添付一覧
○保健所における精神保健業務中のデイ・ケア事業について
(昭和六二年九月二四日)
(健医発第一〇八四号)
(各都道府県知事・各政令市市長・各特別区区長あて厚生省保健医療局長通知)
保健所における精神衛生業務は、昭和四一年二月一一日衛発第七六号厚生省公衆衛生局長通知「保健所における精神衛生業務について」に基づいて実施されているところであるが、近年の我が国の精神医療・精神保健をめぐる状況には大きな変化がみられ、医学の進歩等に伴い入院中心の治療体制から地域中心の体制への転換と精神障害者の社会復帰の促進が強く求められている。
このため、今般、保健所の精神衛生に関する業務の一環として、別紙「保健所における精神衛生業務中のデイ・ケア事業実施要領」により、精神障害者の社会復帰の促進を一層図ることとしたので、その円滑な実施について、遺憾のないよう御配意願いたい。
別紙
保健所における精神保健業務中のデイ・ケア事業実施要領
一 目的
回復途上にある精神障害者の社会適応を図るため、保健所における精神保健に関する業務の一環として、医学的な管理のもとにデイ・ケア事業を実施し、回復途上にある精神障害者の社会復帰の促進を図ることを目的とする。
二 実施保健所
保健所の選定に当たつては、原則として社会復帰相談指導事業を実施している保健所とし、社会保険診療報酬における「精神科デイ・ケア」の承認を受けている医療機関が地域にないこと、又はあつても地域のニーズに応ずる余裕がないこと等により、回復途上にある精神障害者が医療機関における「精神科デイ・ケア」を利用することが期待できない地域の保健所とする。
三 実施体制の整備
実施保健所は、デイ・ケア事業の適正かつ円滑な運営を図るため、昭和四一年二月一一日衛発第七六号厚生省公衆衛生局長通知「保健所における精神保健業務について」別紙の「保健所における精神保健業務運営要領」(以下「運営要領」という。)第一の2による企画会議等の開催によつて、この事業の目的に沿つた活動ができるように所内の実施体制を整備するとともに、必要に応じて精神保健センター等の参加協力を得て、デイ・ケア事業の円滑な実施を図るものとする。
四 デイ・ケア事業の内容
デイ・ケア事業の内容は、医学的な管理のもとに行う、作業指導、レクリエーション活動、創作活動、生活指導等とする。
五 事業の実施方法
(一) デイ・ケア事業の対象者
保健所長は、回復途上にある精神障害者であつて、本人が希望し、かつ、デイ・ケアを実施することにより効果が期待できると判断される精神障害者をデイ・ケア事業の対象者とする。
(二) デイ・ケア事業計画の策定
デイ・ケア事業計画の策定に当たつては、医師(精神科嘱託医を含む。)作業療法士(雇上)、臨床心理技術者(雇上)、精神科ソーシャルワーカー(雇上)等を含む運営要領第一の2による相談指導業務担当者会議又は関係者連絡会議において、対象者の状況、家族の状況及びデイ・ケアの方法、内容等の検討を行い、一定数(一回一五名程度)以上の対象者が週三日以上のプログラム(別添参照)に応じてデイ・ケアが受けられる計画を策定するものとする。
(三) デイ・ケアの実施
対象者に対するデイ・ケアは、医師(精神科嘱託医を含む。)、作業療法士(雇上)、臨床心理技術者(雇上)、精神科ソーシャルワーカー(雇上)、精神保健相談員、保健婦等により、対象者に応じたプログラムに沿って実施するものとする。
六 関係機関等との連絡協調
本事業は、精神科医療機関及び精神障害者の社会復帰に関係する行政機関等との緊密な連絡、協調のもとに、これを実施するものとする。
七 経費
本事業に要する経費については、別に定めるところにより補助するものとする。