による運動不足、そして、一部の栄養素の過不足などが問題となっており、国民の日常生活は多くの健康阻害要因に取り囲まれている。

さらに、人口の高齢化に伴い、がん、心臓病、高血圧、糖尿病などいわゆる成人病が増加しているが、成人病は日常生活の在り方と密接な関連があることから、食生活を中心とする日常生活をより健康的なものとすることが必要になっており、このための具体的な施策が強く望まれているところである。

このため、今般、保健所における保健栄養指導業務として実施してきた「保健栄養学級」の内容を充実し、栄養指導・食生活改善を中心として運動、休養の適正な在り方についての具体的な指導を行い、地域住民の健康増進への意識を高めるとともに、日常的な健康生活を実践的に普及することにより、国民の健康増進を図ることを目的として、別紙要綱による「食と健康教室」を開催することとしたので御了知のうえ、同教室の開催を推進されるとともに地域住民への健康増進の普及を一層図って頂きたい。

なお、本通知の実施に伴い、昭和四五年九月九日衛発第六四三号厚生省公衆衛生局長通知「保健所における保健栄養学級の開催について」は廃止する。

別紙

食と健康教室実施要綱

1 趣旨

地域住民の健康づくり対策の一環として栄養の指導を中心として運動、休養の在り方についての具体的な指導を行い、地域住民の健康増進への意識を高めるとともに、日常的な健康生活を実践的に普及することにより国民の健康増進を図ることを目的とする。

2 実施主体

都道府県、政令市及び特別区

3 対象者

(1) 主婦を中心とした地域一般住民

(2) 高血圧、肥満等の成人病予防に関し、栄養指導を必要とする者

(3) 地域における栄養改善、健康づくりに関する組織活動のリーダーであって、この事情を実施する保健所管内の市町村長の推薦を受けた者

4 実施方法

本事業は、「食と健康教室」と称し、管内の市町村、医師会、婦人会その他の関係団体の協力を得て、保健所において地域特性に応じて地域住民の日常生活に即した指導を行うとともに、その効果が地域社会に十分浸透するように努めるものとする。

実施については、次により行うものとする。

(1) 講習期間及び受講人員

一日間(午前講義、午後実習)、一開催当たり五〇人程度とする。

(2) 講習内容

次の項目を参考として、地域の実情に即した効果的な方法により実施するものとする。

ア 3(1)の内容

(ア) 適正な生活習慣(栄養、運動、休養の関連)の在り方と「健康づくりのための食生活指針」(以下「指針」という。)の啓発・普及

(イ) 日常生活における運動の実践

イ 3(2)の内容

(ア) 高血圧、肥満等の成人病予防等のための食生活を中心とした適正な生活習慣の在り方

(イ) 成人病予防等のための運動の実践

ウ 3(3)の内容

(ア) 地域における健康づくり(栄養、運動、休養の関連)の在り方とその進め方

(イ) 「指針」の地域住民への啓発・普及

(ウ) 健康づくりのための運動実践の進め方

(3) 教材

「指針」等を使用するものとする。

(4) 講師

講師は、医師、栄養士、保健婦、健康運動指導士等とする。

(5) 実施場所及び時期

実施場所は、参加者が運動実践ができる場所を確保して行うこととし、実施時期については、地域の実情を考慮して選定し、事業が効果的に行われるよう努めるものとする。

5 経費の負担

都道府県、政令市及び特別区がこの実施要綱に基づき実施する事業に要する経費については、厚生大臣が別に定める「保健所経理事務合理化特別措置法関係経費の国庫負担及び国庫補助金交付要綱」に基づいて、予算の範囲内で国庫補助を行うものとする。